OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

今を生きてこそ

2016-01-08 16:37:46 | 歌謡曲

23才 / 風吹ジュン (テイチクユニオン)

長く生きていれば、それ相応の人物と出会うのは当然ですが、所謂「しぶとさ」が良い方向へ作用したというか、過去と現在が相反的にリンクした生き様を見せてくれる人に、サイケおやじは妙に惹かれてしまいます。

例えば、今や女優として、すっかり存在感を見せつけている風吹ジュンも全くそのひとりで、ご存じのとおり、彼女は芸能界にデビューした時から既に男好きのする佇まいとターヘ過ぎる歌唱力というセクシーアイドルの要件を全て満たしたスタアでありました。

しかし、それがある事件からスキャンダルを含む過去の諸々が暴露され、アイドル人気が急降下した時、今度は敢然と女優業へと転身し、そのなかなか気を惹く演技は上手いとか、稚拙だとかいう議論(?)を必要としないほどの説得力があったように思います。

そして結婚から離婚を経て、再び本格的に芸能活動を再開して後は、それが尚更に熟したとでも申しましょうか、最近では年齢相応の初老の女性を真っ正面から演じてイヤミがありません。

現在、爆発的な人気を集めるNHKの朝ドラ「あさが来た」に出演中の彼女に接する度に、サイケおやじはこれまでの「風吹ジュン」という人物の生き様と彼女本人の人生、そしてそういうあれこれを少しでも知っている我々のような市井のファンの関わりが、ジンワリと気持ちを高ぶらせ、同時に解してくれるのを感じてしまいます。

さて、そこで掲載したのは既に述べたとおり、アイドル人気が下降線だつた昭和50(1975)年初夏に出した、おそらくは歌手としては最後に近い頃のシングル盤で、しかも収録A面曲「23才」が公称だったとしても風吹ジュンのリアルタイムと重なっていたという企画作品!?

しかも、当然ながら、言い訳無用の上滑りした歌唱力を逆手に活かしたかのような三木たかしの作編曲は、カントリーロック系ソフトポップスの歌謡曲的展開が素晴らしく、安井かずみの綴った歌詞も同年齢の女性心理を巧みに表現していたかは確証もありませんが、ツボはきっちり押えたものと思います。

ただし、彼女もレギュラー出演していたテレビドラマ「寺内貫太郎一家2(TBS)」の挿入歌であったとはいえ、大きなヒットにならなかったのは、既に述べたとおり、歌唱力云々よりも風吹ジュンのアイドル人気が失われ、未だ女優としての立ち位置も定まっていなかったからでしょうか……。

ところが、冒頭に述べたような個人的な気分もある所為でしょう、今になって聴いてみると、これが不思議と味わい深いんですねぇ~~♪

「人に歴史あり」という格言(?)が当てはまるとは申しませんが、風吹ジュンの生き様もまた、現在のサイケおやじを勇気づけてくれます。

ということで、苦しい現状を生きているのは決して自分だけじゃ~ないっ!

それでも過去は過去、現在は現在として、如何に自分を保っていけるかが、ひとつの分岐点かもしれません。

もちろん、偉そうにそんな事を書いているサイケおやじが迷い道の真っ只中で途方に暮れているのは皆様、既にご推察のとおりです。

あぁ~~、悔しいなぁ~~~。

コメント
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