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私の戦争体験⑫  中野寂音

2008年10月02日 15時47分18秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
     
   将校宿舎夜店衛兵
 
教育隊の候補生達は部隊の衛兵勤務はそれまで免ぜられていた。
しかし帰還の時期はわからず、
衛兵の勤務も割り当てられることになった。
すべて候補生なので衛兵指令も交代で勤務した。
 この頃部隊の近くで、深夜、八路軍らしい兵士を衛兵が発見した。
非常呼集が掛かり部隊は出動して、二名の兵士を捕虜とした。
私の衛兵指令の時、衛兵所の牢屋に入れられていた。
この兵士がその後どうなったかは知らない。
 部隊から少し離れた所に将校宿舎があった。
八月十五日からは将校も部隊内に住むことになり、
この宿舎の警備もすることになった。
衛兵とは別に毎日将校宿舎警備班が出ることになった。
 将校宿舎は無人となっていた。
ここは武装した兵隊が警備するだけで、交代で寝ているだけであった。
暫くして宿舎の前に露店が出るようになった。
警備兵の持ち出す煙草、靴下での交換が目的の露店である。
食料品が多かった。夜になると灯りも付けて十店ぐらい店が並び、
小さな和菓子の店も表れた。
そのうち兵舎に残った者の交換まで引き受けることになり、
帰りは交換品を毛布の中に包んで持ち帰るようになった。
衛兵所はすべて候補生でここもフリーパスで通過であった。
暫くしてこの将校宿舎も廃止となり警備も終わった。

   市内巡回警備

十月日本に帰還の予定は無く、正規軍はまだ表れず、
武器だけは中国軍代表が受け取りにきた。
市内警備の部隊が手薄となり我が部隊に応援の要請があり、
区隊の半分が市内警備にでかけた。
十月半ば交代要員として私も市内警備となった。

 警備本部は市内の中央、学校らしい建物で、管理は在留邦人がしていた。
家の前には広場があった。そこで整列警備の引き継ぎがあった。
警備は実弾を込めた小銃を持つて、
二名で指定された市内を巡回することである。
昼夜二十四時間巡回した。
 市内の治安は安定していて。警備中実弾を発射することは一回もなかった。
市民の生活も普段と変わりなく 私たちも始めて市内で、
市民と共に生活をしたが、市内警備を任せているので市民は好意的であった。
警備の途中朝四時頃、電気がついて働き始める家がある。
覗いてみると豆腐屋であった。
手仕事が面白いので見ていると、ニコニコして家の中に入れと
手まねで言われて、腰掛けて豆腐作りの見学となった。
そのうち豆腐屋が長いあぶらげを食べろと差しだした。
始めて食べる揚げたての熱いあぶらげは旨かった。
豆腐屋見学は次の巡回警備への引き継ぎ事項となった。
 勤務のない休憩中は、広場の前に露店が並ぶ、
日常の食糧品から衣料品まで何でもある。
人だかりの多いのは,丸い円の中で棒を回す伝助賭博、
人間の生活はどこでも変わらず楽しい。
「ショウピン」(焼き餅)「マントウ」(饅頭)作るところから
焼き上がるまで、飽きもしないでよく眺め買って食べた。
庶民の生活は世界どこでも変わらずこの国でも人の心は温かいと、
素直にそして強く感じた。

                  つづく







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麻生演説には3年後「全治」した日本経済の姿が描かれてない

2008年10月02日 00時30分26秒 | 国内政治・経済・社会問題
★JANJANの 「 矢本真人」氏は次のように麻生総理の経済政策について適切な論評しているので紹介したい。 (ネット虫)

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麻生さんの所信表明演説は「民主党への挑戦」と言われても仕方がない。合意形成のルールを民主党に問うているが「ねじれ国会」は国民が選択した道だ。民意は「自民党のごり押しはダメだ」と言うことだ。
 新聞で麻生さんの所信表明演説を読み、その表現に驚いた。新憲法下での自分に与えられた責任の重さを格式のある文面(?)で表現したのだろうか。
 「就任に当たって」を読んでも麻生内閣のキーワード、キャッチフレーズが分からない。「日本と日本人の底力」、「変化を切り抜け脱皮」、「私は決して逃げません」なのだろうか。それとも「強い発言のできる内閣」なのだろうか。

 しかし、全文を読むと「民主党への挑戦」と言われても仕方がない内容だ。国会運営が政府の思うように行かず、2人の総理が政権を放り出したことが政治不信につながったことが頭にあったのだろう。
 
 麻生さんは「合意形成のルールがあるのか」と民主党に問うているが、この「ねじれ国会」は国民が選択した道だ。確かに民主党も効果のない「問責決議案」を出してみたり、総選挙を念頭に置いた手段をとったこともあるが、国民は「衆議院での採択を参議院でごり押しするな」と言っているのだ。
 
 政府案も修正する度量がなければ今の国会を切り抜けることはできない。民意が何かを考えると、その不手際の責任は政府にあると思う。

 麻生さんは「日本経済は全治3年」と言う。3年で全治させると言うのであれば、「治療計画」を明らかにしなければならないので 景気対策、財政再建、最後に経済成長の3段階の提案がされた。とりあえずは定額減税の年度内実施だと言うがその財源は大丈夫なのか。民主党には政策の裏付けの財源の明示を要求しているが、麻生さんは大丈夫なのか。しかも一度きりの減税で家計を助ける効果があるのか。

 そもそも麻生さんは3年後の日本経済をどう描いているのか。輸出不振での景気後退の度に内需拡大による経済成長の必要性、経済構造の変化が要求されてきたが、どうなんだろう。今までの経済とは違った、新しい経済の姿を描かなければならないのではなかろうか。

 「暮らしの安心」では年金などの社会保障制度、長寿医療制度の1年以内の必要な見直し、若者の支援、中小企業の底上げ、質の高い教育などが挙げられた。これらは雇用も絡んだ企業のあり方にも問題があるのではないか。今は人材を生産調整、コストダウンのために使っているように見えるが、こんなことをしていては、若者や年配者の不安は消えない。

 企業の要求を聞くだけでなく、企業にも要求すべきことは強く要求すべきである。福田さんは経団連会長に「賃上げ」の要請をしたことがある。政府は経済界や企業の要望に応えるばかりでなく、「国民の目線」で企業にも要求すべきことは要求すべきである。

 そして気になることは、税制の抜本改革に全く触れていないことである。減税の語句はあるが、「全治3年」の治療中に税制改革をどうするかの意思表示がない。総選挙を控えて言及を避けたのか、麻生内閣は短命でそこまでできないと見たのか。

 麻生さんは「党首討論の代わりに疑問を投げかけた」とコメントしていたが、国会の論戦でさらにやって欲しい。麻生さんの質問に、民主党の答え(政策提案など)があれば、しっかり対応すべきである。麻生さんが降壇する時、ニヤッとしたのは「してやったり」との気持ちからか。しかし今の民意は「自民党のごり押しはダメだ」と言うことだ。
コメント (1)
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