ロシアのプーチン大統領が6月30日、同国極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の運営をロシア側が新たに設立する法人に移管し、現在の運営会社の資産を無償譲渡するよう命じる大統領令に署名した。同事業に日本から参加する三井物産や三菱商事は今後、運営の枠組みから排除される可能性が出てきたことは、取り上げさせていただいていました。
プーチンのウクライナ侵攻で世界が分断されようとしている今日、ロシアと中国の接近に対し、6月29日、30日にスペインのマドリッドで開かれたNATO首脳会議に、岸田首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が、初めてオブザーバー参加しました。
対露制裁包囲網で、プーチンが助けを求めるのは中国。
しかし、NATOと日本などアジア太平洋諸国が接近するのは、中国にとっては悪夢。
対露支援には一定の距離をおいている習近平ですが、プーチンと共に、欧米の制裁網から日本の分断を目論んでいるのか、中露で連携した対日圧力を強めています。
北京五輪の「外交的ボイコット」をバイデン氏が提唱した際に、岸田政府は米中二股外交で逡巡した失政の弱点は見逃していないのですね。
中国のスパイかと茶化される近藤氏が、「サハリン2ショック」の次は、北方領土での中国の開発事業だと解説しておられます。
サハリン2、ロシア側に無償譲渡 プーチン氏が大統領令 - 遊爺雑記帳
中ロの情報収集艦の通過を確認 防衛省が警戒: 日本経済新聞
「サハリン2」は、ロシアのガスプロムが50%+1株、イギリスのシェルが27・5%-1株(2月に撤退を表明済み)、三井物産が12・5%、三菱商事が10%の権益を保有している。
極寒の地での開発技術に乏しいロシアが、メジャーのシェルを主体とした開発を企画し、完成のめどがついた時点で、参加企業の持ち株比率を強制的に変更させ、ガスプロムが50%+1株に強制変更させたことは、諸兄がご承知の通りです。
なので、今回のサハリン2の解散・再編も、世界の常識では異常なことですが、実は 2回目のことで、ロシアては驚くことではない。
対露制裁網が拡大する中、シェルが「サハリン2」からの撤退を表明した直後の3月初旬、近藤氏は政府関係者から
「三井物産と三菱商事は『絶対に撤退しない』と強情を張っている。また萩生田光一経産相も、『権益を日本が手放せば、第三国に渡ってしまい、ロシアを制裁することにならない』
と、聞いていたのだそうです。
撤退しないとは、商工会議所会頭や、経団連会長も公言していましたね。
ウクライナでのロシアの戦費に貢献し、ウクライナ国民の命が失われることより、自企業の利益を優先。
ウクライナ疲れとか長期化での関心低下で欧米での制裁疲れの声が聞かれますが、G7やNATOの会議では、引き続きの制裁の結束強化が確認されました。
アメリカやEUと足並みを揃える日本も、『サハリン2』からの撤退を余儀なくされる。
経済団体の意向に沿い、サハリン1, 2からの撤退を否定していた岸田政権でしたが、実は何とかして日本が撤退を表明する時期を、7月の参院選の後に持ってくるよう、各方面に根回しをしていたと近藤氏。
参院選の前と後では、岸田政権が受ける影響は大きく違ってくるからだと。
つまり岸田政権としては、いまから4カ月も前に「サハリン2」を手放すだろうことを覚悟していたのだそうです。
プーチン大統領の大統領令が出た現在、改めてその関係者氏に確認すると、せめて『爆弾発言』(大統領令への署名)を10日間遅らせてほしかった。もっともアチラとしては、参院選で岸田総理を苦しめてやろうとして、『サハリン2』を持ち出してきたのだろうが。だと。
『サハリン2』からやってくるLNGを主に買い取っているのは、広島を中心に供給しているガス会社だとは、衆知のこと。
岸田総理は、6月26日のドイツG7サミットで、次のサミットを来年5月に広島で開催することで、各国の了承を取り付けた。ロシアとしては、それへの当てつけもあって、『サハリン2』のカードを切ってきたのだろうとも。
「サハリン2問題」は「広島問題」ともいえると近藤氏。
日本が撤退しても、権利は中国に渡ってしまうだけだとの、経済団体トップや萩生田経産相主張。
6月15日、プーチン大統領と習近平主席が、40回目となる首脳会談を、オンラインで行ったのだそうです。
プーチン大統領が「習近平の誕生日祝福」と同時に、ウクライナ戦争で中国の軍事的及び経済的支援をねだったのではないかと近藤氏。
中国としても、いくら「盟友」の頼みだからといって、タダでロシアを助けるほどお人好しではない。当然ながら、いくつもの要求をロシアに突きつけただろうと。
その要求の第一弾が、「『サハリン2』を新たに中ロで開発すること」だったのではないか。いまは中国も電力不足に苦しんでおり、自国から目と鼻の先にある「サハリン2」の権益は、喉から手が出るほど欲しいところだと近藤氏。
中国がロシアに要求する第二弾が、北方領土を中国企業が開発することだと。
これまでも要求はしていたが、ロシア側が日本に遠慮して断ってきた。
だがいまや、「NATOの東アジア拡大」という大きな趨勢を前に、中国とロシアは、東アジアでもがっちり手を組むだろうと、近藤氏。
中国は、10年以上も前から北方領土への企業進出を狙っていましたね。北極海航路開拓と一体の狙いだったと記憶しています。
(2786) 中国商務省が北方領土での事業展開を支持(11/02/18) - YouTube
「サハリン2ショック」の次は、「北方領土ショック」が日本を襲うような気がしてならないと近藤氏。
中国共産党が、国共内戦で国民党軍に勝利し、政権を樹立で来たのは、ソ連の支援のおかげ。
しかし、いまや、主従の立場が逆転。ロシア帝国の時代の復活を目指すプーチン氏は、それで満足できるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、プーチン大統領
この花の名前は、ヒメヒマワリ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
プーチンのウクライナ侵攻で世界が分断されようとしている今日、ロシアと中国の接近に対し、6月29日、30日にスペインのマドリッドで開かれたNATO首脳会議に、岸田首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が、初めてオブザーバー参加しました。
対露制裁包囲網で、プーチンが助けを求めるのは中国。
しかし、NATOと日本などアジア太平洋諸国が接近するのは、中国にとっては悪夢。
対露支援には一定の距離をおいている習近平ですが、プーチンと共に、欧米の制裁網から日本の分断を目論んでいるのか、中露で連携した対日圧力を強めています。
北京五輪の「外交的ボイコット」をバイデン氏が提唱した際に、岸田政府は米中二股外交で逡巡した失政の弱点は見逃していないのですね。
中国のスパイかと茶化される近藤氏が、「サハリン2ショック」の次は、北方領土での中国の開発事業だと解説しておられます。
サハリン2、ロシア側に無償譲渡 プーチン氏が大統領令 - 遊爺雑記帳
中ロの情報収集艦の通過を確認 防衛省が警戒: 日本経済新聞
サハリン2の次は「中国による北方領土開発」か、ロシアの報復は止まらない 東アジア「深層取材ノート」(第144回) | JBpress (ジェイビープレス) 2022.7.4(月) 近藤 大介
連日の猛暑で電力不足がクローズアップされる中、日本国内で「サハリン2ショック」が収まらない。
6月30日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、極東地域の日ロ共同天然ガス事業「サハリン2」に新たに事業体を設立し、すべての資産をその事業体に移行するという大統領令に署名した。権益を求める会社は、1カ月以内にロシアに再申請を行うようにとのことである。その際の条件などは不明だが、日本側がとても受け入れられないような条件を突きつけられる可能性がある。
「サハリン2」は、ロシアのガスプロムが50%+1株、イギリスのシェルが27・5%-1株(2月に撤退を表明済み)、三井物産が12・5%、三菱商事が10%の権益を保有している。2009年、「中東一辺倒のエネルギー輸入先を分散させる」との日本政府の肝煎りで稼働した。生産量の約6割をLNG(液化天然ガス)として日本向けに輸出しており、日本の輸入LNGの約9%にあたる。
サハリン2からの撤退、3月時点で覚悟していた岸田首相
日本には翌7月1日にこのニュースが伝わり、それから数日、岸田文雄政権は、日本国内に広がる「サハリン2ショック」を抑えるのに躍起になっている。
実は私は、シェルが「サハリン2」からの撤退を表明した直後の3月初旬、岸田政権のある関係者から、こんな話を聞いていた。
「三井物産と三菱商事は『絶対に撤退しない』と強情を張っている。また萩生田光一経産相も、『権益を日本が手放せば、第三国に渡ってしまい、ロシアを制裁することにならない』と述べている。
だが今後、ロシアのウクライナ侵攻は長期化が予想され、それに伴って西側諸国のロシア制裁もエスカレートしていくだろう。そうなるとアメリカやEU(欧州連合)と足並みを揃える日本も、『サハリン2』からの撤退を余儀なくされる。
要は『サハリン2』からの撤退は、時間の問題なのだ。これから岸田政権が行うのは、何とかして日本が撤退を表明する時期を、7月の参院選の後に持ってくるよう、各方面に根回しすることだ。同じ撤退表明でも、参院選の前と後では、岸田政権が受ける影響は大きく違ってくる」
つまり岸田政権としては、いまから4カ月も前に「サハリン2」を手放すだろうことを覚悟していたのだ。
サハリン2は「広島問題」、参院選直前にあえて仕掛けたプーチン
私はこの岸田政権の関係者に、プーチン大統領の大統領令が出た現在、改めて聞いてみた。すると案の定、頭を抱えていた。
「プーチンは周知のように、何を言い出すか分からない男だが、せめて『爆弾発言』(大統領令への署名)を10日間遅らせてほしかった。もっともアチラとしては、参院選で岸田総理を苦しめてやろうとして、『サハリン2』を持ち出してきたのだろうが。
実は、『サハリン2』からやってくるLNGを主に買い取っているのは、広島を中心に供給しているガス会社なのだ。だから『サハリン2』が入って来なくなると、岸田総理のお膝元を直撃することになる。
岸田総理は、6月26日のドイツG7サミットで、次のサミットを来年5月に広島で開催することで、各国の了承を取り付けた。ロシアとしては、それへの当てつけもあって、『サハリン2』のカードを切ってきたのだろう」
「サハリン2問題」は「広島問題」ということだ。ともあれ、ロシア側は三井物産と三菱商事に対して、「1カ月以内の回答」を求めているので、おそらく7月10日の参院選後ということになる。つまり、「サハリン2」からの撤退について本格的な影響が出るのは、この秋冬頃からだ。
ところで、萩生田経産相が国会答弁や会見などで何度も口にしていた「第三国に渡ってしまう」とは、具体的にどの国を指しているのか? 私は、やはり思い当たる第一候補は、中国だ。
ロシアと中国はますます接近
6月15日、プーチン大統領と習近平主席が、40回目となる首脳会談を、オンラインで行った。中国の新華社通信は、ごく簡単にしか会談内容を伝えていないので、想像するしかない。
この日は習近平主席の69歳の誕生日だったので、それにかこつけてプーチン大統領が「祝福の電話」をかけ、ウクライナ戦争で中国の軍事的及び経済的支援をねだったのではないか。
もちろん、中国としても、いくら「盟友」の頼みだからといって、タダでロシアを助けるほどお人好しではない。当然ながら、いくつもの要求をロシアに突きつけただろう。そのあたりを新華社通信は、「核心利益の相互支持を再確認した」とサラリと書いている。
ロシアがウクライナに侵攻して以降、中国が最も恐れているのは、「NATO(北大西洋条約機構)がアジアにやって来る」ことである。
ところが6月29日、30日にスペインのマドリッドで開かれたNATO首脳会議に、岸田首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が、初めてオブザーバーとして招かれた。中国の悪夢である「NATOの東アジア拡大」は、もう間近に迫っていると言ってよいだろう。
そうなれば、中国はロシアを巻き込んで、対抗策を取ってくる。その要求の第一弾が、「『サハリン2』を新たに中ロで開発すること」だったのではないか。いまは中国も電力不足に苦しんでおり、自国から目と鼻の先にある「サハリン2」の権益は、喉から手が出るほど欲しいところだ。
そして私は、中国がロシアに要求する第二弾が、北方領土を中国企業が開発することだと見ている。特産の「国後ナマコ」を始め、中国にとって北方領土は、経済的にも地政学的にも、ぜひとも開発したい地域なのである。これまでも要求はしていたが、ロシア側が日本に遠慮して断ってきた。
だがいまや、「NATOの東アジア拡大」という大きな趨勢を前に、中国とロシアは、東アジアでもがっちり手を組むだろう。「サハリン2ショック」の次は、「北方領土ショック」が日本を襲うような気がしてならない。
連日の猛暑で電力不足がクローズアップされる中、日本国内で「サハリン2ショック」が収まらない。
6月30日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、極東地域の日ロ共同天然ガス事業「サハリン2」に新たに事業体を設立し、すべての資産をその事業体に移行するという大統領令に署名した。権益を求める会社は、1カ月以内にロシアに再申請を行うようにとのことである。その際の条件などは不明だが、日本側がとても受け入れられないような条件を突きつけられる可能性がある。
「サハリン2」は、ロシアのガスプロムが50%+1株、イギリスのシェルが27・5%-1株(2月に撤退を表明済み)、三井物産が12・5%、三菱商事が10%の権益を保有している。2009年、「中東一辺倒のエネルギー輸入先を分散させる」との日本政府の肝煎りで稼働した。生産量の約6割をLNG(液化天然ガス)として日本向けに輸出しており、日本の輸入LNGの約9%にあたる。
サハリン2からの撤退、3月時点で覚悟していた岸田首相
日本には翌7月1日にこのニュースが伝わり、それから数日、岸田文雄政権は、日本国内に広がる「サハリン2ショック」を抑えるのに躍起になっている。
実は私は、シェルが「サハリン2」からの撤退を表明した直後の3月初旬、岸田政権のある関係者から、こんな話を聞いていた。
「三井物産と三菱商事は『絶対に撤退しない』と強情を張っている。また萩生田光一経産相も、『権益を日本が手放せば、第三国に渡ってしまい、ロシアを制裁することにならない』と述べている。
だが今後、ロシアのウクライナ侵攻は長期化が予想され、それに伴って西側諸国のロシア制裁もエスカレートしていくだろう。そうなるとアメリカやEU(欧州連合)と足並みを揃える日本も、『サハリン2』からの撤退を余儀なくされる。
要は『サハリン2』からの撤退は、時間の問題なのだ。これから岸田政権が行うのは、何とかして日本が撤退を表明する時期を、7月の参院選の後に持ってくるよう、各方面に根回しすることだ。同じ撤退表明でも、参院選の前と後では、岸田政権が受ける影響は大きく違ってくる」
つまり岸田政権としては、いまから4カ月も前に「サハリン2」を手放すだろうことを覚悟していたのだ。
サハリン2は「広島問題」、参院選直前にあえて仕掛けたプーチン
私はこの岸田政権の関係者に、プーチン大統領の大統領令が出た現在、改めて聞いてみた。すると案の定、頭を抱えていた。
「プーチンは周知のように、何を言い出すか分からない男だが、せめて『爆弾発言』(大統領令への署名)を10日間遅らせてほしかった。もっともアチラとしては、参院選で岸田総理を苦しめてやろうとして、『サハリン2』を持ち出してきたのだろうが。
実は、『サハリン2』からやってくるLNGを主に買い取っているのは、広島を中心に供給しているガス会社なのだ。だから『サハリン2』が入って来なくなると、岸田総理のお膝元を直撃することになる。
岸田総理は、6月26日のドイツG7サミットで、次のサミットを来年5月に広島で開催することで、各国の了承を取り付けた。ロシアとしては、それへの当てつけもあって、『サハリン2』のカードを切ってきたのだろう」
「サハリン2問題」は「広島問題」ということだ。ともあれ、ロシア側は三井物産と三菱商事に対して、「1カ月以内の回答」を求めているので、おそらく7月10日の参院選後ということになる。つまり、「サハリン2」からの撤退について本格的な影響が出るのは、この秋冬頃からだ。
ところで、萩生田経産相が国会答弁や会見などで何度も口にしていた「第三国に渡ってしまう」とは、具体的にどの国を指しているのか? 私は、やはり思い当たる第一候補は、中国だ。
ロシアと中国はますます接近
6月15日、プーチン大統領と習近平主席が、40回目となる首脳会談を、オンラインで行った。中国の新華社通信は、ごく簡単にしか会談内容を伝えていないので、想像するしかない。
この日は習近平主席の69歳の誕生日だったので、それにかこつけてプーチン大統領が「祝福の電話」をかけ、ウクライナ戦争で中国の軍事的及び経済的支援をねだったのではないか。
もちろん、中国としても、いくら「盟友」の頼みだからといって、タダでロシアを助けるほどお人好しではない。当然ながら、いくつもの要求をロシアに突きつけただろう。そのあたりを新華社通信は、「核心利益の相互支持を再確認した」とサラリと書いている。
ロシアがウクライナに侵攻して以降、中国が最も恐れているのは、「NATO(北大西洋条約機構)がアジアにやって来る」ことである。
ところが6月29日、30日にスペインのマドリッドで開かれたNATO首脳会議に、岸田首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領、オーストラリアのアンソニー・アルバニージ首相、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相が、初めてオブザーバーとして招かれた。中国の悪夢である「NATOの東アジア拡大」は、もう間近に迫っていると言ってよいだろう。
そうなれば、中国はロシアを巻き込んで、対抗策を取ってくる。その要求の第一弾が、「『サハリン2』を新たに中ロで開発すること」だったのではないか。いまは中国も電力不足に苦しんでおり、自国から目と鼻の先にある「サハリン2」の権益は、喉から手が出るほど欲しいところだ。
そして私は、中国がロシアに要求する第二弾が、北方領土を中国企業が開発することだと見ている。特産の「国後ナマコ」を始め、中国にとって北方領土は、経済的にも地政学的にも、ぜひとも開発したい地域なのである。これまでも要求はしていたが、ロシア側が日本に遠慮して断ってきた。
だがいまや、「NATOの東アジア拡大」という大きな趨勢を前に、中国とロシアは、東アジアでもがっちり手を組むだろう。「サハリン2ショック」の次は、「北方領土ショック」が日本を襲うような気がしてならない。
「サハリン2」は、ロシアのガスプロムが50%+1株、イギリスのシェルが27・5%-1株(2月に撤退を表明済み)、三井物産が12・5%、三菱商事が10%の権益を保有している。
極寒の地での開発技術に乏しいロシアが、メジャーのシェルを主体とした開発を企画し、完成のめどがついた時点で、参加企業の持ち株比率を強制的に変更させ、ガスプロムが50%+1株に強制変更させたことは、諸兄がご承知の通りです。
なので、今回のサハリン2の解散・再編も、世界の常識では異常なことですが、実は 2回目のことで、ロシアては驚くことではない。
対露制裁網が拡大する中、シェルが「サハリン2」からの撤退を表明した直後の3月初旬、近藤氏は政府関係者から
「三井物産と三菱商事は『絶対に撤退しない』と強情を張っている。また萩生田光一経産相も、『権益を日本が手放せば、第三国に渡ってしまい、ロシアを制裁することにならない』
と、聞いていたのだそうです。
撤退しないとは、商工会議所会頭や、経団連会長も公言していましたね。
ウクライナでのロシアの戦費に貢献し、ウクライナ国民の命が失われることより、自企業の利益を優先。
ウクライナ疲れとか長期化での関心低下で欧米での制裁疲れの声が聞かれますが、G7やNATOの会議では、引き続きの制裁の結束強化が確認されました。
アメリカやEUと足並みを揃える日本も、『サハリン2』からの撤退を余儀なくされる。
経済団体の意向に沿い、サハリン1, 2からの撤退を否定していた岸田政権でしたが、実は何とかして日本が撤退を表明する時期を、7月の参院選の後に持ってくるよう、各方面に根回しをしていたと近藤氏。
参院選の前と後では、岸田政権が受ける影響は大きく違ってくるからだと。
つまり岸田政権としては、いまから4カ月も前に「サハリン2」を手放すだろうことを覚悟していたのだそうです。
プーチン大統領の大統領令が出た現在、改めてその関係者氏に確認すると、せめて『爆弾発言』(大統領令への署名)を10日間遅らせてほしかった。もっともアチラとしては、参院選で岸田総理を苦しめてやろうとして、『サハリン2』を持ち出してきたのだろうが。だと。
『サハリン2』からやってくるLNGを主に買い取っているのは、広島を中心に供給しているガス会社だとは、衆知のこと。
岸田総理は、6月26日のドイツG7サミットで、次のサミットを来年5月に広島で開催することで、各国の了承を取り付けた。ロシアとしては、それへの当てつけもあって、『サハリン2』のカードを切ってきたのだろうとも。
「サハリン2問題」は「広島問題」ともいえると近藤氏。
日本が撤退しても、権利は中国に渡ってしまうだけだとの、経済団体トップや萩生田経産相主張。
6月15日、プーチン大統領と習近平主席が、40回目となる首脳会談を、オンラインで行ったのだそうです。
プーチン大統領が「習近平の誕生日祝福」と同時に、ウクライナ戦争で中国の軍事的及び経済的支援をねだったのではないかと近藤氏。
中国としても、いくら「盟友」の頼みだからといって、タダでロシアを助けるほどお人好しではない。当然ながら、いくつもの要求をロシアに突きつけただろうと。
その要求の第一弾が、「『サハリン2』を新たに中ロで開発すること」だったのではないか。いまは中国も電力不足に苦しんでおり、自国から目と鼻の先にある「サハリン2」の権益は、喉から手が出るほど欲しいところだと近藤氏。
中国がロシアに要求する第二弾が、北方領土を中国企業が開発することだと。
これまでも要求はしていたが、ロシア側が日本に遠慮して断ってきた。
だがいまや、「NATOの東アジア拡大」という大きな趨勢を前に、中国とロシアは、東アジアでもがっちり手を組むだろうと、近藤氏。
中国は、10年以上も前から北方領土への企業進出を狙っていましたね。北極海航路開拓と一体の狙いだったと記憶しています。
(2786) 中国商務省が北方領土での事業展開を支持(11/02/18) - YouTube
「サハリン2ショック」の次は、「北方領土ショック」が日本を襲うような気がしてならないと近藤氏。
中国共産党が、国共内戦で国民党軍に勝利し、政権を樹立で来たのは、ソ連の支援のおかげ。
しかし、いまや、主従の立場が逆転。ロシア帝国の時代の復活を目指すプーチン氏は、それで満足できるのでしょうか。
# 冒頭の画像は、プーチン大統領
この花の名前は、ヒメヒマワリ
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA