■クライ・クライ・クライ / ジ・エドワーズ (東芝)
GSブーム期は多くのというよりも、多過ぎるほどのバンドが堂々の公式レコードデビューが出来た、まさに日本のロックが全盛だった時代ですが、失礼ながら、そんな泡沫グループであればこそ、後に再発見され、瞠目させられる名曲名演も少なくありません。
本日掲載のシングル盤は昭和43(1968)年に発売されたエドワーズのデビュー作で、ジャケ写の如何にもフラワージェネレーションな雰囲気も好ましいわけですが、殊更A面収録の「クライ・クライ・クライ」は、「暗い」という日本語の内向きな印象をダブルミーニングで用いながら、歌詞全体の底抜け感、そしてイントロからファズギターが全開した疾走ビートがたまらないという人気作♪♪~♪
実はこれ、作詞:林春生&作編曲:筒美京平という職業作家からの提供であれば、その狙いの正確さは言わずもがな、東芝特有の重心の低いレコーディングが結果オーライかと思います。
ちなみにエドワーズのメンバーは元バニーズの輿石秀之=大石悟朗(vo,g)、榊原さとし(g)、麻紀タケシ(vo,key)、早川昇(b)、酒井康男(ds) という5人組なんですが、レコードで実際に演奏していたかは、ちょいと個人的に確証がありません。
というのも、ジャケ写のグループ表記にわざわざ「コーラス」と入れてありますし、サイケおやじにしてからがエドワーズを実演はもちろんの事、テレビでも接した記憶がなく、それでもこの「クライ・クライ・クライ」だけはラジオか何かで耳から聞いていたんでしょう、なかなかはっきり知っていたというだけの存在……。
当然ながら、掲載の私有盤にしても、そんな思い出を辿りつつ、昭和50年代になってから中古でゲットしたブツですし、どうやらエドワーズ本隊にしても、実質1年ちょっとで解散したと云われていますからねぇ~。
まさにブームがあればこそ、そこに残された「お宝」と言うつもりはありませんが、表立ってヒットせずとも、こうした素敵な歌と演奏がオンタイムではなかった後追いのリスナーにもウケるにちがいない!
そんなふうに思わせられるパワーが、一番に素晴らしいと思っています。
ということで、最近の煮詰まった日常生活の中、サイケおやじには、こんな感じのノーテンキな歌が必要みたいです。
ホロホロホロ……。