■プカプカ / 殿岡ハツエ (エレック)
相変わらず緊張感に乏しい国会ではありますが、そこで審議対象になっている受動喫煙対策法案は、だんだん苦し紛れの矛盾が多く、どうにもすっきりしないサイケおやじです。
説明不要とは思いますが、これは非喫煙者が煙草の煙を吸い込む事への配慮が主目的であるならば、医療機関や小中学校は敷地内、大学や官公庁等々は建物内を禁煙とし、飲食店等々は新基準を満たす喫煙室を設置する云々という原案に対し、小規模の店は例外というんじゃ~、ミョウチキリンな話でしょう。
狭い場所ほど、禁煙にしなければ、非喫煙者を守るという意義が無いわけで、結局のところ、この法案はこれから開催が予定されている東京オリンピック&パラリンピック等々に関連して、諸外国へ良い顔を見せたいというカッコマンの独り善がりじゃ~ねぇ~のかっ!?
ちなみにサイケおやじは昭和62(1987)年4月1日から、それまで時には1日に百本以上吸っていた事もあった煙草をぴったり止めていますので、喫煙者・非喫煙者の両方の気持は理解出来るつもりなんですが、だからこそモヤモヤした気分を感じるのが、この法案というわけです。
もちろん、煙草が健康に悪い事は承知していますし、煙草の生産販売で生計を立てている人達もいれば、煙草でストレスを発散する人だって決して少なく無いんですからねぇ~~、根底には難しい問題がある事も確かで、件の審議が妥協点を模索するのはわかるんですが……。
さて、そこで本日取りだしたのは所謂タバコソングの人気曲「プカプカ」を歌った殿岡ハツエのシングル盤なんですが、まずはジャケ写の雰囲気の良さが、まさに昭和の粋とでも申しましょうか、これが発売された昭和49(1974)年なればこそ、少なくとも昭和50年代の我が国では、煙草を吸う女性の仕草にも、イイ女っぷりが表れていたものです。
なにしろ主役たる殿岡ハツエは日劇ミュージックホールをメインに活躍していた当時のトップダンサーのひとりであり、映画やテレビにも頻繁に出演していたのですから、それも当然が必然でしょうか、サイケおやじは殊更テレビの深夜番組で舞い踊る殿岡ハツエに圧倒させられた青春時代が確かにありましたですねぇ~~♪
また、これは後追いで鑑賞したのですが、日活の神代辰巳監督の昭和43(1968)年のデビュー作「かぶりつき人生」では堂々の主役に抜擢され、劇中ではストリッパーを職業する女性を見事に演技きっていますので、必見ですよ。
サイケおやじは、この哀しくも胸キュンの物語に、ちょっぴりウルっとしてしまった思い出があります。
閑話休題。
で、肝心の殿岡ハツエの「プカプカ」なんですが、作者はご存じ西岡恭蔵ながら、興味深いのはアレンジとバックの演奏が鈴木茂(g)、細野晴臣(b)、林立夫(ds)、松任谷正隆(key) から成るキャラメル・ママであるという事でしょう。しかも今もって謎になっているのは、そこに「+2」として、正体不明のミュージシャンが参加しているわけでして!?
しかし、個人的にはイマイチというか、ジャズっぽいアレンジが失礼ながら裏目というか……、所謂スイングしている気がしないんですよ、歌も演奏も。
もっと素直に懐古趣味調のフォークロックでも良かったと思うんですけどねぇ~~、例えばラヴィン・スプーンフルみたいなと書けば、ディランII(セカンド)のバージョンに近くなるんでしょうけど……。
ですから、殿岡ハツエのプカプカは、やっぱりこのジャケ写を愛でながら聴くところにこそ、有難味が♪♪~♪
ということで、煙草の功罪が一概に決められないのは自明の理であって、なかなか法律で縛ろうとするのも難しいと思われます。
それゆえに、今後の行方を注視したいです。