江戸屋四代目女将の回想 子供時代から母と その周囲の人々と
残念ながら 損料屋喜八郎の秀弥さんとは 別人 別の江戸ということになります 「あかね空」の秀弥さんとは矛盾なく年齢も合うのですが
玉枝と呼ばれた子供時代から図抜けた人間であり 美しい娘に育ち 想う人もでき しかし
深川の料亭 江戸屋
意地と誇り それは確かに受け継がれて
江戸屋四代目女将の回想 子供時代から母と その周囲の人々と
残念ながら 損料屋喜八郎の秀弥さんとは 別人 別の江戸ということになります 「あかね空」の秀弥さんとは矛盾なく年齢も合うのですが
玉枝と呼ばれた子供時代から図抜けた人間であり 美しい娘に育ち 想う人もでき しかし
深川の料亭 江戸屋
意地と誇り それは確かに受け継がれて
帯に作者の言葉として「私にとって、このシリーズは自分の原点でもあり、いちばん大事な作品です。 喜八郎という男を通して、粋な男を描きたいという思いを込めました。 今の時代は何事もお手軽です。 とくに恋愛においてそうです。 この作品では、簡単に添い遂げられない男女を、私自身もどうなるかわからずワクワクしながら描きました。」そう あります
前作「損料屋喜八郎始末控え」で互いに憎からず想っている喜八郎と江戸屋女将・秀弥
次々に起こる事件の中 周囲の方が先に二人の気持ちに気付いて・・・
最初は悪役として登場した伊勢屋が 次第に懐の広さを見せ くえない親父ぶりは変わらず 喜八郎を頼りにはし押さえつけたくもある米屋と謀って 月下氷人の真似事を
普段若いくせに落ち着き払っている喜八郎の泡食った顔が見たいもんさね という動機からにせよ 最後の「二人とも たいした人気だ」 レギュラーの座を獲得し 主人公の身内となり うるさい伯父貴あたりに落ち着きそうな 狸親父さんです
ともすれば主人公が迫力負けしそうな存在感ですから
この役を高橋英樹さんあたりがされると面白いかもしれません
主役の腕が立ち頭もきれる喜八郎には 窪んだ目と原作にあります 彫りの深い顔立ちの方が良いのでしょう
では秀弥さんは―どの女優さんで―と 登場人物を一人一人あれこれ配役妄想してみるのも 楽しいかもしれません 歌川豊広「観桜酒宴図」(太田記念美術館蔵)装丁 多田和博氏による本のカバーも大変に美しいです
奥州の山に その家はあった
黒髪も美しい妙齢の女人が棲む
一夜でも長くいても構いませんが ねやだけは覗かないで下さいまし
けれど 遂に男は覗き秘密を知る
それから幾度も繰り返される惨劇
それでも{生きる}
生き続ける 時の果てまでも
著者は手塚治虫先生の「安達が原」が頭にあったと言う
小谷真理女史の解説に詳しいが 古典とSFの融合 これを目指し 更には伝奇小説の部分も合わせ持つ作品に仕上げている
血と恋と裏切りと・・・夥しい死
あなたを死なせはしない
それだけが女の希(ねがい)
わたしを一人にしないで
それもまた夢
司法改革の必要性をテレビ生放送番組で熱弁する作家・矢崎 そこへ最高裁事務総局の裁判官・小宮田から電話が入り 二人は番組で議論を戦わすことに
一度目は矢崎が勝った形になり 二度目の討議中 それは起こった
ある女性の声が入ったテープを 矢崎から受け取ろうとした小宮田が死んだのだ
毒殺であった
逮捕された矢崎
だが番組のディレクター新藤は ひっかかるものを感じ 調査を始める
しかし新藤もまた殺された
新藤の恋人で番組の進行も務めていた香苗は矢崎の弁護士と共に命を賭けた告発を始める
読後 この香苗も弁護士も謎の組織により 事故死にみせかけて殺されるのではないか
そんな不安な暗い重さが残ります
小宮田を操り死においやった漆すら 死ななくてはいけない
詰め腹を切らなくてはいけない
司法改革について考えてほしい 現状を知ってほしい
願いもこめられた作品です
解説も作品ができる余話といったものが 書かれており興味深いです
京から江戸へ出てきた若者は 京の豆腐を江戸で売る 夢に燃えていた
京の柔らかい豆腐は なかなか受け入れて貰えず
同じ長屋の桶職人夫婦その娘の助けや試行錯誤のうち しだいに得意先をふやしていく
ただ子供と引き換えに死んだ親のことで 永吉とおふくの間は次第に気持ちがかけ違っていく
夫婦の不仲は三人の子供達にも 影を落とす 永吉が死に またおふくが死に 「京や」はどうなるのか?
前からずっと勝手な恨みを抱いてきた平田屋庄六の企み
さらわれて幼い頃の記憶をなくした男は知らず生まれた家に来る
さてさて嬉しい事には 江戸屋の女将 秀弥はじめ 他の作品と登場人物がリンクしています
幾冊か並べて 登場人物の名前を拾ってみるのも楽しいかもしれません
両替屋 札差し 借金棒引き
その政策は一時喜ばれるが 逆に怨嗟の声も上がり始める
返してもらえないなら貸すわけにもいかない 貸してもらえないと困るのだ
そんな時代を背景に 煮ても焼いてもくえない ひと癖もふた癖もある商人と 渡り合う主人公は元同心
事情ありで 損料屋になっている
頭もきれて腕も立つ
しかし決してでしゃばらず
登場人物それぞれにドラマがあり
まだまだ読みたい 素直にそう願う作品です
度胸と人柄見込まれて 百両の大金預かり 名代として 初めての旅に出た音次郎
宿では盗賊と遭遇したり 同宿のご隠居には その{きっぷ}を 愛される
旅の行き帰りで様々な人と出会い 事件と出会うことで知己を増やし 人間として男として素直に成長していく
暗さがなくカラリと書き上げられた物語です
11月25・26日と二日に分け 前・後編にて放送されたドラマ 仲村トオルと飯島直子夫婦に養女として育てられる陽子役に石原さとみ
僅か三才の娘を殺され嘆く夏枝 愛人(北村一輝)と妻が逢引している間に娘が殺されたと知り その復讐から娘を殺した男の子を養女にし 妻に育てさせようとする男
真実を知った時 自分の子供は殺されたのに!と 夏枝は陽子をいじめはじめる
自分を信じない夫
貴方が私を鬼にする してしまうのだわ!
この辺り 飯島さんが実にうまいです
笑顔の底に 恐ろしさも漂わせ
いじめても いじめても それでも気になって
ただ憎いだけでない・・・というのが よく出ています
逆に最初は娘の敵の娘 ということで 距離をおいていた父親役の仲村氏 しだいに陽子を可愛くいとしく思い始め 遂に父親としての愛情を表現する できるようになる
そして年齢の積み重ね方 老け方も 現実に年をとっているように 自然にみせています
心の氷点
久々に どどっと泣いてしまいました
完全な悪人がいなくて 一つ釦をかけ違えた為に ずれ離れていく 岸本加世子さんも良かったですね
が!しかし良かったのは 後編半分まで
話を広げすぎ あの人もこの人も どうなったのよ?! 思う間もなく40年経ちラスト
それより陽子が嫁にいくまでで よかったのではないかしら
と 途中までが良かっただけに惜しく思います
ジャック・バウアーは表向き 死んだことになっている その秘密を知る僅かな人々が 命を狙われた 前大統領も暗殺される 今迄のシリーズの重要人物が どんどん死んでいく
自分の権力に固執し酔う大統領と その黒幕が糸引く陰謀を前に ジャックもひと握りの正義を守ろうとする人々も苦戦を強いられる
そして長い長い24時間の終わりに更なる危機がジャックを待っていた
「24Ⅴ」の終わりは「24Ⅵ」の始まりに繋がるのだ
エンドレス・ストーリー
いっそ ジャックが死なない限り終わらないのでしょうか
全ては兄の為に・・・
無実の罪で死刑が宣告された兄
その命を救う為 弟は犯罪者となり 刑務所へ
脱獄計画は 次から次に困難にでくわす
IQ200の天才マイケルをもってしても その計画は齟齬をきたすのだ
マイケルの兄リチャードの元恋人 リチャードの息子へも 事件の黒幕の魔の手が迫る
ハラハラドキドキなまま話は次へと続いていく
貴方に多くは望まない― 言われた男の我儘だ
結婚を思いきれず 好きな女から逃げた
何年かして 女が結婚した事を知った
そんなものだ
そう
遅過ぎる もう
他の男の女房
遠くから見てるしかないさ
女なんて 他にいくらでもいるさ
たいした病気ではないが 入院した
そうさ 俺が考えていることは 犯罪だ
一緒に・・・
ただ同じ時間を
どうか
彼女の夫 彼女の子供達 彼女の幸せ
それらから切り離し 引き裂き
俺は 俺の気持ちだけを考えている
俺は ろくでなしだ
「一生に一度だけ」
我儘が許されるなら
どうか
せめて残りの人生 時間を俺にくれ!
―英子の場合―
好きだった 結婚式の当日でさえ さらいにきてほしい
そう願った相手が
今になって 今ごろ
家庭を捨てて逃げてくれ
と言う
本当に好きだった相手
家族を裏切り 子供を捨てる
自分だけのために
まわりを不幸にする
それでも
私は一人の女として 生きてみたい
それで地獄におちても
それでも いい!
―かずえの場合― くよくよと思い悩み
行けなかった!
一生 後悔するだろう
でも私は現在の夫と結婚した時に 選んだのだから!
だから!
私は行かない
いつか再び生まれ変わったら その時は 心のままに生きよう
その時こそは
―――――
男のもとへ走る女 家庭を選んだ女
情熱
どちらが幸福か―なんて・・・誰に決められるだろう
シャワーに体を打たせる 必要以上の力で体を洗う
指先が肩の古傷に触れた
苦い思い出が蘇る
まさか会うなんて!
たった一度 心弱り想いを抑えきれなかった・・・
あの頃 刑事だった
日本では滅多にない銃撃戦
肩を撃たれた
治療の為の休養中
様子見に寄ってくれた相手に 縋ってしまった
男の付き合っている女性は 自分の友人でもあったのに
ひどい女 最低の人間 刑事でいる資格なんてない
どれ程ずっと好きだった相手でも
辞職し 住んでいた街からも遠く離れ 何でも屋兼探偵を始めた
のたれ死んでも自業自得というもの
そう思って生きてきた 私は弱い その弱さを知ってしまった
{こんなにも貴方を愛しているの ずっとずっと 今夜だけは今だけは私を一人にしないで
この痛みと体の震えを忘れさせて 私は怖いの 恐怖に捕まって眠れないのよ
眠りたい だから}
強引にベッドへ 引き込んだ
何て醜い 無様な私
引き受けた護衛の仕事 依頼人をストーカーしている男は 以前にストーカーした相手を殺したらしい
逃亡中なのだと
彼は 犯人を 追い この町へ来た
幸い彼は一人ではなく組んでいる刑事と一緒だった
せめてもの償いに 彼に犯人をプレゼントしよう
ハードボイルドな探偵には なれそうにもない
そんな生き方もできない
でもソフトボイルドかシュガーボイルドなら 何とかなるかも
依頼人から聞いた犯人への手がかり
匂い・・・
甘い匂いがするのだと言う ケーキみたいな バニラ・エッセンス
製菓会社かケーキ屋さんで働いているのか
偽名で働いているなら 大きなところではないはず
こんな小さな町では 限られてくる
彼から見せられた写真の男の顔は目に焼き付けたし 髪形を変えたり髭つけた顔も想像してみた
目星をつけて一軒一軒あたっていこう
タウン誌のアンケート調査なる名目で 回る
後でタウン誌の仕事してる知人に記事を回せば 満更ウソにもならないだろう
三日目 私は その男を見つけた
坊主頭に白い服
依頼人の住むマンションからも近い場所だった
ケーキを作る職人のいる場所からも 買いにくる客の姿が見える
依頼人は小柄 細身 ぱっちりした二重瞼の大きな瞳と 犯人好みの容姿をしていた
後は仕事が終わるのを待ち 犯人を尾行し住所を確認するだけだ
ついて行き明かりのついた部屋と 郵便受けを確かめる
駅へ戻りながら 彼の携帯に電話をする
「ええ 今部屋に帰ってる 回ってみて」
電話してた分 反応が遅れた
おっそろしく切れそうな出刃が 闇に光る 襲ってくる
腕が熱い
あれを取り上げないと
蹴る?
右へ左へ避けながら 考える
ズッコンと間抜けな音でケリがついた
犯人が倒れ 彼が立っていた 工事中とかに よく使われる黄色と黒色のシロモノ抱えて
「無茶をする人だ」
会った時の私の様子から 何か他に手掛かりを持っているのではと―私をつけていたそうだ
犯人を連行し 腕の傷を縫ってもらっていた病院へ やって来た彼は そう言った
「全く会う度に傷が増えてる」
苦笑しながら軽く包帯に触れてきた
「放っておけない・・・」
「昔 一所懸命な若い同僚がいた その友人から彼女の事を聞くのは とても楽しかった
男はその同僚が撃たれるまで どんなに大事な相手か 気付いてなかった
それが思いがけず 告白され― 情熱と怒濤と感激の夜を過ごした
それが見事に置いてきぼり
随分これって薄情じゃないか」
「あの・・・」
「弄ばれて男は落ち込んだんだ」
「まさか このまま君を無罪放免にして又行方をくらませさせるほど 優しい男じゃないぞ」
うろたえる私に 彼は言った「一生 責任を取ってもらう あの事のあと すぐ買いに行った指輪だ
いつ何処で君を見つけても すぐ渡せるように ずっと持ってた・・・」
「貴方って・・・貴方は・・・」
私に何がいえただろう おろおろと たわいなく少女のように私は泣いた
「馬鹿だな」
「はい・・・」
その後?
彼の言うところの情熱と怒濤て感激の夜の再現
そして私の心も体も彼に逮捕されたままだ
アン・ハサウェイ主演 最悪の上司役にメリル・ストリープ
映画も18日より公開中
著者の実体験では?と話題を振撒いた作品です
将来はニューヨーカーに書きたい夢を持つアンドレアは「誰もが憧れる仕事」と言われる職場につくが
休日も朝も夜も自分の時間は与えてくれない上司だったのだ
その名もミランダ・プリーストリー ファッション誌の凄腕編集長
ベビー・シッターの面接 着る服 子供へのプレゼント あれもこれも 全部 部下ならぬ手下の仕事
滅私奉公を強制される 手枷足枷ないだけで 奴隷とおんなじよぉ~~~
あと少しで一年 一年我慢すれば望みの職場につけるのに・・・
ついに我慢の限界 「くそったれ くたばっちまえ」
言っちゃった
理解ある優しい恋人ともバイ・・・ 親友は交通事故
これってハッピーじゃない
しかし捨てる神あれば拾う神あり
ヒロインは新しい成功に向かって進むのだ
そうたぶん原作より映画が面白いのではないか・・・そう思います
髪結い伊三次捕物余話
お上の御用も勤める髪結いの伊三次は芸者の文吉と所帯を持ち 男の子もできる
柄にもない縁結び
操り方の卑劣な犯人に怒ったり
力ない庶民ではあるけれど 日々懸命に生きる金棒引き
無器用ではあるけれど 善意の人々が織りなす あれやこれやの物語 シリーズ5作目です
魚の子を引き上げた後の煮汁で 卵を煮ました 少し半熟くらいが美味しいです こうしたせこいおかずが私は好きです 更にご飯にのっけて食べたりします
金時豆は圧力鍋を火にかけ15分くらいで火を止め あとは圧力抜けるまで放っておいたら 驚くほど柔らかくなり 鍋変えて砂糖入れて味付けました 煮豆好きなんです
かぼちゃと小豆のイトコ煮とか
水に入れて10分で食べられる状態になる海草を使ったサラダ
いずれも手抜きおかずです