高速炉を使えば、強い放射線を出す期間を約10万年から300年に短縮でき、体積も7分の1に減らせるとされ、原発のごみ減少に「もんじゅ」を使う様方向転換するのだそうです。
もんじゅ「増殖炉」白紙 政府、エネ計画から削除 :日本経済新聞
政府の新たなエネルギー基本計画で、が高速増殖炉もんじゅは原子力発電所から出る核のゴミを減らす焼却炉に格下げされる可能性出てきた。「夢の原子炉」に見切りを付けるのは現実路線に踏み出そうとしている政府の姿を示す。原子力政策を支えてきた核燃料サイクルは大きな柱を失い、政策の見直しが避けられない。 政府は高速増殖炉の実用化を白紙にしても、既存の原発を使うプルサーマルと呼ばれる別の方式を通じてサイクル政策を堅持する方針だ。ただ、この方式では再処理コストが経済的に見合わない。サイクルに伴い燃料として発生するプルトニウムの大量保有には国際社会の目も厳しくなる。
■ほとんど稼働せず
「核物質を増殖させてエネルギーを何千年も使い続けようというのが高速増殖炉だ」。もんじゅを推進してきた文部科学省幹部は語る。原発で燃え残った燃料を再処理してもんじゅで燃やし、さらに燃え残った燃料を再処理していつまでも使い続けるというのが核燃料サイクルの要だった。高レベルの放射性廃棄物の発生は避けられないものの、資源に乏しい日本の切り札とされてきた。
だが高速増殖炉は仕組みが複雑で開発は手間取り、先進各国は軒並み実現をあきらめた。94年に初めて臨界に達したもんじゅも95年のナトリウム漏れ事故などトラブルが相次ぎ、この20年間ほとんど稼働しなかった。
福島第1原発の事故後、もんじゅの存廃を巡る議論もでるなか、急浮上したのが核のごみ処理に使うアイデアだ。何万年も放射線を出し続ける放射性廃棄物をもんじゅで燃やして消滅させれば、核のゴミの量は減る。新しいエネルギー基本計画はこうした方針を明確に示そうとしている。
問題は核燃料サイクル政策の行方だ。高速増殖炉がなくなれば、燃料を永久に生み出すことを想定したサイクルは回らない。もんじゅの燃料となるプルトニウムをつくるために約2兆円をかけて建設した使用済み核燃料の再処理工場(青森県)はほぼ完成している。工場では核兵器の原料にもなりうるプルトニウムが毎年最大で8トンずつ生産される計画だ。
■安保政策に影響
窮余の策として政府はプルトニウムをウランと混ぜ普通の原発で利用するプルサーマルという方式に期待する。再稼働の準備を進める関西電力高浜原発や九州電力玄海原発などではプルトニウム入り燃料を燃やせる。
ただ、プルサーマルでは、増殖炉のようにプルトニウム燃料を何度も再処理して使い続けることはできない。投入された燃料はすぐに使い尽くしてしまうため、経済効率も悪い。文科省の関係者は「高いコストをかけて再処理する意味がなくなる」と指摘する。
日本はプルトニウムをため込まずに平和利用のため使い続ける前提で、国際社会や米国からプルトニウムの生産を例外的に許されている経緯もある。2018年の日米原子力協定の改定を控え、もんじゅが高速増殖炉の看板を下ろせば、プルトニウム生産の大義名分が薄れ、安全保障にも影響を及ぼす。
核物質で発電しながら消費した以上の核燃料を生み出し何千年も使い続けられるという「夢の原子炉」が、核のゴミを減らす「焼却炉」の役割だけになってしまうのです。
先進各国が実現をあきらめるなか、20年間殆ど稼働出来ないながら取り下げなかった「夢の原子炉」での核燃料リサイクル。
核のゴミ処理の救世主だったのですが、ゴミ処理方法や永久保管場所の目途がないまま、お蔵入りなのでしょうか。
STAP細胞を発見した小保方さんは、常識外れと愚弄されながらも、「もう1日」と泣きながらも頑張って、夢をかなえる道を拓きました。
先進各国があきらめるなかを、20年がんばってきた「もんじゅ」。世界各国が今後も原子力発電を増やし続けるといっているなかでは、日本やドイツなどが原子炉を減らしたり無くしても、地球上全体では大幅に増やされるのです。
核のゴミ対策は、日本だけの問題ではなく、地球規模の課題であり必要なのです。
「もんじゅ」が、20年間ほとんど稼働できなかったのは、高速増殖炉の考え方自体が実現不可能だからなのでしょうか。
主な稼働停止に繋がる事故は、1995年のナトリウム漏洩火災事故、2010年の原子炉内中継装置落下事故といった関連設備の不具合や運用に関する事故であり、その事故への対応(隠蔽)の問題の様に説明されてきています。もう一つは、事故時の対応とは別に、保守点検の考えられないルーズさ(2012年、2013年の点検洩れ発覚)=人の安全教育欠如です。2014年1月には、この点検漏れと指摘を受けて点検計画の内容を確認中だったにも拘らず、“見直し完了”を原子力機構が規制委員会に報告していたことが発覚しています。
原子力機構の対応「不適切」=もんじゅ点検漏れで規制委 - WSJ.com
保守点検の安全管理では、製造業ではあるまじき常識外れの惨状です。原子力発電、ましてや高速増殖炉などチンプンカンプの遊爺ですが、製造業の工場勤務経験があるだけですがお話にならない管理状況であることは断言できます。原子力発電所でなくても、製造業の工場として失格です。つまり、高速増殖炉は仕組みが複雑云々ではなく、高速増殖炉を語る以前の初歩の問題です。焼却炉の工場になっても危なくて、とても稼働を認められるレベルにはありません。工場勤務経験がおありの方であれば、どなたでもお気づきのことですね。
日本の原発関連技術は、世界でも高水準と言われていますが、同時に脱原発の流れで、志をもって飛び込んでくる新規の技術者難、優秀な技術者の転出が危惧されています。
しかし、廃炉の為の技術開発、廃棄物補完・処理技術は、世界が求める未知の新技術です。
製造業の風下にも置けない低レベルな保守点検体制や、設備の管理運用のレベルの低さのせいであきらめるのではなく、小保方さんに続くような技術者が出現し、世界の先進国があきらめた技術を、日本が開発出来る場を残し、研究が続けられることを願います。
幸い、核のゴミの減量化と並行して増殖に関する研究も続ける方針だそうで、希望の火は残されそうです。
出でよ、核燃料系新技術者。併せて、20年かけても稼働出来ない原因の徹底分析を、新しい眼での実施が必要です。
# 冒頭の画像は、「もんじゅ」
この花の名前は、オミナエシ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 8月 撮影)
竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube
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