夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「カクテルの名は・・・死への誘(いざな)い」

2006-12-27 00:45:39 | 自作の小説

その女は夜遅くに現れる

白く透き通った絹の肌 金色の瞳

豊潤な赤ワイン色の唇 極上の美女

噂の女見たさに深夜の客が増える

特製のカクテルを一杯だけ味わい 女は店を出ていく

釣られるように ふらふら追いかける男もいる

そうした男は 再び店に姿を現わすことはない

美女の接吻は死の誘い あまやかなくちづけは 命の流れを探る

彼女は見つめ 選び 微笑むだろう

一瞬の歓喜 永遠(とわ)の死

凍り付き沈黙する時間 夜の美女の唇ますます紅く つややかに輝き 新しき血を求める

噂の美女の姿見たさに また新しい客が店の扉を開く

店の者は美女の専用カクテルを作る

新鮮な血ベースのそれを


「死に焦がれつつ」

2006-12-27 00:18:39 | 自作の詩

一歩踏み出す勇気

前へ 明日へ

少しずつでも進めば 進んでいたら いつか目的地へ到着するのだ きっと

ただ 現在(いま)は すっかり疲れてしまい もう足が動かない

心臓も悲鳴をあげる

まだ 生きないといけないだろうか

私は いつまで人間のふりをすれば いいのだろう

貴方が死んでから 私という人間は 何処か壊れてしまった

貴方を愛していた 愛していた

そこに 存在し(い)てくれるだけで良かったのに

あれから長い永い時間が過ぎ 私の上に降り積もった

それでも心の芯が悲鳴をあげ続ける

どうして どうして

私を置いて死んだの

貴方にだけは 何があろうと生きていてほしかったのに

私は前へ進めない

過去へ過去へ 心は 死んだ貴方へ縛り付けられ

何処へも行けはしない

貴方という目的地を喪い 私の心は永遠に迷子のまま 彷徨い続ける


藤原緋沙子著「照り柿」徳間文庫

2006-12-26 23:51:45 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「照り柿」徳間文庫
行方不明の妻を捜す為 浪人となった青柳新八郎 生きる為 少し覚えがある腕を生かし用心棒や相談事を引き受ける 浄瑠璃長屋春秋記 シリーズ第一作

「盗まれた亀」 当たると評判の女占い師の大切な亀が盗まれた 恨みに思う者の仕業なのだろうか

「弦月」 美しい娘の気をひこうと必死な男は せこい芝居を考える でも悪党の企みがあって

「花もみじ」 口達者なご隠居がさらわれた 恨みを持つ人間の仕業らしい

「照り柿」 父の敵討ちをせんが為 頑張る少年の姿は 幼くして死んだ息子を 新八郎に思い出させる 人を陥れ 死なせることに 何の痛痒も感じない卑劣な男へ 正義の裁きはくだるのだろうか


藤原緋沙子著「雪見船」廣済堂文庫

2006-12-26 01:39:15 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「雪見船」廣済堂文庫
「冬の鶏」 離縁を願う後妻 絵に狂い武士を捨てた男 身投げした先妻 その死の裏にあるものとは―

「塩の花」 醜女の家つき娘である妻と別れたいと願う男は 知らず陰険な企みに踊らされていた

「侘助」 妻を好色な相手に差し出すことで取引を有利にする男 幼馴染みの若者は その人の幸せを願う

「雪見船」 失った記憶がよみがえると― 過ぎた時間は取り戻せないけれど

隅田川御用帳シリーズ十一作目


ある夜の猫

2006-12-26 01:21:42 | ペット

ある夜の猫
う・・・動いたな 動いてしまったな 可奈

み・・・見ろ!妖怪写真になっちまったではないべか

テーブルの下で怪しい物音が 見れば 飲み物のパックについてるミニ細ストローを私物化し 怠惰に寝そべりながら 転がして遊んでました しゃった―ちゃんすを逃してしまった写真です(笑)


中山星香「妖精国の騎士」54 秋田書店

2006-12-26 01:01:33 | 本と雑誌

中山星香「妖精国の騎士」54 秋田書店
中山星香「妖精国の騎士」54 秋田書店
ついに完結です 20年間の連載

ここまで続くとは! 男女の双子の国アルトディアスが滅ぼされ・・・生き残った兄妹(二人は銀 光の剣のそれぞれのつかい手―マスター―でもあります)が 陽の剣のマスターのアーサーと力を合わせ 人々を導き 平和な世を招く 数多の苦難を乗り越えて・・・

登場人物がほとんど美形という物語

質の高いファンタジーです 剣と魔法の物語

アニメ化 もしくは実写版にすれば どうなるのだろう

ああ・・・だけど生身の俳優さんでは この人間離れした美しさは再現できないかも

プリンセスゴールドにて 「妖精国の騎士」その後の物語が掲載されるとか 楽しみです


青池保子「エロイカより愛をこめて」34 秋田書店

2006-12-26 00:41:22 | 本と雑誌

青池保子「エロイカより愛をこめて」34 秋田書店
青池保子「エロイカより愛をこめて」34 秋田書店
シリウスのたくらむテロを阻止すべくクラウス・フォン・エーベルバッハ少佐は チャチャ入れる泥棒伯爵やフランス人Qすら 巧みに利用しつつ 変装などで楽しませてくれる すだれ頭のとぼけた執事も健在

「ケルトの幻想 マダムの妄想」なる怪作も収録

華麗なる泥棒貴族のお話だったんです 確か最初は


潮見千佳「KEY JACK」6 秋田書店

2006-12-26 00:30:36 | 本と雑誌

潮見千佳「KEY JACK」6  秋田書店
どんな鍵でも開けてみせる キージャックと呼ばれる男 彼を愛する女装すれば美女の男

金銀財宝に目がないシスター

風変わりすぎる登場人物が織り成す物語

ギャグとシリアスの間が絶妙・・・

そこにあるのは 愛と友情のはず たぶん!?


藤原緋沙子著「宵しぐれ」廣済堂文庫

2006-12-25 21:57:28 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「宵しぐれ」廣済堂文庫
隅田川御用帳シリーズ第四作

「闇燃ゆる」 けなげに生きていた娘が殺された 影には死んだはずの男 縁切り寺の御用宿にて用心棒する十四郎 娘の無念を晴らそうと― 賢い犬 ごん太頑張る 「釣忍」 おかしな心中事件の影には やはり悪い奴 犯人の証拠をあげるため命を落とす女

「ちぎれ雲」 はしにも棒にもかからない娘 なぜ身代が傾きかけたか気付かぬ姑 別れたい―そう言う女の心の真実は?!

「夏の霧」 金五の女道場主への片恋 凶悪な盗賊

女道場主の仇討ち

さてさて男の純情は―


藤原緋沙子著「おぼろ舟」廣済堂文庫

2006-12-24 09:58:13 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「おぼろ舟」廣済堂文庫
隅田川御用帳シリーズ第五作

前の将軍 家治の寵愛を受けた万寿院の縁切り寺 その御用と意を受けた橘屋お登勢 そこの用心棒 十四郎が やむにやまれぬ どうしようもない そんな運命を少しでも良い方向へ進めないか 尽力する

「鹿鳴の声」 船が遭難しやっとの思いで帰った男 夫婦の約束した女はどこに? 強欲な養子夫婦の心を見た隠居おむらは・・・

「赤い糸」 お朝は姑のえげつないイビリぶりが耐えられず縁切り寺へ駆け込んだ 別れた夫が身を持ち崩そうとしているのに気付き?!

「砧」 別れた母を捜す男 夜鷹が母ではと 否定する女 おっかさんの為に悪い奴は退治せねば! だが彼は斬られ―

「月の弓」 縁切り寺に駆け込んだ女 しかし離縁より別の狙いがありそうだった

それは夫婦の馴れ初めの因縁につながり―

作者は脚本家として「長七郎江戸日記」「親子鷹」「鞍馬天狗」「部長刑事」「京都妖怪地図」「刑事ガンさん」「はぐれ刑事」などに関わり 作家としては2002年11月のデビューながら 次から次へ作品を発表し 既に作品累計が100万部を突破したとか

この隅田川御用帳シリーズだけでも11作を越えております

宮尾登美子先生 山本一力先生と同じ高知県生まれ

そして小松左京先生主宰「創翔塾」出身とか ずっと原稿用紙に向かっておられるのでしょうか 凄い作品数だと思います


藤原緋沙子著「春疾風」講談社文庫

2006-12-23 15:58:11 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「春疾風」講談社文庫
見届け人秋月伊織シリーズ第2作

「寒紅」 地蔵がすすり泣く話を買ってくれと 若い娘お波は言った 恩人の為 身を売っても十両の金を作るのだと必死になるが

「薄氷」 潰された店 不遇のうちに死んだ恩ある主人 なんとか一矢報いたいと命を懸ける若者だが―

「悲恋桜」 改易となり離縁した夫婦 自分が逃げた為 妻が乱暴狼藉を受けた 弱い夫は相手に一太刀なりとも浴びせようと 弱いなりに思いつめる

「春疾風」 生活の苦しさ おいつめられ越訴えをしようとするも 次から次に殺されて― 長屋暮らしを始める伊織

はりきるお藤の声が明るい


藤原緋沙子著「遠花火」講談社文庫

2006-12-23 12:52:01 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「遠花火」講談社文庫
見届け人秋月伊織事件帖シリーズ第一作

江戸の噂の真偽を確かめ記した日記など売る 相談にも乗る変わった本屋「だるま屋」 店主は吉蔵 それと姪で美人のお藤が切り盛りし 旗本の弟 伊織に 元岡っ引きの長吉 浪人土屋などで 情報を調べ見極める 「遠花火」 女にたらしこまれ 悪巧みに嵌まった男

卑怯な罠をはね返せるか見届け人

「麦笛」 力を嵩にきた役人 惨殺された者達の無念を 見届け人が晴らしてやる

「草を摘む人」 命を狙われる尼僧 薄倖の佳人を救うに力を貸す見届け人

「夕顔」 名をださず女を身請けしてほしい

その風変わりな依頼には 哀しい事情があった

卑劣な男の我欲の為に運命が狂った男女

しあわせは来るのだろうか


藤原緋沙子著「白い霧」光文社

2006-12-23 00:01:05 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「白い霧」光文社
渡り用人 片桐弦一郎控シリーズ

藩が取り潰しとなり舅は切腹 その娘である妻も自害 浪人となり長屋暮らしの弦一郎は 過去の身分をかわれ 旗本の臨時の雇われ用人となる 借金だらけ 当主は病身 後継ぎ息子は ごろつきよりタチ悪い連れもいて 更なる借金をかかえようとしている

さてさて 弦一郎 無事に勤めあげ 給金を得ることができるのか―

大家の娘で出戻りのおゆきは 弦一郎を好いているようですが

シリーズは始まったばかりです


藤原緋沙子著「潮騒」徳間文庫

2006-12-22 23:50:50 | 本と雑誌

藤原緋沙子著「潮騒」徳間文庫
浄瑠璃長屋春秋記シリーズ第2作 突然行方不明となった妻を捜し 家督を弟に譲り 江戸で暮らす青柳新八郎

生きる為 口入れ屋から仕事をもらう

「潮騒」 義父の墓参りで 泣き崩れる女性を見る 娘は冤罪で店を追われた美濃吉を好いていた悲しみの余り死んだという かたや娘を売り贅沢をする夫婦 そんな夫婦へ娘を返すわけにはいかないという人物は実は・・・

養女をあくまで食い物にする武家の妻女 強欲限りなし―です

「雨の声」 妻から三年前に託された手紙を届けに江戸へ出てきた男 娘に勤める店の若旦那との縁談があるという が 娘は何かに怯えていた

「別れ蝉」 これから騒動のもととなりそうな 美人のお夏登場 かなり飽きやすい 惚れっぽい性格のようです 同じ長屋のお八重さんも新八郎を憎からず思っており 消息不明の新八郎の妻の行方も気になります