遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

米議会公聴会で「日本の将来」についての論議が中国論議へ

2011-06-02 00:30:51 | EEZ 全般
 米議会・下院外交委員会のアジア太平洋小委員会が、東日本大震災以後の日本の将来を、米国にとってどんな意味があるかという観点から論じる公聴会を開いたのだそうです。
 「震災の被害で日本が弱くなると、中国がますます勢いを増し、米国にとって好ましくない形でアジアでの影響力を強めるのではないか」という懸念が圧倒的で、「中国が非情な独裁の勢力拡大」「中国の攻勢的な活動」「強引な主権拡大の動き」が論じられたのだそうです。
 

【あめりかノート】ワシントン駐在編集特別委員・古森義久 中国の巨大な影 (6/1 産経)

 
米国議会での「日本の将来」についての論議で中国がここまで話題になるとは思わなかった。だがちょっと考えれば、意外であって意外ではないのだろう。
 下院外交委員会のアジア太平洋小委員会が5月24日に開いた公聴会だった。表題どおり東日本大震災以後の日本の将来を、米国にとってどんな意味があるかという観点から論じる集いである。共和党が多数を制した今会期の下院では初めて、大震災以降も初めての日本だけに焦点をしぼった公聴会だった。藤崎一郎駐米大使も参考人の形で発言した。日本大使初の議会証言となった。
 議員や証人たちが繰り返し述べたのが「
震災の被害で日本が弱くなると、中国がますます勢いを増し、米国にとって好ましくない形でアジアでの影響力を強める
のではないか」という懸念だった。
 小委員長のドナルド・マンズロ議員(共和党)が後半で議論を総括するように述べた言葉は直線的だった。
 「米国は中国が非情な独裁の勢力拡大を続けるのを防ぐためにも日本の支援には全力を尽くすべきだ。米国は中国とは価値観の核心を異にし、民主主義の日本は東アジアでの米国にとっての明かりなのだ」
 マイク・ケリー議員(同)も中国への鋭い言葉を放った。
 「いま現在、
中国の攻勢的な活動で威圧を受ける地域で米国は日本という同盟国に依存
しなければならない」
 両議員の発言は、証人の元国務次官補代理のランディ・シュライバー氏が日本は大震災の被害で内向きとなり、日米同盟から中国寄りへと漂流する危険もある、と指摘したことへの対応だった。同氏は、中国の尖閣諸島などでの強引な主権拡大の動きやレアアースの一方的な輸出停止宣言、日本を敵視する北朝鮮への支援などを理由にあげて、
中国は日本の信頼できるパートナーにはまずなれない
と証言していた。
 シュライバー氏も共和党系だが、民主党系の証人のマンスフィールド・センター所長、ゴードン・フレーク氏も、中国の最近の横暴な態度が日本と韓国とを接近させ、さらに米国傾斜を深くさせた、と述べた。中国が北朝鮮の韓国側への砲撃や哨戒艦撃沈を非難せず、尖閣や南シナ海で一方的な言動をとってきたことがその要因だと指摘していた。
 元国家安全保障会議アジア上級部長、マイケル・グリーン氏も「中国のレアアース問題などで
日本の実業界も警戒を高め、インドやベトナムへの投資転換
を真剣に考え始めた」と証言し、中国への批判的議論に加わった。
 マンズロ議員がさらに、イリノイ州の自分の選挙区には製造工場が2千以上あるが、中国のレアアース禁輸や知的所有権侵害はそれらの工場に重大な被害を与えていると非難するに至り、
公聴会の主題が日本かどうかも不明になった
ほどだった。
 共和党側議員やシュライバー氏はオバマ政権について「日本を軽視して中国との折衝をあまりに重視しすぎる」とも批判した。また、すべての議員と証人がいま米国が推す環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉に日本が加わるか否かを日本の将来の基本軌道として注視している点も明白だった。
 だが全体としてこの公聴会で一貫して顕著だったのは、
日米関係の背後に広がる中国の巨大な影だった。


 日本の力が衰えるとの見方は残念ですが、一時的には事実として受け入れねばなりません。そして、既に兆しが顕在化してきている、中国やロシア、韓国の日本の領土や主権への動きにきちんと対抗しなくてはなりません。
 民主党・カンカラ菅政権の対応には危機感はなく、口先だけの抗議を繰り返しているだけであることは、諸兄がご承知の通りです。
 米国の議会のほうがよほど心配していると言えます。もちろんそれは米国の国益から発した懸念ですが、常にグローバルな視野で国益を考えているからでしょう。日本にも、例えば衆議院では、安全保障委員会(安住委員長)、沖縄・北方領土委員会(山本委員長)があり、沖縄・北方領土委員会は今日(6/1)も開会されていたようです。これらの日本の関連委員会の内容の報道に接していませんが、当事者として米国以上の議論が与野党の間で交わされているのでしょうか?何故内容が報道されないのでしょうか?

 いずれにしても、中露韓の攻勢には、日本が主役で対抗することは大前提ですが、東南アジア各国、米国、豪、印との連携と国際世論対策が必要です。
 原発事故を含め大震災対応が忙しいことは理由になりません。きちんとした対応が求められますが、米国がこの公聴会と同様の見方をして、味方となってくれて、震災の「トモダチ作戦」同様の連携が取れることを願うばかりです。助けてもらうばかりで、大きな借りが出来てしまいますが。

 明日(6/2)の内閣不信任案の行方は混沌としてきている様ですが、否決になっても民主党の造反組が新党を結成するわけでもなく、自民党も一般世論では支持を落とし、現状の混乱が輪をかけた形で継続されるだけでしょう。

 
小沢・鳩山氏、不信任案に賛成の意向表明 大量造反へ  :日本経済新聞

 いまだに小鳩にかき回されているのも、自民党など野党も含めて情けない話ですが、カンカラ菅が辞めた方が早く挙党一致で災害対策に当たれるとの見方が、この時期にとの見方と拮抗しているのだそうですね。
 政権の座に就きたいの一点だけでの烏合の衆の集まりの民主党。分裂はいつかは避けられない内部矛盾を抱えています。カンカラ菅にも、今はさておいてもいつかは変わってほしいとの世論は圧倒的ですね。(震災直前も、首相をコロコロ変えると諸外国がとの外見の体裁を気にする世論に支えられ首の皮一枚がかろうじてつながっていただけ。)

 震災の復旧・復興、長引いている被災者の方々の救済や、企業の復活支援による雇用の復活が、取り下げたとは言え、一時は国会を閉じる作戦だった保身優先のカンカラ菅に退場いただいた方が進むような気がするのですが、明日(6/2)の投票結果は、否決・混迷を継続となるのでしょうね。

 日本の国会の委員会での議論が、それぞれの委員会の役割を果たすよう、先生方がお仕事に励んでいただけることを願っています。

 # 冒頭の写真は、沖縄・北方領土委員会の様子




↓よろしかったら、お願いします。


写真素材 PIXTA


Fotolia


民主党の正体  矛盾と欺瞞と疑惑に満ちた、日本人への恐怖の罠(OAK MOOK 305 撃論ムック)
日本が中国の「自治区」になる




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