トラス英外相は27日、中国が国際ルールに従って行動しなければ、超大国としての台頭に終止符が打たれると発言、西側諸国は台湾が自衛できる体制を整える必要があると述べたと、ロイターが報じています。
ロシアの戦争犯罪を含むとも言われるウクライナ侵攻の状況下。中国による、台湾侵攻の気配に対し、G7の結束を示し、国際ルールを守る様牽制されたのですね。
トラス英外相はロシアを世界経済から孤立させる措置により、民主国への市場アクセスをもはや当然視できないことが証明されたと指摘。
「各国はルールに従って行動する必要がある。これには中国も含まれる」と述べ、中国をけん制。
「G7は世界経済の約半分を占めている。われわれには選択肢がある」とし「国際ルールが破られた場合にどのような選択肢を選ぶ用意があるか、ロシアの事例で示した」とも述べたのだそうです。
更に台湾海峡の緊張拡大に関連し「日本やオーストラリアといった同盟国と協力して、太平洋を確実に守らなければならない」とも発言。「台湾のような民主社会が自衛できる体制を整える必要がある」とも。
ブレグジット後の展望を検討する英国。オーストラリアやインドといった、英連邦諸国が居る「インド太平洋地域」地域への展開を重視、日英EPA締結から、CPTPP(TPP11)への加入に注力していることは諸兄がご承知の通りです。
ロシアのウクライナ侵攻では、反露姿勢ではなく、擁護姿勢を示す中国ですが、台湾武力併合姿勢を強めていた方針には、国際社会の対露包囲網の盛り上がりに、戦略見直しに傾いている気配がある様子。
中国は、「侵略」が相手側の国際的な空間を広げることも確認。
中国による台湾侵攻がなされた場合、台湾が西側諸国から台湾として国家承認されることがあるなら、それは中国にとって受け入れ難いことだ。こうした点でウクライナ問題は、中国にとって学習の場となるとともに、台湾侵攻の難しさを改めて認識する機会になったものと思われると川島教授。
ロシアのウクライナ侵攻に対する中国の支援は、最終的にロシアが「敗北」すれば中国のコスト感は一層増すだろうが、グレー決着でも十分にコストを感じるだろうと。
日本の姿勢は、中露がともに日本の隣国であることなども合わせて考慮し、あまり単純でない、柔軟性や複雑さもまた考慮に入れるべきであろうとの川島教授の結論。
元々、北方四島を不法占拠されている日本。今は、尖閣諸島の実効支配を巡り、領海侵入を含む近海での海保と海警のバトルを展開し、石垣島の漁船の操業がままならない現状。
この日本の現状は、世界の中でも、対露、対中では最も危険な状態にある国のひとつです。
核の傘のおかげで、かろうじて侵略を免れていることを再認識し、平和ボケから目覚め、ウクライナや台湾の方々と同レベルの自国の安全保障は、先ず自国で確立。そのうえで他国との同盟や連携を図ることを急ぐことが望まれると考えます。
cf.
防衛大綱を「国家防衛戦略」に 自民安保調査会、政府に提言へ | 毎日新聞
防衛費増額「GDP比2%以上」 賛成55%、反対33%: 日本経済新聞
# 冒頭の画像は、トラフ英外相
この花の名前は、サイハイラン
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ロシアの戦争犯罪を含むとも言われるウクライナ侵攻の状況下。中国による、台湾侵攻の気配に対し、G7の結束を示し、国際ルールを守る様牽制されたのですね。
中国はルール順守を、台湾の自衛必要=英外相 | ロイター 2022/4/28
[ロンドン 27日 ロイター] - トラス英外相は27日、中国が国際ルールに従って行動しなければ、超大国としての台頭に終止符が打たれると発言、西側諸国は台湾が自衛できる体制を整える必要があると述べた。
同相は、北大西洋条約機構(NATO)の強化を改めて呼びかけた上で、ロシアを世界経済から孤立させる措置により、民主国への市場アクセスをもはや当然視できないことが証明されたと指摘。
「各国はルールに従って行動する必要がある。これには中国も含まれる」と述べた。ロンドン市長公邸で演説した。
中国の一段の勢力拡大は必然ではないとも発言。「ルールに従って行動しなければ、勢力拡大は続かない。中国には主要7カ国(G7)との貿易が必要だ。(G7は)世界経済の約半分を占めている。われわれには選択肢がある」とし「国際ルールが破られた場合にどのような選択肢を選ぶ用意があるか、ロシアの事例で示した」と述べた。
「インド太平洋の脅威を先手を打って阻止する必要がある。日本やオーストラリアといった同盟国と協力して、太平洋を確実に守らなければならない」とも発言。「台湾のような民主社会が自衛できる体制を整える必要がある」と述べた。
[ロンドン 27日 ロイター] - トラス英外相は27日、中国が国際ルールに従って行動しなければ、超大国としての台頭に終止符が打たれると発言、西側諸国は台湾が自衛できる体制を整える必要があると述べた。
同相は、北大西洋条約機構(NATO)の強化を改めて呼びかけた上で、ロシアを世界経済から孤立させる措置により、民主国への市場アクセスをもはや当然視できないことが証明されたと指摘。
「各国はルールに従って行動する必要がある。これには中国も含まれる」と述べた。ロンドン市長公邸で演説した。
中国の一段の勢力拡大は必然ではないとも発言。「ルールに従って行動しなければ、勢力拡大は続かない。中国には主要7カ国(G7)との貿易が必要だ。(G7は)世界経済の約半分を占めている。われわれには選択肢がある」とし「国際ルールが破られた場合にどのような選択肢を選ぶ用意があるか、ロシアの事例で示した」と述べた。
「インド太平洋の脅威を先手を打って阻止する必要がある。日本やオーストラリアといった同盟国と協力して、太平洋を確実に守らなければならない」とも発言。「台湾のような民主社会が自衛できる体制を整える必要がある」と述べた。
トラス英外相はロシアを世界経済から孤立させる措置により、民主国への市場アクセスをもはや当然視できないことが証明されたと指摘。
「各国はルールに従って行動する必要がある。これには中国も含まれる」と述べ、中国をけん制。
「G7は世界経済の約半分を占めている。われわれには選択肢がある」とし「国際ルールが破られた場合にどのような選択肢を選ぶ用意があるか、ロシアの事例で示した」とも述べたのだそうです。
更に台湾海峡の緊張拡大に関連し「日本やオーストラリアといった同盟国と協力して、太平洋を確実に守らなければならない」とも発言。「台湾のような民主社会が自衛できる体制を整える必要がある」とも。
ブレグジット後の展望を検討する英国。オーストラリアやインドといった、英連邦諸国が居る「インド太平洋地域」地域への展開を重視、日英EPA締結から、CPTPP(TPP11)への加入に注力していることは諸兄がご承知の通りです。
ロシアのウクライナ侵攻では、反露姿勢ではなく、擁護姿勢を示す中国ですが、台湾武力併合姿勢を強めていた方針には、国際社会の対露包囲網の盛り上がりに、戦略見直しに傾いている気配がある様子。
「ロシア寄り」でも同一視されたくない中国:台湾問題で戦略見直しも | nippon.com 2022.04.04 川島 真 東京大学総合文化研究科教授
<前略>
台湾問題への教訓
中国はウクライナ問題から多くを学び、また軍事侵攻のコストの高さを認識しているだろう。元々、習近平政権は2019年1月に台湾への武力侵攻の可能性に言及してから、以後は一度もそれに触れていない。台湾への内部浸透を強め、中国との統一を望む勢力を育成し、強力な武力で圧力をかけながら、「戦わずして統一する」というのが中国の基本方針だ。だが、それも相当に難しい。
そこから見ても、ロシアがウクライナにおいて協力者を十分に育成できておらず、14年のクリミアのようにはいかなかったこと、軍事侵略をしても相当に強い抵抗を受けてしまった場合には長期戦になることを目の当たりにしている。もし中国が台湾への武力侵攻を想定しているとしても、その戦略の練り直し、あるいはより周到な準備の必要性が認識されたであろう。
また、西側諸国が採用する「制裁」のメニューと、その有効性と限界、そしてロシアによる侵略後にウクライナなどのEU加盟交渉が進められるなど、「侵略」が相手側の国際的な空間を広げることも確認しただろう。中国による台湾侵攻がなされた場合、台湾が西側諸国から台湾として国家承認されることがあるなら、それは中国にとって受け入れ難いことだ。こうした点でウクライナ問題は、中国にとって学習の場となるとともに、台湾侵攻の難しさを改めて認識する機会になったものと思われる。そして、最終的にロシアが「敗北」すれば中国のコスト感は一層増すだろうが、グレー決着でも十分にコストを感じるだろう。
今回のウクライナ問題に対して、日本は対米一致、対先進国との同調を旨とする。これは正しいのだろうが、途上国を含め世界がこの問題をどう見ているか、また中露がともに日本の隣国であることなども合わせて考慮し、あまり単純でない、柔軟性や複雑さもまた考慮に入れるべきであろう。
<前略>
台湾問題への教訓
中国はウクライナ問題から多くを学び、また軍事侵攻のコストの高さを認識しているだろう。元々、習近平政権は2019年1月に台湾への武力侵攻の可能性に言及してから、以後は一度もそれに触れていない。台湾への内部浸透を強め、中国との統一を望む勢力を育成し、強力な武力で圧力をかけながら、「戦わずして統一する」というのが中国の基本方針だ。だが、それも相当に難しい。
そこから見ても、ロシアがウクライナにおいて協力者を十分に育成できておらず、14年のクリミアのようにはいかなかったこと、軍事侵略をしても相当に強い抵抗を受けてしまった場合には長期戦になることを目の当たりにしている。もし中国が台湾への武力侵攻を想定しているとしても、その戦略の練り直し、あるいはより周到な準備の必要性が認識されたであろう。
また、西側諸国が採用する「制裁」のメニューと、その有効性と限界、そしてロシアによる侵略後にウクライナなどのEU加盟交渉が進められるなど、「侵略」が相手側の国際的な空間を広げることも確認しただろう。中国による台湾侵攻がなされた場合、台湾が西側諸国から台湾として国家承認されることがあるなら、それは中国にとって受け入れ難いことだ。こうした点でウクライナ問題は、中国にとって学習の場となるとともに、台湾侵攻の難しさを改めて認識する機会になったものと思われる。そして、最終的にロシアが「敗北」すれば中国のコスト感は一層増すだろうが、グレー決着でも十分にコストを感じるだろう。
今回のウクライナ問題に対して、日本は対米一致、対先進国との同調を旨とする。これは正しいのだろうが、途上国を含め世界がこの問題をどう見ているか、また中露がともに日本の隣国であることなども合わせて考慮し、あまり単純でない、柔軟性や複雑さもまた考慮に入れるべきであろう。
中国は、「侵略」が相手側の国際的な空間を広げることも確認。
中国による台湾侵攻がなされた場合、台湾が西側諸国から台湾として国家承認されることがあるなら、それは中国にとって受け入れ難いことだ。こうした点でウクライナ問題は、中国にとって学習の場となるとともに、台湾侵攻の難しさを改めて認識する機会になったものと思われると川島教授。
ロシアのウクライナ侵攻に対する中国の支援は、最終的にロシアが「敗北」すれば中国のコスト感は一層増すだろうが、グレー決着でも十分にコストを感じるだろうと。
日本の姿勢は、中露がともに日本の隣国であることなども合わせて考慮し、あまり単純でない、柔軟性や複雑さもまた考慮に入れるべきであろうとの川島教授の結論。
元々、北方四島を不法占拠されている日本。今は、尖閣諸島の実効支配を巡り、領海侵入を含む近海での海保と海警のバトルを展開し、石垣島の漁船の操業がままならない現状。
この日本の現状は、世界の中でも、対露、対中では最も危険な状態にある国のひとつです。
核の傘のおかげで、かろうじて侵略を免れていることを再認識し、平和ボケから目覚め、ウクライナや台湾の方々と同レベルの自国の安全保障は、先ず自国で確立。そのうえで他国との同盟や連携を図ることを急ぐことが望まれると考えます。
cf.
防衛大綱を「国家防衛戦略」に 自民安保調査会、政府に提言へ | 毎日新聞
防衛費増額「GDP比2%以上」 賛成55%、反対33%: 日本経済新聞
# 冒頭の画像は、トラフ英外相
この花の名前は、サイハイラン
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遊爺さんの写真素材 - PIXTA