夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

いよいよ2月も終わりです

2016-02-29 11:22:18 | 子供のこと身辺雑記
何かあれば パソコン利用で一覧表めいたものを作るのが得意な長男

卒業旅行に行く前に 旅の予定を貼っていきました



それとサッカー女子 なでしこの試合の予定も




マメなコです





先日 作ったカレー 今回は牛塊肉で  ストウブの鍋利用で少し煮てから あとは余熱任せといういい加減さで作ったのでした

白川紺子著「下鴨アンティーク 祖母の恋文」 (集英社オレンジ文庫)

2016-02-29 10:50:20 | 本と雑誌
下鴨アンティーク 祖母の恋文 (集英社オレンジ文庫)
白川 紺子
集英社



「第一話 金魚が空を飛ぶ頃に」
一年と少し前に亡くなった野々宮芙二子は高校生の孫娘の鹿乃にいわくつきの品が納められた蔵の管理を託した  だから鹿乃は時々 蔵の中の着物や帯を虫干しする

芙二子が近所の喫茶店の主人満寿から預かった金魚の柄の着物の色が変わってしまった
満寿は鹿乃の親友の三輪梨々子の祖父でもある 
満寿が若い頃に愛し共に暮らした女性は ある日その金魚の柄の着物を残して去ってしまった 理由も告げずに

鹿乃は梨々子ともう一人の親友の鉢木奈緒と三人で 満寿の許を去った女性について調べる
その女性が愛した金魚 傾いた生家を立て直すために 
鹿乃は着物の色を戻す方法に気付く




「第二話  祖母の恋文」
亡き祖母が懇意にしていた骨董店の北窓堂の主人が届けてくれたのは祖母からの預かり物だったという祖母から祖父への恋文
その恋文にまつわる帯も蔵にあるのだった

うなる帯の唸り声をしずめる方法とはー

祖母の若い頃と鹿乃は良く似ているーとう設定です



「第三話 山滴る」
祖母の芙二子と同じ写真に写っていた女性は若い頃は名前を知られた画家だったがーいつか筆を折ってしまっていた
その画家だった女性の着物も芙二子の蔵にあり 出せば着物の柄の季節が変わってしまった
鹿乃が女性の過去について話を聞きにいくとー二人の男性から愛されてしまった女性の哀しみが浮かぶ
知らず画家だった女性のことを話してくれた男性は 野々宮家の下宿人にして兄の親友でもある慧の父親であったことにー鹿乃は気付く



「第四話 真夜中のカンパニュラ」
夏になると鹿乃の兄の良鷹は別邸で暮らす 
骨董店の如月堂の娘で 女子大生の真帆は父親から良鷹へのお使いを頼まれた
品物を届けた真帆はその別邸でひどく美しい女性を見る
一瞬で消えた女性は幽霊なのだった

ここに幽閉されたその女性は投身自殺したと伝えられている

だが実はー

家の為に結婚した令嬢は酷薄な夫とその妾に責め殺されたのだった
そして令嬢が愛した男性も殺されていた



巻末には 作品をイメージした御山ひわさんのイラストも収録されています

白川紺子著「下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ」 (集英社オレンジ文庫)

2016-02-28 11:47:46 | ひとりごと
下鴨アンティーク 回転木馬とレモンパイ (集英社オレンジ文庫)
白川 紺子
集英社




野々宮 鹿乃   両親の死後 育ててくれた祖母が亡くなり 暫く落ち込んでいたほどのおばあちゃんっ子  休日には祖母の形見の着物を着ると心が落ち着く  小柄だが目もぱっちりとして可愛い  兄の親友で下宿人の八島慧のことを気にしている  祖母の遺したいわくつきの品物が納まった蔵の管理もしている高校生



野々宮 良鷹  鹿乃が自分の分まで身長を持っていったーというほどの長身 明るい栗色の髪で 若い女性が見惚れるほどの外見の持ち主  おばあちゃんっ子でシスコンでもある 簡単な料理しか作らないが とても美味しいらしい  滅多に働かないが目利きの古美術商




八島 慧  さらさらした綺麗な黒髪と切れ長の目の端正な容貌 かつ長身  私大にて近世文学を教える准教授 女子大生に人気あり  鹿乃に近づく男性に厳しい目を光らせている  野々宮家の下宿人 母子家庭で育った為か家事能力高し 



野々宮家は元家族の家柄で京都は下鴨 糺の森を囲む閑静な住宅街の一画にある


「第一話 ペルセフォネと秘密の花園」
鹿乃の祖母はいわくつきの着物を蔵に仕舞っている
その一枚を受け取りに英国からプリシラが来日
ところが着物は無地になってしまっていて 花が消えていた
どうしたら着物の柄が戻るのか
春を呼ぶ蝶 
着物への思い 




「第二話 杜若少年の逃亡」
蔵から出した着物が消えて 捕まえられない少年が家のあちこちに出没する
少年の正体はー
その着物は幸福になれた娘の想いもこもっていたー




「第三話 亡き女のためのパヴァーヌ」
音符柄の帯を出してから聞こえる あまり上手ではないピアノ演奏の亡き王女のためのパヴァーヌ
実ることのなかった恋
その帯には青年の求婚の気持ちもこめられていた



「第四話 回転木馬とレモンパイ」
良鷹が依頼されたのは音がならなくなったオルゴールの音を取り戻してほしいーそもそも自分が持つべき品では無かったからーそう告げた老婦人は詳しい話をする前に病気で亡くなった

良鷹は知り合いの女子大生も手伝わせ 調べるうちに真相にたどり着いた

恋に走った娘と身代わりをさせられて それでも幸せになれた娘




古い品には人の想いが残っていて 不思議も起こす
その不思議の謎を解いていくこと

シリーズが進むごとに少しずつ増えて行く登場人物たち その関係が どう変化し進んでいくのかー
そうしたことも気になるシリーズです

魚とお皿と

2016-02-27 11:02:19 | 子供のこと身辺雑記


開いて骨をとった魚が売られていたので 買ってきて 味醂・砂糖・醤油のタレに漬けてから 片栗粉をぱたぱたまぶして フライパンに油を入れて焼きました


使ったお皿さん







両方のお皿とも裏には同じしるし 同じところのお皿だと思います


娘がよちよち歩きの頃 まだ少しは元気だった母と女ばかり三人で出掛けて 陶器店の蔵ざらえ市で買ったものです
せっかく買ったのにー「勿体ないからー」と 倉庫に仕舞ったままで 母が使うことはありませんでした
買う時には 切り身の魚をこう置いてねーとか 話していたのに


他にも有田焼の綺麗な絵柄のフリーカップなども出てきて  
これも出したいな 出して使いたいなーって
食器棚にどうにかスペース作れないかしらーって思案しています



だって だって せっかくあるのに 使わなかったら もっと勿体ないじゃない?

でも 勿体ないからーと言われても 母に料理を入れて出してあげたかったなーなんて
寂寥と後悔と共に思ったりもするのです


今度 母の好きそうなおかずを作ったら お皿に入れて仏壇に供えましょうか


白川紺子著「下鴨アンティーク アリスと紫式部」 (集英社オレンジ文庫)

2016-02-26 22:34:36 | 本と雑誌
下鴨アンティーク アリスと紫式部 (集英社オレンジ文庫)
白川 紺子
集英社



元家族の家柄の野々宮家ではー  祖母のものだった着物を休日にはテーマを決めて着る十七歳の鹿乃 鹿乃の兄の良鷹
良鷹の友人で私立大学の准教授の慧が暮らしている


「第一話  アリスと紫式部」
源氏物語に材をとった柄の着物 その柄に異変が起きた  着物は開けてはいけないと言われていた蔵にしまってあった

祖母の友人の母親の着物であったことがわかる
元に戻すにはあべこべにしたほうがいいーらしいのだが




「第二話 牡丹と薔薇のソネット」
牡丹灯籠に材をとった図柄の長襦袢から女の泣き声が聞こえる
どうしたらその泣き声を止めることができるのか

諦めた恋 好きだった男性
死んでも想いが残っている




「第三話 星月夜」

良鷹と鹿乃の祖母の遺した日記は いわくつきの品が納まっている蔵を 鹿乃がきちんと管理できるか 問題解決できるかの宿題にもなっていた

蔵の中にある祖母の着物を見つけることができるかー


その日記には祖父母の馴れ初めも書かれている

ごちゃまぜに

2016-02-26 15:00:44 | ひとりごと
「猫侍」のスピンオフ作品で「猫侍 玉之丞を江戸へ行く」というドラマを観ました

その中で 女先生が白い猫の玉之丞を抱いて子供達に学問を教えている場面があります

一人の子供が「ねこにオバン」と書きます

こういうちょっとしたところにウケています


猫侍の白い猫がいかにして江戸へ来たのかーを描いたドラマでしたが




覚せい剤所持と使用で連日テレビでも大きく扱われている清原和博氏

PL学園時代「甲子園は清原の為にあるのか!」とアナウンサーに叫ばせたほどのスーパースター
高校時代 既に様々な伝説を持っていた

それからプロ野球入りをする時のー巨人からの指名を信じていて 早稲田大学への進学と思われていた同じPL学園の桑田氏が巨人に指名された時の
蒼白な表情
唇かみしめてー


それから西武ライオンズでの活躍
日本シリーズで巨人と対戦した時の 巨人から勝利間違いなしーの時に守備についていての胸にせまるものがあったのかの涙


ずっと観客をひきつける 注目を浴び続ける絶対の実力も伴う花形選手



それから長嶋監督の言葉にこたえて 巨人に入団してくれた



私は巨人ファンだが 清原選手の高校卒業の桑田指名の時に 何故 清原選手を指名しなかった巨人ー
と巨人という球団に裏切られた思いだった

だから長嶋監督の言葉にこたえてくれて 色々な思いを乗り越えて巨人に入団してくれた清原選手の「男」ぶりと心意気が 本当に嬉しかった


そして清原選手が 巨人から他の球団に移ると知った時には どうしてあれだけの選手になにがしかの花道の場を用意してやらないのかーと
巨人というチームの冷たさが嫌になった


デッドボールをぶつけられても そのぶつけられた球のあとが残る腕を高く掲げて一塁へ向かう姿

清原選手はどれだけボールをぶつけれらたことか


悪い噂ー記事も読むことはあったが 何かの間違いであってくれたらーと願っていた

今度の逮捕でむしろ清原和博氏はほっとしたのではないだろうかーとも思う

これをいい機会に完全に悪い事とは手を切ってほしい


あれだけ目立つ人間です
これからどう生活しようとーとても大変だろうとも思います


今迄は 尊敬の意味をこめて「あの清原選手の」と言われた子供さん達がー これからは悪い意味で「あの清原選手のー」と指さされるようになってしまいました

自分のためが難しければ 子供さん達の為に!

残る半生を 生き直してほしいと思います


ところで2月16日に心不全で78才で亡くなられた放送作家のはかま満緒さんが 清原氏が群馬県まで覚醒剤を買いに行っていたという話に
「そりゃーじょうしゅうだよ」と群馬県の上州と常習をひっかけた冗談を言われたそうです



いつか自虐からでもいいから 覚醒剤を使用していたことを自分で笑い話にできるようになってほしいと 願っています


今日もテレビでは巨人時代に同じチームにいた小田氏が 清原選手について話しておられます


前を向いて 生きて下さい
清原和博氏!






お天気が良いと犬達も嬉しいようです

2016-02-25 14:43:00 | ペット














ずっとラン(秋田犬2013年7月10日生まれ)を怖がっていたマリー(ジャーマンシェパード 2015年6月5日生まれ)でしたが だいぶ馴れて一緒に遊んだりもするようになりました

二つ並べた犬小屋のどちらかによく逃げ込んでいたマリーでしたが 定期的にランがそこまで近づいていくという努力?!を重ねた成果でしょうか^^;


ランの後ろを走っていって ランが振り向くと ちょっとびびって後ずさりもするマリー

でもってランが歩いた後の匂いを嗅いでみたりー

トキとは最初から仲良しのマリー

これまで夜は ずっと室内に置いてきた犬達ですが

ランは外に出ようとしてドアの一面を破壊 マリーはぶつかって(体当たりで)引き戸の硝子を割るーなどのこともあり 寒さも和らいだので夜も外に置いています

ずっとずっと家の中で飼いたかったのですが 諦めました・・;

犬達が外にいることを選んだところもあるのですが 


家の中にずっと置いておきたかったなーって気持ちもあり そこは後ろめたいようにすら感じています

旅行準備で

2016-02-25 14:23:25 | 子供のこと身辺雑記
四月からは大学院の博士課程へと進む長男だけど 修士課程は卒業ということで 学友達もそれぞれ進路が分かれる人も出てきたので(同じ博士課程に進む人 他の大学へ変わる人 就職する人)ー沖縄へ卒業旅行に行きます


で 先日 旅行トランクを買ったのですが 友人達と相談してーやはり機内に持ち込めるサイズのものも欲しいということでーまた少し小さいサイズを買ってきました

ついでに旅行で持つリュックも新しいのを購入







ちょっといい品を買ってあげたくて(散財でござんした・笑)






これは先日購入の大きいサイズです




今日買った一回り小さいサイズと比べるとこうなります






たぶん長男は これから学校絡みの旅行もあるかもしれないので コロコロ初心者なら このあたりでいいかしらと
使っているうちに また他の人はこういう品を持っているとかで 自分でこういうのが使いやすいとか分かってくると思います

身分は学生ですが 年齢はもう二十代半ば 四捨五入したら30~~~~・笑
社会人としての持ち物をーなどと考えています



お昼ご飯は鞄を購入したお店近くの「びっくりドンキー」で



ポタージュスープ











長男はウーロン茶 私はコーヒー


以前 地上波でも放送された「アンダーウェア」

2016-02-25 14:06:56 | テレビ番組
最終回の放送時間が変則的で ちょっと悪い意味で話題を呼んだドラマが BSで放送中
先日は第六話だった

主演は桐谷美玲さん 時田繭子役です

「エモーション」というオーダーメイドの下着専門店に就職

そこの女性社長の南上まゆみ役を大地真央さんが演じておられます

雑誌のやり手編集者の永井千春役に 宝塚歌劇のトップ男役であった蘭寿とむさん


美しい下着や 若い綺麗な女優さん
ベテランの女優さん

女性同士の友情や裏切り

そして本当にやりたいことーとか 人生にも通じるセリフも出てきて ほっとする場面 また笑えるセリフも出てきます

勿論ドラマですから 嫌な奴も出てくるのですがー


この第六話で私が一人ウケたのはー人生悟れてないーと呟く南上社長に戦友のような女性の田中麗子(千葉真子)が力づけるように言うセリフです
「達観しているババアなんて 乾燥ひじきみたいに戸棚に取り残されていくだけよ」



人生に正解なんて無いけれども だからこそ人は迷って

できる限り正しくありたいと
 生きたいと願う


死ぬまできっと迷い続けて 人生の正解を求め続ける生き物が 人間なのかもしれません


「報復ゾンビ」-9-

2016-02-24 14:16:28 | 自作の小説
ー新垣 忠秀ー

一年前 安田が死んだ カーブを回り損ねての転落事故

車の中で見事にぶっつぶれていたそうだ

親父の別荘を貸していたものだから 結構迷惑をした

馬鹿な奴は死にざままでマヌケだ



いい頃合いだ 他の奴らも消えた
どうせ何かしでかして居られなくなったのだろうが


もう30歳 いい加減にしろ! 嫁を貰えと親父にも言われている

少しはおとなしくしていたら お前はいつか社長になるんだからと


新垣連は社長にはさせない
くたばりぞこないのジジイにも会長職から 力づくで引退を願って

邪魔な連 気に入らない従弟

小さな時からいじめても泣かない
かわいげも面白味も無い奴


真面目で勉強ができて 礼儀正しくて 大っ嫌いだ


親父から連には双子の姉がいると教えられた

伯父貴が密かに会いに行っている

邪魔な娘だ 居なくなればいいーそう親父が言った

連の姉らしい清純派



健気に生きてますパターンな女
 

仲間と強引に車に連れ込み 別荘でゆっくり いただいた

殺すには惜しいタマだったが 生きていられても邪魔だし


俺らが連の姉さんで愉しむ様子を録画しておいたのを わざわざ連を招いて見せてやった

「ちょっと面白いDVDがある」と


奴は表情も変えずに最後まで観ると「でも 僕の趣味じゃ無かったな」と それだけ言った

面白くない奴め
俺らが犯しているのは そして殺したのはお前の姉さんだぜ

ざまァ見ろ!

このじりじりした喜び 連の奴ァ きっと布団の中で泣いたに違いない
そんな 女々しい奴だ


会社で仕事を覚えようとジタバタしているらしいが・・・・20代の甘ちゃんに何ができる
親父のいい餌食だ
そのうち大失敗させられて真っ青になるに違いない



伯父貴もいい加減ジジイすぎるジジイなんだから とっとっと会長職から退けばいい

アイツが俺が入社するのを徹底して反対し邪魔してやがる


死ね!早く死ね! いや輝子伯母と同じめに遭わせてやろうか

あの薬はまだ残っている

それとも火事で伯父貴と連 二人一緒にーというのもいいな
手間が省ける



こういう時あいつ等がいないのは不便だがー


ジジイとへなちょこガキくらい 片づけるのは簡単だ


が!その前にどこぞの良家の美人お嬢様との見合いに備えて いい男ぶりをあげてくるか


バカ高い金はかかるが 爪の手入れもする店

しかも働いているのは全員美人

マッサージの気持ちよさには眠りこけてしまった



ま・・・世間知らずの娘なんぞ 適当に煽て上げりゃ 何とかなるだろう

親父からは しつこく当分は女と遊ぶのはやめろと言われていた

少し大人しくしていればー過去のことなど「若気の至り」でごまかしきれるとー


鬱陶しい!


せっかく男ぶりもあげたことだし 遊んで帰るかー何処に行くかな まずは車に乗って・・・・・
地下の駐車場に向かう


車のドアを開けると 何かが足元に転がってきた

「すみません キーホルダー落としちゃって・・・・・」
若い女  リクルートスーツのような黒の上下 白いブラウス
下手をすればやぼったくなる組み合わせだがー
これは中身が極上 

かがんで一緒に車の下を見るふりをして 足を眺めた
いい脚だ

「あ 邪魔してごめんなさい 見つけました」
笑顔を向けてくる そしてこちらの足を触ってきた
「ま すみません ゴミが・・・・」



そして 何があったのか

あちこちぶつかる 手も足も動かない  暗い 

何か目に当てられている 手を足は縛られているーのか

どこだ ここは 

車の中か 動いている?


息苦しいぞ この鼻と口を塞ぐ布 どうにかならないのか



何が 起きている?!



どれだけ時間が経った?

俺がどうして こんな目に合わなくてはいけないと



やっとやっと車が停まる



車のドアが開いた音がする


「ずっと考えていたわ どんなふうに殺してあげようかと」

女の声


「わたしを殺して つかまらなかったから味をしめて また何人も殺したようね

つかまえて いたぶって 殺す


死体が見つからないと死んだことにはならない 殺したことにはならないんだって」


冷たい声の囁きが続く

「身動きもならないまま 死んでいかないといけない気持ち あなたも味わうといいわ」



誰だ? 誰だ?

何をしている  おい! おい 一体何を


「ごきげんよう」

声は 遠くなる


熱い・・・・・・ この匂い


燃えているのか 車が  燃えて  


おい!


止めろ! 止めろ! やめてくれ!


うあああああああああああ・・・・・・・・・・・・・




「報復ゾンビ」-8-

2016-02-24 01:10:05 | 自作の小説
死から浮かび上がるように 長く深い眠りから女は眼を覚ます

少し甘い味のする栄養剤と瑞々しい果物が枕元に置かれている
女の身内の心づくし
いつ目覚めてもいいように


ほぼ死んでいる女の為に・・・・・


いつか皮膚も腐り果て ぼろぼろになるのではないか
映画のドラキュラのように崩れて塵になるのではないか


横たわったまま女は腕を伸ばし 指の一本一本を確認する

動ける不思議さを考えることはやめた

残された数少ない肉親にも危害を加えようとする者達

その者達を 彼らをー滅ぼす!

善とか悪とか どうでもいい


標的を定めて女は仕度をする


外では血飛沫のように赤い霧が月を包んでいた
まだ夜は始まったばかり






男の親は地方でチェーン店を展開しているスーパーを経営
しっかり者の長男と働き者の次男

少し年の離れた末っ子は 甘やかし放題に育てられた

そして男は 一番あかんコに育った

小学生の頃からすぐにばれる嘘をついては 人をおとしいれようとしてーナンバーワンの嫌われ者に

やがて地元には置いておけなくなり 
預けられた親戚の家では 似たような性癖の人間とつるむようになる

ひいては親戚にも追い出され


なまじ戻って来られてはーと 親は金だけを送る


おかげで男は働くということを知らぬまま そこそこいい年になった


それでもそうした悪さをする仲間が一人消え 二人消えて 連絡もとれなくなるとー


バカなりに焦燥のようなものは感じている

何か変だ 何かおかしいと



男は連れの一人の親が所有する別荘にひきこもった


だがー一人で静かにしていられるだけの我慢は続かない
持ち込んだ酒も食べ物もじきに尽きる

料理のできない人間に籠城はできない


男は別荘のある山から駅近くのコンビニまで車を走らせた

カゴに入れるはー冷凍食品 レトルト食品 ビール チューハイ 日本酒 ウイスキー
レジ横のケースから焼き鳥 唐揚げ ポテト

薄い袋は重みに耐えず 車までも持たずに破れる

散らばった中身を ぶつぶつ文句を言いながら拾い集める


「これ 良かったら どうぞ」
きちんと畳まれていた買い物用の袋が 広げて置かれた
「予備に入れてる未使用のモノです」

そう言いながら 敗れた袋ごと 中身を詰める

上から降ってきた甘やかな声 ほっそりした白い指

不思議な金茶色の口紅が良く似合う


スクエアなフレーム越しの切れ長の眼


ぽけっと見とれていると 心配そうに「大丈夫ですか」


「あ ああ助かる」

すると女は形の良い両膝を揃えて立ち上がる「では お気をつけて」

ウエーブのかかった長い髪が女の背で揺れる
ずうっと見ていたいような後ろ姿だった


男は女の歩き出した方角へと車を向ける


女はバス停のベンチに腰かけていた
このあたりのバスは一時間に一本しかない


「送っていこうか」
精一杯 好青年の表情を作り誘ってみる


「送られたくない気分なんです」


「なんで?」


軽く吐息 それから苦笑いしつつ女は答えた
「待ち人来らずーふられちゃったんです わたし」


ーいや 勿体ないにもホドがあるだろう こんな美人をー

「一人でいたくない気分なんです」と女は続けた



「じゃあ ドライブは 気分転換になるよ」


男の誘いに女は乗った


助手席に座った女にビールを勧めてみる

「もっと強い酒が飲みたい気分なんです」

これは百年に一度のラッキーか!男は車の速度を上げる


女は少し窓を開けた 「ああ 気持ちいいわ!」
長い首の白い喉をのけぞらせて女が笑う

もっともっととアクセルを男は踏み込む

カーブの手前 女は男の顎に指をかけて 「有難う とっても楽しいわ」
男の唇近くで囁いた


道路から完全に男の注意が逸れる

車はカーブを回り損ねて 落ちる 墜ちる 墜ちる



動きが止まった車の窓から女が出てくる 「全然美味しくない」

車の中には 完全に死んでいる男ひとり

おかえりなさい

2016-02-24 01:06:12 | ペット
猫の瑠奈は長男が好きです
留守だと 起きている間 長男が座っている場所に居続けています



ずうっと お兄ちゃんが帰ってくるのをー待っています


でもって帰ってきたら 足元を転げ回って 離れません







でもって基本 私の膝に来るのは 長男が寝てしまってからーです