Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ほえる犬は噛まない

2006-09-16 | 外国映画(は行)
★★★☆ 2000年/韓国 監督/ポン・ジュノ
「最後までつかみどころがなかった」


いやあ、最後までピント合わなかった。面白くなるんか~っと思ったら、すーっと引いていく。個々のシーンで観れば面白いところはいくつかある。

私が一番面白かったのは、管理人がボイラー室で話す「ボイラー・キムシー」の語りのシーンだ。上司に犬鍋が見つかるのを避けるため、話題をそらそうと始めるボイラー室の幽霊話。長いんだ、ここ。どうでもいい話をえんえんやってて、しかも、ストーリーと後で絡んでくるのかと思ったらそうでもない。管理人のおっちゃんの「ウィーンウィーン、じゃなくて、イーンイーン」と何度も繰り返す、とっぽい感じが面白い。

そして、ペ・ドゥナの友人、コ・スヒが路上駐車している車のドアミラーをでぶっ壊し、そのドアミラーをペ・ドゥナが電車の中で大事そうに抱えているシーンや、主人公イ・ソンジェがコンビニまでの距離をトイレットペーパーで測るシーンなど。非常に印象に残るシーンはある。だけども、それが最終的にひとつの作品として語りかけてくるかというと、私には物足りなかった。

賄賂するお金がなくて教授になれない大学助手は犬の鳴き声にイラついている。団地の事務員として働く女の子は、自分の存在価値を確認したがっている。そこにあるのは、現状の鬱屈感なんだろうけども、それが爆発するかと言えばそうではなく、コミカルなエピソードで進行していく。その軽いタッチが私の好みじゃないんだ。見終わった後のこの煮え切らない感は何だろうなあ。たぶんね、タイトルがすごくそそるんだ。それで、すごく期待しちゃったのが失敗のもと?なんて、タイトルのせいにしたりして。