Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ボーダーライン

2016-12-14 | 外国映画(は行)
★★★★☆ 2015年/アメリカ 監督/ドゥニ・ビルヌーブ

ロジャー・ディーキンスの撮影が最高。近年の犯罪捜査ものに出てくる女性警官(女性兵士も)は、男並みにできる人が描かれることが多かったが、本作のエミリーブラントは圧倒的な暴力の前になす術もない。ひたすら無力感を感じる映画だが、これが世界のリアルだと言われると、ひれ伏すしかない。「まさに女子供は黙ってろ」を突きつける。私に何かできることはありませんか?という慈善心も完膚なきまでに打ちのめされる1本。

クリーピー 偽りの隣人

2016-12-13 | 日本映画(か行)
★★★★☆ 2016年/日本 監督/黒沢清

断固支持。大学内のとある一室で川口春奈に話を聞くシーンの実に妖しげな異世界的演出(特に照明の使い方)を見ただけで、大満足。思わず「きたーーー!」と心の中で叫んでしまった。

香川照之のきみ悪さも最高だし、死体を詰めるビニール袋の禍々しさよ。近年の黒沢作品ではダントツ好き。東出の存在感も良き。

クリーピー 偽りの隣人

2016-12-13 | 日本映画(か行)
★★★★☆ 2016年/日本 監督/黒沢清

断固支持。大学内のとある一室で川口春奈に話を聞くシーンの実に妖しげな異世界的演出(特に照明の使い方)を見ただけで、大満足。思わず「きたーーー!」と心の中で叫んでしまった。

香川照之のきみ悪さも最高だし、死体を詰めるビニール袋の禍々しさよ。近年の黒沢作品ではダントツ好き。東出の存在感も良き。

スポットライト 世紀のスクープ

2016-12-12 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2015年/アメリカ 監督/トム・マッカーシー

自分の仕事を真面目にまっとうする人間の話が好きです。(だから、ハドソン川の奇跡も好き)分厚い資料に定規をあてて、休暇中の牧師の名前に線を引く。アナログな調査シーンにぐっと来ました。そして、メンバーでとことん議論するところがすばらしすぎます。職場とはこうありたい。

マネー・ショート 華麗なる大逆転

2016-12-11 | 外国映画(ま行)
★★★☆ 2015年/アメリカ 監督/アダム・マッケイ

非常に入り組んだアメリカの金融システム。素人向けにずいぶん噛み砕いているようなのだが、確定申告も満足にできない人間には今ひとつわからんかった。まあ、ずる賢い奴が勝ち抜けする世界なんだよね。私とは無縁だ…。クリスチャンベールの義眼演技はすごかった。

罪の手ざわり

2016-12-10 | 外国映画(た行)
★★★★ 2013年/中国 監督/ジャ・ジャンクー

会社の汚職で長年利益を吸い上げられてきた山西省の炭鉱夫、家族に出稼ぎ先を隠して、送金を続ける重慶の男、妻子ある男とかなわぬ恋を続ける湖北省の女、ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男、それぞれが抱える事情から犯罪に手を染めてしまった4人の生き様を映し出す。
とても力強い作品だが、声高に社会派をきどる作風ではなく、落ち着いた演出の中に確固たる意思を感じさせる秀作。工場勤めの青年の選んだ道が悲しすぎる。

罪の手ざわり

2016-12-10 | 外国映画(た行)
★★★★ 2013年/中国 監督/ジャ・ジャンクー

会社の汚職で長年利益を吸い上げられてきた山西省の炭鉱夫、家族に出稼ぎ先を隠して、送金を続ける重慶の男、妻子ある男とかなわぬ恋を続ける湖北省の女、ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する広東省の男、それぞれが抱える事情から犯罪に手を染めてしまった4人の生き様を映し出す。
とても力強い作品だが、声高に社会派をきどる作風ではなく、落ち着いた演出の中に確固たる意思を感じさせる秀作。工場勤めの青年の選んだ道が悲しすぎる。

バーディ

2016-12-08 | 外国映画(は行)
★★★★ 1984年/アメリカ 監督/アラン・パーカー

戦争で心に傷を負った青年とその親友との交流を描いた、名匠アラン・パーカー監督による傑作ヒューマン・ドラマ。戦争によるPTSDによって鳥になりたいと切望する。その胸の内が実に悲しい。精神に異常をきたしてしまった主人公よりも、困惑しつつも励まそうとする彼の友人であるニコラスケイジが光った。

危険な情事

2016-12-07 | 外国映画(か行)
★★★★☆ 1987年/アメリカ 監督/エイドリアン・ライン

最初の試写会で「あんな女は殺してしまえ」というお偉いさんの意見でラストが変わったという、今となってはミソジニー映画の代表作となってしまった1本。
エイドリアンラインが描くラブシーンの官能的な映像美はもちろんすばらしいが、やはり現代では、この作品の脚本が映画化されることはもはやないだろう。 一度寝た男への執着、そしてほぼモンスターと化してしまった女性描写は嫌悪感しかない。
ゆえに、フェミニズムを語る上でも避けては通れない作品とも言える。
グレンクローズは本作で一躍有名になってしまったが、のちに女性なのに男性として行き続けた「アルバート氏の人生」を自ら主演、映画化に尽力したことを考えると、実に感慨深い。

狩人の夜

2016-12-06 | 外国映画(か行)
★★★★★ 1955年/アメリカ 監督/チャールズ・ロートン

こんな傑作だとは知らんかった。てか、こんな話だったんだという驚きといいますか。夜の子どもたちのボートをこぐ逃走シーンや湖底に沈んだ死体など、映像も幻想的ですばらしく、善悪をめぐるテーマも深い。指に文字を入れるのも、ここから引用されてるんだねえ。何度も見たい傑作。


ノスフェラトゥ

2016-12-05 | 外国映画(な行)
★★★★ 1978年/西ドイツ・フランス 監督/ベルナー・ヘルツォーク

独特の世界観にハマる。もちろんクラウスキンスキーの怪演ぶりも夢に出てきそうなくらいで圧巻。しかし、個人的には吸血鬼モノにどうしてもノレナイ。なぜだろう。ドラキュラに対して、憐れみとか全然共感値低いんだよなあ。もう少し古典に触れるべきなんだろうとは思うが。

「女の小箱」より 夫は見た

2016-12-04 | 日本映画(あ行)
★★★★ 1964年/日本 監督/増村保造

会社乗っ取り屋と、それを防衛しようとする株式課長、その間に課長夫人のなやましく、狂おしい情事も絡んで、恐怖の事件が続出する。妻は告白するほどの圧倒さはないが、若尾文子の美しさは必見。岸田今日子は相変わらず哀れな役どころだが、若尾文子を凌駕する存在感はさすが。

赤線地帯

2016-12-03 | 日本映画(あ行)
★★★★☆ 1953年/日本 監督/溝口健二

売春防止法が施行される直前の吉原。そこで働く娼婦達の生活を中心にリアリティ溢れるタッチで描かれた傑作群像劇。若尾文子や京マチ子など錚々たる女優陣だが、個人的には木暮実千代のアンニュイな佇まいに惹かれる。子持ちの年増娼婦を演じるが、品の良さが出ていて美しい。
日本を代表する女優陣がみな娼婦という設定も現代の感覚からすると、実に悲しい話ではある。