九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

「昭和区九条の会」の新年度の行事の予定です。    まもる

2008年10月01日 14時34分00秒 | 国内政治・経済・社会問題
★私の参加している「昭和区九条の会」では新年度の行事が下記の様に決まりました。
 単に行事主義におちいることなく、地道に会員を増やし9条を守る自力をつけて
こそれほど遠くない国民投票に過半数を取れるように努力したいと思います。
 「九条バトル」読者の方々からご意見がいただければ幸いです。
*******************************  



 「昭和区九条の会
    あたらしい年の行事の予定」

①11月頃にハイキング・・秋の野 山を散策・・。

②11月3日(祝)「あいち九条」のイべント *栄周辺で市民などにアピール。

③12月8日(月)『平和のともしびウオーク』
          千種、みずほ、名東九条の会などと共催。

④09年1月 平和百人一首展(企画検討中)

④09年2月、学習会(内容・未定)

⑤09年4月7日(火)~12(日)『第3回・昭和区平和美術展』 を開催。

⑥09年6月、学習会。

⑦09年7月初旬か、9月中・下旬に『昭和区 平和のつどい』を開催予定。
*ゲストは未定、希望があればご連絡下さい。
  例えば、山田洋次、小森陽一さんなど。

☆その他に、合唱団の通年練習、文化行事(音楽・朗読・芝居など)や「お茶の会」「戦跡・史跡めぐり」などの話もあります。

★『九条を広める』運動を行うため、皆さん のご意見をお待ちしています。

 
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世界政経情勢の今をまとめてみると、「泥棒に追い銭」?  文科系

2008年10月01日 11時24分52秒 | 国内政治・経済・社会問題
凄いですねー。このブログ、昨日の閲覧数、実に1182! この世界(恐慌的)経済情勢や、中野さんの連載のゆえでしょうか。ご同慶の至り。毎回言いますが、それにしても投稿数の割にコメントが少ないブログだ。最近の投稿は日に数本。コメントはその3分の2ぐらいかな。常連コメント者は落石さんと僕ぐらい? 
 投稿する人は、せめてそれと同数かその倍程度のコメントを書きましょうよ! 読んで読んでだけでははなはだ自分勝手。読んでと言うなら、こう読んだよも書くべきです。でないと、自分のは他人に読ませても(僕は全投稿を読んでいます)僕のを読んでくれているかどうかも分からない。

さて、今日は現在の世界政経情勢を、簡単なダイジェストにまとめてみました。まー僕なりの総括メモというようなものです。


「泥棒に追い銭」だけではだめだ  文科系

今の世界金融体制崩壊という現象は結局、株主・株価資本主義体制というものが、その「犯罪性」と述べても良いものが、根本的な反省を迫られているということだと思う。主として、レバレッジで商売をする直接投資の金融会社・証券会社の世界的崩壊なのだから。間接投資の米銀行資産総額10兆ドルと直接投資の米証券会社資産総額10兆ドルとで、この後者の使われ方が根本的に問われているということだ。

そもそも会社は株主のもの、似て食おうと焼いて食おうと株主の勝手なのか。やはり違うと思う。こういう体制は、「人間の本性」に合わないと思う。職がなければ生きていけない労働者や管理職やその家族がいる。主としてこれらの人々の収入に、社会の諸サービス業も依存して生きているはずだ。これらの莫大な人々の犠牲の上に、金融会社だけが肥え太っていくという体制は「人間の本性」に全く合わないはずだ。
金融会社が、新しい会社の株主になっては、その経費を徹底的に削って株価だけを上げるとか、その上でこの会社を分割して売り払うとかを行っても、結局社会全体の景気が良くなるということはないはずである。こんなことを重ねていけば、社会の一般消費、購買力がなくなっていくだけではないか。事実アメリカの物作りはどん底になってしまった。
大きくなりすぎていくだけではなく、レバレッジによってその数十倍の商売もする資本に対する一般消費停滞のそのあげくが、低所得者にむりやり住宅を買わせて、その住宅の値段をどんどんつり上げて、その債券で「ハイリスク・ハイリターン」の証券を作って儲け、その「値上がり傾向」を先取りして低所得者にもさらに借金消費生活を奨励してきた。これでは、破滅に向かって走ってきたようなものではないか。

こんなことはおかしいと、心ある識者からはとっくに指摘され続けてきた。「アメリカの住宅バブルは、日本と同様にいつか破綻する」「このバブル崩壊がないことを前提としたようなレバレッジ金融業は、いつか連鎖倒産する」「日本の90年代以降と同じ『失われた10年、20年』が到来するはずだ」「ドルの暴落、世界の深刻な消費不況が、目前に迫っている」などなどと、どれだけ言われ続けてきたことだろう。このブログでも発足以来、このサブプライム問題がイラク問題や大戦総括の問題とならんで、最大のテーマの一つであった。
これが案の定、「予定通りに」崩壊した。グリーンスパンは「百年に一度の大破綻」と語ったらしい。
彼らの所行の結果、借金漬けの低所得者がやっと手に入れた我が家から無数に放り出された。その一生がずたずたにされたわけだ。信用が収縮して職場が拡大されず、就職氷河期がまた酷くなる。中小企業などへの貸し剥がしも冷酷に進んでいくだろう。あまつさえ、70兆円もの公金が倒産会社に流されれば、その分世界の税金が先進諸国国民の福祉に回らなくなっていく。アメリカではただでさえ厳しい医療行政がさらに厳しくなって、医者にかかれない無数の人々がさらに多く生み出されつつあるのではないか。

こう見てくると、この金融崩壊には犯罪という側面すらあると思う。それも、一種の確信犯だ。これを、政府や国連機関さえもが大々的に側面援助してきた、そういう確信的犯罪。誰も犯罪とは意識せず世界がそれでもって動いてきた世界的大犯罪。そしてその破綻をいまや、諸政府が社会主義政策もどきに、国家予算で救済してやろうとしている。「こういう人々のために税金を納めてきたわけではない」「俺も事業に失敗したら救済してくれるのか?」 誰もがそう言いたいであろう。アメリカ下院が、金融安定化法案をいったん否決してしまったのは、11月の選挙を控えてこういう市民の声を恐れてらしいが、米共和党保守派からは「こんな社会主義政策は認められない」との発言もあったらしい。「国家規制緩和」や「市場に任せよ」と新自由主義競争を最も声高に叫んできた連中に、莫大な国家資金の投入。「泥棒に、追い銭」、それも大赤字の国家財政の中から。なんとも不思議な光景である。公金支出によって彼らを「国家社会的存在」と認めるならば、これからは彼らを国家の規制の下に置いて、その自由もおおいに制限すべきではないか。

供給側主体の「市場」が破綻したのだから、世界経済は多少とも計画的な内需拡大に、ケインズがやったように世界各国で有効需要を作り出す方向に向かうしかないのだと思う。もはや輸出中心の国は世界に貢献しているとは言えなくなった。ものを買ってくれる国こそ、世界に貢献しているということになったのではないか。こういう方向目指してIMFや世銀を、そのイニシアティブを取るように変えていくしかないのだと思う。そういう反省をする絶好の機会を、我々は迎えているのではないかと思う。


最後に、アメリカ経済状況などに興味のある方は次の拙稿もご参照下さい。「今後の世界経済情勢にかかわって」、その1が7月26日、その2が29日です。その画面の出し方は、ブログ画面右外の年月を本年7月に合わせてクリックするだけです。


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▼銀行は救済されても米国民は貧困に ・・・暴動?       田中宇の国際ニュース解説

2008年10月01日 10時11分40秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
▼銀行は救済されても米国民は貧困に

 米議会上院は9月29日、7000億ドルの金融大救済案を否決し、米株価はダウ平均7%の暴落となった。共和党内には「小さな政府」をめざす財政緊縮派がおり、彼らが反対した結果、否決となった。緊縮派はこれまで、ブッシュ政権と議会が財政急拡大を続けても、不満を言うだけで大して行動を起こさなかった。

 それが今回、金融混乱を加速すると知りながら突然決起し、大救済案を否決した。米国を自滅に導く議会運営だ。ホワイトハウスと議会の両方にいる「隠れ多極主義者」たちが対立を演じつつ、米国を破綻に導いている感じだ。今後、救済案が練り直され、最終的には巨額の財政支出を伴う救済策が決まるだろうが、その間、米の大銀行がさらにいくつか消えそうだ(ワコビアの株価が暴落し、シティに買収されることになった。モルガンスタンレーの株価も急落している)。

 金融を崩壊から立て直すため、米連銀が0・5%の臨時大幅利下げを検討していると報じられている。これが実施された場合、米国債の魅力が減って外国投資家が買わなくなる。インフレがひどくなってドルへの敬遠も強まり、むしろ危険な状態が増す。

 金融救済の大盤振る舞い議論のどさくさ紛れの9月25日、米3大自動車メーカーへの250億ドルの低利の救済融資が米議会で決定した。7000億も出すのだから、250億ぐらい気前良く出してしまえという雰囲気だ。(関連記事)

 米国民の年金運用は損失がかさみ、各州政府の年金基金や健康保険基金も赤字が拡大し、自動車メーカーを救えるのなら各州の基金も救ってくれと州知事たちが連邦政府に陳情している。

 地球温暖化の「シナリオ」とは裏腹に、最近発表されたアメリカの農暦年鑑(Old Farmer's Almanac 確度80%)は、地球の気温は下がる傾向にあると予測している。米国では今年の冬は寒くなりそうで、石油高騰や失業増と相まって、暖房費が払えない世帯が急増すると予測されている。しかし全米各州の財政は逼迫し、貧困家庭に対する暖房費補助を十分に出せない。米政府から各州政府への暖房費補助の補填金は昨年度26億ドルだったが、今年は51億ドルもらわないとやっていけないと、各州知事が要請している。今冬は米国で凍死者が増えそうだ。

 ローン破綻、年金喪失、失業、凍死。米の一般国民の状況は悲惨になりつつあるが、その一方で、最近米の国税庁(IRS、内国歳入庁)が発表した06年度分の統計によると、米国民の中の貧富の格差は拡大を続けている。米国民の中で最も収入の多い「上から1%」の最裕福層の年収総額は、米国民全体の総収入の22%を占め、この比率は過去80年間で最大となった(05年は21・2%だった)。しかもブッシュ政権の減税政策の結果、最裕福の1%層が払う税率は、過去18年間で最低となっている。

 米国民の貧富の格差は、以前から拡大を続けている。最裕福層の大半は、金融関係者か、自社株で儲けた企業経営者だろう。彼らはこの10年、金融の魔術で大儲けした金を貯め込む一方、金融危機となる今後のツケ払いは他の国民に押しつけて、政府から大救済を受けようとしている。ブラジルのルーラ大統領は、米政府の金融救済策を「銀行だけ救済し、貧しい国民を救済しない間違った政策」と酷評した。こんな状態が続くと、いずれ米国では「反政府暴動」や「革命」が起こりかねない。

▼暴動鎮圧の準備をする米軍

 米政府は、反政府暴動が起きると予測しているらしく、10月1日から、米陸軍の実働部隊を米本土に駐留させることにした。150年前の南北戦争以来、米軍(州兵以外の連邦政府軍)は実働部隊を米本土に配備することを法律(Posse Comitatus Act)で禁じられており、今回は「テロ対策」を名目に、例外として禁を破った。名目はテロ対策だが、駐留部隊は、敵を殺さずに抑制する技能や、道路封鎖など、米国民が起こすかもしれない暴動を鎮圧するための訓練をすると、国防総省傘下の「アーミータイムス」が報じた。(関連記事その1、その2)

 駐留期間はとりあえず1年だが、その後も恒久的に延長される見込みだ。今後、金融危機が不況と財政難、貧困増へと波及し、米国民の怒りが拡大して爆発するころには、来年1月からの米次期政権になっている。もしオバマが大統領になったら、史上初の黒人大統領が、150年ぶりに米軍を米国内で戦闘させて黒人暴動を鎮圧し、オバマは黒人から裏切り者と非難される事態になりかねない。

 米国民の潜在的な怒りは高まっているが、今のところ反政府暴動がすぐに起きそうな兆候はない。それなのに米政府は、早々と米軍の暴動鎮圧部隊を配備する。やたら手回しがよく、自作自演的だ。まるで、貧困層の怒りを高めると知りつつ銀行救済を挙行し、財政破綻を予測しつつ財政支出を拡大して、究極の軍事費拡大としての国内反政府暴動の発生を扇動しつつ、暴動鎮圧の米軍部隊を訓練しておくという隠された戦略があるかのようだ。

 米政府は、以前からこのパターンの策略を展開してきた。2005年にハリケーン「カトリーナ」が米南部を破壊した時、浸水して混乱するニューオリンズで略奪や暴動が起きているという誇張報道が流され、誇張情報に基づいて米政府は軍隊を派遣し、有事を理由にホワイトハウスが州知事から権限を剥奪した。派遣された米軍は、貧困層の市民の怒りを扇動する言動を繰り返した。同時に米政府は、詳細を決めずに「ハリケーン復興予算」として前代未聞の2000億ドルの支出を計上した。だが、ハリケーンと全く関係ない分野に財政の大盤振る舞いをした挙句、カトリーナから2年がすぎても、被災地はろくに復興しなかった。

「有事」が誇張され、暴動が扇動されて、禁制のはずの米国内への軍隊駐留が挙行され、同時に無関係な分野にまで財政の大盤振る舞いが行われる。このパターンは、今回と、05年のカトリーナ、それから01年の911事件後の事態にも共通している。911後、イスラム教徒だというだけで無実の米市民が当局に拘束されて怒りを扇動される一方、テロ対策の名目で財政の無駄遣いが続けられた。

 この傾向は現ブッシュ政権のみならず、90年代のクリントン政権時代にもテロ対策の名目で貧困層の米市民に対する抑圧が行われたし、80年代のレーガン政権時には「麻薬戦争」の名目で、似たような抑圧と予算支出拡大が行われた。米政府による、国内有事体制の誘発と、財政破綻を招く異様な浪費の傾向は、以前からのものだが、ブッシュ政権になって急拡大した。有事体制の誘発で政府の権限を拡大し、財政拡大によるキックバックで私腹を肥やすという腐敗の構図なのかもしれないが、こんなことを続けていると、いずれ米国は社会的にも経済的にも崩壊する。

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米経済の崩壊、世界の多極化 ・・・・・田中宇の国際ニュース解説

2008年10月01日 09時53分45秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
9月25日、ドイツの財務大臣が独議会での発言で「アメリカは国際金融システムにおける超大国の地位を失う。世界は、多極化する。アジアと欧州に、いくつかの新たな資本の極(センター)が台頭する。世界は二度と元の状態(米覇権体制)には戻らない」と表明した。

 私は、米のイラク占領が崩壊した2004年ごろから世界の多極化を予測してきたが、ドイツのような米の主要な同盟国の大臣が「世界は多極化する」と予測した話を見たのは、これが初めてだ。キッシンジャー米元国務長官のような多極主義者の疑いがある米上層部の人々が曖昧に多極化を示唆するとか、ロシアやイラン、ベネズエラなどの野心的で反米の指導者が、自国の台頭願望と絡めて米の覇権崩壊を予測するとかいったことは、これまでにも時々あった。(関連記事その1、その2)

 だが、これらの当事者ではなく、第三者であるドイツの議会で財務相がそれを語るとなると、もはや「たわごと」ではなく、現実味はぐんと強くなる。私が最近、何度も書いている「金融崩壊が、米の覇権衰退と世界の多極化を引き起こす」という予測は、独蔵相の発言によって、確度が高いことが裏づけられた(自画自賛で恐縮ですが)。

▼米国債パニック売りを心配する中国

 中国人民銀行(中央銀行)の元顧問(余永定、Yu Yongding)は9月25日、中国や日本、韓国といった米国債を大量保有する東アジアの国々が、パニック売りによって自滅的に米国債の価格を急落させてしまわぬよう、東アジア諸国間の話し合いが必要だと述べた。米国債の急落が避けられるなら、中国政府は今後も米国債を保有して米を助けてやっても良いと言っている。

 米国債が急落し、米政府の手に負えなくなったら、債務不履行宣言、米国債の紙くず化があり得る。すでに米分析者の間では、将来の米財政赤字の増加を考えると、もはや米国債は最優良のAAA格ではないと指摘されている。格付け会社は政治的に、米国債の格下げを実施できないだろうから、表向きはAAA格のままで、米国債への投資家の疑念が拡大し、どこかの時点でパニック売りになりそうだ。

 国際金融の中心である銀行間融資は、信用喪失から凍結され、金融崩壊を防ぐため、米英などの当局が前代未聞の巨額の資金供与を金融界に対して毎日行っており、綱渡り状態だ。中国政府はすでに自国の銀行に対し、銀行間市場での米銀行への貸し出しを禁じている。

 中国は米国債を上手く売り抜けるかもしれないが、いまだに対米従属の日本は無理だろう。日本の米国債保有は6000億ドル(70兆円)で、国家予算の0・8年分だ。巨額だが、10年ぐらいかければ償却可能だ。これで日本が対米従属から離脱し、自立した国家戦略を持つ機会を得られるなら、安いものだともいえる。

★いつも示唆にとんだ世界情勢の解説をしてくれる「田中宇の国際ニュース解説」は http://tanakanews.com/  です。  (ネット虫)
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私の戦争体験⑪  中野寂音

2008年10月01日 09時31分46秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など
       羅針盤のない難破船
 
この部隊は八月十日、支那朝鮮各部隊の幹部候補生集合教育を
開始したばかりであった。
私はこの部隊に移動中、汽車の中でマラリアにかかって発熱した。
部隊到着と同時に医務室に入れられていた。
この日病院から帰ると特別事態なのですぐ中隊に戻れと、
医務室から追い出された。
この日始めて所属する第一中隊六区隊に戻った。

兵隊の住む場所は内務班と呼ばれていた。
この兵舎は、窓際を舎前と呼び、反対側は舎後という、
部隊に到着順に舎前からベットの位置が決まっていった。
舎前は半月も前からこの内務班に入り、
後から入る候補生の世話もしていた。
戦後私たちの戦友会メンバー戸田は、この内務班一番の到着で
先任班長のようであった。
舎後の後ろから部隊到着の遅い順番で、
秦、塩野、中野、梶田、互で、戦後戦友会の同志となった
顔ぶれが揃っていた。


八月十六日朝から全員集合の命令があった。
戦争終結の命令があると思って営庭に集まった候補生に、
立派なひげの古参中尉が、さっぱりとひげを落として壇上から
支那派遣軍は断固徹底抗戦すると演説を始めた。
我々は何のことかわからず呆然としていた。
正式な支那派遣軍戦争終結の命令は八月十七日であった。
 私たちは行く先不明、羅針盤のない難破船に乗せられたようである。
部隊の将校の間でも、上から正式命令が遅れているので
各種の議論が行われたようで、
この部隊でも半月後見習士官が武器を持って、
部下を連れて山西軍に参加した。
 白旗を出した軍隊は、即時武装解除、俘虜となって
収容所に入れられると思っていた。
ところがこの石家荘には正規の中華民国軍はいない。
正規軍が到着するまでそのまま武装解除は無く、
予定は不明ということになった。
 部隊は教育隊で地域の警備、その他軍隊の任務一切持っていない。
それからは部隊の持っている財産の処理が目的となった。
毎日膨大な書類無線機器の焼却がはじまった。
それから毎日の食べ物が豪華版となり朝昼晩牛肉、豚肉と
食べきれないご馳走づけとなった。
命令あるまで兵舎で待機となり、内務班で食っては
寝る毎日となった。
暫くして煙草、衣料品靴下の大量の配給があった。
 次の日の朝、兵営の垣根の外から「しょうぴん」「ちゃんちゅう」
の声にたたき起こされた。
「しょうぴん」とは焼き餅のこと、「ちゃんちゅう」とは焼酎のこと、
中国語の呼び名である。
近くの村の人が、部隊の煙草、靴下の大量配給を知り、
「交換 交換」と呼び始めた。
「しょうぴん」を食べて腹を下す者や、「ちゃんちゅう」を飲み過ぎて
足を取られる者が表れすぐこれは禁止となった。
 武装解除の日時は決まらないので、部隊の目標はなんとしても
全員無事に日本に帰還することが目的となった。
部隊の日常は毎朝のマラソンから始まり、銃剣術の訓練、
帰還日時が何年も先も考えられるので、
食糧の自給自足もあるかも知れない、
そこで演習場を耕して麦の種を蒔き始めた。

               つづく


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