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マッタリ風景

散歩写真と戯れ言のブログ

汪洋たり

2009年08月15日 | 戯言





朝から青空が広がって、陽射しが強かったのですが、午後から段々と曇り始めて、夕方には雲が空を覆ってしまいました。
陽射しの割には、暑さを感じませんでしたね。

雨で延び延びになっていた高校野球、今日は新潟県代表が登場して、逆転勝ちで初戦を突破してくれました、因縁のある香川県代表を破っての勝利ですから、喜びもひとしおだと思います。


汪洋(おうよう)
(ト/タル)[文]形動タリ (海や河などの)水量が豊富で、広々としているさま。ゆったりとして広大なさま。 (以上、goo辞書よる引用)

久し振りにその川の流れを見たとき、本当はこんなに水量があったのかと目を疑いました、今日のタイトルどおり汪洋たる流れでした。
私が流れを見て驚いた川は、日本一の大河である信濃川です、千曲川が新潟県境を越えて信濃川と名前を変える辺り、信濃川の中流域にあたります。

ご存知の方も多いと思いますが、JR東日本が信濃川で発電用の水を大量に不正取得しているのが発覚して、水利権を取り消されました。
その結果、今まで発電用に使っていた水が、本来流れるべき信濃川に戻されたために、汪洋たる信濃川が復活したと言うわけです。

発電所が稼動していた時代の信濃川は、川幅に比較して水路程度の水しか流れていなくて、本当に酷い状態でした。
上流の宮中ダムで取水された水は、調整池へ送られた上、千手発電所で発電に使われた後、再び小千谷および小千谷第二発電所へ送られて発電に使われて信濃川に戻ります。
水力発電所と言うと、ダムを作って、上流と下流の落差で発電することを思い浮かべるでしょうが、ここ信濃川発電所は日本一と言われる河岸段丘の落差を利用して発電をするため、水をどうしてもパイパスする(河岸段丘の上に持ち上げる)必要があります。
だから、水をバイパスされた区間の信濃川は、ほぼ干上がった状態になってしまうわけです。

水力発電や原子力発電は、火力発電に比較すればクリーンエネルギーだと言われます、極端なことを言えば、それは二酸化炭素の発生面から見た部分でしかありません、信濃川では水が流れないために川が干上がってしまて、恐ろしいほどの自然環境破壊が発生しています。

JR東日本は3つの発電所で、一日に使う電力量の1/4を(Wikipediaより引用)賄っていると言われています。
一番最初に建設された千手発電所は、第二次世界大戦前に建設されましたから、多分現在の発電コストは恐ろしいほど安いと想像されます。
だから、JR東日本は水利権を取り戻すのに必死です、地元に対策事務所などを作って対策に大童のようです。
ただ、汪洋たる流れを目にしてしまった地元は、元に戻したくないと運動を起していますから、最終的にどうなるかは分かりません。
千手発電所が作られた時代は鉄道の運行は国策でした、水利権に対して逆らった発言をすれば「非国民」呼ばれをされて弾圧されたと想像されます。
今のJR東日本は、一民間企業です、一民間企業に川が干上がってしまうほど自然破壊が発生するのに、水利権を付与する必要があるのかどうか。
ただ、JR東日本の立場からすれば、あらゆる手段を使って、例えば飯山線の廃止をちらつかせてでも水利権を取り戻しに来るでしょう、その時地元はどんな判断をするのでしょうか。

と、イササカ政治がらみのことを思いながら、沈みかけつつある太陽を反射して輝く綺麗な川面を暫く見つめてしまいました。
できれば、数年先もこの汪洋たる流れを眺めていたい思います、三方一両「得」になる解決方法はないものでしょうか。






























コメント
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