■大阪の女 / いしだゆあみ (日本コロムビア)
掲載したのは、いしだあゆみが昭和53(1978)年10月に出した、作詞:橋本淳&作曲:中村泰士の名曲「大阪の女」のジャズ歌謡バージョンをA面に入れたシングル盤です。
件の「大阪の女」に関しては拙ブログでも以前ご紹介したとおり、ザ・ピーナッツのオリジナルヒットバージョンの他にも園まりのソフトロックバージョン等々、様々な歌手にカバーされ、幾多のレコーディングも残されており、その何れもが相応する魅力を聴かせてくれるという、正に名曲の中の大名曲であるがゆえに、生半可な気持ちじゃ~歌えない?
―― みたいな覚悟が求められる様な気持ちを抱くのは、サイケおやじだけでしょうか?
と、言わせていただくのも、この「大阪の女」は当然ながらカラオケの定番ですから、ちょいと軽い気分で選曲してしまっては、自己満足にも至らないというか、それこそ酒の力でも借りていないと微妙なヘタレを演じてしまう場面は、サイケおやじも自らキツイ体験があるんですよ…… (^^;
う~ん、どこかしら……、上手く纏められないと申しましょうか、サビで力を入れ過ぎると、その後が閉域に近づいてしまう感じを覚えるわけでして…… (^^;
まあ……、このあたりは明らかにサイケおやじの稚拙な歌唱力の結果ですから、そこで肝心のいしだあゆみのバージョンは、ミディアムスロウで彼女独特の「やるせない」ムードを遺憾なく披露した、全くアンニュイな仕上がりで、イントロから強い印象を残すクラリネットの響きと控えめなストリングを用いた小杉仁三の素晴らしいアレンジは、ジャズサウンドでありながら、それほどアフタービートを強く前に出していないリズムセクションの上手さと相まって、いしだあゆみの持ち味に、これほどジャストミートしている伴奏は、それだけ聴いていても満足させられてしまいますねぇ~~、サイケおやじは (^^)
ですから、逆に言わせていただければ、いしだあゆみの節回しと声質の魅力が、完全にジャケ写ポートレートのイメージに重なっているあたりも、それゆえの事かと思うばかりです (^^)
我が国芸能界には所謂「ジャズ歌謡」を得意とするボーカリスト&シンガーが大勢登場している中にあって、必ずしも、そ~ではないというイメージのいしだあゆみが、こ~ゆ~「ジャズ歌謡」の傑作を残してくれたのは、実に嬉しいと思っております (^^)
ということで、ここで大きな働きを聴かせてくれたクラリネットは、その木管特有のハートウォームな音色から、決してファンキーなモダンジャズには相性が宜しくないと思いますが、こ~ゆ~ムード歌謡にはタリピツですねぇ~~♪
うむ、今夜は北村英治とか、モダンスイングのレコードに針を落としてみたい気分であります。