OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ゴールドトップでジャケ買いしたよ~ん♪

2014-08-16 15:58:32 | Rock

Les Dudek (Columbia)

 A-1 City magic
 A-2 Sad Clown
 A-3 Don’t Stop Now
 A-4 Each Morning
 B-1 It Can Do
 B-2 Take the Time
 B-3 Cruisin’ Groove
 B-4 What a Sacrifice

ジャケ買い衝動は決して美女&エロスばかりを対象にしているわけではなく、そこに自分の興味を惹かれるというか、思わず、オォォ~ッと瞠目されられれば、所期の目的は達成されているわけで、例えば本日ご紹介のLPはサイケおやじにとっての、まさにそうした1枚でありました。

どうです、黒いマント系衣装に身を包んだ、ちょっぴりキモい感じの白人男が抱えているギターはレスポールのゴールドトップ、それもおそらくはシングルコイルのピックアップを用いた「P-90」という、まさにレスポール愛好者には憧れの情景で制作されたジャケットを見れば、速攻で手に取り、レジへの直行は宿業というものでしょうか。

よぉ~しっ、ゴールドトップの音にシビレさせてもらうぜっ!

もちろん主役のレス・デューデックについては、このレコードが世に出た1976年当時から現在に至るも、絶対的な知名度は無いのが現実なんですが、少なくもサイケおやじを含むリアルタイムのサザンロックファンにとっては、オールマンズのメガヒットアルバム「ブラザーズ&シスターズ」の録音セッションに参加し、ディッキー・ベッツの相方ギタリストして「Ramblin’ Man」と「Jessica」で素晴らしいサポートを演じていた好印象は、忘れられるはずもありませんよねぇ~♪

なぁ~んていうのも、皆様にとっては何時ものとおりのサイケおやじの大袈裟な独断と偏見かと思われるかもしれませんが、しかし驚くなかれっ!

当時の洋楽雑誌では、故・デュアン・オールマンの再来とまで大プッシュされていたんですから、今となっては、現世は夢……。

結論から言うと、このLPはレス・デューデックのソロデビュー盤であり、プロデュースをボズ・スキャッグスが担当した事からも、中身は当時流行のAOR系都会派ロックに仕上がっていたんですから、オールマンズ風味のサザンロックを期待すれば肩すかしは必至です。

しかし全篇、スマートな歌心溢れる流麗なギターワークと幾分細い感じながらも、そのクセのある声質と節回しが強い印象を残すボーカルは、如何にも当時の流行を意識している以上の存在感があるように思います。

そしてバックを務めているのがジェフ・ポカーロ(ds)、デヴィッド・ハンゲイト(b)、デヴィッド・ペイチ(key) という所謂ToTo組に加えて、チャック・レイニー(b)、ジェラルド・ジョンソン(b)、トム・スコット(reeds) 等々、言わずもがなの有名セッションプレイヤーが名前を連ねているのですから、ほとんどがレス・デューデック自作の収録演目がソツ無く仕上がるのは必然とはいえ、やはり彼等の演奏にも耳を奪われてしまうのは、これまたリアルタイムの洋楽の流行的聴き方だったんですよ。

特にジェフ・ポカーロのドラミングは最高級で、それはA面ド頭の「City magic」から全開!

だからこそ、と言っては失礼とは思いますが、そこに乗っかったレス・デューデックのギターも痛快ですし、極言すればアカ抜けたサザンロックが、ここに楽しめるんですねぇ~~♪

それをあえてオールマンズ風味と自分に言い聞かせる事も可能かもしれません。

ただし、レス・デューデックがここでやりかたったのは、B面に顕著な白人R&Bかもしれず、例えばオーラスの「What a Sacrifice」は良い感じ♪♪~♪

そのあたりは、やっぱりボズ・スキャッグスのプロデュースが効いている証左と思いますが、実は後に某ギター専門誌で知り得た情報によれば、レス・デューデックは前述したオールマンズとのレコーディングセッションを経て、ボズ・スキャッグスの巡業用バンドに加入して以降、このアルバム制作直前まで在籍しており、そういえば当時本格的にブレイクしたボズ・スキャッグスのステージ写真を確認すると、そのバックには、あまり似合わない白いスーツ姿のレス・デューデックがっ!?

また、そこまでの経緯には前述したオールマンズとの良い仕事から、本来は同バンドに加入しても許される周囲の状況も、実際はディッキー・ベッツとレス・デューデックはソリが合わなかったとか!?

そして結果的にボズ・スキャッグスのバンドを選んだ仕打ちとは思いたくありませんが、件の「Jessica」の楽曲クレジットからレス・デューデックの名義が外されるという真相は、まあ、本人だけが語っている話なので、本当のところは分かりません。

しかしサイケおやじは1990年代中頃、アメリカ西海岸でレス・デューデックのライブに接した時、そんな恨み節を語った後に演奏した「Jessica」では、Aメロをキーボードに演じさせ、ブリッジパートだけを本人が弾くという意地っ張りをやりましたからねぇ~。

あながち間違ったホラを吹いたわけでもないのでしょう。

ちなみにレス・デューデックのギタースタイルには、ディッキー・ベッツっぽい味わいが滲んでしまうという皮肉があるのも、せつないところです……。

ということで、それでもサイケおやじはレス・デューデックが好きなんですよ♪♪~♪

既に述べたとおり、知るだけでも4~5枚は作っているアルバムは何れもヒットしたとは言い難いんですが、バックの参加メンバーには気になる面々が常に顔を出していますし、AOR~フュージョン、そして伝来のサザンロックやロッキンソウルな歌と演奏には、そこに一般ウケする要素がイマイチ希薄なのが正直な受け取り方であろうとも、好きにな人には好きとしか言えない世界があるように思います。

そしてサイケおやじは何時の日か、レスポールのゴールドトップの入手を願っているのでした。

コメント (2)
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