遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

東芝 原発受注を新興国にシフトで生き残りを賭ける

2012-08-14 23:15:44 | 新エネルギー
 原発比率をいくらにするかと、絵にかく餅の空論がさも重大なことの様に取り上げられています。
 何故絵にかく餅かというと、何の根拠もありもしない自然エネルギーを大きなウェイトで算入していることです。財源のあてもないのにバラマキマニフェストを作成したときと同じ発想で、実現の可能性がない絵だからです。
 国民はそんな風に、また騙されて乗せられてはいませんか?
 原発は、最終廃棄処理が確立されておらず、リサイクルの実現がどうかといった段階ですから、脱CO2の決め手として安定した大量電力を供給できる利点は他に類をみませんが、代替エネルギーを開発して廃止していかねばならないことは、議論の余地がないところです。ただ、そこには、代替エネルギーの開発という、答えが見つかっていない時間軸があります。この時間軸の根拠なく、絵に描いた餅の議論をしても、空しい時間の浪費です。その時間を、代替エネルギーの開発議論にあて、そのロードマップが見えて来てからエネルギー全体の議論をするのが順序でしょう。
 太陽エネルギーだけ、吐出した積み上げ総原価の超割高で購入というのも、怪しい。

 その間、好むと好まざるとに係らず、また、原発を廃止することに決めた後も、原発技術は必要です。
 世界のトップレベルを行き、今回の事故から学んで更に磨きをかけられる日本の原発技術は世界の原発に貢献するのが歴史に残る事故を起こし地球を汚してしまった日本の勤めだと考えるのです。そのための原発技術を持つ企業の存続が必要ですが、彼らはその間生き残れるのでしょうか。
 東芝は、新興国の原発受注に生き残りを賭けることにしたのだそうです。
 

東芝、新興国とパイプ作り 原発受注強化へ WH株売却方針 (8/13 読売朝刊)

 
東芝が67%を保有する子会社の米原子力大手ウェスチングハウス(WH)の株式のうち、過半数の51%を残して16%を売却する背景には、新興国での原子力発電所の受注に向け、東芝が主導権を確保しながら有力な出資先を取り込んで、陣営を強化する狙いがある。売却先は米国企業が第1候補だが、他国の原子力関連企業が名乗りを上げる可能性がある。

■海外が生命線
 東京電力福島第一原子力発電所事故後も、経済成長で電力需要が急増する新興国では、原発建設の動きが相次いでいる。
 中国では建設・計画中の原発が57基あり、インドも63基を建設する方針だ。日本政府は2010年に原子力発電を30年までに国内で14基以上新増設する方針を閣議決定したが、福島第一原発事故で状況が一変。
国内での新規原発建設が事実上困難となり、原発関連企業にとっては、海外での受注が生命線
となっている。
 ただ、
事故の余波で、以前より日本勢が海外で受注を獲得するのは難しくなった
ため、東芝は新たな出資先との業務資本提携などで、自らの陣営を強化し、製造工程の安定やコスト削減を図る必要があると判断した。特に、自社で供給が難しい原子炉関連の設備や技術を保有する企業を引き込みたい考えだ。
 受注額が数千億にも及ぶ原発の新設は通常、1社だけで受注することはなく、プラント会社やウランを調達する燃料会社など幅広い企業を集めなければならない。陣営にどんな企業が並んでいるかが、受注の獲得に大きな影響を与える。

■陣営強化が急務
 日本勢では、日立製作所が世界的な重電メーカーの米ゼネラル・エレクトリック(GE)と組み、三菱重工業は仏政府が全面的に後押しをしている原子力関連企業、仏アレバをパートナーとしている。
 一方、東芝は米エンジニアリング大手ショー・グループがWH株の20%を保有しているが、原発建設を進める上での強力なパートナーとは言えなかった。しかも、ショーは経営難に陥り、来年1月までにWH株を手放す方針を発表し、陣営の再構築を迫られていた。
 原発の受注競争では、品質や価格だけではなく、「相手国政府への働きかけも重要」(経済産業省幹部)だ。特に、政権中枢に実権が集まる新興国では、この傾向が強く、相手国とのパイプ作りなどに長けた国際企業と組むことができるかどうかが、受注の成否を大きく左右する。
 今後、大詰めを迎えるWH株の売却先選びは、米企業が中心となる見通しだ。安全保障上の観点から米政府が難色を示しかねない中国企業などの新興国企業は選びにくい。WH株の売却を通じて、東芝が強力な国際的なパートナーを獲得できるか注目される。

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日本原発メーカーの動向
       炉型  協業形態   主な案件
東芝     BWR  東芝がWHを トルコで受注活動
米 WH     PWR  子会社化  中国で4基を建設中、米国では
   4基の建設・運転が許可

日立製作所  BWR  合併会社  リトアニアで近く正式契約
米 GE     BWR  設立

三菱重工業  PWR  合併会社  ヨルダンで受注活動
仏 アレバ   PWR  設立

 * PWR=加圧水型、BWR=沸騰水型
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 海外での原発受注活動をしているのは、記事の三社グループの他に、三社や電力各社が出資(事故後東電は離脱)している国策会社の国際原子力開発が、ベトナムでの受注をしています。

 トルコでの受注は、韓国勢の攻勢が急で、日本の事故による対応遅れがあり、優先交渉権が消滅していますね。
 
 事故が発生した時、800人いた人員の内、750人が撤退して50人だけが踏みとどまり復旧作業にあたりました。50人の内訳は東電の社員の他に、東電工業、東電環境エンジニアリングといった子会社、原子炉を製造した東芝、日立製作所などメーカーの社員の方々で、欧米のメディアやネットで「英雄フクシマ50」と称され日本には逆輸入の形で紹介されました。俺たちが守るしかないと、危険を顧みず踏みとどまっていただいた恩は、日本国民は何時までも忘れないでしょう。
 
2号機への電源施設工事終了 「英雄フクシマ50」に感謝 - 遊爺雑記帳
 プロの勇士が日本を救う - 遊爺雑記帳

 この熱意と技術力を備えた日本の宝を絶やしてはいけません。
 繰り返しになりますが、事故で得た経験と知見を世界に役立てて貢献すると同時に、安定した代替えエネルギーと交代し完全廃炉と廃棄物処理をするための研究開発に向けた活動が継続されるためにも、各社の海外での受注活動の成功と活躍を願っています。
 肝心の国内の感情やパフォーマンス優先のアゲンストの風は、海外からの信頼も損ない、苦しい道のりですが、解る人は解るはずです。



 # 冒頭の画像は、中国浙江省三門県の東部海岸で建設が進む次世代型加圧水型原子炉「AP1000」



  この花の名前は、シャガ


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