遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

上海株急落は、「7月バブル崩壊説」の予兆か

2013-06-25 23:40:18 | 中国 全般
 日本の株価の大幅な乱高下は少し鎮静化の兆しが見え始めています。バーナンキ氏の通貨供給引き締め発言による、世界の金融事情の転換ショックがひとまわりし落ち着きはじめたからなのでしょうか。
 と、思っていたら、今度は上海株の急落が注目されています。またファンドマネーのマネーゲームかと思って、聞き流していましたが、どうやら中国の金融構造に起因する、かねてささやかれていた「7月危機」に市場が反応したからではないかという説があり、単なる株価変動と看過できないものの可能性がある様なのです。

 
市場を揺らす中国金融システム懸念 :日本経済新聞
 
上海株急落5.3%安 財テク償還破綻懸念 中国7月危機、現実味 (6/25 産経)

 【上海=河崎真澄】中国でささやかれてきた「7月バブル崩壊説」が現実味を帯びてきた。上海株式市場全体の値動きを示す上海総合株価指数が24日、前週末の終値に比べ5・30%安い1963・23で引けた。心理的な節目の2000を割り込んだのは昨年12月4日以来約7カ月ぶり。年初来最安値となった。市場の下落は、「理財産品」と呼ばれる高利回りの財テク商品の償還が今月末にも行き詰まり、「資金ショートで中小の銀行では連鎖破綻が起きる
のではないかとの警戒感が広がった」(市場関係者)ことが背景にある。

 
下落率は2009年8月31日(6・74%安)以来約4年ぶりの大きさ
。中国の金融機関が債券の償還などのため資金調達源として頼っている短期金融市場でここ数週間、供給資金の不足で金利が上昇。一方で、中国人民銀行(中央銀行)が資金供給を行う姿勢を見せず、流動性引き締めに伴う資金繰り悪化懸念で証券市場でも失望感が広がり、売り一色になった。
 6月末までに総額1兆5千億元(約24兆円)の財テク商品が償還満期を迎えるとみられる。人民銀行は金融リスク防止に力を入れる意向を23、24日と連日表明したが、市場では後ろ向き姿勢と受け止められた。
 問題の財テク商品は年率10%以上の高金利をうたっているが、元本割れなど高いリスクも伴う。個人投資家などから集めた資金は金融機関が簿外で運用。「影の銀行(シャドーバンキング)」といわれている。
 財テク商品で集められた資金は、正規に銀行融資を受けられない
需要予測を無視した不動産開発や、地方政府系の不透明な投資会社への迂回(うかい)融資
に利用されることが多い。短期資金ショートが続けば、中小金融機関がデフォルト(債務不履行)に陥る懸念がある。
 市場関係者は、「
人民銀行は金融機関から理財産品のウミを出し切ろうとあえて(短期金融市場に対する)資金供給を見送っているフシがある」と話している。中国では習近平政権が、発足後4カ月前後で前政権時代の不良債権処理に打って出るとの政府系シンクタンクの内部報告があり、「7月危機説」の根拠となっている。

 中国の経済成長の値は、政治主導の財政出動が主因であることは、周知のことですね。世界の工場としての、世界一の輸出が中国経済を支えて来ていますが、政府は、内需を喚起し安定した経済成長と国民の所得の向上を目指しています。その起爆剤として公共投資の財政出動を進めてきたのです。
 と同時に、当然金融緩和も進めてきました。
 ところが、緩和された金融を、地方政府が需要予測をないがいがしろにしたまま、ジャブジャブ投資に回したのです。が、その投資の資金の償還期限が来る6月末に償還が出来ないという「7月バブル崩壊説」がありましたが、その信憑性がましたことで株価が下落しているというのです。

 輸出頼みから内需成長への経済構造転換を狙っている中国経済構造が、地方政府などを主体とする、怪しい財源による財政出動で起爆しようとしていたが、泡となって消えてしまいそう。経済構造と金融破綻がおきそうというのです。
 もっとも、それを予知した政府が、前政権の負の財産として、早期に清算しようとしている。地方政府の怪しい財源(シャドーバンキング)の整理と不良債権処理をしようとして金融引き締めを行っている、管理下で進められていることだと、好感を持って観る説もあるようです。

 中国の経済成長が、「7月バブル崩壊」となるのか、「バブル解消」を政府のコントロール下で血を流しながら行うのか。世界経済への影響が大きいだけに注目が必要です。

 余談ですが、日本はと言うと、バーナンキ発言で新興国から引き上げられたマネーの行場がなく、相対的に安全な日本へと向かうことになり、アベノミクス初期の様な現象が再来する可能性があると言う説が多く聞かれます。
 今日の株価変動は、実体経済よりマネーゲームで左右されます。つまり、人の利鞘稼ぎの思惑で動きますので、いつどう変わるかはわかりません。
 気持ちは立ち直りはじめ、これから実体経済が伴うかという、芽吹き始めの時期の日本経済。中国初の経済恐慌が生じて、その嵐に巻き込まれて芽がなえることがないことを願うばかりです。
 日本企業の、チャイナプラスワン & 脱チャイナが進むまでは、中国経済が自転車操業で持ちこたえてくれることを願いますし、日本企業にはチャイナプラスワン & 脱チャイナを急いでいただきたい。



 # 冒頭の画像は、中国で建設中のビル




  マンサクの紅葉  (2012年12月 撮影)


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