EASでは、米国の周到に準備した戦術と、ASEAN諸国の呼応で中国の守勢に追われる姿は、最近では久しくお目にかかった事のない苦境ぶりでした。四人組の時代なら温首相は自己批判して詰め腹を切らされるところでしょう。
米国のアジア地域に重心を置くと言う方針転換が世界に示されました。ところが、いまや米中の軍事バランスは中国の方が数では勝ってしまっているのだそうですね。日豪韓他の同盟関係国を連合しないと、中国軍を凌駕できない状況なのだそうですね。
今後の中国の反攻が注目されます。
しかし、外交戦術で今回は作戦成功の米国も、日本が新提案した「東アジア海洋フォーラム」(EAS参加国ベース)はASEAN諸国では、議長国のインドネシアによる逆提案の「ASEAN + 6」(従来の日本の提案でもある)を採択されるという中国(ASEAN + 3)に配慮した結果も産んでいることは、既に諸兄がご承知のことです。つまり、米国への過度な偏向は避けているのですね。
更にオバマ政権に新たな障害が生じています。米財政赤字の削減に関する超党派協議の決裂で、国防省の予算が10年間で4,500億ドルの歳出削減に加え、2013年からの10年で 6千億ドル(約46兆円)の追加削減が必要となる雲行きなのだそうです。
財政赤字 協議決裂 米軍「張り子の虎」に 国防総省、追加削減で危機感(産経新聞) - goo ニュース
今日のトピックス/パネッタ国防長官「米軍、張り子の虎に」-陸海空は最小規模、F35にも影響
米国単体では既に数で中国を下回り、同盟国との連合が不可欠の米国は、同盟国の負担増なしでは今回優位に立てた中国包囲網も成り立たなくなるのです。日本にも当然要請があり、応ぜざるを得ないことになりますが、憲法上制約の多い日本では、財政困難な折にもかかわらず、またまたお金で協力と言うことになるのでしょうか。
南シナ海での小規模な合同演習参加は実施済みですが、安倍さんが腹痛になり辞職した原因ともなったインド洋への海自補給艦の派遣(目的はアフガン覇権の諸国の支援だったが)の様な形で、同盟国の艦船支援といった、踏み込んだ支援があるのでしょうか。
一方、お土産外交、否、朝貢外交路線の野田政権は、韓国に続き中国訪問に際しても、貢物を用意する様ですね。
時事ドットコム:遺棄化学兵器の処理再延長=日中が基本合意、野田首相表明へ
中国が期限の設定を求めているのに、日本が嫌がっているとは、どういう理由でしょう。お金だけ無限にむしりとられることを避け、日本側の手でさっさとけりをつけるのが日本の採るべき方向なのでは?
「敵国外患なくば、国、恒に滅ぶ」=平和ぼけした国は滅びるのだという事だそうですが...。
# 冒頭の写真は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」
この花の名前は、アキノウナギツカミ (撮影場所=六甲高山植物園)
↓よろしかったら、お願いします。
平和ボケ日本人への警告!!
米国のアジア地域に重心を置くと言う方針転換が世界に示されました。ところが、いまや米中の軍事バランスは中国の方が数では勝ってしまっているのだそうですね。日豪韓他の同盟関係国を連合しないと、中国軍を凌駕できない状況なのだそうですね。
【湯浅博の世界読解】孤立化した中国外交の敗北 (11/23 産経)
米国と中国の軍事バランスは、米太平洋軍が単独では「数的劣勢」にあるようだ。たとえば、主要水上艦艇数は中国軍の36隻に対して米軍が9隻、戦闘機数は中国軍403機に対して米軍154機と中国が圧倒する。英国際戦略研究所の2011年版「ミリタリーバランス」などを基に専門家がまとめた数である。
米国はこの劣勢をどうしたら覆すことができるのか。米軍に加えて日本の自衛隊、韓国軍、オーストラリア軍の同盟軍が参加すると、同盟国が「数的優勢」に転じる。艦艇では36対81に、戦闘機で403対835となって逆転する。
これらは数量面だけで兵器の質的能力ではない。しかし、中国軍は質量ともに右肩上がりである現実が、西太平洋の国々に重くのしかかる。アジア太平洋の力学は、数年のうちに地殻変動が起きていた。
中国、インドが急速に台頭し、拡張主義のロシアが復権しつつある。なかでも中国軍の海空戦力は19世紀の日独台頭に似て、「ルールの変革者」として頭角をあらわしてきた。
アジアの経済動脈である南シナ海の大半を「核心的利益」だといい、明代に鄭和の大艦隊が通過しただけで「歴史的水域」だと主張する。東シナ海でも横暴に振る舞い、日米や東南アジア諸国の生存本能を刺激した。このまま放置しておけば「敵国外患なくば、国、恒に滅ぶ」ことになりかねない。戦国春秋時代になぞらえれば、平和ぼけした国は滅びるとのたとえだ。
拡張主義化した中国は、領有権を主張する弱小国家を個別撃破しようとする。これに対抗するには、利害を同じくする東南アジアが米国を立てて結束することしかない。
その米国は、東アジアサミット(EAS)の前から周到に手を打っていた。米軍の空海統合戦略「エアシーバトル」で中国軍を抑え、豪州への海兵隊2500人駐留を決定して南シナ海への展開を容易にする。経済面では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を推進して、拡張主義を封じ込む構えだ。
オバマ大統領の「アジア回帰」を引っ張ってきたのは、クリントン国務長官であった。それを明言したのは昨年1月のホノルル演説であり、長官は「米国はアジアに戻る。そしてとどまる」と宣言した。
オバマ大統領はEASを前に、オーストラリア連邦議会で演説し、断固としてアジア太平洋の軍事力を落とさず、日韓はじめ、インドネシア、ベトナム、インドなどと同盟か提携の強化を誓った。米国は実利的に中国と貿易を活発化させるとしても、軍事的には第7艦隊がカバーする東シナ海からインド洋に至る海域で、中国を封じ込む構えだ。
オバマ政権の断固たる姿勢を受けて、東南アジアの首脳が自己主張を始めたのはまれなことだ。中国がEASの議題にしないよう根回しをしても、中国を除く17カ国のうち15カ国が取り上げた。温家宝首相は自ら仕掛けた外交のわなにはまり、孤立化した。
元イスラエル大使の茂田宏氏によると、南シナ海の島々を実効支配した経験があるのは戦前の日本だけであり、戦後の帰属は明確化されていないという。サミットの宣言が「国際法が地域の平和と安定の規範」と盛り込まれたことは、中国外交の敗北であった。(東京特派員)
米国と中国の軍事バランスは、米太平洋軍が単独では「数的劣勢」にあるようだ。たとえば、主要水上艦艇数は中国軍の36隻に対して米軍が9隻、戦闘機数は中国軍403機に対して米軍154機と中国が圧倒する。英国際戦略研究所の2011年版「ミリタリーバランス」などを基に専門家がまとめた数である。
米国はこの劣勢をどうしたら覆すことができるのか。米軍に加えて日本の自衛隊、韓国軍、オーストラリア軍の同盟軍が参加すると、同盟国が「数的優勢」に転じる。艦艇では36対81に、戦闘機で403対835となって逆転する。
これらは数量面だけで兵器の質的能力ではない。しかし、中国軍は質量ともに右肩上がりである現実が、西太平洋の国々に重くのしかかる。アジア太平洋の力学は、数年のうちに地殻変動が起きていた。
中国、インドが急速に台頭し、拡張主義のロシアが復権しつつある。なかでも中国軍の海空戦力は19世紀の日独台頭に似て、「ルールの変革者」として頭角をあらわしてきた。
アジアの経済動脈である南シナ海の大半を「核心的利益」だといい、明代に鄭和の大艦隊が通過しただけで「歴史的水域」だと主張する。東シナ海でも横暴に振る舞い、日米や東南アジア諸国の生存本能を刺激した。このまま放置しておけば「敵国外患なくば、国、恒に滅ぶ」ことになりかねない。戦国春秋時代になぞらえれば、平和ぼけした国は滅びるとのたとえだ。
拡張主義化した中国は、領有権を主張する弱小国家を個別撃破しようとする。これに対抗するには、利害を同じくする東南アジアが米国を立てて結束することしかない。
その米国は、東アジアサミット(EAS)の前から周到に手を打っていた。米軍の空海統合戦略「エアシーバトル」で中国軍を抑え、豪州への海兵隊2500人駐留を決定して南シナ海への展開を容易にする。経済面では環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を推進して、拡張主義を封じ込む構えだ。
オバマ大統領の「アジア回帰」を引っ張ってきたのは、クリントン国務長官であった。それを明言したのは昨年1月のホノルル演説であり、長官は「米国はアジアに戻る。そしてとどまる」と宣言した。
オバマ大統領はEASを前に、オーストラリア連邦議会で演説し、断固としてアジア太平洋の軍事力を落とさず、日韓はじめ、インドネシア、ベトナム、インドなどと同盟か提携の強化を誓った。米国は実利的に中国と貿易を活発化させるとしても、軍事的には第7艦隊がカバーする東シナ海からインド洋に至る海域で、中国を封じ込む構えだ。
オバマ政権の断固たる姿勢を受けて、東南アジアの首脳が自己主張を始めたのはまれなことだ。中国がEASの議題にしないよう根回しをしても、中国を除く17カ国のうち15カ国が取り上げた。温家宝首相は自ら仕掛けた外交のわなにはまり、孤立化した。
元イスラエル大使の茂田宏氏によると、南シナ海の島々を実効支配した経験があるのは戦前の日本だけであり、戦後の帰属は明確化されていないという。サミットの宣言が「国際法が地域の平和と安定の規範」と盛り込まれたことは、中国外交の敗北であった。(東京特派員)
今後の中国の反攻が注目されます。
しかし、外交戦術で今回は作戦成功の米国も、日本が新提案した「東アジア海洋フォーラム」(EAS参加国ベース)はASEAN諸国では、議長国のインドネシアによる逆提案の「ASEAN + 6」(従来の日本の提案でもある)を採択されるという中国(ASEAN + 3)に配慮した結果も産んでいることは、既に諸兄がご承知のことです。つまり、米国への過度な偏向は避けているのですね。
更にオバマ政権に新たな障害が生じています。米財政赤字の削減に関する超党派協議の決裂で、国防省の予算が10年間で4,500億ドルの歳出削減に加え、2013年からの10年で 6千億ドル(約46兆円)の追加削減が必要となる雲行きなのだそうです。
財政赤字 協議決裂 米軍「張り子の虎」に 国防総省、追加削減で危機感(産経新聞) - goo ニュース
今日のトピックス/パネッタ国防長官「米軍、張り子の虎に」-陸海空は最小規模、F35にも影響
米国単体では既に数で中国を下回り、同盟国との連合が不可欠の米国は、同盟国の負担増なしでは今回優位に立てた中国包囲網も成り立たなくなるのです。日本にも当然要請があり、応ぜざるを得ないことになりますが、憲法上制約の多い日本では、財政困難な折にもかかわらず、またまたお金で協力と言うことになるのでしょうか。
南シナ海での小規模な合同演習参加は実施済みですが、安倍さんが腹痛になり辞職した原因ともなったインド洋への海自補給艦の派遣(目的はアフガン覇権の諸国の支援だったが)の様な形で、同盟国の艦船支援といった、踏み込んだ支援があるのでしょうか。
一方、お土産外交、否、朝貢外交路線の野田政権は、韓国に続き中国訪問に際しても、貢物を用意する様ですね。
時事ドットコム:遺棄化学兵器の処理再延長=日中が基本合意、野田首相表明へ
中国が期限の設定を求めているのに、日本が嫌がっているとは、どういう理由でしょう。お金だけ無限にむしりとられることを避け、日本側の手でさっさとけりをつけるのが日本の採るべき方向なのでは?
「敵国外患なくば、国、恒に滅ぶ」=平和ぼけした国は滅びるのだという事だそうですが...。
# 冒頭の写真は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」
この花の名前は、アキノウナギツカミ (撮影場所=六甲高山植物園)
↓よろしかったら、お願いします。
平和ボケ日本人への警告!!