■ジャスミン c/w SAD MOON / スナイダー (オレンジハウス / 徳間音工)
この、どっかぁ~んっ! と迫って来る大アップのジャケ写に強烈なインパクトを受けたサイケおやじが掲載のシングル盤をゲットさせられたのは、確か昭和も末の頃、当然ながら中古屋の、それも店先に置いてあった捨て値盤コーナーの1枚だったんですが、中身は所謂エスニック風味の和製アジアンポップス♪♪~♪
というか、昭和歌謡曲の世界では時折にヒットしていたオリエンタル歌謡いうべき、いやはやなんとも折衷主義が良いベクトルを示せば、こうした歌も出来上がるという好例なんでしょうか。
なにしろ島武実の綴った歌詞には香港辺りの観光名所、例えば水上レストランとかタイガーバーム・ガーデン等々が歌い込まれ、しかも作編曲が一時期、そのものスバリのオリエンタル趣味に染まっていた(?)筒美京平なんですから、マイナー調の曲メロに強いビートを含ませる展開は過言ではなく、薬籠中の技の冴え!
そして歌っているスナイダーという女性ボーカリストが、これまた上手い節回しで、英語&日本語ちゃんぽんの歌詞を巧みに聞かせてくれますが、残念ながらサイケおやじは彼女については知るところが今もって何もなく、しかし声質がどっかで聞いたような感じなので、もしかしたら案外と有名なボーカリストの変名企画盤?
なぁ~んていう推察さえ浮かんでしまいます。
その意味でB面に収録された「SAD MOON」が、やはり同じソングライターコンビが提供した、これまたオリエンタル歌謡になっているのも、その変化の無さが勿体無いほどで、なぜならばスナイダーの歌唱からは幾分鬱陶しいとさえ感じられるミステリアスなソウルっぽさが滲んでいますから、個人的にはブラコン、あるいはディスコ歌謡みたいな作品を望んでしまうわけです。
ちなみにこのシングル盤が世に出たのは昭和54(1979)年頃らしく、だとすれば筒美京平が浅野ゆう子等々でもお馴染みの「セクシー・バス・ストップ」等々で正体を自ら明かした(?)例の「Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス」に象徴される東洋ディスコサウンド期も一時収束していたわけですから、もしかすると当時のアウトテイクか未発表楽曲を流用したのが、このジャスミンの音源だった?
なぁ~んていう妄想も浮かんでしまうのですが、いかがなものでしょう。
ということで、もちろん掲載盤は全くヒットしていたという記憶がサイケおやじには無いもんですから、ここまで述べてきた事は十八番の独断と偏見であります。
しかし、こんなブツに巡り合うという喜びは、何度も書いているとおり、最高の幸せであり、心底大切にする所存です。
最後になりましたが、このジャケ写ポートレートはジャスミン本人なんでしょうか?
それも大いに気になるのでした。