夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

夏でもないのに・・・

2007-01-30 22:46:45 | 子供のこと身辺雑記

夏でもないのに・・・
お風呂上がりで暑いからと かような格好でパソしてる娘

ただでさえ短い髪を邪魔だとくくり 雀の尻尾のような髪型に

湯上がりでもスパッツと綿入れの私

いいわね~若いって

しかし娘よ それで風邪ひいたら間抜けだぞ


茅田砂胡著「ソフィアの正餐会」中央公論新社

2007-01-30 01:48:31 | 本と雑誌

茅田砂胡著「ソフィアの正餐会」中央公論新社
茅田砂胡著「ソフィアの正餐会」中央公論新社
クラッシュ・ブレイズ シリーズ

死んでも復活するし 老若男女 なんでもなれちゃうルゥが 今回は女学生に シェラ(男)も同じ女子校に生徒として潜入 相棒リィは隣りの男子校へ転校

女子校の妊娠してしまい心の病気にもかかってしまった少女の事件を探るのだった

海賊と女王夫婦も巻き込んで はたしてルゥの真意は何処にあるのか?!

しっかり仕返し

楽しい作品です

あとがきによれば次作では強すぎる海賊と女王夫婦が大暴れするとか

とても楽しみです


夜の片手間に・・・

2007-01-29 23:43:49 | 食・レシピ

夜の片手間に・・・
夜の片手間に・・・
一つの鍋には厚揚げ・コンニャク・平天・薩摩揚げ・じゃがいも

大きい鍋には鶏肉・大根・スジ・茹で卵・竹輪・はんぺん・餅巾着など入っております

入院中の母が「おでんが食べたい」と言うので 夜病院帰りに買物してきました 丁度大根もスジも安くラッキーでした 明日の朝 生姜醤油を添えて持って行きます 料理するのは好きなので 何を作るか決まっていると余り苦にはなりません

何を作ろうか―と悩むのが しんどいですね 作りたい料理と家族の好き嫌いが一致しない時もありますし

さっき長男が「美味しそうな匂いがする」と覗きにきました ひと晩おいたら 味がしみて うまく食べ頃になるでしょうか


「恋模様―珠洲香―6」

2007-01-29 16:01:04 | 自作の小説

『え?』と珠洲香は思った 確認するように橋本を見上げる 狡さ 後ろめたさなど 何処にもなかった あるのは焦り・・・

不思議なくらい珠洲香は落ち着いていた

「私は葉宮珠洲香と言います あなたは?」 橋本さんとどういうご関係?の意味も込めて 自分より年上の女を見詰めた

貴代子は勝手が違った 馴々しくすれば泣いて逃げていくと思ったのだ ―それほど若くはない・・・ということね

橋本が貴代子の手をふり払う

「栄三郎とは昔からの仲だわ 可愛いお尻の黒子だって知っているんですからね この人タフで一晩中凄いの 寝不足になるのよね」

「そうなんですか?まるでロマンス小説のヒーローのようですね」 貴代子の表情に困った自分の立場を忘れ 橋本は吹き出しそうになった

「有難う どなたか存知ませんが おかげで私は自分の気持ちがはっきりしました」

橋本に視線を当て話しかける「過去の無い人間なんていやしません 私は貴方を愛しています いま現在 貴方の中で私の存在が一番であればと 願うばかりです」

貴代子が口をはさんだ「ちょい!こっちは」 「それは橋本さんが決めること 橋本さんを信じていますし それが間違いなら 見る目がなかったのだと自分を辛く思うだけです」

言葉より先に腕が伸びた ただ橋本は珠洲香を抱き締める

道行く人の目も気にしない

「貴代子の事は彼女が他の男と結婚したことで終わっている もう何年も前だ

何かして嫌われたらと手一つ握るにも覚悟がいるほど 君が大事だ 大切に想っている」

完全に二人の世界だった

貴代子を置いて 二人は歩きだす

駐車場近くの暗がりで たまらなくなったかのように橋本は珠洲香を強く抱き締めた 珠洲香の指が遠慮がちに彼の背へ触れたのが引き金のように その唇が彼女の唇に触れ 静かに重なった

唇を放したあとも橋本は暫く珠洲香を抱き締め・・・長い無言の時が過ぎ「送っていくよ」と言った

車内でも沈黙が続き橋を渡れば家というところで 橋本は車を停めた

「できるだけ早く結婚してくれないか・・・でないと・・・」

「でないと?」

「体がもたない」 照れたように言い 珠洲香の指を取り堅くなった自分に触れさせた 「迷ったんだ このまま勢いで何処かへ連れ込もうかと―」

「なぜ?」

「君の夢さ 結婚式の夜に初めて夫に抱かれたいという あれがいつのまにか俺の夢になってる 君が欲しい 触りたい 悲鳴あげるほど 目茶苦茶にしてやりたい」

「されてもかまわないのに―あなたなら」

「誘惑するんじゃない ぎりぎり踏みとどまっているんだから」 橋本はコツンとハンドルに額をあてた

珠洲香は男の指を握り返し自分の胸に押し当てさせた

はっと彼女に向いた男の顔を捕らえ ただ自分の唇を押しつける

今度は男の唇は触れるだけでは我慢せず その舌で彼女の唇を味わった

指は彼女の胸に触れ 自由に動く 重みをはかるように添え きゅっと胸の先をとらえ親指でなぶった 珠洲香の唇から吐息が洩れる 甘い痛みが全身に走った

「いけない人だ 」そう口では言いながら 男の指は 彼女の肌を求めていた

やがて彼女の胸に顔を埋め「駄目だ爆発する」 全身震わせ何かを堪えると 運転席に戻り上を向き 目を閉じて暫く動かなかった 身繕いをする珠洲香を押しとどめ その肌の色 胸の形を記憶する

「今夜は夢で君を抱く たぶん結婚式の朝まで毎夜―」 それから珠洲香の家の前へ車を運ぶ 降りる前 今一度激しい抱擁とキスがあった「このまま何処へ行ってもいいのよ」と珠洲香が誘う

「君も欲求不満に苦しんでくれ」橋本が笑った

一気に駆け上がった後は展開も早く 珠洲香の両親の都合を聞き 仲人をお願いしたい上司を連れ 橋本は家に来た 早々に日取りも決まり前後して 珠洲香は橋本の両親にもあった

時々貴代子からの嫌がらせの電話はあったが それもちょっとした刺激だった

後で橋本が「あの時は驚いた」と言った

「十年前 いえ五年前 ううん三年前の私なら泣いて逃げたかもしれない あの時は自分の気持ちより 貴方を失いたくなかったんです 貴方が一番大切でした」

珠洲香が自分を愛していると言い切った時の驚きと感動

貴代子を前に一歩もひかず逆にたじろがせた意外な強さ

最初 その美しさに魅かれた 仁慶と対等にやり合う気の強さに目を見張り・・・

その美しさを意識していない自信のなさ 何処か無垢なところ

何か会うたびに話すたびに 好きになっていき離れている時間がたまらなくなってきた

恋とは こういうものなのだと

「しあわせにするから」とだけ橋本は言った 美智留と仁慶は時々会っているらしい 早智子と高倉とでのダブルデートとか

そして秋 橋本栄三郎は葉宮珠洲香と結婚した

今ではすっかり落ち着いた遠矢啓介を こっそり指さし「あの人が片恋の初恋の相手なの」と教える

内心 橋本はたじろいだ『いい男じゃないか』

啓介は啓介で何かはかるように橋本を見ていた で妻から背中をつねられる ここは奥さんが強いのだった

それから従姉妹の千尋 夫の一は一見いい男なのにひょうきんで面白かった

啓介は三人の子持ち 千尋のところは二人

「負けないぞ」と橋本が呟く

「え・・・何?」式が終わり 皆に送られて駅で汽車に乗り込みながらの橋本の呟きを 珠洲香は聞き咎めた

指定席に珠洲香を先に座らせながら 橋本は答えた

「子供の数 まず今夜から頑張るぞ!」

すぐさま珠洲香に力強く足を踏まれた

「車両中に聞こえるじゃない」 窓越しに見送りの人達へ にこやかに手をふりながらの器用さ

その耳元で「これをどれだけ楽しみにしていたか 今夜泊まるホテルへの到着時間を秒でカウントしてるんだ」

―あ あほかも?! 「人生の選択早まったかしらん」と珠洲香

「もう遅い」と余裕でニンマリする橋本

この夫婦の将来やいかに?!

遠ざかる列車を見送りながら「人生は もし?の連続かな」と仁慶 その腕をとって「よりよい選択ができたか思案しつつ生きるのも人間よ」そう美智留が言う

言えなかった言葉 想いは暫く仁慶に残るだろう けれどいずれ笑い話になるに違いない

これからも人生は続いていくのだから


「恋模様―珠洲香―5」

2007-01-28 11:09:30 | 自作の小説

珠洲香が橋本への想いを深めつつあった頃

その橋本の前に{過去}が現れた

「お久し振りね」

勤務中の彼に呼び出しかけたのは 昔の女 若い彼に見切りをつけ親の勧める縁談 そちらを選んだ 貴代子だった

「いったい―」

「まだ独身(ひとり)だと聞いて会いにきてあげたのだわ お祝いに」

「何の?」

「わたしが独身に戻った―」貴代子は艶然と笑った 艶やかな赤い唇が 毒々しく感じられる

珠洲香の淡い色の唇が脳裏に浮かんだ 化粧もとれ素のままで 彼の肩に凭れ寝入っていた・・・

「へぇ?」口調にどうでもいいや―という感情を滲ませる

あの頃どうしてあんなに この女性が欲しかったのだろうか

情熱とセックスをはきちがえていたのか

あれは愛ではなかった 今ならわかる ただプライドが傷ついただけだ

「そりゃおめでとさん 幸せを祈る」

さっさか背を向ける

「ちょっと!」地団太踏んで貴代子が叫ぶ「話は終わってないわ」

「俺は終わった」過去はいらない 欲しいものは未来

貴代子はひどい凶相を浮かべた 邪な笑い

昔 若すぎた男 こがれるような視線が心地よかった

年上の夫はあの情熱も体力にも欠けていた

常に満たされぬ思い

飢えひからびていく感じ

その飢えを満たしたくて別れたのかもしれない

愛を見失った女は己の肉体を過信し 情欲へ走る

少し手を伸ばすだけで届く愛に 信じられず躊躇から抜け出せずにいる女 自分でももどかしいほどに 相手の心も自分の心も信じきれずにいる

綺麗な体で夫に抱かれる 結婚して初めて体をゆるす 少女の頃からの夢は狡くはないだろうか

前に経験がないのだ だから怖いのだ―そう話した時 橋本は笑っていた

出会ったその日にホテルへ行く人間も多い時代に

橋本がどれだけ男としての欲望を堪えているか 珠洲香は知らず そうした思いを殺すほどに 彼女が大事なのだと それすら分からないのだった

ただのセックスならば 会って抱いてそれでおしまいだ

橋本は全部ほしいのだった 珠洲香の体も心も人生も

互いに本当の気持ちを言い出せず 会話は途切れがちになる

もどかしい思いのまま二人は食事を済ませ 店を出た

さてこれから 別れたくない 放したくない このままでは―

そんな焦燥にかられる橋本と珠洲香の前に 貴代子が現れたのだった

珠洲香を押し退け 橋本の腕をとり「ここから先は大人の時間よ」と言った


「恋模様―珠洲香―4」

2007-01-26 15:38:58 | 自作の小説

女達を降ろし男達は 高倉の部屋に集まった 一階は肉屋と駐車場 二階から上は住居

肉屋だけに ツマミには事欠かない 高倉聡の部屋のデカい冷蔵庫にはギッシリ何やかや詰まっていた

「な・・・エイザブロ お前 今日は俺達邪魔だったんじゃないのか」 尋ねる高倉に 橋本は「何でよ?」逆に問い返す

「お前の目さ 離したくなさそうなスケベな目をしてた」

「おめぇに言われたかないやね」 橋本は仁慶の頭をこづく

「正直 今までと勝手が違う 手を出して嫌われたら―と 会わないと言われたら―と」

「大事なんだ」確認する仁慶に橋本は半ば駄々っ子のように言った 「どうすればいいか判らない それっくらい好きだ」 「お前がね~」高倉が笑う 仁慶は黙り込んだ

「押して引いて 難しいです 恋愛てな・・・」橋本はぐいとグラス一杯のビールを飲み干した

「羨ましい悩みだよ エイザブロのは」

男三人の酒盛りは 何故かしんみりとし 時間ばかりが流れて行った

―口からビールが溢れだしそうだ― 涼しげな外見から伺いしれぬ声に出せぬ思いの仁慶は 箒を動かしありもしない葉を掃いて 掃除する振りをしていた

「わ!本当にお坊様だったんだ」 明るい声に振り向くと 昨日会ったばかりの美智留がいた

「こんにちは」目がくるくるとよく動く どう結ったのか分からない複雑な髪型をしていた

「都賀尾(つがお)美智留さん・・・」

「正解! 美容室に勤めているわ 今日は休みなの」

「で こんなビンボー寺を見に?変わった人だな」

「あたし お休みは少ないし 仁慶さんをもう少し知りたいと思ったんですもの」

どうやら珠洲香の気持ちが橋本一人に向いていると見極め 美智留は仁慶に少し近付くことにしたのだ

「坊主の生活なんて面白いもんじゃないですよ せっかくだから寺や庭でも見ていきますか?」

「はい!」美智留は満面の笑みを浮かべた

その夜 美智留から珠洲香に電話があった

「楽しかったよ~ 仁慶さんてホント面白い人なんだ 優しいし」

美智留の声が弾んでいた

「良かったね~」 三人の男の仲良さげな様子が甦る 「で 美智留は 仁慶さんが好きなの?」

「狡い言い方だけど 恋にできそうな気がするの

急にお葬式となると美容院とか行く時間困るよね だけど お寺で着付けできて髪も結えたら どうよ?なんてことまで考えてしまうわけ」

「そこまで考えてるんだ」

「例えばよ あたしは普通のお寺の奥さんって無理だと思うの だったらできることで助けて支え合っていきたい―なんて」

美智留の言葉に 珠洲香は圧倒されそうだった

「正直あたし若くないし ひとつ事を始めるにはエネルギーがいるの

失敗しても仕方ないけど格好悪いこと避けようよって気持ちもある なんか面倒臭いんだ」

「だね~」 私達に必要なのは飛ぶ勇気と思いきりなのかもしれない 駄目もとで 真っ向から「好き」とぶつかる

どうしても自分が可愛い 恥はかきたくない 傷つきたくない 嫌な思いをしたくない

でも それでは何も始まりはしないのだ

傷ついても失敗しても それは自分の決めた選んだこと

人はずっと変わらずにはいられないのだ

「頑張って美智留」

私も頑張らなければ

海水浴以来 橋本の事を珠洲香はよく考える 一生は長い

ある程度お金を貯め
橋本の夢を自分の夢として その時の生活で夢も変わるだろうが

生きていけるだろうか?


宮部みゆき著「あかんべぇ」上下 新潮文庫

2007-01-25 21:53:43 | 本と雑誌

宮部みゆき著「あかんべぇ」上下  新潮文庫
宮部みゆき著「あかんべぇ」上下  新潮文庫
死にかけたおりんは三途の川で不思議な人物に出会い 更に亡者に体を治してもらう

おりんは亡者が見えるようになった

両親が始めた料理屋はいわくつきの建物で この世の者でない者達がぞろぞろと―

それらはむしろおせっかいで優しいお人好し おりんは彼らの為に何かできないか考える

再読 やはり面白い!


手塚治虫原作「どろろ」上 下 朝日文庫

2007-01-25 14:31:12 | 本と雑誌

手塚治虫原作「どろろ」上 下  朝日文庫
手塚治虫原作「どろろ」上 下  朝日文庫
手塚治虫原作「どろろ」上 下  朝日文庫
映画「どろろ」のノベライズ本

百鬼丸 妻夫木聡

どろろ 柴咲コウ

多宝丸 瑛太

鯖目 杉本哲太

お自夜 麻生久美子

鯖目の奥方 土屋アンナ

チンピラ 劇団ひとり

百合 原田美枝子

寿海 原田芳雄

琵琶法師 中村賀津雄

醍醐景光 中井貴一

その父が生まれる前の体を魔に捧げた為 不気味なモノとして生まれた男

体を取り戻すには 魔を倒すしかない

男装の少女泥棒どろろは そんな百鬼丸の道連れとなる

魔物退治 母の愛

面白かったです 映画は期待してもいいのかしらん


娘の友人からの手紙

2007-01-25 10:10:53 | 子供のこと身辺雑記

娘に同じ学校へ通う友人から手紙が来て 私宛てのも一枚入っておりました

そこには 中学一年生の時に隣りの男子校の学園祭へ来てくれた時の思い出が 綴ってありました 娘の兄が男子校のESS部に属しており 娘の誘いに応じて同じクラスの仲の良い子達が劇も見にきてくれたのでした

手ぶらで帰すのも―と 学校グッズのマグカップとクッキー

帰り道では駅に送る前に 飲み物オカワリ自由のファミレスへ寄ったことも嬉しかったらしく

そこでお土産に買ってさしあげたトトロのキーホルダーを机に大切に飾っていること マグカップは丁度良い大きさで愛用していること ずっと娘とお友達でいさせてほしいこと

などが 丁寧に書かれておりました

まるで長の暇 別れの挨拶のような文面が気になり 娘に尋ねると

今は娘とは違うクラスなのですが クラス内でイジメにあい軽い登校拒否のようになり 精神科へ通っているそうなのです

去年にはご両親の離婚問題にも悩み 幸い離婚という最悪の事態は ご両親も考え直されたそうですが

ただただいじらしく その少女からの手紙を持ち歩き 暇があれば読み返し 何かできないか考えておりました

そこで手紙の返事を書き 妹さんとに 籠に入れてマグカップ二つづつとハンカチを 送ってみました

娘は学校から帰宅すると毎日一時間ばかし電話していましたが 月曜日から頑張って学校へ来る そう言ってくれたそうです

娘が電話で こう言っていました 「(いじめる相手と)おんなじになってしまうから何言ってきても ほうっとき 話す相手がいなかったら うちのクラスに来たらいいやん オレ(娘は自分の事を「オレ」と言います・・;)が幾らでも話し相手になるし オレ?オレ強くないよ~ シカとされて泣いたこともあるよ 小学校の頃 だけど歯をくいしばって我慢したんだ 負けるのいやだもん

学校出ておいでよ 先生もみんなも待ってるよ」

あとは共通の好きな番組のこと 本のこと 学校であったこと 仲の良い友人のことなど 色々話しておりました

その少女が笑顔で一日終わる日々がつづきますように

できれば次の学年は娘と同じクラスになりますように

大抵の親達は まさか自分の子供がイジメをしているとは思っていないでしょう

自分の子供に人をいじめるような人間になってほしいとは 思っていないはずです

人への優しさと思いやり 少しでいいから失わないで欲しいです

叩かれたら モノをぶつけられたら 汚い言葉をかけられたら 人は傷つくんだよ

嫌な思いはずうっと消えずに 傷は目に見えないぶん ずっとずっと残るんだよ

人は人をいじめる為に この世に生まれてきたのではないはずです


若竹七海著「火天風神」光文社文庫

2007-01-24 22:39:50 | 本と雑誌

若竹七海著「火天風神」光文社文庫
管理人つきのしらぬいハウス そこへ様々な事情から集まった人々

しかも台風の通り道

勝手に入り込んだ逃亡者

キレかかっている管理人

不倫のカップル

映画研究会メンバーの大学生

甥を連れたフリーライターの青年

離婚を考える人妻

釣りの好きな妻に死なれた男

火事 台風 人災

それらの中で人は死に助かり 自分を見出だす

小説は終わっても まだ続きを読みたくなる 想像してしまう そんなお話です


「恋模様―珠洲香―3」

2007-01-24 09:43:21 | 自作の小説

「何すかしてるんだ 野獣の親玉が!」 二人がかりで橋本を取っ組み合いに巻き混む 「いっそたたんじまえ!」 砂の上 で 大きな男達が暴れている しかも楽しそうに― 早智子は言った「ガキはほっといて帰ろうか?」

「お弁当食べてからにしない?」と美智留

珠洲香の家に前日から泊まり込み 三人で頑張って作った絶対に二度とは作れない超絶弁当である

「それもそうね」 空揚げだけでも洋風和風中華タンドリー・チキン 竜田揚げと5種類 卵焼きはだしまき ひと口ミニオムレツ 普通の卵焼き フライ 天ぷら 煮物 肉団子甘酢あん 肉のたたき 色々な具の見た目も鮮やかなおにぎり 巻鮨 いなり寿司

さつまいもあんの寒天 ゆで卵

もう作った人間も何をどれだけ作ったか覚えていない

「エビチリ~ ひと手間かかったけど美味しい~」 美智留が悲鳴を上げる 「でしょぉ~料理には省いちゃいけない手間もあるの」 「うんうん うわ~シアワセ」これは早智子

と背後から情けない声の三重唱 「あの~俺たちのお弁当は~」

「あ ほっしい~」と美智留が見せびらかす 「う~ワン!」仁慶が吠える

美智留はずっこけた 「あの・・・」

「うん?」輝く頭むき出しで黒のサングラスかけた仁慶に 美智留は確認した「本当にお坊さんなのですか」

「ギャハハ!もっと言ってやって」 高倉が笑い転げる

「あ・・・傷ついた わたし わたしは 明るく健全な青年なのに」

「そうそう明るいのは頭を見れば分かる」と橋本

「お前達は~~~」 拳をふりあげかけ 「それ何?」

今にも口に運ぼうとしていた美智留は やや焦りつつ「かぼちゃを裏越しして生クリームたしてオーブンで焼いただけ・・・だけど」 仁慶は美智留の手からソレをひったくった

みんなの注目を集めながら ひと口で飲み込む

「う・・・うまい!」 「おっもしろい人~~~」ウケまくりの早智子

しっかり食べたその後はスイカ割り

ビーチバレー

またたく間に時間は過ぎていく

残ったお弁当は男三人へのお土産に

「ああ楽しかったな 又行きたいな 泊まりがけもいいな~」

高倉は誰にともなく言う 帰りの車内は高倉が運転 横に早智子

二列目に仁慶と美智留 三列目に橋本と珠洲香が座った

美智留は何となく仁慶が気になり それで気付いてしまった

で珠洲香の様子を伺うのだが― 彼女は疲れたのか 黙りがちで やがて瞼が落ち その頭は隣りに座る橋本の肩の上に

そして橋本は彫りの深い顔に優しい微笑を浮かべる

見てはいけないものを見てしまった気に 美智留はなった

橋本と珠洲香 二人はお似合いだった

どうも感情が見えにくいところもある珠洲香だが 信用していない男の横で無防備に眠ったりはしないはず

珠洲香の家の前で女三人を降ろし 男三人は帰って行った

「疲れったね~」「うん」「早く寝よ」 迎えた母の淹れてくれたお茶を飲み 海水浴での様子を少し話して 交替でお風呂に入り部屋へ引き上げる

海に入った後のだるさが 体に残っていた

珠洲香は起こされた時を 入浴中も布団に入ってからも 幾度も思い返した

肩にかかる大きな手に軽く力が入り そうっと珠洲香の体を揺り動かしながら 「着いたよ 珠洲さん」

開けた瞳の前に男の唇が見えた

もし あの時まわりに誰もいなかったら 二人きりだったら どうなっていただろう

自分の唇に指で触れ 珠洲香は男の唇を想像する

何か焦れて自分の指を噛む


米村圭伍著「おんみつ蜜姫」新潮文庫

2007-01-23 10:00:49 | 本と雑誌

米村圭伍著「おんみつ蜜姫」新潮文庫
なんと二藩合併の(あほらしい)野望を考えついた温水藩城主の父が刺客に襲われた

蜜姫 母から護衛に忍び猫タマを借り受け この危機に立ち上がる 破天荒な暴れ姫は行く先々で騒動を巻き起こし―

甲斐隠し金 天一坊事件も絡み 頼りない風見藩時羽家城主も 冷や飯食いの面々も出てまいります 見てきたような―講談ふう時代劇始まります


「恋模様―珠洲香―2」

2007-01-22 20:42:45 | 自作の小説

数日後 料理教室まで 橋本が訪ねてきた時 珠洲香は驚いた

授業を見学したい―と言う

「それは構いませんけれど」 橋本の意図が掴めなかった

「仕事にこじつけた個人の希望です」と橋本は答える

首を傾げる彼女を 彼は好もしげに見つめていた

料理教室は花嫁修業の若い娘か子育てが一段落した女性が生徒なので 時ならぬ見学者に みんな楽しそうであった 少し緊張する者

「恋人はいるのかい」話しかける者 反応は様々だ

人慣れしているせいか 穏やかな笑みを浮かべつつ 橋本は応対していた

珠洲香の仕事が終わると 「今日のお礼に―」と食事に誘ってきた 生活が不規則で悪友と飲むくらいしか たまの休みも使い道がないのだ―と笑わせる

「ちょっとした夢があって・・・」 橋本の両親は民宿を経営しているそうだ 将来は自分も後を継ぎたい ただ残念ながら料理の才能はからっきし―なのだと言う

「あなたが料理教室の先生と伺い これは運命だ・・・と僕は思い込んだのです」

「・・・・・」

「僕の夢 僕の考えを知った上で お付き合いしていただけないでしょうか」

会うのは三度目だが 話すのは これが初めてだった

心の奥で羽ばたきするものと 急には信じがたいものがある

「わたし・・・」

「最初は友人として で いいです すぐさま恋人になれるなんて自惚れちゃいません」

年齢はいってても珠洲香には 遠矢啓介への片恋以外に だれかを好きだと思ったことも 男と交際した経験もないのだった

それから休みの都合がつくたびに 橋本は珠洲香に会いにきた

会えない日は電話してくるようになり―

ある日 どんな話しからか 子供の頃以来 海水浴へ行ってない それから互いの友人を誘ってみんなで海水浴へ行こう という話しになった

美智留も早智子も都合がつき 橋本も友人二人と来ると言う

8人乗りの車で男三人は女性陣を迎えにきた 男の一人は あの仁慶だった

車に乗る前の簡単な自己紹介で 今一人の青年は 高倉聡と名乗った 肉屋の息子だと言う 珠洲香も名前は知っている店だった

運転席に橋本 助手席に珠洲香 二列目に早智子と美智留 三列目に仁慶と聡が座った 車内では お菓子が回され 子供の遠足状態だ

珠洲香は出会いが出会いだけに 仁慶と会うのは気まずかった

それで車を降りた時 謝りに行った

「とても失礼な態度をとってしまいました ハゲハゲと連呼するなんて 本当に毛が無い・・・ 禿げた方相手にさえしてはいけないことです 申し訳ありませんでした」 深々と頭を下げる珠洲香を眩しそうに見て 仁慶は 少し口ごもる 「いや・・・こっちも大人げなかったし・・・」 ちょっと黙ってから言いかける 「もし・・・」

「え?」見上げた珠洲香に 軽く首を振り言い換える 「あれは あれで楽しかった 思いきり言い合うのもストレス解消になるね」

「そう・・・ですね」困ったように笑い一礼して 橋本の所へ珠洲香が歩いていく

仁慶は頭の中で本当に言いたかった事を繰り返す

「もし先にわたしと再会していたら―」 言ってはいけない言葉でもあった 彼女は橋本と付き合い始めている 友人が本気らしいことも判っている

ああいう出会いでなければ

遅いだろうか

海水浴だから水着に着替えたものの 気恥ずかしく 珠洲香は膝までのパンツと 薄いシャツを脱げずにいた

橋本はさっさと水着一枚になり堂々としている

仁慶が帽子を被っているのは 頭を気にしているのだろう

「ボート借りて来た 乗りませんか?」 珠洲香を誘う橋本を男二人が冷やかす

「やっかめ やっかめ」

橋本は余裕で受け流す 頬を紅潮させながら 珠洲香は橋本についていく

「どうして―」

「はい?」

橋本は足を止め珠洲香が横に並ぶのを待ち 言った 「どうして水着にならないのかな」

「お見せできるほどのスタイルじゃないので」

橋本はきょとんとした 「見たところ 脚の形もいいし長さにも不都合はないみたいだけど?」

「人前で脱げるほど自信ないんです」

「僕は見たいな―」 まっすぐに珠洲香を見て 彼女が真っ赤になると 嬉しそうに笑った

漕ぎ出したボートの上でも 「オールで両手がふさがっている 今なら何もできないから 上だけでも脱いでくれないかな 一所懸命に漕ぐ男への力づけに」 橋本は漕ぐのがうまかった 腕の動きに無駄がない 「漕ぐの上手ですね」 「学生時代に少しね 仁慶や高倉も同じ部だったんだ」

橋本の視線はからかうようだった

珠洲香は度胸を決めて羽織っていたシャツを脱いだ

一瞬橋本の目が珠洲香の胸へ釘付けになる

そして―

「やっぱ刺激が強すぎた 上着を着ていて下さい」

「?」

「僕は思ったより独占欲が強いらしい 水着姿といえど 他の男に見せたくない」

言葉を失う珠洲香に「自信持っていい たまらないほど魅力的だ」彼は そう言うのだった・・・・・

高倉と仁慶 美智留と早智子は打ち解け それぞれ楽しそうに話していた

「じゃ三人は学生時代からのお友達?」

「腐れ縁という奴だ」高倉は仁慶の帽子を脱がし「悟れぬ奴め!恥ずかしいと思う心こそ恥なり!」などと言う 「よくも髪型の話題に触れたな~~~」と仁慶 取っ組み合う二人を横目で見ながら橋本は平然としている「野獣はほっとこう」