死の向こう岸に在(あ)りても 割れるよに開くか曼珠沙華 夜の闇の彼方 ただ赫く群れて咲く
魂伴う明かりの行列
ー赤い花なら曼珠沙華ー 古い歌が口をつき それと共に想い出す
「曼珠沙華には近づいては だめ あれは 毒があるのですよ」
細い項(うなじ)も淋し気な人の言葉
毒など恐れる理由にはならぬ 近付いて摘んではならぬ理由にはならぬ
毒ならば 何故 共に飲み干せなかったのか
たとえ滅ぼうと 何ら悔いはなかったはずを
かの人は 独りで死んだ
曼珠沙華は わたしの罪を思い出させる
「あなたは いいのです 生きて・・・下さいな」
愛しい愛しい曼珠沙華 秋訪れるごとに かの人の化身の如き花も咲く
かの人の流した血の紅(くれない)と同じ色
どこへ移り住んでも庭に一輪 緋の色の花が咲き
もう朧(おぼろ)な面影のかの人と わたしは夢の中で逢う
ああ いっそ わたしを許せ 連れて行け
その魂の在(あ)ると同じ処へと
魂伴う明かりの行列
ー赤い花なら曼珠沙華ー 古い歌が口をつき それと共に想い出す
「曼珠沙華には近づいては だめ あれは 毒があるのですよ」
細い項(うなじ)も淋し気な人の言葉
毒など恐れる理由にはならぬ 近付いて摘んではならぬ理由にはならぬ
毒ならば 何故 共に飲み干せなかったのか
たとえ滅ぼうと 何ら悔いはなかったはずを
かの人は 独りで死んだ
曼珠沙華は わたしの罪を思い出させる
「あなたは いいのです 生きて・・・下さいな」
愛しい愛しい曼珠沙華 秋訪れるごとに かの人の化身の如き花も咲く
かの人の流した血の紅(くれない)と同じ色
どこへ移り住んでも庭に一輪 緋の色の花が咲き
もう朧(おぼろ)な面影のかの人と わたしは夢の中で逢う
ああ いっそ わたしを許せ 連れて行け
その魂の在(あ)ると同じ処へと