長年露では5月9日を対独戦勝記念日として祝い、10年前には日本が降伏文書に調印した9月2日を新たに戦勝記念日に制定しました。
今年の5月の対独戦勝記念日は75周年となるのだそうですが、安倍首相の出席話が進められています。
出席すれば、歴代首相では二人目になるのだそうです。
北方四島の返還交渉が、ロシア側の強硬姿勢への転換で、ゼロ島となり軍事基地化の強化が進められている現状で、安倍首相自らが出席では、ロシア側の強硬姿勢を容認することになりかねないと危惧されているのは、北海道大学の故木村名誉教授と対露問題の双璧の袴田新潟県立大学教授。
習近平の国賓での招聘といい、三選の任期満了を控えた安倍首相。なんだか変だと感じるのは、遊爺だけではない様です。
訪露の話の発端は、昨年末のプーチン大統領から各国首脳に向けた新年の祝辞。
そこで、対ドイツ戦勝75周年を記念する式典への安倍首相の出席への期待の言及があったのだそうですね。
ただし、祝辞は41カ国の首脳について言及。安倍首相への祝辞は41番目だったのだそうです。
露大統領 対独戦勝75周年式典への安倍首相出席に期待:イザ!
首相が5月訪ロ、戦勝式典出席へ プーチン大統領との会談調整(共同通信) - Yahoo!ニュース
近年の露の強引な歴史歪曲と対日強硬策の基本は、露側の歴史認識が、ナチス独のファシズムと日本の軍国主義に対しソ連は一貫して戦ってきた被害者かつ解放者だとの主張だと袴田教授。
日本はアジアの侵略者と定義し、日本がポツダム宣言を受諾し無条件降伏を受け入れる数日前に、日ソ中立条約を破ってソ連は、ヤルタ会談にもとずき、満洲に侵攻、その後日露戦争の結果で交わされた両国の領土に関する1905年のポーツマスで日本領とされた、南樺太、千島から北方四島の領土などに侵攻したのでした。
5月の戦勝記念日への日本首相の参加は、露側の強引な歴史修正や最近目に余る対日強硬政策を容認することにならないかと袴田教授。
05年以後露は四島を露領と主張し、近年はそれを日本が認めるのが平和条約交渉の前提で、平和条約交渉は領土問題と無関係と主張するロシア。
更に、プーチン氏が唱えていた、日ソ共同宣言の二島先行返還も翻し、日米安保条約ゆえにすぐにも米軍基地が島にできるとゼロ島返還で、経済支援を平和条約の条件にする始末。
5月に安倍首相が露の戦勝記念日に出席するのは何のためか。これで平和条約交渉が進むとみているのだろうかと袴田教授。
ご指摘の通りで、41か国への言及中、41番目に言及された首相の出席では、露側の現状の主張を容認したということになります。
出席は、首相ではなく、茂木外相か麻生副総理どまり(それ以下でもよい)とし、日本側の不満の意を明示すべきと考えますが、いかがでしょう。
# 冒頭の画像は、北方領土島民と懇談する安倍首相
なんじゃもんじゃの木の花
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今年の5月の対独戦勝記念日は75周年となるのだそうですが、安倍首相の出席話が進められています。
出席すれば、歴代首相では二人目になるのだそうです。
北方四島の返還交渉が、ロシア側の強硬姿勢への転換で、ゼロ島となり軍事基地化の強化が進められている現状で、安倍首相自らが出席では、ロシア側の強硬姿勢を容認することになりかねないと危惧されているのは、北海道大学の故木村名誉教授と対露問題の双璧の袴田新潟県立大学教授。
習近平の国賓での招聘といい、三選の任期満了を控えた安倍首相。なんだか変だと感じるのは、遊爺だけではない様です。
訪露の話の発端は、昨年末のプーチン大統領から各国首脳に向けた新年の祝辞。
そこで、対ドイツ戦勝75周年を記念する式典への安倍首相の出席への期待の言及があったのだそうですね。
ただし、祝辞は41カ国の首脳について言及。安倍首相への祝辞は41番目だったのだそうです。
露大統領 対独戦勝75周年式典への安倍首相出席に期待:イザ!
首相が5月訪ロ、戦勝式典出席へ プーチン大統領との会談調整(共同通信) - Yahoo!ニュース
【正論】戦勝記念日、首相出席何のためか 新潟県立大学教授・袴田茂樹 - 産経ニュース 2020.3.3
新型肺炎に関連した感動的話をお伝えし、その後日中、日露関係について述べたい。
今や電車内とか集会でマスクなしの咳(せき)やくしゃみは顰蹙(ひんしゅく)もので、最近私が関係する会合も中止された。今わが家も、マスク入手に四苦八苦。横浜在住だが、マスク販売と聞いた店に妻が開店前に行くと数十人の行列。マスク30枚入りの箱か7枚入りの袋が1人1点限りで売られた。妻の前で箱は売り切れて落胆し、せめて2袋欲しいと懇願するもダメ。すると目の前で1箱買えた近在らしき女性が、その場で箱を開け10枚渡してくれた。妻が感動して涙し、とんでもない貴女(あなた)も今後入り用でしょうと強く断っても「独り者ですから」と無理に渡した。せめて代金をと言っても受け取らない。最後に「私は中国人です」と一言述べた。娘も私もこれを聞いて涙した。
≪率直な民間交流は重要だが≫
ある縁で日露関係を熟知している在日露人と知り合った。その人は北方領土交渉について次のように述べた。「安倍政権下で日露経済関係は8倍拡大し、友好的な雰囲気作りも成功したが、領土問題の解決は進展なし。露側は日本の交渉術が相当気に入っており、100年でも200年でも今の交渉を継続していいと言っています。今の調子では首相4選どころか、40選でも足りないでしょう」
中韓で長年、反日教育を受けた国民も、訪日で日本や日本人が大好きになる者が少なくない。この露人も日本に住んで、露に対するわが国の立場に半ば諧謔(かいぎゃく)気味だが、同情し、歯がゆがっている。率直な民間交流や文化交流の大切さを実感させられる。
日中関係だが、習近平独裁政権への国際的批判は強まり、新型肺炎問題で習政権も危機感を強めている。このような時、習主席を延期にせよ国賓として招くのは、30年前の天安門事件後、日本が真っ先に救いの手を差し伸べて国際批判を浴びたことを想起させる。その頃米プリンストン大学の客員研究員だった私は、各国の専門家から日本批判の言葉を聞かされた。
≪歴史の歪曲と対日強硬策≫
日露関係、特に近年の露の強引な歴史歪曲(わいきょく)と対日強硬策への強い懸念は拭えない。露側の歴史認識だが、ナチス独のファシズムと日本の軍国主義に対しソ連は一貫して戦ってきた被害者かつ解放者だとの主張が基本だ。ナチス独とソ連が第二次世界大戦に道を開き、大粛清、人権侵害、東欧支配などを行ったという昨年9月の欧州議会の決議に対しては、本紙も報道したように、プーチン氏は「破廉恥の極み」と反発した。
日本に対しても露は専らアジアの侵略者とし、ポツダム宣言を受諾し日本軍の無条件降伏を受け入れる数日前に、日ソ中立条約を破ってソ連は満洲に侵攻、その後南樺太、千島などに侵攻した。戦後はヤルタ協定も理由にして、今も北方領土を占領し続けている。帝政時代から露は満洲や朝鮮支配を目指し、満洲に鉄道敷設などもしてきた。1932年に日本が傀儡(かいらい)国家満洲国をつくったことを露は日本のアジア侵略の象徴的例としているが、35年3月に、北満鉄道の権限をソ連は満洲国に売った。つまり、事実上満洲国を認めたのだが、今はこれらの歴史には口を噤(つぐ)んでいる。
長年露では5月9日を対独戦勝記念日として祝い、10年前には日本が降伏文書に調印した9月2日を新たに戦勝記念日に制定した。今年の5月の戦勝記念日への日本首相の参加は、露側の強引な歴史修正や最近目に余る対日強硬政策を容認することにならないか。
≪喜ばせて得るものあるか≫
プーチン大統領は、2001年のイルクーツク声明、03年の日露行動計画に署名して、北方四島の帰属問題が未確定との認識を日露が共有した東京宣言を、平和条約交渉の基礎となる重要な合意として領土問題を認めていた。05年に小泉純一郎首相は戦勝記念日に一旦出席しないと述べたが、結局出席してプーチン氏を大いに喜ばせた。同年11月のプーチン訪日予定を実現する為だった。
しかし、同年9月にプーチン氏は国営テレビで、第二次世界大戦の結果北方四島は露領となり国際法でも認められていると、強引に歴史を歪曲し領土問題の存在を否定した。それ故、同年11月の訪日時には経済協力交渉だけが進み、領土問題では共同声明も出せなかった。5月にブッシュ大統領(子)も戦勝記念日に出席したが途上バルト諸国でヤルタ協定は米国史上最大の誤りと声明した。
05年以後露は四島を露領と主張し、近年はそれを日本が認めるのが平和条約交渉の前提で、平和条約交渉は領土問題と無関係と主張している。また露は2島も渡さない理由として、渡すと日米安保条約ゆえにすぐにも米軍基地が島にできると言う。しかしこれは単なる口実だ。それが正しいなら、とっくに北海道に米軍基地がある筈(はず)だ。この5月に安倍晋三首相が露の戦勝記念日に出席すると、日本の首相として2回目の出席となるが、何の為か。これで平和条約交渉が進むとみているのだろうか。 (はかまだ しげき)
新型肺炎に関連した感動的話をお伝えし、その後日中、日露関係について述べたい。
今や電車内とか集会でマスクなしの咳(せき)やくしゃみは顰蹙(ひんしゅく)もので、最近私が関係する会合も中止された。今わが家も、マスク入手に四苦八苦。横浜在住だが、マスク販売と聞いた店に妻が開店前に行くと数十人の行列。マスク30枚入りの箱か7枚入りの袋が1人1点限りで売られた。妻の前で箱は売り切れて落胆し、せめて2袋欲しいと懇願するもダメ。すると目の前で1箱買えた近在らしき女性が、その場で箱を開け10枚渡してくれた。妻が感動して涙し、とんでもない貴女(あなた)も今後入り用でしょうと強く断っても「独り者ですから」と無理に渡した。せめて代金をと言っても受け取らない。最後に「私は中国人です」と一言述べた。娘も私もこれを聞いて涙した。
≪率直な民間交流は重要だが≫
ある縁で日露関係を熟知している在日露人と知り合った。その人は北方領土交渉について次のように述べた。「安倍政権下で日露経済関係は8倍拡大し、友好的な雰囲気作りも成功したが、領土問題の解決は進展なし。露側は日本の交渉術が相当気に入っており、100年でも200年でも今の交渉を継続していいと言っています。今の調子では首相4選どころか、40選でも足りないでしょう」
中韓で長年、反日教育を受けた国民も、訪日で日本や日本人が大好きになる者が少なくない。この露人も日本に住んで、露に対するわが国の立場に半ば諧謔(かいぎゃく)気味だが、同情し、歯がゆがっている。率直な民間交流や文化交流の大切さを実感させられる。
日中関係だが、習近平独裁政権への国際的批判は強まり、新型肺炎問題で習政権も危機感を強めている。このような時、習主席を延期にせよ国賓として招くのは、30年前の天安門事件後、日本が真っ先に救いの手を差し伸べて国際批判を浴びたことを想起させる。その頃米プリンストン大学の客員研究員だった私は、各国の専門家から日本批判の言葉を聞かされた。
≪歴史の歪曲と対日強硬策≫
日露関係、特に近年の露の強引な歴史歪曲(わいきょく)と対日強硬策への強い懸念は拭えない。露側の歴史認識だが、ナチス独のファシズムと日本の軍国主義に対しソ連は一貫して戦ってきた被害者かつ解放者だとの主張が基本だ。ナチス独とソ連が第二次世界大戦に道を開き、大粛清、人権侵害、東欧支配などを行ったという昨年9月の欧州議会の決議に対しては、本紙も報道したように、プーチン氏は「破廉恥の極み」と反発した。
日本に対しても露は専らアジアの侵略者とし、ポツダム宣言を受諾し日本軍の無条件降伏を受け入れる数日前に、日ソ中立条約を破ってソ連は満洲に侵攻、その後南樺太、千島などに侵攻した。戦後はヤルタ協定も理由にして、今も北方領土を占領し続けている。帝政時代から露は満洲や朝鮮支配を目指し、満洲に鉄道敷設などもしてきた。1932年に日本が傀儡(かいらい)国家満洲国をつくったことを露は日本のアジア侵略の象徴的例としているが、35年3月に、北満鉄道の権限をソ連は満洲国に売った。つまり、事実上満洲国を認めたのだが、今はこれらの歴史には口を噤(つぐ)んでいる。
長年露では5月9日を対独戦勝記念日として祝い、10年前には日本が降伏文書に調印した9月2日を新たに戦勝記念日に制定した。今年の5月の戦勝記念日への日本首相の参加は、露側の強引な歴史修正や最近目に余る対日強硬政策を容認することにならないか。
≪喜ばせて得るものあるか≫
プーチン大統領は、2001年のイルクーツク声明、03年の日露行動計画に署名して、北方四島の帰属問題が未確定との認識を日露が共有した東京宣言を、平和条約交渉の基礎となる重要な合意として領土問題を認めていた。05年に小泉純一郎首相は戦勝記念日に一旦出席しないと述べたが、結局出席してプーチン氏を大いに喜ばせた。同年11月のプーチン訪日予定を実現する為だった。
しかし、同年9月にプーチン氏は国営テレビで、第二次世界大戦の結果北方四島は露領となり国際法でも認められていると、強引に歴史を歪曲し領土問題の存在を否定した。それ故、同年11月の訪日時には経済協力交渉だけが進み、領土問題では共同声明も出せなかった。5月にブッシュ大統領(子)も戦勝記念日に出席したが途上バルト諸国でヤルタ協定は米国史上最大の誤りと声明した。
05年以後露は四島を露領と主張し、近年はそれを日本が認めるのが平和条約交渉の前提で、平和条約交渉は領土問題と無関係と主張している。また露は2島も渡さない理由として、渡すと日米安保条約ゆえにすぐにも米軍基地が島にできると言う。しかしこれは単なる口実だ。それが正しいなら、とっくに北海道に米軍基地がある筈(はず)だ。この5月に安倍晋三首相が露の戦勝記念日に出席すると、日本の首相として2回目の出席となるが、何の為か。これで平和条約交渉が進むとみているのだろうか。 (はかまだ しげき)
近年の露の強引な歴史歪曲と対日強硬策の基本は、露側の歴史認識が、ナチス独のファシズムと日本の軍国主義に対しソ連は一貫して戦ってきた被害者かつ解放者だとの主張だと袴田教授。
日本はアジアの侵略者と定義し、日本がポツダム宣言を受諾し無条件降伏を受け入れる数日前に、日ソ中立条約を破ってソ連は、ヤルタ会談にもとずき、満洲に侵攻、その後日露戦争の結果で交わされた両国の領土に関する1905年のポーツマスで日本領とされた、南樺太、千島から北方四島の領土などに侵攻したのでした。
5月の戦勝記念日への日本首相の参加は、露側の強引な歴史修正や最近目に余る対日強硬政策を容認することにならないかと袴田教授。
05年以後露は四島を露領と主張し、近年はそれを日本が認めるのが平和条約交渉の前提で、平和条約交渉は領土問題と無関係と主張するロシア。
更に、プーチン氏が唱えていた、日ソ共同宣言の二島先行返還も翻し、日米安保条約ゆえにすぐにも米軍基地が島にできるとゼロ島返還で、経済支援を平和条約の条件にする始末。
5月に安倍首相が露の戦勝記念日に出席するのは何のためか。これで平和条約交渉が進むとみているのだろうかと袴田教授。
ご指摘の通りで、41か国への言及中、41番目に言及された首相の出席では、露側の現状の主張を容認したということになります。
出席は、首相ではなく、茂木外相か麻生副総理どまり(それ以下でもよい)とし、日本側の不満の意を明示すべきと考えますが、いかがでしょう。
# 冒頭の画像は、北方領土島民と懇談する安倍首相
なんじゃもんじゃの木の花
↓よろしかったら、お願いします。