■Black Cat Woman / Geordie (EMI / 東芝)
往年のGSヒット曲といえば、その中身の無さ、無節操さ言わずもがな、二番煎じが積み重なって、何時しか本物の所在さえも忘却の彼方という熱気と勢いがたまらない魅力になっていた側面は否定出来ません。
しかし、それこそが通俗的ウレセン狙いの基本であるとすれば、殊更ロックにおける同路線には立派なお墨付きかもしれません。
本日掲載したシングル盤の主役たるジョーディは、その要件にこそ相応しい、偉大なる二番煎じバンドであって、例えば収録A面曲「Black Cat Woman」にしても、まさにレッド・ツェッペリンとディープ・パープルとブラック・サバス等々の美味しいところを丸取りしたような歌と演奏になっているんですから、如何にも発売された1973年のハードロック界流行の縮図みたいな遣り口がねぇ~~~♪
とにかくボーカルがロバート・プラントならば、ギターのリフの作り方はディープ・パープル、そして歌と演奏の雰囲気がブラック・サバスという印象は免れないという、実は当時のブリティッシュロックに憧れていたアマチュアバンドがやってみたい世界が、そこにあったような羨ましさは、今となってはお笑いのネタのようでもあり、実は本音だったような気がしています。
実際、ジョーディほど真似出来そうで、案外と難しい存在は貴重でしょう。
つまり「らしい」事をやろうとすれば、出来損ないの本家コピーになってしまう恐れがあって、結局はターヘのレッテルが……。
いゃ~、ジョーディのど根性には、頭が下がりっぱなしです。
ということで、常識的には軽輩と見られがちな者だって、立派に存在感を示す方法論はあるはずで、そのひとつが例え独創性は薄くとも、しっかりと目標に取り組む姿勢でしょう。
本来、そんな固い話はロックには不向きなんでしょうが、逆にそんな崩れた世界から固定観念に縛られた場所に与えられる影響は意想外に大きいと思っています。
それはエルヴィス・プレスリーやビートルズだけの事象ではなく、ジョーディにしても方向性は等しいはず!?
ジョーディこそは、超一流のB級バンドにちがいありません。
歌は、ブライアン・ジョンソンさんでしょうか。
このご仁、後に、AC/DCで、それなりに勇名を馳せるのですが、シャウトといふよりは、うなるようなヴォーカル、そして、熊が餌を求めてうろつくような、その立ち居振る舞いは、獅子王ロバート・プラントとは似て非なるモノかと。個人的には、トホホの極みですが、一方で、庶民的な親しみは、感じます。
それにしても、この曲、タイトルまで、二番煎じっぽいところに、ある意味、強い意志を感じます。
コメント、感謝です。
ジョーディに限らず、当時の英国ロック界は自然淘汰以前の混濁状態があったように思います。
そんなギリギリの刹那の世界が、プログレからグラムに至るまで、有象無象を出現させた中にあって、ジョーディも真っ向勝負をやっていた事は認められるべきでしょうねぇ~~♪