落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

失神まつり

2005年10月22日 | movie
『長恨歌』

原作は中国で最も影響力のある女流小説家のひとりといわれる王安憶の作品。中華圏ではたいへん有名な小説らしいです。
人気小説が原作の大作だけあって画質・音質といった仕上がりのクオリティはさすがに高い。張叔平(ウィリアム・チョン)の美術はやっぱサイコーっすね。クールっす。ブイブイいっちゃってます。素敵。
しかし前半のどーにも段取り的な進行はぐりはもひとつ好かん。編集も落ち着きないし、どうも画面全体に決定力が欠けている感じがする。後半のあのしっとりとした關錦鵬(スタンリー・クァン)らしさが前半にはみられないのはこはいかに。
カメラワークとライティングは今回まったくイケてなかったです。何がいけないってことはないけど芸がない。ミョーに説明的でNHKのドラマみたい。監督の撮りたい世界を撮影監督がちゃんと把握してんのか、監督はこの画づらで納得してるのか。ほぼ全編が室内の設定なので、画面にひろがりがなくてどうしても退屈になりやすいのは仕方ないとしても。
鄭秀文(サミー・チェン)は老け役がめちゃめちゃハマってた。逆に十代のパートはちょいキツかったっす(汗)。十代にゃみえないよね。欲をいえばもうちょっと色っぽさがあった方がよかった。このヒロイン像に求められるべき“香るようになよやかな女らしさ”みたいなものが、微妙に足りない。演技力というスキルの問題というよりは、彼女の人としてのキャパの問題かもしれないけど。
物語の比重は後半、サミーが胡軍に捨てられてからの方がずっと長いのに、後半生のふたりの恋人呉彦祖(ダニエル・ウー)と黄覚(ホァン・ジュエ)は印象うっすい!胡軍の「不在の存在感」の重みが利いてました。ダニエルのトホホなだめんずぶりはまた今回もあっぱれでしたけども(笑)。
噂では梁家輝(レオン・カーファイ)がいいらしいとゆーことでしたが、アレは役がおいしかったんでは。まぁでも上手いよね。

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