六時半 ラジオ体操 蝉しぐれ
赤道が、北緯35度まで競り上がったかのような夏。
人間を、危険な暑さが襲ってくる。
朝は疾うから 蝉の声 たった十日の 音仕舞。
想定外の災害が、まるで恐竜のように巨大化して天敵となる。
1993年、子供と見たジュラシックパーク。
2018年、孫と見るジュラシックワールド。
ジュラシックパークである、イスラヌグラル島で育った恐竜は、すべてクローン。
ジュラ紀以来このかた、恐竜は化石燃料となり、亦その遺伝子を琥珀の中に閉じ込めたりして、地中深くに眠っていた。
蝉が、何年も地中にて生命を培い、やがて夏の日に脱皮し、羽根を得て空を飛び、鳴いて季節を謳歌するように、この暑い夏、四半世紀ぶりに映像の中で、テラノサウルスやラプトル、プテラノドンそれにブラキオサウルスに出会えた。
地球熱帯化は、石油燃料に化身した恐竜の逆襲。
まさに、ジュラシックワールドかも知れない。