ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

ちゃんちゃんこ。

2019年06月23日 | 百伝。

お年寄りと話していると、こんな昔話を聞きました。

「子供の頃、袖なしのちゃんちゃんこ(綿入り)を着ているとイジメられた。袖なしのちゃんちゃんこは、布切れが無い貧乏の子供が着ていたからね」

成程・・・「袖無し」という言葉が、ある意味で「ちゃんちゃんこ」を指すというのは、そういうことなのかと思いました。

ちゃんちゃんこ・・・思い出したこと。

そういえば、夏の期間中でも、百島では「ちゃんちゃんこ(袖付き)」を着ている同級生がいます。

彼は、若い頃にはやく結婚して、大阪に新居を建てて、コンピューター技術者として暮らしていました。

ただ、大きな交通事故に遭って、それから人生観が変わったのかな?

寒暖の感覚が鈍くなって、暑い夏の期間でも、あの綿入れのちゃんちゃこを着ているのかな?

・・・と考え込んでしまいます。

服装には無頓着だし、今は携帯電話もパソコンも持っていないと言ってました。

百島と大阪の二拠点生活というよりも、妻子を大阪に残して、ほとんど百島暮らしを、独りで極めているようです。

畑仕事、百姓仕事の基本の基本イロハを、母親から習ったとのこと。

多分、大きな災害が遭って、水道も電気も止まっても、彼は、平気かもしれません。

既に、彼は、生き延びるサバイバル術を身につけたかのような風情すらあります。

巨大な天災やら戦争が起こったとして、自給自足の生活を自衛手段として備えているような気もします。

水道、電気、物流、お金の流れも止まってしまえば、都市生活者は、生きていけません。

ましてや、都市生活高齢者は、政府機能や金融市場が崩壊ストップして、年金受給が止まれば、人生アウトとなります。

賢い人間は、そういう状況を想定して生きているのだろうか?

生き延びる力は、先見の明というのかもしれません。

この日本という国は、北から南まで、震災列島、火山帯列島とも呼ばれています。

唯一、瀬戸内海の地域だけが、安全地帯のような不思議さ。

「わかめ」と「いりこ」と「きな粉」をミキサーでまぶして飲めば、虫歯は出来ないと言っていた同級生。

僕も、ちょっとだけ、土いじりの花団(花より団子)作りを学びはじめました。

百島の同級生からは、「いくらでも畑を貸してやるから、好きなように使えばよい」と言われています。

彼らから生き延びるためのサバイバル術を教えてもらうと、もっと楽しい人生になるかな?

百島で「ちゃんちゃんこ」を着た彼が、百島のヒーローに成り得る可能性は大きいと考えます。