何を思ったのか 脱衣場へ入浴用の着替えを運んでいた長男が言った
「家族に恵まれた30年やった 有難う」
「では今度は家族に恵んで返してね」と応えたら・・・・・
長男は全速力で脱衣場へ逃げ込んでしまった
ま・・・あ 百倍お返し(笑)を期待しないで・・・・それでも気長に待っていよう
何を思ったのか 脱衣場へ入浴用の着替えを運んでいた長男が言った
「家族に恵まれた30年やった 有難う」
「では今度は家族に恵んで返してね」と応えたら・・・・・
長男は全速力で脱衣場へ逃げ込んでしまった
ま・・・あ 百倍お返し(笑)を期待しないで・・・・それでも気長に待っていよう
NHKの朝ドラ「おちょやん」が佳境です
この「おちょやん」のモデルとなった女優の浪花千栄子さんの人生を扱った物語
厳しい大人 冷たい大人 意地悪な大人
とてつもない辛さ 苦労に負けなかった小さな女の子
同じ所を見ている そう信じた男は違うところを見ていた
さすがに辛かった この裏切り
こんなことってあるんやろか
死んでしまおうと思った
この最大の挫折 苦しみからー
負けなかった
彼女は名女優への道を突き進む
多くの映画 テレビドラマに出演し続け
やがて静かな死
よく生きた
よくぞ生ききった
見事な人生
私が子供の頃 勝新太郎さん主演の映画「悪名」シリーズがテレビで放送あり
この映画の中で浪花千栄子さんは女ながらに大親分を演じておられた
やおのあさきち役が勝さんの役
あさきちと対峙する女親分の貫禄 厳しさ
そして情けも人を見抜く力もある人物を体現しておられた
この映画を観ながら 父が言いました
「浪花千栄子はいい女優なんや」
それはこの映画の演技だけではなかったような気がします
「おちょやん」時間が合わない時は録画して観ています
こんなふうに自分を題材にしたドラマもできたこと
いっぱいの哀しみ 苦しさ
負けずに生き抜いた・・・
笑うてはるんやろか
ただただ凄いな
生き続け 生きぬいてーと思います
いささかあくどいなと思う文章の迷惑メールが届いたので 少し文面を晒します
「初めまして! 残念なお知らせをするために、ご連絡を差し上げております。 僕は、約2〜3ヶ月前にネット閲覧用に貴方が利用しているデバイスにアクセスし、その後ずっとネット行動を追跡していました。 アクセスするまでの経緯は、 少し前にハッカーからメールアカウントへのアクセスを購入したからです(最近では、そういったものをネット上で購入するのは、かなり単純です)。 だから、貴方のメールアカウント (ここに私のメルアド書いてありました)
ログインの1週間後には、既にトロイの木馬というマルウェアを、貴方のメールと繋がっている全てのデバイスのオペレーティングシステムにインストールしました。 実際、やってみると全く難しくありませんでしたよ。(受信トレイのメールのリンクを何も問題なくたどっていただき、ありがとうございました。) 巧妙な手口は意外と全て単純なのです。(^ ^) そのソフトウェアによって、貴方のデバイスの操作を全て可能になりました(例えば、マイク、ビデオカメラ、キーボードの操作)。 既に、貴方の個人情報、データ、写真、ウェブ閲覧履歴を僕のサーバーにダウンロードし保存してあります。 貴方のメッセンジャー、SNS、メール、チャット履歴、連絡先一覧の全てにも僕はアクセス済みです。 僕のウイルスはドライバレベルで動作し署名を継続的に更新するため、ウイルス対策ソフトウェアでは検知されません。 同様に、この手紙がなぜウイルス対策のソフトウェアに検出されなかったのかの理由も、今ではご理解いただけていると思います・・・ 貴方の情報を収集している間に、貴方はアダルトサイトの大ファンだということを発見しました。 ポルノサイトを訪問して、とてつもない快楽に耐えながら、興奮するような動画を閲覧するのが本当にお好きなようですね。 偶然にも、貴方の卑猥なシーンを録画することに成功したので、貴方の自慰行為と絶頂に達する姿を見せるような動画数本をモンタージュにしました。 もし嘘だと思うのであれば、僕のマウスを数回クリックするだけで、全ての動画が貴方の友人、同僚や親戚とシェアできることを実現いたしましょう。 僕的には、パブリックアクセスにしてしまっても問題はありません。 貴方の好きな動画の趣向を考慮しても、そんな動画を公にされたくはないはずです。(僕の言いたいことは分かるでしょう)公になったら、本当の大惨事になるかもしれませんね。 なので、ここで取引をしましょう。 16万円 (送金時の為替レートに応じたビットコイン相当額)を僕に送金してください。送金を受け取ると、この卑猥な動画は全て削除しましょう。 その後は、お互いのことは綺麗さっぱり忘れてしまい、貴方のデバイスにある有害なソフトウェアの機能を停止して削除することを約束します。僕は言ったことは守ります。 僕が貴方のプロフィールとトラフィックをしばらくチェックしていることを考えると、これは公正な取引であり、かなり安価なはずです。 ビットコインの購入、送金方法が分からない場合は、どのサーチエンジンで検索しても方法は知ることができます。 僕のビットコインウォレットは 1LtJ7Ve3WaSBgQP1g6iponczo5QbRoeSGo です。 このメールを開けた瞬間から48時間(正確には2日間)の猶予を与えましょう。 下記の行為をするのはやめてください。 *僕に返信すること。(貴方の受信ボックス内でこのメールを作成し、返信アドレスも作成したからです。) *警察や他のセキュリティサービスと連絡を取ろうとすること。さらに、自分の友人に相談するのもやめてください。もし口外していることを僕が感知すると、貴方の動画は公開されます。 (僕は貴方のシステムの全てをコントロールしているので、感知するのはそう難しくないと思いますよ。) *僕を探そうとすること。すべての仮想通貨取引は匿名で行われるため、絶対に無意味です。 *デバイスにOSを再インストールしたり、破棄したりすること。全てのビデオが既にリモートサーバーに保存されているので、この行為も無意味です。 下記は貴方が心配しなくても良いことです。 *僕が送金を受け取れないかもしれないこと。 - すべての行動を継続的に追跡しているので、送金が完了するとすぐに表示されるため、安心してください。(僕のトロイの木馬マルウェアは、TeamViewerのようなリモートコントロール機能を搭載しています。) *貴方が送金を完了しても僕が貴方の動画をシェアするかもしれないこと。 - 僕を信頼してください。貴方の人生をもっとややこしくするつもりはないし、シェアしたいだけなら、この手紙を送らずに行っているはずです! 全ては公正に行いましょう! あと、もう一つ・・・将来的にも同じような状況に引っかからないで下さいね! 僕からの警告は、頻繁にパスワードを変更し続けることです!」
この送り主さん「cycad3267@268.jp」となっていました
残念ながら私はまったくエロサイト動画とか観たことはないので あしからずーなのですが
中には騙され引っかかる方もいるかもしれません
こんなしょうもない手合いにどうか誰も騙されませんように!!!!
施設に入所するのに くたびれた品より 新しい品の方がいいかしらーと
姑のパジャマ 肌着 日常着 靴下 タオル バスタオルなどなどお買い物
なにしろ初めてのこと わちゃわちゃ ばたばたしています
あとはハンカチ 箱テイッシュ ポケットティッシュ ポリデント(姑は総入れ歯なので)
テレビとテレビ台は持ち込みOKと言われたのですが 姑が入る部屋のスペースが分からないので
この時期 見学不可なので
入所して部屋を見せていただいてーーーー購入したいと考えています
信号待ちの間に 歌野橋から夢前川沿いの桜並木
姑が入院中の病院の介護担当の看護師さんから電話があった
申し込みしていた介護施設から入所受け入れ準備できましたーと連絡が入ったとのこと
今度は退院日を決めなくてはいけない
退院の日 施設までは車椅子対応のタクシーを病院の方で手配してくれるとのこと
30日は私が内科行き 3①日は長男が内科行き
それで介護担当の看護師さんとは4月に入ってから面談の予約をとって
姑の退院日を主人と相談して決めなければーなんて長男に話したら
「水曜日と金曜日以外にしてくれたら 僕も行ける」ーと長男
「大丈夫 お父さんと二人で十分よー」って言ったら
「次 おばあちゃんにいつ会えるか分からないから 顔見ておきたい」
会っておきたいーと長男が言った
中国武漢発謎病(誰が何と言おうと 「コロナ」などとふざけた名前で呼ばれるようになった世界中が大迷惑している この病気は 中国から始まった いっそ「中国肺炎」とでも呼んでやりたい)
この病気の為に 入院中は顔を見ることができなかった
施設に入所しても たぶん会うことができない
だから退院の日には一緒に来て おばあちゃんの姿が見たいーと長男
おばあちゃんへのおみやげにーって日頃から ちょっとどっか行っても買ってくるコだったわ
長男は
長男の希望も取り入れて 主人に連絡とって 姑の退院 そして施設入所の日を決めました
タオル バスタオル テイッシュペーパー ハンカチ
入れ歯用のポリデント
下着 パジャマ 日常着 靴下 介護用の靴
施設の方に教えていただいた入所にあたって取り敢えず必要な品を買い揃え中です
ぺろりと女は血を舐める
赤い唇からちろりと舌が覗く
その唇のもとよりの色なのか その赤は
それとも血が染めているのか
それは言う
「お前はわたしの獲物 誰にもやらぬ」
目が覚めて・・・横を見たらー猫達も一緒に寝ていた
時間を見ようと腕を布団から抜いて出したら・・・瑠奈に睨まれてしまった
布団の中に潜り込み 二匹並んで寝ていた瑠奈と麦丸
なかなか平和な光景だが・・・
できることなら このままずうっと寝て居たかったが・・・
起きないといけない時間
仕方ない
猫二匹 置いて起きることにした
あと十年ほどで母が死んだ年になる
「おばあちゃんが死んだ年まであと10年」そういう覚悟もしておいてほしいという意味で長男に言った
姑のように百歳近くまで もしくは百歳超えてもお元気な方もいらっしゃる
寂しい話をするけれどねーと 親はいつ死んでもおかしくないーそうした考えも頭の隅っこに入れておいてほしいなと思って
その数日後 長男と同じくらいの年の子供を持つ人と話すことがあって
その人も息子に言ったそうです
「年に三度くらい実家に帰ってくる すると十年で 30回くらいしか
お母さんには会えないのだからー」と
どこも同じようなことを言っているものだなと ちょっと面白かったです
姑に要介護5の認定
姑が入院している病院の看護師さんからも これはお家でお世話は大変でしょうーと
看護師さんのお話では 姑はいまは優しい表情で入院生活を送っているそう
そろそろ退院後の生活についても考えねばなりません
ほぼ寝たきり
病院の担当の方が親切に相談に乗って下さって 受け入れ可能な施設を捜して下さいました
でも病院の方任せでもーと場所確認と外から眺めるだけですが 幾つかの施設も見に行きました
最初 二つの施設に空きがあるとかで 一つの施設は古いけれど2万ほど安い
いま一つの施設は新しい
古い方は施設までの道路がかなり狭いとの前情報
主人の運転で見にいきました
田んぼのあぜ道広げたような道でえぐい角度に曲がること数回
カタツムリのカラの渦巻きのように
やっと着いたら駐車場も狭くて
しかも袋小路
来た道を戻るしかない・・・・・
いま一つの施設は そこよりは広い道路
でも対向車が来たら困りそうな道路幅
帰り道 主人「あの道路はあかんわ まだ後からの2万高いほうがー」
見に行く前は「安いほうがいい」と言っていた主人ですが
翌日 施設を捜して下さる担当の方と再び面談
他の空きがありそうな候補も幾つか教えていただきました
そこで同じ市内に他にも施設が複数あるところで話を伺い 申し込み
必要な書類を揃えて
なにぶんにも初めてのこと これでいいのかしらなどと迷いつつ
あれこれの手続きをして
そしたら申し込んだ施設の方から連絡あり
姑の入院している病院まで行ってくれたそうです
あいにく姑は眠っていたそうですが 看護師さんとも話をして下さったとのこと
できるだけ入れるように施設の上の方にも話しますからーと言って下さいました
近々 またお話を伺いにその施設に行くつもりです
入れるとなると着替えや肌着 どれくらい用意すればいいものか
そうしたことも全然わかりませんから
上っ面にテレビを眺め 新聞を読んでも
何故か騒がれない 扱われない話があり そちらこそが深刻な問題だったりする
よく日本をぶっ壊すとか「日本死ね」なんて言葉を有難がる人間もいるのだが
在るものを壊すことは容易にできる
本当ならば従来あるものを壊すには余程の覚悟があるべきなのだ
もしくは新しくつくるべきものの深い考え よくよく思案し「これこそ」という計画 青写真があってしかるべきだと思う
モノを壊すだけなら頑是ない子供にだってできる
伝統
続いた技が失われると・・・・・
広告ではあるがー日本の伝統を守るーという言葉があった
日本人が日本を守らずに誰が護る
香港の自由を蹂躙し 台湾にも刃を向けんとする国がある
日本はいつまで日本で在り続けられるのか
安心して暮らせる国
人間の魂の根っこは とても大切なもの
本当に大切なものを見失ってほしくないと
ただ そう思います
オリーブ油で刻んだニンニクと唐辛子を炒め 冷凍ほうれん草と冷凍シーフードを加えて炒め 塩胡椒
電子レンジ用パスタ茹で器で茹でたパスタを加え 仕上げにだししょうゆを絡めて
皿に盛ってからバターを一切れのっける
人参とツナのサラダ
パインアイスクリームと冷凍パイン
三食家食べだと お昼はパスタかパン(トーストとかサンドイッチとか) もしくはやたら野菜のっけラーメン
たまにパンケーキ
朝夕はご飯におかず
買物に行かずに引き籠もっていると どんどん食卓が貧しくなります
明日は買い物に行かねば!
食材 補充するのだわ
姑の家の庭で咲いた花を主人が空き瓶にさして持ってきてくれました
冬に蕾のつきが悪かったシクラメン
春になって咲き始めました
どうやら我が家のシクラメンは寒がりのようです
浴室の窓から見る雪柳
同じ雪柳を庭から
勝手に生えて育った桃っぽい木
柊
こちらは花桃 鉢植えで買ってきたのを庭植えにしたの
オマケでラン
私が庭に出るとピッタリくっついて歩くことはないけれど 邪魔にならない距離で ただそこに居てくれます
安心をもたらしてくれるコです
最終回を迎える連続ドラマが多くなりました
そのなかで深夜枠の放送時間だった「西荻窪 三ツ星洋酒堂」も最終回に
ミステリーボニータ(秋田書店)連載・浅井西先生原作をドラマ化
大谷亮介さん演じるオーナーが亡くなり その店の缶詰が無くなるまで オーナーの孫息子で作家の小林直樹(森崎ウィン)
料理人の中内智 (藤原季節) 雨宮涼一朗(町田啓太)がバーテンとして三人で営業することに
小林は書きたいものが見つからず 書くことに行き詰まっている
中内は料理人として失ってるモノがあった
そうして客には穏やかで優しい笑顔を向ける雨宮も苦悩を抱えている
ドラマは毎回 わけあり客の抱える問題に 三人の男達が何かを与えて
少し前向きになり客は店を出ていく
小林は書きたいものが見つかり
中内も他の店への声がかかる
そんな中 雨宮は
兄にこう言われる
「お前は何の為に生きている
お前は自分が無いのか
虚しくないのか
お前は一体何がしたいんだ」
雨の夜 兄に車から「降りろ」と外に出される
夜の街を彷徨って 惹かれるように入ったのが三ッ星洋酒店
雨にずぶ濡れ
今は故人のオーナーは あったかな笑顔で雨宮を迎え入れた「いらっしゃいませ」
オーナーから注文を聞かれて それすら答えられない雨宮
「何が欲しいんでしょう ちょっとわからない」と涙がこぼれる
それから
オーナーの死後
人生には一休みする時間があってもいいーと店を続けることにした男達
最終回の客はロンドンから久しぶりに帰国したという才川尚美(中山美穂)
亡き父親も売れない画家でこの店の常連で母親とも ここで出会ったのだと
「だから ここは私にとって 懐かしい場所なの」
世界の何処に行っても思い出す店
才川は雨宮にやりたいことを尋ねる
雨宮「今はまだ捜しているところです」
これまで客に相応しいカクテルを出し 前向きになれる言葉もかけてきた雨宮
しかし彼も悩み苦しむ人だった
才川は小林によれば「泣いたり怒ったり忙しい女」
店に残った最後の缶詰は鯖缶一つ
才川のリクエストは マヨネーズとケチャップで作ったオーロラソースで和えた鯖缶のサンドイッチ
亡き父親が作れたたった一つの料理
母親の為に作っていたと
店には才川の父が描いた絵も飾られていた
その絵の裏には 才川の母親の写真がー
才川を産む前のお腹の大きな母親の写真
絵には母親の姿も描かれていた
絵の裏には言葉も書かれていて
才川は呟く
ーあなたの好きに生きなさいー
あったかくて不思議な場所
客が帰り 店で語り合う三人の男達
書きたいものが見つかったという小林は言う
死んだ爺さんがよく客に言っていた言葉
傷を隠すな 傷ついても傷を隠さず堂々と進め
料理人も新しい仕事に向かうと
三人で記念撮影
閉めた店の前で三人はそれぞれ別な方向へ別れていくこととなりかけ
「じゃ元気で」
そこで雨宮さん言葉を発する
「この店を続けたいんだ! 続けたいんです 小林クンと中内クンと一緒に
我儘だって分かっています
でも三人で続けたいんだ」
中内「雨宮が続けるなら 俺も続ける」
小林「執筆の間に飲める場所も必要だな」
中内も小林も「早く言えよ」と言いたげ
実は店をやめたくなかった男達
バーテン姿が実に絵になる雨宮
カクテルを出して添える言葉もよくて
もう天職と見えました
無くなってほしくない店もある
そして その通り無くならない・・・・・
今夜もお越しを待っています
ドラマの情報あるサイトさんです
もう少し観続けていたい そんなドラマでした
日々の雑用はどうにかこなしていくしかない
決めないといけないことも多々あって まあアホなりに動いている・・・
先日 姑の家の裏門の戸が随分軽くなり動きが良くなっているので 主人が手入れしてくれたのかーと思っていた
で褒めたら・・・・・「ちゃんと手入れしてくれたん 有難う」と
主人いわく 出入りの石油屋(ガスと石油 姑の家はプロパンガス)さんやないかなーと
親切な石油屋さんが 見るに見かねてーーーー手入れして下さったのでしょうか
今度 会ったらお礼を言おう
何か頼んでも 最近「しんどい」と後回しにし忘れる主人
私自身も主人にも ちと鞭入れて気合いいれなきゃーなんぞと思いつつ
朝起きて「頑張ろう!」という気持ちが 昼までも続きませぬ・笑
桜色の風が吹いた その時何故かそう思った
じきに駅のホームに電車が入って来る
電車を待っていた女性は 体の向きを変える時 肘を折り曲げそっと手の甲で反対側の頬に触れた
長い髪が揺れる 弧を描く
黒いベストに合わせた薄桃色の長袖のシャツ
ブラウスというのか どっちだろう
その仕草に見覚えがあるような気がした
同じ仕草をしていたのは 誰だっただろう
体の向きを変える前の器用な癖
ちょっと物想うように一瞬 頬に当てられる手の甲
後は振り向かない
思い出せず 時ばかりが過ぎていく
奇妙な春の記憶
クリーム色と黒の古い電車
窓を開ければ 桜の花びらが流れて入ってくる
線路の片側 海の見える側に桜並木が続いている
そっからトンネルに入り 地上を走っていた電車は地下鉄へと変わるのだ
あの女性はどういう顔をしていたのか
学生だったわたしは いまや歩くのに杖が必要な身
同じ人間ではないだろう
春だった
追いかけて同じ電車に乗りたい
そう思った
何処の誰とも知らぬのに
一瞬のあの仕草にひきつけられたのだ
人の記憶というのは 不思議なものだ
今の今迄 すっかり忘れていたのに
それでも あれは誰だったのだろう
長袖の袖口から覗く細い手首
一瞬の春を その仕草が 呼んだような気がした
あれは誰だったのだろう
昏い過去を持つ若侍は江戸の町で商人の娘おりんと出逢い 救われ遠野屋の清之介として生まれ変わる
だが過去は追いかけてきて おりんは死んだ
おりんの死により関わることとなった同心の木暮信次郎と木暮が使う岡っ引の伊佐治
悩ましくも深い三人の関わりが続くシリーズ
「弥勒の月」
「夜叉桜」
「木練柿」
「東雲の途」
「冬天の昴」
「闇に巣くう」
「花を呑む」
「雲の果」
そして「鬼を待つ」まで続き 少しずつ遠野屋清之介を取り巻く人々の顔ぶれも変化してまいりました
今回 あくどい方法で遠野屋を潰し その商いに取って代わろうとする大店の主人が出てまいりますが
思いのほか呆気なく殺されてしまいます
その殺され方が 少し前に死んだ大工の棟梁と殺され方と同じ
誰がどうして そういう殺し方をしたのか
喉を裂いておいて首に釘を打ち込む
清之介の死んだ妻おりんと生き写しの口がきけないというおよえ
清之介の生まれ故郷の・・・・・人々の生死
おりんの死に関わった男の死
混み合った物事を解く木暮の頭脳の明晰さと反比例するかのような言動 人柄
伊佐治の家の商売で出て来る料理も美味しそうで真似したくなります
闇 血の匂い 魅力ある人々 料理 季節変化
彼らはこれからどうなっていくのだろうと 読了後も想像せずにはいられません
とっかかり 起きる事件
これに遠野屋がどうかかわるのか 何処で木暮が遠野屋と遭遇するのか
木暮の毒舌すら癖になります
育ててくれた人間が死んで それで遠野屋に押しかけ奉公に来た 清之介に恋心持つおちや
妻は亡きおりん一人と決めている清之介
物語を表現する文章も深いです 香気あるというか
解説は竹山康彦氏
誠実さを感じさせる内容です
解説の最後ーいつの時代も、どんな困難に見舞われても、本は、物語は、人を勇気づけ奮い立たせてくれる。
私にとっては、あさのあつこという作家と「弥勒」シリーズがそんな作品なのだー
読んでいる間 その物語世界に誘われる
江戸 そこに生きる人々 そこの空気を嗅ぐような
起きる事件にも すっぽり取り込まれ 次はどうなる どうなるんだーと
そんな力が このシリーズにはあるのです