遊爺雑記帳

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ジョンソン首相のメルトダウン、ポンドにとっては一安心

2022-07-09 01:33:55 | 英国全般
 ボリス・ジョンソン英首相は閣僚や与党議員の大量離反を受け、7日に辞意を表明。
 自ら定めたロックダウン規則を破るなど、次から次に不祥事が噴出。ジョンソン氏が起用したばかりの幹部に性的な不適切行為疑惑が浮上したことで、与党保守党内からも退陣を求める声が一気に高まったと、WSJのJon Sindreu(以下、WSJと表記)。
 
ジョンソン首相のメルトダウン、ポンドにとっては一安心 - WSJ By Jon Sindreu 2022 年 7 月 8 日

 ――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

        ***

 
誰が英国の次の指導者になろうとも、ポンドが道を踏み外すことはなさそうだ

 
ボリス・ジョンソン英首相は閣僚や与党議員の大量離反を受け、7日に辞意を表明した。ジョンソン政権は新型コロナウイルス対策として自ら定めたロックダウン規則を破るなど、次から次に不祥事が噴出した。6月に行われた信任投票ではジョンソン氏が支持を勝ち取ったものの、同氏が起用したばかりの幹部に性的な不適切行為疑惑が浮上したことで、与党保守党内からも退陣を求める声が一気に高まった

 
ジョンソン氏の辞任が伝わると、ポンドはドルとユーロに対して上昇政治的混乱がその国の金融資産にとって値上がり要因になることはめったにない、ジョンソン政権が窮地に立たされ始めた6月以降は、混乱が起きる度にポンドが買われる傾向が続いていた。値動きはそれほど大きくないものの、投資家心理にとってジョンソン氏の辞任がマイナスよりプラスに働いていることがうかがえる。

 貿易相手国の通貨で構成される通貨バスケットと比較した
ある国のインフレ調整後通貨価値は、時に大きなかい離があったとしても、過去の平均値に収れんする傾向がある。1964年に算出が始まった国際決済銀行(BIS)のデータによると足元のポンド相場は英国が2016年に欧州連合(EU)離脱(ブレグジットを決めた時点以来の安値近辺で推移。先進国の中では、低金利が重しとなっているスウェーデンクローナと円に次いで割安な水準にとどまっている

 
英国株もアンダーパフォームしており、為替レートやセクターの違い、企業業績を考慮してもなお低調なままだ。

 
英国はEUを離脱したことで、長期的な輸出機会が落ち込んでいる。英国に再び資本投資を呼び込み、サプライチェーン(供給網)の混乱を回避する包括的な産業政策が導入される見通しはまだ立っていないジョンソン氏は北アイルランド議定書の一方的変更を辞さない構えを示し、貿易協定を巡りEUに揺さぶりをかけ、国民の痛みを引き延ばしてきた。足元ではエネルギー価格の高騰が小売売上高や消費者信頼感の重しとなり、英国はリセッション(景気後退)入りの瀬戸際に追い込まれている

 
ジョンソン氏の後任を決める与党党首選の行方は予断を許さない。ブックメーカーの予想勝率が最も高い候補者はベン・ウォレス国防相だが、それでも勝利の確率は29%にすぎず、今後の政策を予測しづらい。他に候補に挙がっているリズ・トラス外相とペニー・モーダント国際貿易相はいずれも強硬なブレグジット派だ。

 英企業を対象に昨年実施された
イングランド銀行(中央銀行)の調査では、不透明感はブレグジットやコロナ流行と同じくらい投資を抑制していることが分かった。これはおそらく海外の資本にも当てはまる。一部では時価総額が目減りした英企業の買収を模索する動きも出ているが、外資の大半は英国に戻ってきていない。こうしたことを踏まえると、ジョンソン氏の辞任は紛れもなく朗報だ。いずれの後任候補にも、ジョンソン氏ほどめちゃくちゃなリーダーとなる片りんはみられないし、同氏ほどEUと対立しそうな候補もいない

 さらに、次期首相が財政支出の拡大に道を開く見返りに、英中銀にさらなる
利上げを促す可能性もある。そうなればポンドにとっては追い風だ。財政規律派だったリシ・スナク財務相は5日に辞任した。候補者たちは保守党の支持層に訴えるため、減税を公約に掲げるかもしれない。

 英国資産が平均的な水準を完全に回復するには、
国民に理想像を描いてみせる首相が必要なのかもしれない。ただ、アンダーパフォームの期間が長かったことを踏まえると、ジョンソン氏の退任だけでも、その効果があるかもしれない

 ジョンソン氏の辞任が伝わると、ポンドはドルとユーロに対して上昇。政治的混乱がその国の金融資産にとって値上がり要因になることはめったにないことだと、WSI。
 値動きはそれほど大きくないものの、投資家心理にとってジョンソン氏の辞任がマイナスよりプラスに働いていることがうかがえると。

 ある国のインフレ調整後通貨価値は、時に大きなかい離があったとしても、過去の平均値に収れんする傾向がある。 
 国際決済銀行(BIS)のデータによると、足元のポンド相場は、ブレグジットを決めた時点以来の安値近辺で推移。先進国の中では、低金利が重しとなっているスウェーデンクローナと円に次いで割安な水準にとどまっていると。
 英国株もアンダーパフォームしており、為替レートやセクターの違い、企業業績を考慮してもなお低調なままだとも。

 英国はEUを離脱したことで、長期的な輸出機会が落ち込んでいる。包括的な産業政策が導入される見通しはまだ立っていない。
 足元ではエネルギー価格の高騰が小売売上高や消費者信頼感の重しとなり、英国はリセッション(景気後退)入りの瀬戸際に追い込まれていると、WSJ。

 興味深いのは、ジョンソン氏の後任。
 与党党首選の行方は予断を許さないと、WSJ。
 ブックメーカーの予想勝率が最も高い候補者はベン・ウォレス国防相だが、それでも勝利の確率は29%。
 他に候補に挙がっているリズ・トラス外相とペニー・モーダント国際貿易相はいずれも強硬なブレグジット派なのだそうです。
 イングランド銀行(中央銀行)の調査では、不透明感はブレグジットやコロナ流行と同じくらい投資を抑制しているのだと。
 
 外資の大半は英国に戻ってきていない。こうしたことを踏まえると、ジョンソン氏の辞任は紛れもなく朗報だ。いずれの後任候補にも、ジョンソン氏ほどめちゃくちゃなリーダーとなる片りんはみられないし、同氏ほどEUと対立しそうな候補もいないと、WSJ。

 さらに、次期首相が財政支出の拡大に道を開く見返りに、英中銀にさらなる利上げを促す可能性もある。そうなればポンドにとっては追い風。
 候補者たちは保守党の支持層に訴えるため、減税を公約に掲げるかもしれないと。

 英国資産が平均的な水準を完全に回復するには、国民に理想像を描いてみせる首相が必要なのかもしれない。ただ、ジョンソン氏の退任だけでも、その効果があるかもしれないと、WSJ。

 プーチンのウクライナ侵攻に対しては、NATOの中では米国と共に強行姿勢を貫いてきたジョンソン氏。
 ブレグジットに伴い、日英EPAを締結、CPTPPへの加盟も進めていたジョンソン政権。次期首相は、どのような対日関係を目指していただけるのか。要注目ですね。

 英国のCPTPP加入手続き進展、国際通商相は日本などアジア訪問へ(ブルネイ、シンガポール、ベトナム、マレーシア、日本、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、チリ、ペルー、メキシコ、英国) | ビジネス短信 - ジェトロ



 # 冒頭の画像は、辞任を迫る議会に抵抗してきたジョンソン首相。




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