【わんちゃんの独り言】

毎日の生活の中で見たこと、聞いたこと、感じたこと、思いついたこと等々書き留めています
(コメント大歓迎デス・・・・・)

井手町玉川堤 歌碑 PARTⅠ

2020-04-17 | デジカメ日記
ところで、 井手町玉川の桜並木⇒こちらですが、玉川堤の歌碑がキレイになってたんです。
井手町は京と奈良の都の途中、奈良寄りに位置して行きかう都人たちにも馴染みの土地だったようです。
文人たちがたくさんの和歌を詠んでいます。

「『井手百首』:伝えたい残したい古典の宝庫」
ー井手町シリーズ 第三巻ー
小川榮太郎/編著

多摩川堤の歌碑がコラボ(勝手にわんちゃん)

蛙(かはづ)なく井手の山吹散りにけり花の盛りにあはましものを  詠み人知らず
◇古今和歌集巻二・春下・一二五 古今六帖・第五・五九八 第六・五八

【現代語訳】『井手百首』三巻の一
河鹿の鳴いている井手の山吹が、はや散ってしまった。花盛りの時を見たかったのに。
(新潮日本古典集『古今和歌集』)



いつしかも都の人にことづてむ井手の山吹今ぞさかりと 藤原定家(ごんちゅうなごんていか)
◇拾遺愚草員外雑・三一〇四 春三十首

【現代語訳】『井手百首』三巻の七
いつから都の人に伝言しようか、井手の山吹は今が盛りだと。(新編国歌大観)



色も香もなつかしきかな蛙なく井手のわたりの山吹の花 小野小町
◇小町集・新後拾遺集巻第二・春歌下

【現代語訳】『井手百首』三巻の九
色も香りも慕わしいなあ。蛙が鳴く井手のあたりの山吹の花よ。(新日本古典文学大系)



思はずに井手の中道へだつとも云はでぞ恋ふる山吹の花   紫式部
◇源氏物語・真木柱巻

【現代語訳】『井手百首』三巻の一四
思いがけず二人の仲はさけへだっているけれどもあの山吹の花がくちなし色(黄色)で口がないといように口に出さないで、心で恋い慕っています。(新日本古典文学大系二〇、源氏物語三)



音にきく井手の山吹見つれども蛙の声は変わらざりけり   紀貫之
◇紀貫之集一・八八六

【現代語訳】『井手百首』三巻の二一
うわさに聞いている井手の山吹をすばらしいと見たけれど、ここの蛙は井手の花に応じた声ではなかった。蛙の声はどこも変わらないものだなぁ。(新編国歌大観)



蛙なく井手の山吹あふことのまれなる色と春は暮れつゝ  宗良親王(むねよししんのう)
◇李花和歌集百五十

【現代語訳】『井手百首』三巻の二二
井手の川辺の山吹と蛙の声が一つになって、山吹はいっそう美しい色になっていく。春の終わりが近ずいている。(新編国歌大観)



川辺なる所はさらに多かるを井手にしも咲く山吹の花  和泉式部
◇和泉式部集・春

【現代語訳】『井手百首』三巻の二七
河辺の山吹は、水が流れるのでなびいたり起き上がったりするが、その根は失わせることはない。山吹の花は井手にこそ咲いているのだ。
(岩波文庫・私家集大成二・新編国歌大観三)



駒とめてなほ水かはむ山吹の花の露添ふ井手の玉川  皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐのだいぶしゅんぜん)
◇新古今集巻二・春歌下・一五九

【現代語訳】『井手百首』三巻の三五
馬を停めてさらに水を飲ませよう。山吹の花の露が落ち添う井手の玉川見るために。
(新編国歌大観九・日本古典文学大系九三)



山吹の色をうらやみ中垣のあなたにゐでと思ふ頃かな  源 頼政
◇従三位頼政卿集・春

【現代語訳】『井手百首』三巻の七一
隣家の庭の山吹の花をうらやんで、隣との境の中垣の向こう(隣家の庭)に届けたいと思うこのごろである。
(群書類従二四六第一四輯:しゅう・校註国歌体系一四・私家集大成二・新編国歌大観三所収)



降る雪の白髪までに大君に任へまつれば貴くもあるか   橘諸兄(たちばなのもろえ)
◇万葉集3922

【現代語訳】
降る雪のような白い髪になるまで陛下にお仕え申し上げることができたことは、なんともったいなくもありがたき幸せであるか。



山吹の花のさかりになりぬれば井手のわたりにゆかぬ日ぞなし   源実朝
◇(金槐集)
(心に咲く花 2020年26回 山吹⇒こちら)
ところで、井手町玉川堤の歌碑は全部で何基あるのかしら?

井手町教育委員会 社会教育課御中
玉川の左右両岸に立つ歌碑についてお尋ねします。
先日、両岸で11基写真に撮ることができました。和歌の現代語訳など調べていると古くから文人に愛された山吹のこととか井手町の歴史にも触れることができてとても有意義なことでした。
ところで、玉川右岸左岸両岸に合計何基ほどの歌碑が存在するのでしょうか?
散策のおりに確認してみたいと思います。よろしくお願いします。

わんちゃん様
お問い合わせありがとうございます。
お問い合わせの玉川の歌碑の件ですが、井手町の「ふるさとガイドボランティア」の宮本さんにお聞きしましたところ、現在、両岸あわせて21基あるとおっしゃられていました。
今後、年1~2基ずつ追加されていく予定です。
新型コロナウイルスの影響で、今年は玉川の桜を町内外の皆さまに楽しんでいただけなかったのがたいへん心苦しくありますが、新型コロナウイルスが収束したあかつきには、ぜひ玉川をご散策していただけたらと思います。
よろしくお願いいたします。
井手町教育委員会 社会教育課

ありがとうございます、残りの歌碑、追々に散策がてら撮影によしてもらいます。
新型コロナウイルス終息を祈るばかりです。