Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

坂本龍一Piano Concert in Kyoto

2009-03-23 | お出かけ
22日、日曜日、坂本龍一さん(以下、教授)のピアノコンサートに行ってきました。
場所は、京都府民ホール。クラシック仕様の500人収容程度の小さなホールで、
なんと、最前列での鑑賞でした。
しかも結構真ん中左より。演壇が低くて(たぶん1mもない)教授まで3メートルあるかなし。
目の前でピアノを弾いてもらっているような、とっても至福の時でした。
ぶっちゃけ、演壇よじ登って、教授を後ろからハグしたい衝動にかられましたが、
隣席の友人に耳打ちすると「あっという間につかまって連れ去られるんやろうなあ。」と言われました。

ホール内には、お香の薫りが立ちこめており、
静まりかえったホールに響くのは教授のピアノの音色だけ。
まさに、魂の浄化とでも申しましょうか。極上ヒーリング体験でした。
目をつぶって聞いていると、トリップしそう。
これは、京都だからお香を焚いたのでしょうか。
他地域でも導入されているのか、気になるところです。

さて、ある曲を演奏している時だけ、携帯で撮影してもいいよ、と教授が言うのです。
これは、教授らしい大変Smartな仕掛けで、
ランダムに鳴り響く携帯のシャッター音が効果音として演奏曲と合わさり相乗効果を生み出すのです。
この曲だけがアップテンポリズムで、見事にシャッター音とマッチングしていました。
また、この試みは、おそらく隠し撮りしてはネットにアップしていく、
そんなネット社会への教授なりの対処法ではないでしょうか。
逆手にとって、それを自分の音楽として組み込んでいくのが、とても教授らしい。




そして、今回の全国公演。
なんと毎回全曲を公演直後にi-tuneで配信しているんですね。
これも、こっそり録音して売りつけたりする、
そんな不届き者が後を絶たないことへの対処法だと思います。
教授含め、YMOファンは、熱狂的なファンが多く、
こうした海賊版や未発表音源を違法とわかって購入する人がいる。
しかしきちんと美しい音源で提供すれば、わざわざ音質の悪い海賊版を買う人はいません。
今回は1公演、1500円で配信しています。私も後でi-tuneチェックしようっと。

実は東京公演で赤ちゃんの泣き声についてのクレームがmixiのコミュニティで飛び交っていましてそのことをキャッチしている教授。
「mixiでそういうスレが立ってるんだよね?」と客席に向き直る教授。
思わず「そうそう」と頷き返す私。あの時、完全に目が合いました。(←アホです)

「小さなホールはいいね。本当は5人くらいの茶室のようなところでやりたいな。
きっとスタッフの方が多くなるだろうけど(笑)」 と、教授。
そんなところに招かれたら、どんな気分でしょう。
でも、チケット代はいくらになるんだ。(←膨らむ妄想)

公演ごとに気分によって演奏する曲をチョイスしているらしいのですけど、
「今日は暗い曲が多いですね(笑)。でも、クラ気持ちいいって、感じ。
今日はそういう気分なのかな。」と言ってました。

全曲、ピアノソロですので、始まる前は「寝ちゃうかも」なんて言ってたんですけど、
寝るどころか、ピアノを弾く教授の姿と音楽にうっとり。
終盤弾いた「ラスト・エンペラー」のテーマ曲で気持ちが一気に盛り上がり、うるうる。
また映画を見たくなりました。近々借りようっと。

少しも見逃すまい、聞き逃すまい。しっかりと耳を傾けながらの、あっという間の2時間。
ああ、ありがたや、ありがたや。生きてて良かったです。