Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

四月の雪

2006-07-19 | 外国映画(さ行)
★★★ 2005年/韓国 監督/ホ・ジノ

「30分にできる」



ただ暗くて退屈。余計なシーン、無駄なシーンが多すぎる。そもそも話自体が驚くほどつまらない。不倫カップルの片割れ同士が恋に落ちる、ということは非常に複雑な感情が存在しているはずである。裏切った相手への復讐心もあるだろうし、とはいえ、事故に遭った伴侶は生死をさまよっているわけでそんな状況で性的な関係に陥るという罪悪感もある。それらがいりまじって2人は苦しみ、それでもなお相手を欲するわけでしょ。それが全然伝わって来ない。

他に何も出来事が生じない物語なのだから、この複雑な心理状況にいかに観客をのめり込ませることができるか、というのがこの映画の最大のポイントなわけだ。でも、ストーリーも演出もダメダメ。泣けばいいってもんじゃないです。雪が降っててきれいに涙を流すショットが撮りたいんだよね。とにかく美しい映像にしようというのが、ものすごく引っかかる。こういう状況で肉体関係になることは全然アリだよ。だけども、もっとえぐって欲しい。きれいにまとめないで欲しい。それを求めるのはおかしいだろうか。

伴侶が不倫旅行で事故に遭い、むなしくて寂しい。その寂しさを埋めるために、ふたりは肉欲に走った。なのに「もし僕たちがもっと前に知り合っていたら」なんて乳臭いこと言うのが、どうも納得できない。そういう状況だから肉体関係になったんでしょ?もうワケわからんわ。しかも、主人公が照明技師という設定も全く生きていない。いっそのこと普通のサラリーマンにすれば良かった。そしたら、あのわけのわからないコンサートシーン入れずに済んだのに。

セリフが少ない映画は、演技力と演出が研ぎ澄まされているから成り立つ。でも、本作はしゃべらない上に意味もなく外を眺めるとか、どうでもいいシーンのオンパレード。カットしたら30分に収まる。でも、それじゃ映画にならないわけだ。だから、がんばって伸ばしてみたのだ!というとんでもない映画だった。がくっ。