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日米首脳会談が実施されました。岸田氏は、首相就任に伴い、恒例の米国大統領との面談を希望しましたが、バイデン氏が提唱した北京冬季五輪への「外交的ボイコット」に対し、中国との二股外交で逡巡したことで、日程回答を保留された挙句、直接の面談ではなく、オンラインでの面談に格下げされていました。
ようやく直接の面談となりました。
今回のバイデン氏の韓国を含む歴訪の第一番の目的は、自ら提唱する対中包囲網の「IPEF(インド太平洋経済"枠組")」の提唱と参画募集と、24日開催のQUAD(クアッド)主席。
日本にとって大きく影響があったのは、岸田氏自らが明かした「私から日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した」こと。
もうひとつは、来年の日本でのG7開催地を、広島とすることで、バイデン氏の支持をとりつけたこと。
後は、バイデン氏のリップサービスなのかどうか、今回のプーチン氏によるウクライナ侵攻に対する国連の無力さで再燃し始めた国連改革で、日本の常任理事国入りへのバイデン氏の支持を得たこと。
「防衛費の相当な増額」首相が表明 バイデン氏から「強い支持」 [岸田政権]:朝日新聞デジタル
日米首脳会談、安保戦略改定見据え認識確認へ - 産経ニュース
ここで取り上げたいのは、G7の広島開催。
オバマ氏が原爆ドームを訪問、弔意を示しましたが、原爆を実戦で投下した米国。一般市民に大きな犠牲を生んだ米国に、広島が選挙区の岸田首相がG7開催地としてバイデン氏に要求、賛同獲得。
産経・田村記者は、核抑止と同時に、米国の核の傘で護られている日本の安全保障の二律背反で、首相の掲げる「新時代リアリズム外交」が試されると解説いただいています。
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【参考】拡大抑止 extended deterrence
自国だけでなく、同盟国が攻撃を受けた際にも報復する意図を示すことで、同盟国への攻撃を他国に思いとどまらせること。米国は同盟国である日本や韓国に対し、核を含む「拡大抑止」の提供を約束している。「基本抑止(Basic deterrence)」が、自国の国民や領土に対する核抑止であるのに対し、「拡大抑止」は同盟国への核・通常攻撃を抑止する。拡大抑止は一般的に、「核の傘」とも呼ばれるが、厳密には、拡大抑止には「拡大核抑止(Extended nuclear deterrence)」と、通常戦力による「拡大通常抑止(Extended conventional deterrence)」がある。「核の傘」については、冷戦期に旧ソ連と対峙していた米国が「パリを守るために、ニューヨークを犠牲にする覚悟があるのか」と核による米国の報復攻撃に疑問が呈されたこともある。
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広島選出の首相は「核兵器のない世界」を追求するが、同時に米国の「核の傘」の信頼性をいかに強化するかという、一見相反する目標に向き合うことになると、田村記者。
核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する初の国際法規である核兵器禁止条約が発効しましたが、核保有国や日本は参加していないことは、諸兄がご承知の通りです。
核兵器禁止条約が発効 米国や日本は不参加: 日本経済新聞
岸田首相は、各国の指導者が被爆の実相に触れることで、ロシアの核使用を許さない国際世論を形成したい考えなのだそうです。
米国が同盟国を核兵器で守る「核の傘」に依存する日本にとって核の使用を完全に否定することはできない。政府内にも首相が「核なき世界」に前のめりになることで米国の拡大核抑止力を損なう事態を懸念する声もあると田村氏。
日本にとって、ロシア以上に深刻なのが中国の核・ミサイル戦力。中国は核搭載可能で日本全域を射程とする中距離ミサイルを大量に保有していると。
日本の主要拠点向けに配備されていることは、衆知のことですね。
ウクライナ危機ではロシアの核の脅しが米欧の直接介入を思いとどまらせ、核の有効性を浮き彫りにした。北朝鮮のような国は核兵器の必要性を確信する恐れがあると田村記者。
「北海道に全ての権利有する」と脅しをかけるロシア。日本列島を沈没させるという金正恩。連日、尖閣諸島の領海を含む近海に「海警」を出没させ、実効支配実績を積み重ね、実効支配を狙う中国。
これらを抑止出来ているのは、ひとえに米国の核の傘のおかげです。
プーチンが安易にウクライナ侵攻に踏み切ったのは、ウクライナが保有していた核を手放したことも一因。
ドイツ等では、カクシェアリングが実施されています。日本での検討議論も、安倍氏などが提唱されています。
安倍氏、核共有にふれ「世界の現実、議論タブー視ならぬ」 フジ番組:朝日新聞デジタル
米国の「核の傘」の強化を図りつつ、北朝鮮の核放棄を目指す-。首相の掲げる「新時代リアリズム外交」が試されると田村記者。
TV番組での政府の方は、「岸田総理は、未来目標に核廃絶を目指すが、現状では米国の核の傘は必要」と言っているのをみみにしました。
岸田政権らしい、言葉遊び。
切迫する中国の脅威に、岸田政権は、真剣な対応策の構築実行が求められます。バイデン氏に約束した防衛力強化を、言葉だけでなく早急に具体化される事を望みます。
# 冒頭の画像は、会談後記者会見に臨んだ日米両首脳
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今回のバイデン氏の韓国を含む歴訪の第一番の目的は、自ら提唱する対中包囲網の「IPEF(インド太平洋経済"枠組")」の提唱と参画募集と、24日開催のQUAD(クアッド)主席。
日本にとって大きく影響があったのは、岸田氏自らが明かした「私から日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意を表明した」こと。
もうひとつは、来年の日本でのG7開催地を、広島とすることで、バイデン氏の支持をとりつけたこと。
後は、バイデン氏のリップサービスなのかどうか、今回のプーチン氏によるウクライナ侵攻に対する国連の無力さで再燃し始めた国連改革で、日本の常任理事国入りへのバイデン氏の支持を得たこと。
「防衛費の相当な増額」首相が表明 バイデン氏から「強い支持」 [岸田政権]:朝日新聞デジタル
日米首脳会談、安保戦略改定見据え認識確認へ - 産経ニュース
ここで取り上げたいのは、G7の広島開催。
オバマ氏が原爆ドームを訪問、弔意を示しましたが、原爆を実戦で投下した米国。一般市民に大きな犠牲を生んだ米国に、広島が選挙区の岸田首相がG7開催地としてバイデン氏に要求、賛同獲得。
産経・田村記者は、核抑止と同時に、米国の核の傘で護られている日本の安全保障の二律背反で、首相の掲げる「新時代リアリズム外交」が試されると解説いただいています。
【日米首脳会談】岸田リアリズム外交に試練 相反する核なき世界と抑止力 - 産経ニュース 2022/5/23 田村 龍彦(産経新聞東京本社政治部記者)
岸田文雄首相は23日、来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を被爆地の広島で開催すると表明した。ウクライナに侵攻したロシアは核兵器を使って欧米を恫喝(どうかつ)しているほか、日本は中国や北朝鮮の核の脅威にも直面する。広島選出の首相は「核兵器のない世界」を追求するが、同時に米国の「核の傘」の信頼性をいかに強化するかという、一見相反する目標に向き合うことになる。
「武力侵略も核兵器による脅しも断固として拒否するG7の意思を示したい」
首相はバイデン大統領との共同記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻に触れ、広島でのサミット開催の意義を強調した。各国の指導者が被爆の実相に触れることで、ロシアの核使用を許さない国際世論を形成したい考えだ。
ただ、米国が同盟国を核兵器で守る「核の傘」に依存する日本にとって核の使用を完全に否定することはできない。政府内にも首相が「核なき世界」に前のめりになることで米国の拡大核抑止力を損なう事態を懸念する声もあるが、首相周辺は「首相は空想で『核なき世界』を言っているのではない。日米同盟による拡大抑止を前提に考えている」と語る。
象徴的なのが、岸田政権でも、米国が核の使用目的を制限することには反対したことだ。バイデン氏はかねて核保有を「核攻撃の抑止と報復」という「唯一の目的」に限定すべきだと主張していた。だが、日本などの反対で核戦略の指針「核態勢見直し(NPR)」への明記を見送った。
日本にとって、ロシア以上に深刻なのが中国の核・ミサイル戦力だ。中国は核搭載可能で日本全域を射程とする中距離ミサイルを大量に保有している。今回の首脳会談で中国に核軍縮を呼びかけるとともに、拡大核抑止の重要性を確認したのはこのためだ。
一方、ウクライナ危機ではロシアの核の脅しが米欧の直接介入を思いとどまらせ、核の有効性を浮き彫りにした。北朝鮮のような国は核兵器の必要性を確信する恐れがある。米国の「核の傘」の強化を図りつつ、北朝鮮の核放棄を目指す-。首相の掲げる「新時代リアリズム外交」が試される。
岸田文雄首相は23日、来年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)を被爆地の広島で開催すると表明した。ウクライナに侵攻したロシアは核兵器を使って欧米を恫喝(どうかつ)しているほか、日本は中国や北朝鮮の核の脅威にも直面する。広島選出の首相は「核兵器のない世界」を追求するが、同時に米国の「核の傘」の信頼性をいかに強化するかという、一見相反する目標に向き合うことになる。
「武力侵略も核兵器による脅しも断固として拒否するG7の意思を示したい」
首相はバイデン大統領との共同記者会見で、ロシアのウクライナ侵攻に触れ、広島でのサミット開催の意義を強調した。各国の指導者が被爆の実相に触れることで、ロシアの核使用を許さない国際世論を形成したい考えだ。
ただ、米国が同盟国を核兵器で守る「核の傘」に依存する日本にとって核の使用を完全に否定することはできない。政府内にも首相が「核なき世界」に前のめりになることで米国の拡大核抑止力を損なう事態を懸念する声もあるが、首相周辺は「首相は空想で『核なき世界』を言っているのではない。日米同盟による拡大抑止を前提に考えている」と語る。
象徴的なのが、岸田政権でも、米国が核の使用目的を制限することには反対したことだ。バイデン氏はかねて核保有を「核攻撃の抑止と報復」という「唯一の目的」に限定すべきだと主張していた。だが、日本などの反対で核戦略の指針「核態勢見直し(NPR)」への明記を見送った。
日本にとって、ロシア以上に深刻なのが中国の核・ミサイル戦力だ。中国は核搭載可能で日本全域を射程とする中距離ミサイルを大量に保有している。今回の首脳会談で中国に核軍縮を呼びかけるとともに、拡大核抑止の重要性を確認したのはこのためだ。
一方、ウクライナ危機ではロシアの核の脅しが米欧の直接介入を思いとどまらせ、核の有効性を浮き彫りにした。北朝鮮のような国は核兵器の必要性を確信する恐れがある。米国の「核の傘」の強化を図りつつ、北朝鮮の核放棄を目指す-。首相の掲げる「新時代リアリズム外交」が試される。
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【参考】拡大抑止 extended deterrence
自国だけでなく、同盟国が攻撃を受けた際にも報復する意図を示すことで、同盟国への攻撃を他国に思いとどまらせること。米国は同盟国である日本や韓国に対し、核を含む「拡大抑止」の提供を約束している。「基本抑止(Basic deterrence)」が、自国の国民や領土に対する核抑止であるのに対し、「拡大抑止」は同盟国への核・通常攻撃を抑止する。拡大抑止は一般的に、「核の傘」とも呼ばれるが、厳密には、拡大抑止には「拡大核抑止(Extended nuclear deterrence)」と、通常戦力による「拡大通常抑止(Extended conventional deterrence)」がある。「核の傘」については、冷戦期に旧ソ連と対峙していた米国が「パリを守るために、ニューヨークを犠牲にする覚悟があるのか」と核による米国の報復攻撃に疑問が呈されたこともある。
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広島選出の首相は「核兵器のない世界」を追求するが、同時に米国の「核の傘」の信頼性をいかに強化するかという、一見相反する目標に向き合うことになると、田村記者。
核兵器の開発、保有、使用を全面禁止する初の国際法規である核兵器禁止条約が発効しましたが、核保有国や日本は参加していないことは、諸兄がご承知の通りです。
核兵器禁止条約が発効 米国や日本は不参加: 日本経済新聞
岸田首相は、各国の指導者が被爆の実相に触れることで、ロシアの核使用を許さない国際世論を形成したい考えなのだそうです。
米国が同盟国を核兵器で守る「核の傘」に依存する日本にとって核の使用を完全に否定することはできない。政府内にも首相が「核なき世界」に前のめりになることで米国の拡大核抑止力を損なう事態を懸念する声もあると田村氏。
日本にとって、ロシア以上に深刻なのが中国の核・ミサイル戦力。中国は核搭載可能で日本全域を射程とする中距離ミサイルを大量に保有していると。
日本の主要拠点向けに配備されていることは、衆知のことですね。
ウクライナ危機ではロシアの核の脅しが米欧の直接介入を思いとどまらせ、核の有効性を浮き彫りにした。北朝鮮のような国は核兵器の必要性を確信する恐れがあると田村記者。
「北海道に全ての権利有する」と脅しをかけるロシア。日本列島を沈没させるという金正恩。連日、尖閣諸島の領海を含む近海に「海警」を出没させ、実効支配実績を積み重ね、実効支配を狙う中国。
これらを抑止出来ているのは、ひとえに米国の核の傘のおかげです。
プーチンが安易にウクライナ侵攻に踏み切ったのは、ウクライナが保有していた核を手放したことも一因。
ドイツ等では、カクシェアリングが実施されています。日本での検討議論も、安倍氏などが提唱されています。
安倍氏、核共有にふれ「世界の現実、議論タブー視ならぬ」 フジ番組:朝日新聞デジタル
米国の「核の傘」の強化を図りつつ、北朝鮮の核放棄を目指す-。首相の掲げる「新時代リアリズム外交」が試されると田村記者。
TV番組での政府の方は、「岸田総理は、未来目標に核廃絶を目指すが、現状では米国の核の傘は必要」と言っているのをみみにしました。
岸田政権らしい、言葉遊び。
切迫する中国の脅威に、岸田政権は、真剣な対応策の構築実行が求められます。バイデン氏に約束した防衛力強化を、言葉だけでなく早急に具体化される事を望みます。
# 冒頭の画像は、会談後記者会見に臨んだ日米両首脳
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↓よろしかったら、お願いします。
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