監督 ジョン・ヒューストン
脚本 ジェフ・マグワイヤ エヴァン・ジョーンズ ヤボ・ブロンスキー
音楽 ビル・コンテイ
テクニカル・アドバイザー ペレ
1942年8月 第二次大戦下のウクライナで行われたドイツ空軍対デイナモ・キエフの親善試合をモデルとし その試合では キエフ側が5-1 5-3と圧勝でしたが 負けたドイツ側は勝った選手達を収容所送りとし多くの選手が処刑されたそうです
史実に基づいた映画も制作されているとか
↓ご覧ください
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8B%9D%E5%88%A9%E3%81%B8%E3%81%AE%E8%84%B1%E5%87%BA
「デイナモ ナチスに消されたフットボーラー」 アンデイ・ドウーガー著
なる本も出ているそうです
現実のドイツ軍は映画のようには 寛容であってくれなかったようですね 残念です
こうした出来事に発想と題材を得て制作された映画のようですーでは映画の内容を
1943年ドイツ南部ゲンドルフ捕虜収容所 黒の二ット帽被り這って進む男ウイリアムズは工具で有刺鉄線を切っていき・・・ジャーマン・シェパード・・・軍用犬に吠えられ監視に見つかり射殺されます
収容所の調査にスイス人医師連れ訪れる フオン・シュタイナー少佐(マックス・フオン・シドー)達ドイツ人将校
転がってきたボールを足で抑えたシュタイナー少佐に ハッチ(シルベスター・スタローン)が「ボールを返してほしい」と言うが 少佐は英国のジョン・コルビー大尉(マイケル・ケイン)に返す
サッカー選手であったシュタイナーはコルビーに見覚えがあった
「国際試合を捕虜の間でしている 英国は四カ国からなる」と説明するコルビーに シュタイナー少佐は「国際試合ならドイツがいなければー」と言う
1938年のドイツの代表選手でもあったシュタイナー少佐だった
コルビーはウエストハム・ユナイテッドの有名な選手
サッカーを愛するスポーツマンのシュタイナーは 「試合」を持ちかける
シュタイナーは戦争を「悔やむべき過ち」であると考えていた
コルビーはマトモには受け取っていないが シュタイナーは「君達への挑戦だ」と言う
口調には驕りも悪意も感じられなかった
服・靴・用具一式も支給すると言う
だがコルビーは痩せてふらふらした捕虜達の様子を示し 条件を出す
「特別な配慮がほしい チームは寝食を共にし 肉・卵・野菜をたべさせてくれ
90分 走りぬく体力がない 強いチームにするには 若い連中が必要だ」
交渉でコルビーは練習時間も確保する
捕虜側で大佐たち士官は脱走について色々相談しているが ろくな意見が出てこない
斬新なアイデアでは ベイリーが棒高跳びで塀を越えるーと現実性がない
ハッチは脱走のベテランでキャリアを買われて呼ばれる
彼はシャワー室の監視の兵ハンスとアントンのいい加減さに目をつけていた
彼の計画には実現できそうな具体性があった
コルビーはサッカーができそうな人間を選んでいく
脱走のためにハッチは選手になりたいが 彼にはサッカーの経験なくルールもわかっていない
大佐達はコルビーを脱走させたく思っていた「将校なら脱走を考えろ」
コルビーは答える「脱走計画は上官の娯楽だ 終戦を待てばいい」
戦争が終われば捕虜達は解放される 脱走して失敗すればー死ぬのだ
ドイツ側は試合の許可を求めるシュタイナー少佐に「これはいいプロパガンダになる」と話が大きなものになっていく
シュタイナーは「戦いが終われば 同じ欧州の仲間だ」と捕虜達のことを主張するのだが
シュタイナーはドイツの代表選手だったが 英国には一回も勝っていなかった
ドイツ軍の寛容なところを見せ 最後はドイツが勝つ計画が 進められていく
コルビーはボールさばきがうまいルイス(ペレ)に出会う
ルイス「(サッカーはトリニダードの路上で覚えた (リフテイングなどボールさばきは)オレンジで練習した」
ハッチは脱走のためにドイツ兵の見回りの様子をチェックしている
ハッチの脱走案は上官達から承認された
選手に選ばれなくてもいい 用はないーとコルビーに悪態つくハッチ
シュタイナー少佐はコルビーに決まったことを話す「ひとり歩きして おおごとになった
ドイツの代表チーム対連合軍 8月15日 パリのコロンブ競技場で行われる」
その場にはドイツ・チーム監督となる名選手だったハウプトマン・ミュラーも居合わせた
シュタイナー少佐が連合軍側の捕虜の中でサッカーの選手だった人間のリストを渡す
コルビー一読して「東欧の選手がいない」
シュタイナー少佐「東欧は公式には存在していないことになっている」
コルビー「紳士として勝つ可能性を与えるのが君の義務だ」
強い東欧の選手達は・・・・東欧の捕虜の扱いは苛酷で労働収容所に送られていた
彼らは人間として扱われていないのだ
ハッチは脱走準備でローリー大尉に会う 彼は書類の偽造を得意とし カメラなども組み立て証明書写真も撮る
ハッチの偽名はデユパン 葬儀のためという理由の書類など依頼するが シャワー室の見張りのドイツ兵がサッカー選手のシャワー室へと異動になり 脱走計画が狂う
こうなればなんとしてもサッカー選手たちへもぐりこむしかない
「トレーナーは必要だろう」言い張るハッチだがコルビーは「君を死なせたくない」
ハッチ「オレの命だ」
コルビーは折れた 彼は脱走で死ぬ人間を多く見てきており 無駄に人を死なせたくなかったのだ
コルビー「サッカーチームなので階級はない 」
選手として公平であることを最初に言う
基本練習から始まった 走って体力を養う
腹筋 瞬発力を鍛える
用具が届いてからはボールを使った練習も
他の捕虜達から冷やかしの声も上がるが コルビーは「やっかみだ」と
コルビーが要請した東欧の選手達が送られてくるが 皆倒れそうに痩せこけている
ハッチは「まずはシャワーだ」と案内する
食事しながらも東欧の五人の目は地獄でも見ているかのように暗い
コルビーは彼らを拒否し地獄へ戻すことはできなかった
他のチーム・メンバーも彼らを受け入れる 捕虜仲間 チームの仲間として
「サッカーをやろう 僕らは選手だ」
ペレはハッチに言う「友達だろ だから正直に話す (サッカーの経験なくドリブルもダメだが)ゴールキーパーにならなれる」
コルビーも「筋がいい」
ハッチは大佐からパリへ行きレジスタンスとの接触を頼まれる
「コルビーをサッカー選手たちを脱走させる」
そのために「脱走が可能かどうか調べて協力を頼む」
命がけでこんな手助けを 自分が信じられない」とハッチ
他の選手達が監視のドイツ兵の注意をひきつけている間にシャワー室の上部の壁を伝い 脱走をはかるハッチ
「幸運を祈る」と他の選手達
彼らは人形で点呼もごまかしてくれた
夜を待ち鉄条網を破ってくぐりドイツ兵の側へ抜け 車の横にとりつき 下に隠れ 脱走するハッチ
偽の書類で検問も通過 汽車でパリへ
教えられた店でレジスタンスに連絡してもらい 脱走の応援を依頼する
最初「無理だ」と言われるが 一人がコロンブ競技場と試合の行われる場所を聞くと 「何故それを先に言わない」
セーヌ川に抜ける下水道が競技場の下にあると言う
確認のために彼らは出ていき アジトにルネ(キャロル・ロール)と残される
女性と話すのは久しぶりだと言うハッチ
ルネ「名前を聞くとつらくなる」
責任と希望を感じるから 殺されたと聞くと悲しくなる
彼女の夫は開戦で戦死 息子のフランソワがいた
ハッチはオレは大丈夫だ 孤児のろくでなしだから 家族やペットの話をすることもない
寝言で他のことを言っても気にしないでくれーと言う
ルネはハッチのために息子の部屋をあけた
収容所ではさすがに朝の点呼で人形であることがばれてしまう
レジスタンスの計画はビジター用の部屋に通じる穴を下水から掘る ハーフタイム利用で脱走してくれ
この計画を伝えるために ハッチに収容所へ戻ってくれーと言う
つかまえると見せしめのために元いた収容所へ戻されるはずだからと
死を覚悟して収容所へ戻る決心するハッチは アジトを出て行く時 ルネに偽造してもらった書類を渡す「書類を置いていく 誰かのために使ってくれ」
僅かの時間だが ハッチとルネには何か心に響くものがあったようです
収容所へ戻ってきたハッチは勿論閉じ込められますが 収容所のみんなからは歓声上がり英雄扱いです
大佐達は「神の使者マーキュリーだ」「神話を地でいったな」と感心しています
あとはどうやって閉じ込められているハッチと渡りをつけ情報を手にいれるか
彼らはコルビーを呼びます
ハッチは君を逃がすためにサッカー選手を脱走させるためにパリへ行ったんだ
自分のためでなく コルビー達サッカー仲間を脱走させるために命を賭けて しかもその情報と計画を伝えるために 自分の命は捨てて戻ってきた
コルビー知恵を絞る 苦笑しつつ「救いがたいバカだ」
そうした心意気は ぐっとくるものです
コルビーは試合をするためにゴールキーパーのハッチが必要だとシュタイナー少佐に言います
ハッチの脱走のことでシュタイナー少佐の信頼を裏切ったことは感じながらも
レギュラーのゴールキーパーのトニー・ルイスは骨折した ゴールキーパーがいないと試合ができないと言うコルビーに シュタイナーは軍医が骨折と認めたらーと答えます
トニー・ルイスは わざと骨折します これも侠気(おとこぎ)ですね♪
ハッチを助けるために
選手達は汽車に乗りパリへ
時間を合わせレジスタンスは下水へと 工事を始めます
競技場の観客の中にはルネとフランソワ母子の姿もありました
ドイツ側は感想をもらします「凄い数の観客だ すべての点で異常だよ」
戦争中 人々は娯楽に飢えていました
できれば連合軍側の勝利する姿が見たいのです
シュタイナー少佐は「公正な約束をした」と言いますが 他の人間は手を打っていました
神聖ドイツ帝国が負けるわけにはいきません「ミスしない(買収された)審判をな リスクはおかせない」
試合が始まる前 観客席から降りてフラソワは花を届けに行き ハッチに伝えます
「ハーフタイムだよ」
ハッチはコルビーに花を渡し「ハーフタイムに決行」と脱走する時間を伝えます
ハッチは観客席のルネと目をあわせました
ルネは戻ってきた役目を果たしたフランソワをほめます
試合が始まりました ドイツ・チームはラフ・プレイ しかも買収された審判はドイツのフアウルは絶対にとりません
激しい攻撃に連合軍側の選手に負傷者が出て担架で運ばれます
連合軍側は必要ないフアウルをとられ ペナルテイ・キックで遂にドイツへ3点目を取られてしまいます
複数の選手に襲われ ルイスも負傷退場 連合軍側は10人での試合となります
この時点では4-0でドイツが一方的にリードしています
逆に連合軍側は必死になりました
ハッチもボールを止めるようになります
汚いドイツ・チームの戦い方がわかり 出し抜かれないようになりました
気力に勝る連合軍側が真価を発揮してきます
寄せ集めチームでしたが このまま負けたくない気持ちがチームを一つにするのです
遂に連合軍側のテリーがシュートを決めてゴール
得点しました
4-1で前半終了です
ハーフタイムです
レジスタンスたちが脱走の穴を掘りあげ迎えにきました
しかし選手達は 負けたままでは試合を終われない!
脱走しない決心 穴に下りたハッチをコルビーも説得します
逆転できる! 戻るんだ 勝つ望みはある
ペレもハッチに「お願いだ このままひきさがれない 判ってくれ
今逃げたら試合に負けるだけじゃない」
コルビー「我々は勝てる」
彼らはサッカー選手なのでした
後半 彼らは2点目を取ります
さあこれで あと2点差
4-2で残り15分 連合軍シュート 決まりました これで4-3
ドイツ・チームはもめ始めます
一体の連合軍側
必死に守り続けるハッチ
連合軍側のシュートが決まりますが 買収された審判 ノーゴールだと言い張ります
余りなことにシュタイナー少佐は下を向きます 不公平さが恥ずかしいのです
ここで 負傷を押してルイスが出てきます
ここからのルイス(ペレ)は まさに神です
神のドリブルの美しさ
負傷した箇所をしつこくなぐられてもボールを渡しません
味方からのパスを受け・・・ここで ああここで神のシュートが決まります
いかに美しくすばらしいシュートかは・・・これはもう映画を絶対に観てください
この場面は鳥肌ものです
4-4 同点になりました
さすがの審判もノーゴールとは・・・言えませんでした
シュタイナー少佐も立ち上がり拍手です
「連合軍に勝利を!」観客席から大合唱が巻き上がります
とっころが例によって買収された不正審判がドイツにペナルテイ・キックを与えます
残り時間は1分
観客は「ラ・マルセイエーズ」を大合唱
ラ・マルセイエーズについては↓を
シュタイナー少佐は席を立ち上がり 前に出て見つめます
ハッチとキックする選手のにらみ合い この時点でハッチの視線の厳しさに ドイツ選手は負けています 今まで繰り返してきた試合とはいえない暴力 乱暴 不正
弱気です
ドイツ選手4番のシュートを 力強くハッチが止めました
この瞬間!
観客達は競技場へ降りてきます 余りの数にドイツ兵は阻止できません
観客達は選手に服を着せながら 着替えさせながら 競技場を出ていきます
自分達の命で選手達を守るように
ルネも大群衆と共にハッチのところへ
脱走していく人波眺めながら この世紀の大脱走にシュタイナー少佐は逆に嬉しそうです
公正を心がけながら 母国にその意図を歪められ邪魔されたシュタイナー
彼は軍人である前にスポーツマンでした サッカーを愛する紳士だったのです
私 ラストのペレのゴールの少し前からは いつも繰り返し観てしまいます
ドイツ選手4番の執拗なフアウルを乗り越え ペレが放つ神が宿ったようなシュート
最初サッカー選手の気持ちやコルビーを理解していなかったー連合軍側の大佐のガッツポーズ
嬉しそうな
最後の音楽まで わくわくするような映画です
観終わって又はじめから観たくなります
一人だと半日繰り返し 時には一時停止かけるほど 好きな映画の一つです
久しぶりに娘と観て また翌日も続けて観てしまいました
この映画のときのシルベスター・スタローンはいいです
私的に言うなら この映画の時のシルベスター・スタローンは「旬」です
マイケル・ケインとマックス・フオン・シドーのやりとり
ドイツ人を悪人ばかりに描かなかったのも この映画のいいところでしょう
後味もいいのです
↓このブログさん とても詳しいです 参考になれば嬉しいです
http://ameblo.jp/mini3298lo/entry-11267156757.html
↓同じく こちらも
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/ff9f1406223482b1eee72b42401e48ed
近くはないけど 同じ町内に肉屋さんがあった
肉だけでなく お総菜 豆腐 野菜もあり ちょっと便利だったのだけど お盆前に閉店してしまった
コロッケ クリームコロッケ チーズコロッケ ミンチカツ エビフライ トンカツなどの揚げ物
冷凍うどん
自家製焼き豚
おでんに入れると 美味しいスジ
肉はキロ買いすると 定価から割引があり
ひどく便利だったのに
理由は家族が闘病中で 家族でしていた店なので 家族の病院行きやら看病で お店を開けるのが無理になった為とか
個人営業のお店は難しい
流行っていても
どんどん減っています
本屋さん 八百屋さん 花屋さん 馴染みの店が閉まると寂しいです
スーパーではレジ打ちもセルフでってシステムに移行しつつあります
黙々と客が セルフ精算
そんな未来図は 随分寒々しています
品物を手に取って これ美味しいの?
一つオマケするから
なんてやり取りも買い物の楽しみのうちだと思うのだけれど
この野菜は こんなふうに料理したら美味しいよとか
そういうのってね 死に絶えた情景になるのでしょうか
買って帰りタレに漬け 1日置いたスペアリブ
同時調理キー 二度押し250度 18分焼きます
塩胡椒したスペアリブをナイロン袋に入れ すりおろしたニンニク すりおろしたリンゴ 蜂蜜 リンゴ酢 醤油を入れ 袋持って振り振り もみもみで冷蔵庫に入れ 焼くまで放置
野菜たっぷりのスープと合わせます
監督 リドリー・スコット
フランク・ルーカス(デンゼル・ワシントン)はハーレムで慕われギャングと呼ばれることなかったバンビーに15年間仕えていた
バンビーは商売の流通など世の中の変化についてフランクに話したあと死んだ
1968年 ベトナム戦争は軍人の中にも麻薬中毒者を生んだ
先の見えないアメリカ
バンビーの葬儀で フランクは言った
「この場には バンビーに借りある者が多くいる 自分はその借りを取り立てるつもりだ」
フランクは軍人と結びつき 東南アジアへ飛び 現地を仕切るボスと話しつけ ソウル・ブラザーになった
フランクが現地から直接輸入し販売することで 中間業者を入れないことで 純度100パーセントのヘロインを安価で販売する
商品はブルーマジック
一方リッチー・ロバーツ(ラッセル・クロウ)は しるしがない百万ドルを見つけても 届けるような正直者だった
周囲が呆れるほど
麻薬中毒や汚職などの悪徳警官溢れる中 特異な存在だった
その正直者ぶりを買われ 麻薬捜査のトップに抜擢される
捜査チームのメンバーも信用できる人間を選べと任された
彼は警察の仕事をしながら法律学校にも通っている
子供の親権巡り妻との争いもあった
相棒だったリヴェラ(ジョン・オーティス)は 麻薬絡みのトラブルで死ぬ
フランクは成功し一族を故郷から呼び寄せる
彼は六人兄弟の長男だった
「あの家は おふくろの家だよ」
広い土地に建つ大きな屋敷
フランクは家族思いで親孝行な人間でもあった
経営するナイトクラブで派手な服装する弟を注意する
フランクは目立たないように 目を付けられないように派手な行動はしないようにしていた
彼も男 恋もする
美人コンテストの女王 ミス・プエルトリコのエヴァ(ライマリー・ナダル)
愛するエヴァからの贈り物であることが嬉しく派手な毛皮の帽子とコートで ボクシングの試合モハメド・アリ対ジョー・フレージャーの試合を観に行き 取引あるマフィアのボスと話すところが リッチーの目に留まる
ブルーマジックを売るボスを探していたリッチーは フランクについて調べ始める
悪徳警官のトルーポ(ジョシュ・ブローリン)も挙式直後のフランクにたかる
高価な毛皮を着る男なら百万ドルくらいーと 賄賂をせびるのだ
派手な格好をしたことを悔やみ 毛皮を燃やすフランク
リッチーは司法試験に合格した
ベトナム戦争も終わりが近付き
そうなると軍隊輸送ルートは使えなくなる
現地へ飛んだフランクにソウル・ブラザーのボスは忠告する
「勝っているうちに止めるのは 臆病なことではない」
ハーレム牛耳るニッキー・バーンズ(キューバ・グッティング・Jr)がブルーマジックを薄めて販売
「ブランドを汚したんだ」と怒るフランク
商品の信用は大切だった
その帰り またもやトルーポから車を調べられる
フランクは知らなかったが弟がヤクを積んでいた
たかられる様子を 尾行するリッチー達が見ていた
リッチーは捕まえた人間から フランクの組織の情報を入手し 盗聴からヤクを輸入する場所を知り おさえにかかる
トルーポはフランクの屋敷を急襲 家捜しかけて
大抵ギャングは逃走資金を自宅に隠している 出せ!とフランクの妻に迫り 口答えされ殴り倒す
フランクが可愛がっているシェパードの犬小屋に目を付け シェパードを情け容赦なく射殺
犬小屋の下から多額の金を発見 にんまりする
リッチーのチームはヤクを詰める団地を発見 抵抗するものは射殺
多くを捕らえる
屋敷に帰宅したフランクは母親に責められる
日曜日 教会から出たフランクは逮捕された
フランクは日曜日は母親と教会へ行き バンビーの墓に花を供える
フランクのことを調べ上げたリッチー達は そのことも知っていた
逮捕されたフランクはリッチーと話すうち 互いの一致を見る
汚職など悪徳警官の一掃
次々と警官が逮捕されていく
トルーポは拳銃自殺をした
麻薬捜査局の四分の三が有罪になった
フランクの妻と母親は故郷に帰り フランクの一族は三十人が有罪になった
フランクは70年の刑が言い渡された
検察を辞め弁護士となったリッチーの最初の客はフランク
リッチーの弁護と司法取引により 刑は短くなり 1991年フランクは釈放された
原作マーク・ジェイコブスン(ハヤカワ文庫NF)
確か映画の公開当時は デンゼル・ワシントンとラッセル・クロウの2大俳優対決が話題になりました
追う者と追われる者 会って話してみたら 共感できる部分も人としてあったーということでしょうか
やり取りは
麻薬が栽培される場所の異国情緒
当時の車の形
成功した長男がしていたこと
昔気質の母親のなんとも言えない気持ちの表現
どこにポイントを一番持っていきたかったのか ぼやけているようにも感じられますが
釈放されたフランクは何を思ったのだろう
後どんな人生を送ったのかー
気になります
ラッセル・クロウはシャロン・ストーンと共演した「クイック&デッド」が外見的には一番好きでした
ちなみにフランク・ルーカスは実在の人物です↓
ちょっと切り口が面白かったブログさんです↓
http://d.hatena.ne.jp/aomeyuki/20080310/1205165067
こちらも↓
http://blogs.yahoo.co.jp/guch63/31177714.html
もう一つ♪↓
まさかお店に来てくれるなんて思わなかった
仕事帰りに寄るラーメンの屋台
よく一緒になる背ばかり高いぼさぼさ頭のサラリーマン
いつか話すようになり 美容院で働いていること話したら
カットに来てくれた
ちゃんと顔が見える髪形にしたら ひどく喜んでくれて 休日も会うようになった
結婚して共稼ぎだったけど いつか自分の店を持つ夢もあったし 忙しくても楽しかった
仕事のせいだとは思いたくなかったけれど 流産を繰り返してしまいー
病気で子宮摘出
女として お仕舞いになったみたいで落ち込んだ
自分には何の価値も無くなったように思えた
もう自分の子供は持てない
女じゃない
「少し環境を変えないか」と夫は言ってくれた
久保山重彦 重彦さん
「兄貴が死んだ 帰って来いって言われてる
一緒に行ってくれないか
必要なんだ 君が」
「子宮が無くても」
「もし僕の片腕が無くなったら 君は俺を捨てる 離婚する」
「いいえ いいえ」
やり直す為に 生き直す為に
夫の故郷へ向かった
死んだ兄に代わり夫は家を継ぎ 夫の親戚達の中でも 夫のいとこになる久保山一紀と典子の夫婦とは 随分仲良くなった
典子さんは妊娠していて
もっと辛いだろうと思ったけど 赤ちゃんが産まれるのが楽しみになっていた
無事に産まれた時は嬉しかった
紀梨子
お兄ちゃんの一典も可愛かったけど
夫の故郷で美容室開いてやっていくのもいいかなと思えてきた
気になることがないでもなかったけど 夫がいてくれる
一紀さん 典子さん
そこへ 山津波
一瞬にして家は流れ土砂に埋もれ
夫とはぐれた
気がついた時 一典と紀梨子を抱いて とぼとぼ歩いていた
本家の巴弥都真太郎さんが 家に置いてくれた
隣の山麓にある本家は被害が無かったから
半月経っても 誰も生きては見つからず
真太郎さんに相談して 子供達を養子にする手続きをした
本家の責任だと 真太郎さんは笑い 後は引き受けたと 子供達の養育費だと見舞金までくれた
何かあれば連絡してくれとも
子供達の存在は支えだった
一典は社会人となり就職し家を離れた
紀梨子は専門学校で幾つか資格を取る気でいる
そこへ一典は行方不明になる
よりにもよって あの土地で
相談受けたら 絶対反対した
行かせはしなかった
だから私には黙って行ったのか
紀梨子は一典を探しにあの土地へ向かい
気が気ではなかった
ひっかきまわして 巴弥都の本家の電話番号見つけ出し かけたけど 真太郎さんは死んでいた
孫だという青年が行ってくれると言ってくれた
断れない予約の仕事を片付けると 閉店にして あの土地へ 夫の故郷へ向かった
紀梨子の無事な姿を見るまでは 安心出来なかった
雑草が丈高く伸びている
墓参りに来る人は余りいないのだろうか
静かだった
蝉とか虫とか 鳴き声がしない
まるで全て死に絶えたかのように
墓石の名前を読んでいく
久保村 久保元 似たような名前が多い
久保山はーと捜すうち 墓の中に泉を見つけた
青い色に惹かれる
急に虫の声が聞こえてきた
ああ 虫はやはりいるのだわ
水ー 水が手招いている気がする
足が勝手に水に近づいていく
水ー あと少しで手に入る
手を浸けるだけでいい
水ー 水 水
めまいが止まらない
急に体が重い
どうしたんだろう
いったい
景色が揺れる
水 水さえ ああ水 水
「その水は駄目だ」
声がした
気が遠くなる
虫の声は消えていた
気が付くと男の膝の上だった
濡らしたハンカチが額にあてられている
「ああ 良かった 気がついたね 君 久保山紀梨子さんでしょう 僕は竹丘真と言います
君のお母さんの沙月さんから 娘がそちらの墓地へ行くって頼まれたんです
会えて良かった」
竹丘さんは額にかかる前髪も爽やかな ひどく整った顔をしていて こんなに暑いのに涼しげな姿していて
こういう時なのに 私はどきどきした
しかも初対面の人の膝の上
「ああ 急に起きないで ペットボトルの水があるから ゆっくり飲んでご覧」
多分 私とそう年は変わらない気がするのに 竹丘さんは随分落ち着いていた
「僕は本家の血筋になるんだ 祖父の真太郎が巴弥都(はやと)の最後の一人だった
少し前に亡くなって まぁ遅ればせの墓参りに丁度来てたんだ
本家の電話番号が変わってなくて良かった
沙月さん 探し回って電話番号を見つけたって
よっぽど君の事が心配だったようだよ
僕なんかに 電話口で拝まんばかりだったからね
僕も張り切ってしまった」
わざとおどけた表情 口調で 笑いを誘ってくる
ゆっくり起き上がり 座り直して水を飲んだ
「お兄さんが行方不明なんだってね 」
立ち上がり 周囲を見渡しながら 竹丘さんが尋ねてくる
私はバッグから 兄の写真を出した
「久保山一典 26才になります 」
竹丘さんはじっくり写真を見てから返してくれた「優しそうなお兄さんだね」
「落ち着いたら 一緒に捜そうか 久保山家の墓と 何かお兄さんが落としているかもしれない」
私 泣いてしまった
ー一緒に捜そうー警察でさえ事件性が無いと動いてくれなかったのに
出会ったばかりの人が 一緒に捜そうって
今まで心細かったんだって分かった
「ほら泣かないの 女の子の涙って 泣いてる姿って男心への最大の攻撃なんだから
あ 胸が痛いぜ」
竹丘さんは おどける
「確か あの墓の所の水は駄目だと さっき言われませんでした」
「僕もこちらで育ってないから詳しいことは知らない
祖父の家にあったものによれば 墓にある泉は禁忌の水と呼ばれているらしい
もしくは亡者の水ーと
生きた人間が触れてはいけないモノのようだよ」
もしや兄は飲んでしまったのだろうか
何かに誘われて
さっき私を襲っためまい
水に焦がれる気持ち
もし竹丘さんが止めてくれなかったら
悪寒がした
「あれじゃないかな」 久保山家之墓 墓誌に埋葬された人間の名前が刻まれている
平成四年六月ー 一紀 典子
間違いなかった
両親の名前だ
草むしりと掃除をしていると 兄の携帯が落ちていた
兄は ここへ来たのだ
そして何があったのだろう
1979年アメリカ映画「エイリアン」を久しぶりに観た
公開当時 母と映画館へ観に行った映画だ
テレビ放映は 何度かあったものの 観たことがない娘の方が真剣に観て シリーズ作品をレンタルしてくるくらいだった
「エイリアン」の前を描いたらしい「プロメテウス」が公開中ー
で久々に懐かしい気持ちで「エイリアン」を観た
冒頭の方も設定も登場人物さえ すっかり忘れていて
あとストーリー展開が こんなにゆったりだったっけーと 些か退屈しながら鑑賞
シガニーさん若い!とか思いながら
エイリアンに顔に張り付かれ 食事中腹からエイリアンが出てくる
そこで捕まえ 殺しておけば 映画はそこで終わりなのだが 実はアンドロイド(もしくはロボット)が邪魔し まんまとエイリアンは逃げて行く
でもって一人 また一人と成長が異常に早いエイリアンに殺されていき
最後はシガニーさん奮闘
エイリアンを宇宙に捨てて茶色猫と生き残る
好きなシリーズだけに娘はよく覚えていて詳しい
娘のお気に入りは船のマスコットの茶色猫
それからエイリアン
娘はエイリアンを茄子と呼びます
「茄子 大きくなった」
シガニーとの最後の対決でエイリアンが姿を見せる場面では 「茄子も寝るのかな 」
エイリアンが動くと
「やっぱ この茄子かわいい」
では 焼かれたエイリアンは 焼き茄子になるのか(笑)
「エイリアン」
「遊星からの物体X」
「人喰いアメーバーの恐怖」
テレビ放映あると なんか観てしまいます
つっこみどころも多くて楽しいし
帰宅した長男が出迎えた猫の瑠奈に言った
「いつも脱いでてかわいいぜ 触ってあげよう」
私「貰った!ネタにしよう」
長男「しまった ノセられた」
冗談にきまってるやんか イチイチ~~~~~
と長男が背後でぼやいている
下着を部屋着と言いはる長男は 暑い日 何も着なくていい猫がうらやましいらしい
遠い田舎の両親の墓へ 兄は子供の頃に行ったことがあり うろ覚えのままでいたのを どうやってか見つけたと電話してきた
確認してくる
間違いなければ一緒に行こう
兄は帰って来なかった
行方不明
昔 住んでいた場所で土砂崩れがあり 両親は死んだ
六歳年上の兄と私は子供のいなかった遠縁の養子となった
警察は余り真剣に捜してくれず 私は兄が残したものを あれこれいじくり見当をつけた
「無茶しないのよ
紀梨ちゃんにまで何かあったら
ちゃんと電話ちょうだいね
あの土地には 気を付けるのよ」
養母は美容師で常連客から結婚式の予約が入っていた
「全く三条さんの仕事でなきゃ 紀梨ちゃん一人で行かせないのにねぇ」
優しい養母は 心配そうだった
養母は家から近くの場所に建墓して 養母の夫と私たちの両親の墓にしてくれていた
ただ墓には 養母の夫も私たちの両親の遺骨も入ってはいなかった
見つからなかったのだ 遺体は
本家筋の人が うまく見つけられたら 代々の墓に埋葬してくれると 言ったらしい
その時 養母は少しでも早く あの恐ろしい土地を離れたかったそうだ
ー夫の重彦も 仲良くしていた あんた達の両親も死んじゃってー
私は赤ん坊だったから覚えてない
兄は生まれ故郷について幾らか覚えていることがあったのだろう
でも 何故 こんな急に
新幹線から乗り換え特急 更に鈍行しかない単線の田舎駅 そこから先はレンタカーを予約しておいた
兄は 一体どうしているのか
かけても兄の携帯はバッテリー切れらしく 電源が入ってないーとなる
兄が目的とした墓地へ行くつもりだった
けれど夜に行くのは気持ち悪い
宿泊場所が必要だった
なければ最悪 暑くても車の中で眠るか
駅で訪ねると 一応旅館はあるのだった
しかも駅の隣
言われてみれば看板は出ていた
宿帳に名前を書き 夕飯が出ると落ち着いた
酷く静かな旅館で 他の客の姿も見かけない
早々に眠ることにした
夢を見た
夢の中で これは夢だと自覚している
大きな池だろうか 湖だろうか
白い遊覧船が浮かんでいる
誰かを捜している
赤い車 山道をぐるぐる廻りながら下る
犬がいた
しかしこれは本当に犬だろうか
黄色と黒 虎のような色目で 大きくて しかも牙がある
一匹だけじゃない
三匹もいる
牙むき出して唸っている
どうしたら逃げられるのだろう
何かが起きている
何かが
目覚めてからもドキドキしていた
そして 見た夢ばかりが鮮やかだ
朝 もう一度お湯を使い 一応嗜みとして簡単な化粧をする
こういうことは美容師だけに養母は おかあさんは くどいほどに言った
身嗜みはきっちりなさい ー
はい おかあさん
養母は再婚もせず 女一人で私たち兄妹を育ててくれた
仕事柄 立ち詰めなのがいけなかったのか 養母は何回か流産繰り返し 丁度 私が産まれる前に子宮摘出の手術
「産まずに子供が持てたの 育てることできて嬉しかった」
養母の携帯は留守番だったけど 今日の予定を入れておいた
「親ってね 子供の姿が見えないと 手の届く所にいないと 勝手になんだかんだ心配する生き物なの
離れた時には 面倒でも電話一つか メールくれたら少しでも安心出来るから」
予定を互いにきちんと連絡入れる
それは私たちの家族の証し
兄もそれだけはきちんとしていたのに
一族の墓 古くからの その場所は兄に強い印象を与えていたのか 時々そこの話をしてくれた
山道を入った場所にある
入ってみれば山全部が墓
そう思える
「何故か墓に囲まれた泉がある
亡者の泉だから 絶対飲んでは駄目だと きつく教えられた」
亡者の泉って何なのだろう
宿を後にし 私は兄の残した地図を頼りに 車で山へ向かった
砂利敷きの駐車場に車を置き 後は歩きになる
湿った土の匂い 緩やかに道は登っている
進むにつれ鬱蒼と暗くなり 緑の闇の中を進んでいる気分になる
緑色 さわさわ ざわざわ 緑の影が揺れる
道は少し下りになり 山を登っているのか 下っているのか分からなくなる
何かが 動いた
尋常でない動きの生き物
あれはーあれはー
泥茶色?
見たことある動き
だけど違う
何かが間違っている
それでも私は前に進むしかなかった
随分 近くまで来ているのだもの
兄のメモには およそ半時間ばかり歩くのか?ーとあった
そろそろ近いはず
兄は墓を見つけることが出来たのだろうか
亡者の泉も
本家の決め事に逆らってはならない
そうした中で育ち 本家へ嫁ぐように言われ 男の子を産んだ
本家の嫁でありながら 下女と変わらぬ扱いで 母屋とは随分離れた別棟があてがわれ 夫の気が向いた時に呼ばれるー
男の子を跡継ぎを産み 必要ではなくなった
海近くの別荘で暮らすように言われた
乱倫の夫は屋敷うちに妻がいては邪魔だった
跡継ぎを作ったことで役目を果たした夫は
好き放題の生活を選んだ
寂しくはなかった
声が聞こえたから
小さな頃から聞こえてくる声
声は色々なことを教えてくれる
結婚が決まった時も
「ろくな男じゃないから 逃げてしまえばいいのに」
からっと言った
こちらのつらい思いも飲み込んでくれていて
「あんな家 ろくなもんじゃない
本家にある力を勘違いしている
バカばっかし
きぬの子供だから 何とか守りたいけど 父親が アレだから 他の親戚もひどいもの」
声は本家の様子
きぬの子供のことも教えてくれる
その声に怒りが含まれたのは
声の持ち主である巫女が 自分の後継者として産まれた子供を指名したのに
本家の人間が それは守ってきた このきぬが産んだ子供が 自分の年の離れた妹を 巫女にしたからだ
さよ
何も取り柄なく 巫女としての力もなく
「あの愚鈍な馬鹿が巫女になっては 狂う
巫女の聖域も闇に侵される
本家は 一族は滅ぶ」
声には絶望の響きがあった
「巫女の存在価値は消えた」
生まれてすぐ家族から離され ただ巫女としての修業を積み
ただ一人の姉妹とも 声で話すしか出来なかった
ーきぬ きぬ 間もなく私は死にます
私は巫女の後継者に指名した娘を守りたい
真の巫女を
私には体も無くなる
力を貸して
その心の中に私を受け止めて
育てて あの可哀想な 本来の場所を奪われた子供をー
それから間もなく ぷっつりと声が聞こえることは無くなった
この時ばかりは母親として
幽閉される運命の子供を引き取り育てることを 本家の投手となった息子に言い切った
息子は反対しなかった
ただ最初は その子供が怖かった
力を持つらしい人間
育てて もし存在してはいけないモノとなったら
巫女となった姉妹の持つ力は 人間離れしていた
それ故の巫女ではあるのだけれど
名前もなく戸籍もなく死んだ姉妹
この子供も同じ道を歩むのか 進むしかないのか
本家の一族のキマリゆえ
それで誰かが幸せになったのか
死んだ姉妹の怒りは伝染し共鳴する
赤ん坊は毎日 顔を変えた
泣いたり笑ったり 何か言おうとしたり
寝返りをうった
はいはいをした
立った
一歩 歩いた
何より人恋しげなその目
子供が声を発するより先に その言葉は 胸に届いていた
その子供は 自分の姉妹の姿を見ていた
見ることが出来るのだった
間違いなく強い力を持っている
美しい子供だった
一つ教えれば それをどんどん応用していく
聡い子供だった
巫女のさよは 本家の言うがまま 操られているだけ
確かに本当の巫女は名前無き この子供
この子供を善にするも悪にするも 育て方次第
では本家の嫁となり 本家当主の母親であるこの身が 全力を尽くし愛情注いで育てよう
この子供が悪となるなら 一緒に死のう
普通の女の子を育てるように 教えられることは全て教えよう
孫だと思おう
娘は この上なく美しく育った
その姉妹のマツエが 遠方から見物に来るほど美人の評判高かったように
当時中年だった離婚歴ある政治家が厚かましくもマツエを嫁にと望んだ
ある利権と引き換えに 本家はその縁談を受けた
逆らったのは当主の息子の真太郎
マツエを攫って逃げたのだ
出来るなら育てた娘をマツエに会わせる為に 出ていきたかったけれど
身体がいうことをきかなかった
寿命が尽きかけていたのだ
最期の気掛かりは 育てた娘のこと
「人に名前が無いなんて惨すぎます
この名前をあげましょう
良ければ これからは『きぬ』として生きてー」
あなたを愛していましたよ
幸せを願っています
自由に生きて いいんですよ
縛られることなく