Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

SHINOBI

2006-09-05 | 日本映画(さ行)
★★★ 2005年/日本 監督/下山天

「この映画のターゲットはどこなんだ?」



忍者が好きな子供たちなのか、アクション好きな若い男性なのか、それともラブストーリー好きな女性なのか。大体エンターテイメント映画ってのは、このターゲットに響くようにという「核」があるはずで、そこにしっかり力を入れれば、そのターゲット層の周りにいる人たちも取り込める。これは商業的なモノ作りの基本だ。でも、この作品は誰に見せたいのか、よくわからなかった。

あと、日本のCG技術って、まだこんなものなの?もともとアクション系はあんまり見ないのでわからないけど、ちょっと動きのなめらかさがハリウッド映画に比べるとまだまだって感じで。これは予算の関係なのかな。

さて、甲賀VS伊賀、しかもその長同士が恋人って設定。アクション映画として見せるのでも、ラブストーリーとして見せるのでも、このシンプルな設定はわかりやすくていい。でも、どっちが甲賀でどっちが伊賀なのか、わかんなくなった。グループ毎に同じ衣装とは言わなくとも何かシンボリックなものを統一させて欲しかった。5人のキャラ説明もちゃんとして、キャラクターを立たせれば、バトル物としてもっと面白くなったはず。

そして、主人公ふたりの術が「目力」ってのも、アクション的な迫力出せないし残念。せっかく、最後は愛する者同士の戦いなんだからボロボロになるまで戦うべき。愛しているけど、殺さねばならない。なのに、やけにあっけない幕切れだったなあ。その点、「Mr&Mrs スミス」は徹底的にやってた。あれくらいやらないと。大将同士の戦いで盛り上げないでどうする。

オダジョーは、仮面ライダー出身なんだからもっと開き直ってキャラになって欲しい。彼のいいところ、あんまり出てなかったよ。こういうのは「なりきり君」にならないと。俺はもうこんなのやりたくないムード漂ってませんでしたか(笑)。

なんだか子供だましなゆるさだよな~と思っていたのに、最後の朧の決死のシーンで不覚にも泣いちまった。つまり、仲間由紀恵でなんとかこの映画は持っていた、ということか。さすが、功名が辻(見てないけど)。