Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ハリー・ポッターと謎のプリンス

2009-07-21 | 外国映画(は行)
★★★★ 2009年/イギリス 監督/デヴィッド・イエーツ
<TOHOシネマズ二条にて鑑賞>
「見ている間はいいのだが」


前作「不死鳥の騎士団」で次作が不安という感想を書いたのだけど、今回は元々の期待値が低かったからでしょうか。最終章前の盛り上がりを感じて、そこそこ楽しめました。

魔法合戦としてCG満載の本作ですが、アクションシーンがただひたすらの杖攻撃では飽きてしまいます。しかし、今回は冒頭の橋の崩落シーン、ベラトリックスにおびきだされた後の沼地の疾走シーン、分霊箱を探しに行く洞窟のシーンと、なかなかダイナミックな場面が楽しめました。

恋バナのボリュームが多くてかったるいという声も聞きましたが、私は悪くなかったですね。ヴォルデモートの魔手が学校内に及ぶにあたり作品のムードも俄然ダークになってきますので、作品全体の息抜きとしてアリじゃないでしょうか。

私はハリポタは原作を全く読んでいません。 このシリーズは映画だけで楽しんでいます。そんな私にとっては、物語として破綻もなくスムーズに見られたし、ラストに「RAB」という謎が提示されて、いよいよ話も大詰めだな、とワクワクして見終えたのですが、映画館を後にして息子が…。

「後半は退屈で、あくびが出た」
オーマイガッ!

原作ファンである小6の息子に理由を尋ねてみると、原作からカットされている部分が多く、それは、とても大切なエピソードだと。そして、それらがカットされているため、ラストの重要人物の死の重みが伝え切れていない。もっと、最後に胸がぎゅーんとなるような感じを味わいたかった。(母による意訳)

なるほど。これだけの厚みの原作を映画化するには、もちろんある程度の削ぎ落としは必要でしょう。でも、前回の反省を踏まえて、全編物語に破綻を来さないということに重要点が置かれているのかも知れません。私はこのシリーズ、ヨーロッパらしい調度品とか美術とかセットとか、 そう言う部分も見どころだったりするんですね。ダンブルドアの椅子はステキだなあとか。 でも、子どもはそんなとこ見てないもんね。

息子に言われて考えてみると、結局タイトルそのものである「Half Blood Prince」の「Half Blood」って何のことだったのかわかりません。もちろん、後で息子に聞いて納得。見ている時はいいんだけど、後から思い返してみると、あれは何だったんだろう?というのは多々あるんですね。

最終作「死の秘宝」は前後編の2部構成。製作者はこちらでとことん原作世界を表現しないといけませんねえ。ただでさえ、長い長いシリーズの大ラスなわけですから。こりゃ、監督大プレッシャーだろうな。引き続き、デヴィッド・イエーツみたいですね。スペイン人のギレルモ監督って噂もあったけど、彼はピーター・ジャクソンのプロデュース「ホビットの冒険」に引き抜かれちゃったみたいです。とても残念。私は思いきって監督を変えてもいいのになあと思ってたのでね。まあ、見てのお楽しみですね。