Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

20世紀少年<最終章> ぼくらの旗

2009-09-07 | 日本映画(な行)
★★★★ 2009年/日本 監督/堤幸彦
<TOHOシネマズ二条にて鑑賞>

「祭りのあと」


重なりに重なったサブストーリーが破綻なく終結。原作は未読ですが、壮大なお祭り騒ぎをうまく収束した手さばきは、素直に評価してもいいのかな?と言う感じです。それでも、155分は長い。疲れました。

なぜ、<最終章> を見るのかと言えば、その99%が「ともだちが誰かを知りたい」からという理由でしょう。そういう意味で、このラストには納得できました。当たり前と言えば当たり前ですが、これで「えっ?そんな奴がともだちだったわけ?」というエンディングだったら、非難囂々ですよね。試写会では公表されなかった本当のエンディング10分間を含め、ひねりの効いたラストだと思います。

「ともだちのやっていることは、子どもの遊びみたいなもの」というセリフがあちこちで出てくるのですが、これは本作の性質そのものをも意味していて、堤監督は最終章で開き直ったんだろうなという感じです。そうでないと、あれだけいろんな出演者に言わせないでしょう。

花火大会で、最後にドカドカーンと花火が上がりますよね。それを見て観客も終わりだなって言うのがわかる。この最終章もまさにそんな感じです。原作ファンの不満も映画ファンの批評も全て忘れて、一心不乱に堤監督は花火を上げ続けたんでしょう。そんな、やけくそ感が作品のパワーになっていて悪くありません。

万博、オウム真理教、そしてウィルスパニック。時代を象徴する事件をいかにもマンガ的手法でおもしろおかしく展開した本作は、ウッドストックで終了。狂信に打ち勝つのは音楽のチカラ、なんでしょうかねえ。まあ、そんなこと真面目に考えるのも野暮というものかも知れません。

「トヨエツひとりで解決できそうだ」と書いた<第2章>でしたが、<最終章>でもオッチョの活躍ぶりが一番目を引きました。あんなジジイになってもトヨエツならカッコいいのだ。エッヘン。これだけの極限状況、スーダラ歌ってる男より、ロケットランチャーかついでる男の方を私は愛するな。って、やっぱそこに行き着く(笑)。

・第1章の感想
・第2章の感想