『ペルセポリスⅠ イランの少女マルジ』『ペルセポリスⅡ マルジ、故郷に帰る』マルジャン・サトラピ著 園田恵子訳
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去年日本で公開されたフランス映画『ペルセポリス』の原作本。
映画と同じく、イランのインテリ家庭に生まれた作者自身の体験を通して、革命、内戦、独裁と政治に翻弄されつづけるイラン人の苦悩を、ユーモアも交えて描いたコミックエッセイで、Ⅰではヒロイン・マルジが14歳でオーストリアに出発するまで、Ⅱではウィーンでの生活とその後故郷に戻って大学に進学し結婚に失敗、フランスに出発するまでが描かれている。
絵柄や全体のトーンは映画とさほど変わらないが、内容はまったく比較にならないほど原作の方が充実している。
登場人物や描かれるエピソードの数も多いし、内面描写も細かい。映画でいうBGMや俳優の語り口調などといった演出要素がないぶんだけ、書かれた苦しみが誤摩化しなく表現されている。
かといって重さを読み手に強要しているわけではなく、どこまでも、あくまで「イラン・イラン人を偏見でみないでほしい」という素直な心情がストレートに響いてくる、わかりやすい良い本です。絵もかわいいし。
ただ、映画と比べるとどうしても娯楽性は低めに感じる。そこはやはり『ちびまる子ちゃん』とはわけが違う。イランの人々は何も遊びで何十年も争ってるわけじゃないから。
逆にいえば、これだけのボリュームをあれだけスッキリ過不足なくまとめた映画の翻案って、ホントによくできてたんだなと思う。
誰にでもおすすめできる本だけど、とくに映画を観た人は読むべきでしょうね。映画だけで済ましちゃうんじゃなくて。
しかしこの本が国際的ベストセラーになるって、やっぱ日本の国際感覚ってちょっとズレてるね。映画にでもならなければ、日本じゃこういう本は見向きもされないんじゃない?どーだろー?
関連書レビュー:『刺繍―イラン女性が語る恋愛と結婚』 マルジャン・サトラピ著
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去年日本で公開されたフランス映画『ペルセポリス』の原作本。
映画と同じく、イランのインテリ家庭に生まれた作者自身の体験を通して、革命、内戦、独裁と政治に翻弄されつづけるイラン人の苦悩を、ユーモアも交えて描いたコミックエッセイで、Ⅰではヒロイン・マルジが14歳でオーストリアに出発するまで、Ⅱではウィーンでの生活とその後故郷に戻って大学に進学し結婚に失敗、フランスに出発するまでが描かれている。
絵柄や全体のトーンは映画とさほど変わらないが、内容はまったく比較にならないほど原作の方が充実している。
登場人物や描かれるエピソードの数も多いし、内面描写も細かい。映画でいうBGMや俳優の語り口調などといった演出要素がないぶんだけ、書かれた苦しみが誤摩化しなく表現されている。
かといって重さを読み手に強要しているわけではなく、どこまでも、あくまで「イラン・イラン人を偏見でみないでほしい」という素直な心情がストレートに響いてくる、わかりやすい良い本です。絵もかわいいし。
ただ、映画と比べるとどうしても娯楽性は低めに感じる。そこはやはり『ちびまる子ちゃん』とはわけが違う。イランの人々は何も遊びで何十年も争ってるわけじゃないから。
逆にいえば、これだけのボリュームをあれだけスッキリ過不足なくまとめた映画の翻案って、ホントによくできてたんだなと思う。
誰にでもおすすめできる本だけど、とくに映画を観た人は読むべきでしょうね。映画だけで済ましちゃうんじゃなくて。
しかしこの本が国際的ベストセラーになるって、やっぱ日本の国際感覚ってちょっとズレてるね。映画にでもならなければ、日本じゃこういう本は見向きもされないんじゃない?どーだろー?
関連書レビュー:『刺繍―イラン女性が語る恋愛と結婚』 マルジャン・サトラピ著