名古屋駅西にある喫茶店ユトリロ 高齢の千代と娘夫婦が営む店には東京から来た18歳の孫の龍(とおる)が同居
龍は名古屋大学の医学部の学生
大学で親しくなった友人は平井駿
平井駿には先輩で頭脳明晰な美女の明壁麻衣がいる
第一話 手羽先唐揚げと奇妙なイタズラ
喫茶ユトリロの常連客の岡田栄一と美和子夫婦の家の前に手羽先の骨が置かれると言う 医学生だと頭がいいだろうと相談されてしまった龍だがー
話を聞いた駿が紹介してくれたのが麻衣
巨人ファンには怒りを向ける・・・(巨人ファンにはいい迷惑だがー)熱狂的中日ドラコンズファン(その生き方は人生をせばめていると思うけどね・笑)
麻衣が見透かす謎の解答はー
第二話 カレーうどんとおかしなアフロ
双子のような姿のアフロヘアの二人の人間がカレーうどんを食べていて服のシミまで同じところについていたという
ユトリロではクローン人間ではなどとまでに盛り上がる
噂の二人を見かけた龍は友人の駿と共に追いかけるが その姿が消えた
その顛末がネットに動画でアップされていてー
しかもこのことには龍の叔父が関わっていた・・・・・
第三話 海老フライと弱気な泥棒
ユトリロの常連客が泥棒を捕まえて新聞に載る
泥棒から言われた謎の言葉・・・・
言葉の意味を知ろうと泥棒の身辺を調べる龍
名古屋の人間とは・・・・・・
第四話 寿がきやラーメンと家族の思い出
ユトリロの常連客の水野は一人暮らし その水野が暫く姿を見せず 案じた龍の祖母の敦子は水野の様子を見てくるように言った
龍が水野の家に行くと 水野は倒れており救急車を呼んでー
龍は寿がきやには行けないという水野の言葉が気になっていて
人とのつながり ある幸福
時に辛くなる想い出というもの
第五話 鬼まんじゅうと縁結びの神
ユトリロの常連客の本田はデートをしたが うまくいかなかったらしい
一体何故なのかー
同じユトリロの常連客で「紳士」と呼ばれる男はその理由を察していた
さて本田の失敗の原因とはー
第六話 味噌おでんとユトリロが似合う店
喫茶ユトリロには店を始めた龍の曽祖父が闇市で買ってきた絵が中二階に飾られている
ユトリロの描いた絵として売られていたのだがー誰も本物とは思っていない
その絵が店の名前の由来にもなっているのだが
「紳士」と呼ばれる客は その絵を眺めながら食事する
ある日ユトリロに泥棒が入り その絵が盗まれてしまった
絵が盗まれてから姿を見せなくなった「紳士」
他の常連客達は紳士が絵画泥棒ではないかと噂をして
そうではないと思う龍は紳士を捜す
喫茶ユトリロの壁に飾られていた絵は実はー
絵は戻り その裏に龍の働きがあったと察した龍の祖父の正直は龍を誘う
いつかユトリロも閉める日が来る
それでもー
人とのつながり
そして名古屋めしなどと呼ばれるもの
身の回りのささやかな謎が描かれ
読みながらお腹のすく小説でもあります
世の移り変わりは仕方ないことではありますが 変わらないでいてほしいもの 残ってほしいものもあります