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「公金注入」への考え方   文科系

2008年10月03日 11時11分55秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
今朝書いたコメントを、ちょっと書き直して投稿に格上げします。「公金注入」への考え方が意外に難しい問題だと思いますので。


この問題対処は本当に難しい。

現実論としては、公金注入でしょう。資本主義を前提とする以上しかたないことと思います。信用収縮で「失われた20年」になるのは困りますし、善意の第3者も可哀想ですから。が、それだけでは全く駄目、モラルハザードになり、今後に示しがつきません。

「国家は介入するな、我々の自由にさせるのが一番」と世界に向かって主張して良い思いをしてきた連中を国家が救済するのは二重基準、彼らを今後に向かって野放しすることにもなってしまう。
公金を注入するところはまず、その重役連中に全てをはき出させる。身分も奪って、保護観察期間を設け、その間は今後も重要な地位につけない。

その上で公金注入ですが、昔の会社にそのまま注入するのは悪いことではないでしょうか。善意の第三者の連鎖倒産を防ぐためなら、ドンブリで金を出すのではなく、個別に国家がその注入会社の行動の決済にからむことなどが必要ではないでしょうか。

そして何よりも、供給側だけを見る新自由主義の反省も必要。毎日新聞の今日の社説にこうありました。

「政府・与党の政策では相変わらず、企業側を強くすることに力点が置かれている。供給側をてこ入れすれば、家計はいずれ元気になるという発想だ。
それでいいのか。
バブル崩壊以降、企業は設備、負債、雇用の過剰解消に向け、大規模なリストラを行った。賃金は抑えられ、雇用の非正規化も進んだ。(中略)
政府・与党は家計の元気付けが、最も有効だと知るべきだ」

こういう「公金注入の仕方」がないものかどうか? 

いずれにしても麻生の「3年で回復」発言はトロイにもほどがある。だれが原稿を作ったか分からないが、子供だまし以下。日本でも住宅バブルからの回復で「失われた10年」が必要だったのに、それよりもはるかに酷いアメリカの回復が3年でできるわけない。その間は、例えば、今まで元気だったトヨタだけを見ても困り続けるはずだろう。
そもそも1000兆円近い公金累積赤字はどうするのだ??! 公金利権を作り出した自民・官僚・業界の責任なのだ。あれだけたっぷりあると明かされた道路特定財源を見ても、民主党の言うように「隠れ財源」は山ほどありそう。民主党に政権を取らせよう。今はそれしかない。

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静かに進む地盤沈下    落石

2008年10月03日 10時43分29秒 | 文化一般、書評・マスコミ評など
朝鮮日報にこんな記事。

読売新聞と朝日新聞が、競争力を相互補完するため、
それぞれの基盤が弱い地域で互いに印刷を代行することで合意した。
読売は千葉県と東京都東部地域に配達する分を朝日の印刷工場で印刷し、
代わりに朝日は四国地方に配達される新聞を読売の工場で印刷する、
というのが合意の内容だ。
今後は共同配達についても検討。

  


インターネットの普及で、広告費の配分は大きく変わってきている。
新聞も、いまや生き残りをかけた競争と協力の段階に。
新聞界の再編の足音が聞こえてくるように。

ある日、あっというようなニュースがあるかも。

ヨーロッパのオーストリアの選挙。
大政党2党の連立が負け、新しく力を得たのは右翼勢力。

足元で少しづつ異変が起きている。
アメリカの金融危機は、こうした異変を顕在化させる
可能性が高い。

アンテナは敏感に。おや?と感じたことは案外大切。



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私の戦争体験⑬  中野寂音

2008年10月03日 10時18分08秒 | 歴史・戦争責任・戦争体験など

日本帰還

十一月中旬日本へ帰還の命令が出た。
部隊に戻り帰還のための準備を始めた。
武器は持たず丸腰の兵隊達は、米、携帯食糧を背嚢に詰め込んで、
北京行きの鉄道に乗り込んだ。
京漢鉄道はまだ日本軍が沿線警備をしていた。
汽車が発車してすぐ鉄橋が破壊されていて船で渡ることになった。
人員だけで無く食料品も多く船で渡った。
汽車はのろのろと走ったり止まったりで、
途中の駅では、交換、交換の声が響いていたが、
交換する物は何も無くなっていた。
三日位かかって北京から天津に着いた。
 天津港は、帰国待機用の大型のテントがいくつも置いてある。
ここで乗船を待つことになった。
暫くして アメリカ軍兵舎の掃除当番が回ってきた。
広い講堂の中、携帯のベットが置いてある床を雑巾で掃除をした。
見上げるようなアメリカ兵を始めて身近にみて、
敗戦の実感をひしひしと思った。
 一週間ぐらいして乗船の順番がやってきた。
食糧、書類写真は持ち込み禁止で、時計、貴金属は取り上げられるので
ここに置いてゆく。
山のような米の山、時計の山が今でも記憶にのこっている。

 十二月四日アメリカ軍のリバテイ船に乗船、佐世保港に向かって出港した。
五日かかって佐世保港に着いた。
日本上陸の第一歩は頭からDDTを振りかけられ真っ白になった。
佐世保の宿泊所で復員式があって正式に復員した。
 窓も無い満員の汽車に乗り込み、焼け落ちた駅をいくつも乗り変えて、
東京の我が家に十二月十三日に帰り着いた。

終り



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▼多極化に乗る北朝鮮、乗れない日本 ・・・田中宇の国際ニュース解説③   ネット虫

2008年10月03日 09時14分02秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
▼今ひとつ進まない多極化

 1970年代のニクソン政権以来、米中枢では、覇権を自滅させようとするかのような行動が何回も行われてきたが、米国が自滅しかかるたびに蘇生させてきたのが英国の策略だった。たとえば71年にニクソンが財政難を激化させてドルを崩壊させた後には、英が日独など他の先進国に働きかけ、金持ちとなった日独などにドルを買い支えさせるG5の協調介入の体制を作り、ドルを蘇生させた。

 200年前から欧州の外交を漁夫の利的に動かしてきた英国は、国際会議の事務局を隠然と操ることで、国際社会を動かす技能を持っている。国連傘下のIPCCを動かして「二酸化炭素のせいで地球が温暖化している」という単なる一つの仮説を「議論の余地のない事実」に仕立てることに成功しているのが好例だ。ドルが崩壊しても、敗戦国である日独にドルを買わせるのは、英にとって十分に可能だった。

 70年代にドル崩壊を演出した多極主義者(NY資本家?)たちは、ドルを崩壊させれば米英中心の世界体制が崩壊し、日独など米英を恨んでいるはずの国々が覇権の多極化を画策してくれると思ったのかもしれない。しかし、戦後の日独は牙を全部抜かれていた。英国は、対米従属を好む日独を動かしてドルを買わせ、米英覇権体制を立て直した。

 70年代の教訓から、ここ数年の多極化の策略は、ロシア・中国・アラブ産油国といった次世代の地域覇権諸国をテロ戦争や単独覇権主義によって意図的に怒らせ、米国が財政破綻などによって覇権を自滅させた後、英国が中露アラブに接近して米国立て直しに協力させようとしても失敗する状況をあらかじめ作ってある。米国は、90年代から欧州諸国にEU統合を奨励し、欧州諸国が「米の傘下にいるより独自の地域覇権になった方が得策だ」と思うようにも仕向けた。

 これらの多極化の準備作業は進められたものの、完全には成功していない。ロシアは今夏のグルジア戦争後、事実上「米英中心体制に協力するのはやめた」と宣言した。だが中国は「米国がまともな国に戻るなら、米英中心体制が復活するのが一番良い」と、いまだに思っている。EUでは、今年6月に政治統合の「リスボン条約」がアイルランドの国民投票で否決され、統合推進はしばらく棚上げとなった。

 アラブ産油諸国の盟主であるサウジアラビアは、911以来、米に濡れ衣で悪者扱いされ、国内世論は反米化したものの、政府(王室)は、米英中心の世界体制が崩れてイスラム主義が強くなるとサウジ王制も倒されかねないと懸念し、親米英の姿勢を続けている。たとえばアフガニスタン関係では、米国が過激な軍事偏重のアフガン占領政策を展開し、NATOによる占領が自滅的に失敗しかけている中、サウジは英国に頼まれて、タリバンと米傀儡カルザイ政権との和解を仲裁しようと動いている。米が失敗させているアフガン占領を何とか立て直したい英の策略に、サウジは協力している。

 世界は19世紀初頭以来200年間、英もしくは米英の覇権体制で回ってきた。世界の近代・現代は全期間が英米覇権体制だった。人類は、英米覇権以外の近現代を知らない。この200年、英米、特に英が演出(ねつ造や歪曲も含む)した価値観や発想法は、人類全体の知識や気持ちの中に深く根ざしており、簡単に変えられない。英は、自国に都合が良い価値観を世界に定着させ、軍産複合体やイスラエルを使って米を操り、米英中心の世界体制を維持してきた。

 これを壊そうとする米中枢の勢力は「軍事侵攻による民主化」に象徴される、英が演出する価値観を「やりすぎ」によって化けの皮をはがす戦略を展開し、米英の支配に対する人々の評価を「善」から「悪」に転換し、破壊しようとしている。しかし、世界の多くの国々の指導者は、米英中心体制を脱却して「次の体制」に踏み出すことなど思いもよらないので現状維持を希望し、米自体が崩壊感を強めても、世界は多極化しそうでしない「覇権のババ抜き」の状態が続いている。

 それなら世界は米英中心体制の再強化の方向に戻るかといえば、それも考えにくい。現在の金融危機に対し、米政府が財政破綻につながりかねない大救済策を検討し始めた後、英のブラウン首相が9月26日に急遽ホワイトハウスを訪問し、ブッシュ大統領と金融危機対策について会談した。ブラウンは、米英協調で国際的な金融規制の新制度を作ることを構想しており、70年代に米ニクソンがドルを崩壊させた後の米英協調(事実上の英主導)の立て直しのようなやり方を再現し、米の金融自滅を防ごうとしているのかもしれない。

 これがうまくいけば、中国やアラブ産油国に金を出させて米英金融機関の不良債権を買わせるようなやり方も可能かもしれない。しかし、米の金融危機は急ピッチで悪化しており、もはや対策を講じて食い止められる段階ではなさそうだ。80年代後半以降、英の金融体制はほとんど米のコピーで、米が大儲けした従来は英も大儲けしたが、今では逆に、米連銀や財務省の失敗する対策の悪影響が英に感染し、英金融界も崩壊寸前だ。

▼しばらくは残る英演出の善悪観

 従来、先進国が途上国を従える米英中心の世界体制にとって必要なことの一つは、先進国が最貧諸国を経済支援し、世界的な貧富格差を縮小し、世界を安定させることだった。英のブレア前首相は数年前、G8などで「世界の貧困救済」「アフリカ救済」をさかんに取り上げ、先進各国から最貧諸国への援助金を増やそうとした。だが、米ブッシュ政権はこれを拒否し、対米従属の日本など他の先進国も援助増額に消極的で、先進国から最貧国への援助は増えなかった。今では、アフリカに最も食い込んでいるのは中国やアラブ諸国、ロシアなどだ。アフリカ諸国は反欧米の傾向を強めている。

 前回の記事に書いたように、国連での影響力も、欧米より非米・反米的な諸国の方が強くなっている。来年民主党のオバマ政権ができ、米英協調の再強化が図られた場合、共和党側がネオコン系のプロパガンダ装置を発動して邪魔するのを乗り越えて、米英中心の世界体制のある程度の立て直しが可能かもしれない。しかし、次の大統領が誰になろうと、米の金融崩壊や財政破綻は阻止できる見込みは薄いから、やはり米英中心の世界体制は崩れる方向だろう。

 米英中心の体制が崩れると、英が演出して全人類の頭の中に根ざしている人権や環境などの価値観に沿った国際政治がなされなくなるので、価値観的には「暗い時代」「悪がはびこる時代」となる。英米中心主義の残党は、米欧日のマスコミや官僚などの中に今後も居残り、しばらくは旧来の善悪観を扇動し続けるだろう。しかし、これらの価値観はそもそも英の都合に合わせて世界の人々を200年洗脳してきた成果でしかないのだから「善悪」の「悪」がはびこっても、実は大して悪いことではない。

 経済的には、発展途上国の経済発展を抑止してきた体制が消えるので、世界の貧困は減りそうだ。途上国の人々は生活向上が大事なので、この方が良い。BRICの成長によって、先進国の産業の輸出先も拡大するだろう。米経済の消費が減る分を、中国の消費が穴埋めすることは可能だとFT紙の記事は書いている。(筆者は例によって多極主義のゴールドマンサックスだが)

▼多極化に乗る北朝鮮、乗れない日本

 ロシアが今夏の戦争を機に米英覇権を尊重するのをやめ、国連が反米諸国に乗っ取られる中、これらと同様の方向に進みだした国の一つが北朝鮮である。北朝鮮の金正日書記は、このところ公式の場に全く出てこなくなり、病気説が根強い。だがその一方で、その後も北朝鮮は、寧辺の核施設を再起動させて米との約束を破棄したり、韓国との話し合いを再開したいと韓国政府に連絡してきたりして、金正日自身しか決定できないような新しい外交戦略をとっている。

 もしかすると金正日は重い病気になどなっておらず、8月に米がテロ支援国家リストからの除外を行わなかったため米朝間の約束が破綻し、9月に入って米金融崩壊によって米覇権体制が崩れ出す新事態の中、金正日は公式な場から姿を消して謎を倍増させる策略をとり、事実上の宗主国である中国政府とは裏で連絡を密にしつつ、もはや米を相手にせず、反米非米諸国のネットワークの中で生きていく新戦略を開始したのではないかとも思える。ベネズエラなど中南米の反米諸国は近年、北朝鮮との友好関係を強調している。平壌では最近、これまで止まっていた各所でのビル建設が再開されている。

 世界は、米の同盟国であるドイツの財務相が、米覇権の崩壊と世界の多極化を独議会で公言するような事態にある。BRICや北朝鮮、中南米、イスラム諸国なども、米覇権の崩壊をにらんで動き出している。それなのに、日本はいまだに対米従属一本槍で、世界の多くの人々がインチキと感じている米の「テロ戦争」に全面協力したいと今さら麻生新首相が国連で演説したり、自民党も民主党も自衛隊のアフガン派遣を検討したりして、えらく頓珍漢である。米がNATOを自滅させようとしているアフガンに、今から自衛隊を派遣するのは、犬死を強いる大愚策である。

 米共和党系の分析者(元レーガン政権顧問)であるダグ・バンドウは最近の論評で「在日米軍、在韓米軍が駐留している限り、日本や韓国は怠慢な気持ちを捨てず、国際社会で自立しようという気が起こらない。日韓を覚醒させて自立させるため、日本と韓国に駐留する米軍はさっさと撤退すべきである」と主張している。

 米覇権が崩壊していく中、日本は早く対米従属後の国家戦略を考え始めなければならない。日本の将来を考えるなら、バンドウの言うとおり、在日米軍に早く撤退してもらうべきである。対米従属の永続化が省益になる外務省などは、米軍撤退を阻止するだろうが、狭い了見で動くのは、もういい加減にやめた方が良い。

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