遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

自民党 普天間移設で県連とネジレがあるのは命取り

2013-05-24 23:43:30 | 日本を護ろう
 参院選に向けてふらつきが見られる自民党。「村山談話」「河野談話」の新見解云々の後退。憲法改正での96条改正優先のトーンダウン。米国からお灸を据える発言を喰らったとたんに衆院選の時の勢いはどこへやら、ブレと言っていいふらつきが見られます。
 また、世論が別れる課題として「原発の再稼働や廃止」「TPP参加」などがありますが、沖縄では「普天間移転先」が日米同盟を揺るがす課題となっています。鳩によって盛り上げられた県外移設が鳩によって元のキャンプシュアブ移転に戻され、沖縄の方々は弄ばれてしまいました。民主党内もバラバラになり、沖縄では選挙の候補者も立てられない状況にまで党が崩壊しました。
 自民党が今、同様に県連と本部で移転先を巡り統一政策が採れず、混迷しています。このままでは、民主党の二の枚で、政策より議席=自己利益を追求する党との国内批判や、日米首脳会談の約束をたがえる日本としての米国の信頼を失う政党・政権となります。
 
 今日、読売と産経が、この普天間移設に関する自民党の状況を取り上げていました。
 県連と本部のネジレの現状と環境を淡々と書いているのが読売。
 

政治の現場 参院選の争点 5 普天間県連と食い違い (5/24 読売朝刊)

 
自民党の沖縄県連は昨年12月の衆院選の地域版公約(ローカルマニフェスト)で、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場回について、「県外移設」と明記した。参院選でも踏襲しようとしている。
 沖縄県名護市辺野古に移設する政府方針とは相いれず、その食い違いに、厳しい視線が向けられている。
 自民党の高市政調会長は15日、那覇市を訪れ、沖縄県連の座喜味一幸政調会長と向き合った。
 高市は、衆院選の地域版公約の「県外移設」の文字を人さし指で覆い隠しながら迫った。
 「この表現は困ります。ここは外してください」
 座喜味は「パンドラの箱は開けられてしまった。県民の思いはもう変わりません」と反論し、平行線に終わった。
   ◇
 2009年衆院選で、民主党の鳩山由紀夫代表(当時)は、普天間飛行場について「最低でも県外」と発言し、沖縄県民の期待感を一気に高め、まさに「パンドラの箱」を開けた格好になった。その後、首相になった鳩山は10年5月、辺野古移設に軌道修正したが、混乱に拍車をかけただけだった。
 安倍政権は、辺野古移設へ向けて事態の打開に動いている。
安倍首相は2月、オバマ米大統領に対し、辺野古移設を推進する考えを伝えた。
3月には、政府が辺野古の代替施設建設のための公有水面埋め立てを県に申請した。
 4月下旬には、
沖縄県選出の西銘恒三郎衆院議員と島尻安伊子内閣府政務官が県内移設容認に転じた。しかし、地方議員を中心に、県連内はなお、県外移設派の意向が強い
。「『県外移設』の訴えを少しでも変えれば、沖縄の選挙では勝負にならない」との判断もある。
 
沖縄選挙区で、自民党から立候補する新人の社会福祉法人理事長の安里政晃は19日、那覇市で石破幹事長と会い、「私は『県外』で戦いたい」と述べ、選挙戦で県外移設を主張する意向を伝えた。会談後、記者団に対し「自民党員である前にウチナンチュ(沖縄人)なので、ウチナンチュの声を代弁していくのが当たり前だ」
と話した。
 革新系の地域政党・沖縄社会大衆党の委員長で、共産、社民両党などとの共闘で3選を目指す
糸数慶子は
、反基地の立場を貫き、普天間飛行場についても県内移設反対を主張している。
 17日には、市民らが平和を訴えて県内を行進するイベントに参加した。出発地点の読谷村役場広場では、記者団に対し、「
中央とねじれた状態で政策を出すなら、(安里は)自民党でない状態で立候補したらどうか。県民を惑わせるだけだ
」と指摘した。
 民主党は、昨年の衆院選で沖縄では1議席もとれなかった。細野幹事長は15日、沖縄を訪れ、仲井真弘多知事と会い、沖縄振興に取り組む決意を伝えたが、会談後、参院選沖縄選挙区での独自候補擁立について、「擁立しきれるかどうかは難しい判断だ」と記者団に述べ、厳しい認識を示した。
   ◇
 日米両政府が4月5日、嘉手納基地より南の米軍施設・区域の返還計画を発表して以降、
反基地の県民感情がやわらぎつつある
、と指摘する声も出ている。
 辺野古移設に関する埋め立て許可の可否を判断する
仲井真は、辺野古移設について「時間がかかりすぎる」として県外移設を求める立場を崩していない。ただ、5月10日の記者会見で「実感的に4割くらいの(県内移設)賛成派がいるかもしれない」とも語り、県民世論の推移を慎重に見極める構え
をみせた。
 沖縄県の尖閣諸島を巡る日中の対立は深まっており、在沖縄の米軍基地の抑止力の重要性は増している。沖縄県の米軍基地問題にいかに取り組むか。参院選に臨む各党、各候補に、重い問いを投げかけている。 (敬称略)

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沖縄 (改選定数1) 
 安里 政晃 45 自民新 公明推薦
 糸数 慶子 65 諸派現 当選回数 2 生活、共産、社民推薦
 金城 竜郎 49 諸派新


 淡々と描いている読売の記事、何が言いたいのか。以下は、遊爺の考えを前面に出した勝手な推測(笑)です。
 安倍首相が訪米し、オバマ大統領と約束した「辺野古移転推進」。鳩が壊した辺野古移転の県内でもあと数百メートルの位置にまできていた合意と、日米同盟への亀裂を取り戻すと決意を示したものでした。
 危険な普天間から一刻も早く移転する。沖縄の負担を軽減する。中国の侵略から、尖閣や沖縄、日本を護る。この三点が現実のポイントです。オバマ大統領に要求した軽減策の具体化は進展しました。安倍政権とすれば約束のキャンプシュアブへの移転を進めねば、約束違反になります。
 公有水面の埋め立て申請に向け、地元漁協の事前了承をとりつけ、知事の判断への支援をしてから埋め立て申請を提出し、一歩前進の実績は造りました。
 更に、知事の判断の支援策としては、沖縄選出の国会議員や県議員、市町村議員のキャンプシュアブ移転容認と県内世論の形成が必要です。
 県内選出の国会議員 2名の容認を取り付けました。ここまでは、民主党政権とは大きく異なる進展でした。がしかし、県連の頑とした県外移転への変換説得が暗礁に乗り上げています。記事で、党の政調会長高市と、県連の政調会長との面談の様子を取り上げています。記事は直接触れていませんが、高市が何時ものように、上から目線で党の決めたことだと押し付けている様子がありありと目に浮かびます。つまり、高市の姿勢を疑問視しているのでしょう。遊爺は、高市には不似合いな無理な、かえって問題をこじらせる仕事だと考えます。
 辺野古の漁協の承認を取り付けたり、軽減策の具体化を進めることなどの努力が、高市の姿勢でぶち壊しになりました。

 現職議員の糸数氏の言葉を借りて、記事が言いたいこと(=遊爺も何時も言っている事)を表現しています。「中央とねじれた状態で政策を出すなら、(安里は)自民党でない状態で立候補したらどうか。県民を惑わせるだけだ」と。
 安倍自民党は、民主党との違いを、議論はするがいったん決めたら党は一つにまとまり実行すると、ことある毎に言っています。しかし、辺野古移転推進を日米首脳会談で約束する位置づけで決めていながら、県連を説得出来ていません。基幹の政策が異なり同調出来ないのなら、党を離れてもらって活動してもらうしかないのです。まして、党本部と異なる政策を掲げて選挙に臨むなどは、政権を預かる与党の一員の姿勢とはいえません。
 石破幹事長も、面と向かって党の政策を否定する政策を掲げて立候補しますと言われて、党の政策を修正する様では、党の政策全体の信用を失墜することになります。石破氏らしからぬ対応です。地方党員票では一位になりながら国会議員票で敗れたことで、地方票重視が足枷になっているのでしょうか。
 いつも言っていることですが、仲井眞知事は、県民の声が県外移転だからと、辺野古容認(数百メートルの位置で交渉)姿勢から県外移転に転じたのでした。県民の声が代われば、知事の判断も変えるということですね。そして、4割が県内移設に賛成と感じていると発言しているのです。
 自党の県選出の国会議員、県会議員、市町村議員の説得が出来ずに、知事にだけキャンプシュアブ移転を求めるのは、どう見ても理がとおりません。

 産経は、党と政府の軋轢を取り上げています。
 
進まぬ参院選公約策定 普天間移設など地方と対立 自民執行部、調整力に「?」 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

 安倍、石破の対立構図を描こうとしている様に読めます。
 しかし、党政調会長で県に赴き話をこじらせているのは、安倍氏が抜擢した高市なのですから、手足をもがれても耐えている石破氏は被害者です。民主党の、小沢・反小沢劇は民主党が国民に見放された最大理由と言えます。自民党にあってはならないことです。

 参院選での沖縄県連と本部のネジレをどう収拾するのか。日米首脳会談の約束のレベルの政策。国益に重要と判断した政策を、議席優先の県連の政局判断の為に曲げるのか。新生したはずの自民党の真偽が問われるところです。

 自民党:参院選公約 米軍の辺野古移設明記せず- 毎日jp(毎日新聞)





  この実は、UFOピーマン


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尖閣諸島灯台物語



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