遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

韓国 THAAD配備 米中の狭間でいよいよ決断の時迫る

2016-06-04 23:58:58 | EEZ 全般
 大気圏外の交戦に特化し、優れたレーダーも合わせ備える、THAADミサイル(Terminal High Altitude Area Defense missile 最終段階高高度地域防衛ミサイル)の韓国配備計画は、米中間でコウモリ外交を続ける韓国に、一定の配慮をしていた米国により、保留状態にありましたが、中国の南シナ海での暴挙への抑止力強化が必要になってきたことから、米国が進展の意向を強め、朴槿恵も中国の北への制裁姿勢のあいまいさから、姿勢の変化を見せはじめたことで、米韓の間での交渉が進展している様子です。
 3日から開催されている、「アジア安全保障会議」では、南シナ海での中国の暴挙に、米国は強くけん制する姿勢を示していますが、いよいよ韓国にも中国批判を求めると同時に、THAADミサイルの韓国への配備を公言することで、対中けん制も強化する様子です。
 

最新ミサイル防衛 THAAD配備大詰め 米韓協議終了へ 中国の反発必至 (6/4 読売朝刊)

 【ソウル=中島健太郎、北京=竹腰雅彦】在韓米軍への最新鋭ミサイル防衛システム「最終段階高高度地域防衛(THAAD)」の配備をめぐり、米国のカーター国防長官は2日、近く韓国との協議が終了するとの見通しを示した。中国の強硬な反対を考慮せず、米韓は今夏にも正式配備を決める方針だが、米中対立の板挟みとなっている韓国は苦境に陥りそうだ


 「計画は進んでおり、多くの議論を必要とするものはない」。ロイター通信にょると、カーター氏は、アジア安全保障会議の開催地シンガポールに向かう機中で記者団にこう語った。
 聯合ニュースによると、韓国の韓民求(ハンミング)国防相は3日、シンガポールで記者団に対し、THAAD配備の正式決定は4日の米韓国防相会談で行われないと明らかにする一方、「(THAAD配備について)米韓間に食い違いはない」と語り、協議の進展を強調した。
 米韓関係筋によると、THAAD配備は3月に始まった実務レベルの協議が着実に進んでおり、
夏に予定される米韓定例安保協議までに正式に配備が決まる見通しという。カーター氏が早期配備をあえて強調したのは、「南シナ海問題で対立する中国をけん制する意味がある
」(外交筋)とみられる。
 中国は韓国に配備されたTHAADが自国軍の監視に使われる可能性があるとみており、「中国の安全上の利益を害し、地域の戦略バランスに影響する。断固反対する」(習近平国家主席)と主張してきた。
 一方のカーター氏は最近の演説で、南シナ海で埋め立てを進める中国への批判のトーンを強めている。
アジア安全保障会議では南シナ海問題が中心議題になるため、中国が警戒するTHAAD配備が近いとあえて強調することで中国をけん制した
形だ。
 
米国側は同会議で4日に演説する韓国防相に対し、南シナ海問題で中国を批判するよう求めているという。韓国はこれまで中国との密接な経済関係に配慮し、南シナ海問題で表だった中国批判を避けてきたが、態度を鮮明にするよう求められている

 THAAD配備は、韓国の朴槿恵大統領が、1月の核実験後も北朝鮮への制裁強化に動かない中国の態度に失望して進んだ面がある。中国は国連安全保障理事会の北朝鮮制裁強化に賛成する一方、1日には習氏が訪中した北朝鮮の李洙墉(リスヨン)朝鮮労働党副委員長と会談した。北朝鮮への影響力を取り戻したとアピールし、韓国を引き寄せる狙いもある。
 
中国は、米韓安保協力強化の動きにくさびを打つ必要に迫られ、韓国への圧力を強めてくる可能性が高い
。中国紙・環球時報は、李氏訪中に関する2日付社説で「米韓と北朝鮮の緊張が長期化する中、中国が担う役割は各方の尊重を受けてしかるべきだ」と主張した。

アジア安保会議開幕 南シナ海巡り米中駆け引き

 【シンガポール=池田慶太】日米中や東南アジアなどの国防相らがアジア太平洋地域の安全保障問題を協議する「アジア安全保障会議」(英国際戦略研究所主催)が3日、シンガポールで開幕した。焦点の南シナ海問題では、
フィリピンが中国の主張を国際法違反と訴えている常設仲裁裁判所の判断が月内にも出る見通しで、米中の駆け引きが激化
しそうだ。
 南シナ海の実効支配を進める中国に対し、米国は5月、中国の人工島周辺でイージス艦による巡視活動を実施。
カーター米国防長官は4日の演説で、中国の新たな埋め立てにはさらなる軍事活動も辞さない姿勢を示す見通し
だ。
 中国は
孫建国・統合参謀部副参謀長が3日、領有権を争うベトナムを含む計8か国と相次いで会談。中国は領有権問題を当事国で解決すべきだとして仲裁裁判を無視する構えで、こうした主張に理解を求めた。孫氏は5日に演説し、米軍が南シナ海で緊張を高めていると反論
する見通しだ。

 THAAD配備は3月に始まった実務レベルの協議が進んでいて、夏に予定される米韓定例安保協議までに正式に配備が決まる見通しなのだそうですが、カーター国防長官が早期配備をあえて強調したのは、「南シナ海問題で対立する中国をけん制する意味があるとのこと。
 中国の反発が怖い韓国の韓民求国防相は、うやむやな表現ながら否定はしていませんね。北の制裁に対し煮え切らない中国の姿勢に不満を持つ朴槿恵は、対中けん制も視野にいれているのでしょうが、当然中国は反発しています。コウモリ外交は、いつかは、「均衡論」を唱えた盧武鉉大統領と同じ運命をたどる宿命にあったのですが、いよいよ朴槿恵が旗色を鮮明にせざるをえない時がきたようです。
 かといって、対中貿易は韓国経済の大きな柱。朴槿恵がどのような外交手腕を発揮して政経分離を継続させることができるのか、お手並み拝見ですね。

 今回の「アジア安全保障会議」での、米国の対中攻勢は、これまでのパンダはがー姿勢は後退し、対中けん制を強めていますね。
 日米印でも連携を強化して、南シナ海、東シナ海での中国の力による現状変更へのけん制を強めています。
 

日印連携で中国けん制 防衛相会談 米と3か国共同訓練 (6/4 読売朝刊)

 
【シンガポール=石田浩之】中谷防衛相は3日、インドのパリカル国防相とシンガポールで会談し、日米印3か国の防衛協力を強化することで一致した。月内に日本近海で行われる米印海軍共同訓練「マラバール」に海上自衛隊が3年連続で参加することも確認した。
 
日本政府は日米印の連携を加速することで、東・南シナ海やインド洋で海洋進出を強める中国をけん制したい
考えだ。
 会談で両氏は、南シナ海の軍事拠点化を進める中国を念頭に、航行の自由を守る必要性で一致した。中谷氏が、海自と米印両国の海軍との交流が深まっていることを歓迎したのに対し、パリカル氏も「日米印の関係をさらに強化するためマラバールが実施される」と述べた。
 中谷氏は日米印3か国の防衛相会談を開催することも提案した。両氏はまた、海自の最新鋭救難飛行艇「US2」のインドへの輸出に向け、協議を加速することも確認した。
 中谷氏は、カナダとシンガポールの国防相ともそれぞれ会談し、防衛協力を推進していくことで一致した。

 中国の国際法を無視した暴挙に対する諸国の懸念が強まり、けん制への輪が広まっていく傾向が加速されているようですね。
 カーター長官の攻勢に対し、孫建国副参謀長は、「中国は孤立していない。彼の話は間違っている」と強く反発し、関連各国との二国間交渉を強めて、フィリピンが提訴している「仲裁裁判所」の判決後への備えも強化している様子です。
 
アジア安全保障会議 中国が米国を強く批判 | NHKニュース

 南シナ海、波高しといった状況ですね。


 # 冒頭の画像は、アジア安全保障会議で演説するカーター米国防長官




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