遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

日露首脳会談 プーチン大統領は選挙が終わっても日本からの経済援助しか考えていない

2018-05-30 23:58:58 | ロシア全般
 今回で、21回目となったプーチン大統領との会談を終え27日に帰国した安倍首相。
 会談に大幅遅刻するプーチン流は毎度のことですが、選挙が終わったにも関わらず、経済支援の話しかしなかったプーチン。
 欧米が経済制裁を続ける中、日本は制裁に逆行する支援をしてまで平和条約を締結しようとしています。
 北朝鮮に対しては、国連の制裁決議に対して有償支援をするロシア。
 安倍、プーチン蜜月は、再考を要する転換期がきているのでは?
 ここらで、トランプ流に逆切れしてみせるのも検討に値するのでは。何故なら、主力ガス田の枯渇が見えはじめ、北極圏や極東の新規開発、制裁されている欧州に代わる販路開拓で台所が火の車のロシア。日本への販売と、開発援助が欲しくてたまらない苦境にあるのはロシアなのですから。

 日露首脳会談は「成果ゼロ」の声 プーチン大統領は48分遅刻し安倍晋三首相を見切りか ; @nifty ニュース

 
日露首脳会談 四島返還の道筋が見えぬ  (5/29 産経 主張)

 北方四島をロシアから取り戻す道筋は依然、見えない。21回目となった安倍晋三首相とプーチン大統領の首脳会談の厳しい現実である。

 首相は会談後の記者発表で、共同経済活動による「新しいアプローチ」の下で「平和条約に向け、着実に前進していく決意を2人で新たにした」と語った。
 
四島返還に応じないロシアの姿勢は極めて問題だ。同時に、前進を伴わない決意もむなしく響く。返還への道筋の見えない交渉姿勢に国民の理解は得られぬ

 
首相の基本姿勢は、四島での共同経済活動を通じて信頼醸成を図り、領土返還を伴う平和条約締結に持ち込もうというものだ。
 平成28年12月の首脳会談で
「新しいアプローチ」の一環として打ち出したが、1年半を経て事業は一つも始まっていない
 海産物の養殖や農産物の温室栽培などが候補に挙がるが、どうしてそれが領土返還に結び付くのか実感がわかない。今夏に民間調査団を派遣するというが、
経済活動の前提となる「特別な制度」について合意はできていない
 共同経済活動にあたっては「双方の法的立場を害さない」制度を目指すとしてきた。だが、
ロシアの法的立場と併存する活動自体、日本の主権を危うくする
 
プーチン氏は記者発表の大半を経済関係に費やした。日本から経済的利益を搾り取ることしか、頭に描いていないのではないか

 四島は、日ソ中立条約を一方的に破って対日参戦したソ連軍が不法占拠した。日本の返還要求は「法と正義」にかなっている。
 ところが、
プーチン氏のロシアは、国際法に基づく秩序を軍事力で踏みにじる「現状変更勢力」の典型である。
 
北方領土問題とクリミア併合は同根だ。それ以外にも、英国における化学兵器を用いた暗殺未遂疑惑、欧米諸国に対するサイバー攻撃、シリア内戦への介入などロシアの「不法」は、枚挙にいとまがない
 オランダなどの国際合同捜査チームは、ウクライナ東部での2014年のマレーシア機撃墜は、ロシア軍搬入の地対空ミサイルによると発表したばかりである。

 
いたずらに経済的利益を与えるのではなく、国際法を尊重する国に改まるようプーチン氏を促す。首相にはその姿勢が足りない。

 首相は会談後の記者発表で、共同経済活動による「新しいアプローチ」の下で「平和条約に向け、着実に前進していく決意を2人で新たにした」と語ったのだそうですが、むなしく聞こえたのは、遊爺だけでしょうか。

 プーチン氏は記者発表の大半を経済関係に費やしたのだそうで、日本から経済的利益を搾り取ることしか、頭に描いていないのではないかとの「産経・主張」の指摘は、疑いではなく図星でしょう。
 プーチン大統領の姿勢が、領土問題でも平和条約締結後にソ連が歯舞群島と色丹島を引き渡すという、1956年10月の鳩山首相とソ連のブルガーニン首相がモスクワで署名した「日ソ共同宣言」よりもさらに後退した姿勢を示し始めたのは、2016年12月の来日時からでした。
 当時は、来日への期待から異常に盛り上がった日本国内のメディアを冷やすためと、大統領選挙を控えた国内対策との見方がありましたが、大統領選挙が終わった今も、北方領土問題に触れることはなく、経済支援の話ばかりです。

 今回、北朝鮮の非核化や、制裁についても話しはされた様ですが、制裁については、中国以上に非協力姿勢をみせているのがロシアです。
 ICBMの技術移転についても、ウクライナ説とロシア説がありますね。

 プーチン大統領の姿勢が後退した(元々の基本姿勢だが、森元首相などを手なずけるための演技での接近姿勢だった?)のは、日米安保で米国の基地が日本国内で建設可能なことから、北方四島に建設される懸念があげられていますね。
 そんなことは、最初から判っている話ですし、そもそも、サンフランシスコ条約に署名していないロシアと日本との間で締結されていたのは、太平洋戦争以前の「ポーツマス条約」で、樺太の南半分と千島列島が日本の領土というものでした。
 日露の領土交渉を始めるならこの条約の更新として始めるのが筋で、平和条約を一方的に破棄して不法占拠している北方領土は、不法占拠と言えるのです。

 それを、安倍政権では、現実に即して、極東開発への支援や、四島での共同経済活動を通じて信頼醸成を図り、領土返還を伴う平和条約締結する路線で進めようとしているのですね。
 
 ロシア接近で最も重要なのは、対中牽制です。
 歴史的にも、日露中の三国は、時代の状況で、一強になりかける国に対し、他の二国が連携して牽制することを繰り返しているのは諸兄がご承知の通りです。
 経済的にも軍事力でも台頭し、世界第二位となった中国へのけん制で、日露の接近は、国境を接するロシアにとっても必要なのが現状です。(対米では中露が共闘していますが。)
 
 台所が火の車だからこそ、経済支援に執心のプーチン大統領。ロシアのGDPで、アフリカや中東への軍事力展開が出来たり、米国でさえ一時撤退している宇宙開発を継続しているのが不思議なのですが、ひとえに資源輸出で立国出来てきたから。
 その資源が枯渇し新規開発が必要となり、シェールガスの登場で価格や販路の競争激化でも苦戦中のロシア。
 脱資源依存の経済構造改革も進んでいません。苦しんでいるのはロシアです。
 なので、領土問題というニンジンをぶら下げての、経済支援獲得戦略。その正体が鮮明になってきた今、日本も戦略のひとひねり改変が必要でしょう。
 平和条約と領土問題の解決実績が見通せるまで、経済支援実施の延期(現状はそれに近い)とか、欧米の経済制裁に同調参加とか。。
 このままずるずると経済支援を継続して良い流れではなく、戦略の再考が必要になってきていることは確かです。
 産経・主張は、「いたずらに経済的利益を与えるのではなく、国際法を尊重する国に改まるようプーチン氏を促す。首相にはその姿勢が足りない。」と、安倍首相叱咤で結んでいます。



 # 冒頭の画像は、クレムリンで安倍首相を迎えるプーチン大統領 (5月26日)




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ソ連が満洲に侵攻した夏 (文春文庫)
誰がメドベージェフを不法入国させたのか-国賊たちの北方領土外交





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