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またまた安倍首相のロシア外交話で恐縮です。「日露急接近で世界史は動く」とのタイトルに魅かれて、備忘録として取り上げさせていただきました。
筆者については、大手商社でロシアを長年担当する。とだけしか説明がありませんが、解り辛いというか、論理の飛躍も感じられますが、こんな角度の見方もありかなとは思わせられます。
米、露、欧州を巻き込み、自称イスラム国の台頭は世界中に危険をふりまいているシリア発の社会不安。アサド政権に対する、米露の姿勢の対立とオバマ政権の優柔不断な姿勢が発端でした。
9月初旬に、ロシアのリーダーシップで、和平へ向かうかに見えましたが、進展はありません。
記事では、レームダック化したオバマ政権の政策推進力失墜と、アサド政権へのロシアの影響力低下を挙げています。
更に元をたどれば、西側との折り合いが悪くなったロシア外交政策の、シリアへの介入とアジア・太平洋地域に向けての東進政策。
なをも遡れば、ロシアが西側との折り合いが悪くなったルーツは、ソ連末期のM.ゴルバチョフと欧米が交わした合意が破られて、西側に騙されたというロシアの思いなのだと。
一方、西側は、先に狼藉を働き始めたのはロシア(と中国)との認識。そして、ソ連帝国復活を目指し、武力による領土拡張も厭わない「邪悪」なプーチンのイメージが形成・定着されてきた。
そんな世界情勢の中での安倍首相のプーチン大統領への急接近。そこには、膨張中国を見据えた日本の国家百年の大計を重ね合せなければならないと記事は指摘しています。
記事では、日露外交と言うよりは、むしろ米国が最も危険視する日本の対米自主外交の可否という指摘をされていますが、秋のプーチン大統領の来日は、米国も戦略的に認めていることは報道されていますし、クリントン大統領候補も、「日本はロシアとの対話機会を模索しなければならない」と、安倍首相との会談時に述べていました。
クリントン氏、安倍政権の対ロ接近に理解 首相との会談で :日本経済新聞
米露の直接の信頼関係が構築されていない今、日本の果たす役割があるというのが記事の見方なのですね。
安倍外交が、硬直している世界の外交を動かす歴史を創れるのか、プーチン大統領のしたたかな分断作戦に嵌められるのか。12月の来日での会談が注目されますね。
安倍政権は、当てにならないロシアではなく、真の同盟国の信頼を失う愚を冒すべきではない - 遊爺雑記帳
平和条約が結ばれていない方が日本は対露協力に熱心になる - 遊爺雑記帳
# 冒頭の画像は、米国務省のカービー報道官
プーチン氏訪日「懸念せず」=米国務省:時事ドットコム
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この花の名前は、ハクウンボク
↓よろしかったら、お願いします。
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筆者については、大手商社でロシアを長年担当する。とだけしか説明がありませんが、解り辛いというか、論理の飛躍も感じられますが、こんな角度の見方もありかなとは思わせられます。
ポピュリズム跋扈の中、日露急接近で世界史は動く 米国が最も恐れる対米独自外交路線に安倍は踏み切れるか | JBpress(日本ビジネスプレス) 2016.10.7(金) W.C.
9月の初めに両国間で一度は和平交渉を成立させたかに見えたが、その直後に起こった米軍のシリア軍への誤爆や(ロシアの一部では誤爆とは信じられていない)、ロシア機の関与が疑われる国連の人道支援車列への空爆事件の発生で、それは頓挫してしまった。
米露双方ともに問題を抱える。レーム・ダックの米大統領、B.オバマの下でペンタゴンは徹底した反露路線を崩さず、何とか話をまとめようとする国務長官、J.ケリーの足を引っ張る。議会も同様、そしてボスのオバマとも方針が一致とはいかず等々で、同長官も、もうやってられない、と弱音の1つも吐く。
ロシアとて米国を嗤えない。1年前にシリアへ参戦した際には、遅くとも今年の初め頃までにはアレッポを落してB.アサド政権を何とか維持できる状態に持って行こうとの目算だった。
しかし、主役となるべきアサド政権軍が予想以上にだらしなく、そして肝心のアサドが、戦局の転換で気を良くし過ぎて誇大妄想にでも陥ったのか、ロシアの言いなりにはならなくなってしまった。
■自らへの反省意識が全くない西側
その昔のアラブ民族主義の時代から、スラヴにアラブはしょせん理解できない、と言われてきた。今回も同じ轍を踏む憂き目に遭いかけている。なぜ性懲りもなく、なのか。
カーネギー・モスクワセンター所長のD.トレーニンは、西側との折り合いが悪くなってしまったために、ロシアが求めた独自の外交戦略の結果が、シリアへの介入とアジア・太平洋地域に向けての東進政策だったと言う。
折り合いが悪くなった理由の、西側に騙されたというロシアの思いについては何度かこのコラムでも触れた。要はソ連末期のM.ゴルバチョフと欧米が交わした合意 - 東にNATO(北大西洋条約機構)勢力を拡大はしない、がその後いとも簡単に破られたことに端を発している。
ロシアにとってみれば、その後のウクライナ問題も、泥沼化した中東問題も、無定見な西側が最初に踏み込んできた、だから防衛するしかない、ということになる。
だが、西側ではこれとは正反対に、先に狼藉を働き始めたのはロシア(と中国)で、だから「危機感を覚えた米英などの軍・情報機関が本気で巻き返しに動き出した・・・」と論じている。
どちらが先に悪さをしでかしたのかで、見方は正反対になる。特に西側では自らへの反省意識が零に近い。これでは欧米とロシアの溝はその埋まりようがない。その中で欧米では、ソ連帝国復活を目指し、武力による領土拡張も厭わない「邪悪」なプーチンのイメージが形成されていく。
米の大統領選では、民主党候補のH.クリントンが、そのプーチンを悪の権化と名指して憚らない。ロシアが犯人とされる民主党へのサイバー攻撃がその火に油を注ぐ。外交儀礼などどこへやらのロシアへの罵詈雑言乱発に対し、ロシアの知識層はそこに、ベトナム戦争の時代ですら見られなかった米国の自信喪失、あるいは知的頽廃を垣間見ている(1、2)。
クリントンが次期大統領なら米露関係は絶望的だ、と多くのロシアの専門家が一致していた。ネオコンの続投を確信するからだろうし、さらにその深層には、今の米国は相手にできるようなまともな状態にはない、という見方が横たわる。
その中で安倍の対露外交は生き残れるのだろうか。そこに問題の本質が現れてくる。問われているのは日露外交と言うよりは、むしろ米国が最も危険視する日本の対米自主外交の可否なのだ。そこに膨張中国を見据えた日本の国家百年の大計を重ね合せなければならない。安倍の心労やいかばかり、である。
最近は、権力欲にまみれきっている「邪悪」なプーチン、と断じて憚らない西側のメデイアですら、実は彼が疲れてきており、再来年の大統領選では次の世代にその座を譲る可能性も、などと書き始めてきている。
治世16年で漸く、である。これまでの働きぶりを見れば、疲れない方がおかしい。10倍近くの国力を持つ米国を相手に丁丁発止を演じるなど、誰にでもできることではない。
他国に彼の隠れファン(中国ウォッチャーによれば、習近平もその1人らしい)がいるのも、日本が大国・ロシアを打ち負かした日露戦争に新たな国際時代の幕開けを見ようとした当時の人々の気持ちに似た何かを、彼に感じるからなのかもしれない。
そのプーチンの姿は、彼に14回も会っている安倍の眼や心にはさてどう映っているのだろうか。
9月の初めに両国間で一度は和平交渉を成立させたかに見えたが、その直後に起こった米軍のシリア軍への誤爆や(ロシアの一部では誤爆とは信じられていない)、ロシア機の関与が疑われる国連の人道支援車列への空爆事件の発生で、それは頓挫してしまった。
米露双方ともに問題を抱える。レーム・ダックの米大統領、B.オバマの下でペンタゴンは徹底した反露路線を崩さず、何とか話をまとめようとする国務長官、J.ケリーの足を引っ張る。議会も同様、そしてボスのオバマとも方針が一致とはいかず等々で、同長官も、もうやってられない、と弱音の1つも吐く。
ロシアとて米国を嗤えない。1年前にシリアへ参戦した際には、遅くとも今年の初め頃までにはアレッポを落してB.アサド政権を何とか維持できる状態に持って行こうとの目算だった。
しかし、主役となるべきアサド政権軍が予想以上にだらしなく、そして肝心のアサドが、戦局の転換で気を良くし過ぎて誇大妄想にでも陥ったのか、ロシアの言いなりにはならなくなってしまった。
■自らへの反省意識が全くない西側
その昔のアラブ民族主義の時代から、スラヴにアラブはしょせん理解できない、と言われてきた。今回も同じ轍を踏む憂き目に遭いかけている。なぜ性懲りもなく、なのか。
カーネギー・モスクワセンター所長のD.トレーニンは、西側との折り合いが悪くなってしまったために、ロシアが求めた独自の外交戦略の結果が、シリアへの介入とアジア・太平洋地域に向けての東進政策だったと言う。
折り合いが悪くなった理由の、西側に騙されたというロシアの思いについては何度かこのコラムでも触れた。要はソ連末期のM.ゴルバチョフと欧米が交わした合意 - 東にNATO(北大西洋条約機構)勢力を拡大はしない、がその後いとも簡単に破られたことに端を発している。
ロシアにとってみれば、その後のウクライナ問題も、泥沼化した中東問題も、無定見な西側が最初に踏み込んできた、だから防衛するしかない、ということになる。
だが、西側ではこれとは正反対に、先に狼藉を働き始めたのはロシア(と中国)で、だから「危機感を覚えた米英などの軍・情報機関が本気で巻き返しに動き出した・・・」と論じている。
どちらが先に悪さをしでかしたのかで、見方は正反対になる。特に西側では自らへの反省意識が零に近い。これでは欧米とロシアの溝はその埋まりようがない。その中で欧米では、ソ連帝国復活を目指し、武力による領土拡張も厭わない「邪悪」なプーチンのイメージが形成されていく。
米の大統領選では、民主党候補のH.クリントンが、そのプーチンを悪の権化と名指して憚らない。ロシアが犯人とされる民主党へのサイバー攻撃がその火に油を注ぐ。外交儀礼などどこへやらのロシアへの罵詈雑言乱発に対し、ロシアの知識層はそこに、ベトナム戦争の時代ですら見られなかった米国の自信喪失、あるいは知的頽廃を垣間見ている(1、2)。
クリントンが次期大統領なら米露関係は絶望的だ、と多くのロシアの専門家が一致していた。ネオコンの続投を確信するからだろうし、さらにその深層には、今の米国は相手にできるようなまともな状態にはない、という見方が横たわる。
その中で安倍の対露外交は生き残れるのだろうか。そこに問題の本質が現れてくる。問われているのは日露外交と言うよりは、むしろ米国が最も危険視する日本の対米自主外交の可否なのだ。そこに膨張中国を見据えた日本の国家百年の大計を重ね合せなければならない。安倍の心労やいかばかり、である。
最近は、権力欲にまみれきっている「邪悪」なプーチン、と断じて憚らない西側のメデイアですら、実は彼が疲れてきており、再来年の大統領選では次の世代にその座を譲る可能性も、などと書き始めてきている。
治世16年で漸く、である。これまでの働きぶりを見れば、疲れない方がおかしい。10倍近くの国力を持つ米国を相手に丁丁発止を演じるなど、誰にでもできることではない。
他国に彼の隠れファン(中国ウォッチャーによれば、習近平もその1人らしい)がいるのも、日本が大国・ロシアを打ち負かした日露戦争に新たな国際時代の幕開けを見ようとした当時の人々の気持ちに似た何かを、彼に感じるからなのかもしれない。
そのプーチンの姿は、彼に14回も会っている安倍の眼や心にはさてどう映っているのだろうか。
米、露、欧州を巻き込み、自称イスラム国の台頭は世界中に危険をふりまいているシリア発の社会不安。アサド政権に対する、米露の姿勢の対立とオバマ政権の優柔不断な姿勢が発端でした。
9月初旬に、ロシアのリーダーシップで、和平へ向かうかに見えましたが、進展はありません。
記事では、レームダック化したオバマ政権の政策推進力失墜と、アサド政権へのロシアの影響力低下を挙げています。
更に元をたどれば、西側との折り合いが悪くなったロシア外交政策の、シリアへの介入とアジア・太平洋地域に向けての東進政策。
なをも遡れば、ロシアが西側との折り合いが悪くなったルーツは、ソ連末期のM.ゴルバチョフと欧米が交わした合意が破られて、西側に騙されたというロシアの思いなのだと。
一方、西側は、先に狼藉を働き始めたのはロシア(と中国)との認識。そして、ソ連帝国復活を目指し、武力による領土拡張も厭わない「邪悪」なプーチンのイメージが形成・定着されてきた。
そんな世界情勢の中での安倍首相のプーチン大統領への急接近。そこには、膨張中国を見据えた日本の国家百年の大計を重ね合せなければならないと記事は指摘しています。
記事では、日露外交と言うよりは、むしろ米国が最も危険視する日本の対米自主外交の可否という指摘をされていますが、秋のプーチン大統領の来日は、米国も戦略的に認めていることは報道されていますし、クリントン大統領候補も、「日本はロシアとの対話機会を模索しなければならない」と、安倍首相との会談時に述べていました。
クリントン氏、安倍政権の対ロ接近に理解 首相との会談で :日本経済新聞
米露の直接の信頼関係が構築されていない今、日本の果たす役割があるというのが記事の見方なのですね。
安倍外交が、硬直している世界の外交を動かす歴史を創れるのか、プーチン大統領のしたたかな分断作戦に嵌められるのか。12月の来日での会談が注目されますね。
安倍政権は、当てにならないロシアではなく、真の同盟国の信頼を失う愚を冒すべきではない - 遊爺雑記帳
平和条約が結ばれていない方が日本は対露協力に熱心になる - 遊爺雑記帳
# 冒頭の画像は、米国務省のカービー報道官
プーチン氏訪日「懸念せず」=米国務省:時事ドットコム
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↓よろしかったら、お願いします。
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