九条バトル !! (憲法問題のみならず、人間的なテーマならなんでも大歓迎!!)

憲法論議はいよいよ本番に。自由な掲示板です。憲法問題以外でも、人間的な話題なら何でも大歓迎。是非ひと言 !!!

東京都知事石原慎太郎への 「公開質問状」

2008年10月07日 21時31分46秒 | Weblog
★全国で生活困窮者の自立を支援する活動をしている「NPO法人自立生活サポートセンター・もやい」が東京都知事の記者会見で大阪市の個室ビデオ店放火事件に関連した質問に対し、都知事の発言が生活困窮者の実態について事実誤認に基づいた回答が多いとして公開質問をした。大変興味深いので紹介したい。(ネット虫)

 ********* 公開質問状 *********

 東京都知事石原慎太郎殿

石原慎太郎東京都知事は、10 月3 日、定例記者会見の場で、大阪市の個室ビデオ店放火事件に関連した質問に対して、「大いに使っている人はね、帰り損なったサラリーマンだ。ただカフェ難民、難民って言うけれども、あなた山谷のドヤに行ってごらんなさいよ。200円、300 円で泊まる宿はいっぱいあるんだよ。そこに行かずにだな、何か知らんけれども、ファッションみたいな形でね、1500 円っていうお金を払ってね、そこへ泊まって、『俺は大変だ、大変だ』と、『孤立している、助けてくれ』って言うのはね。ちょっと私はね、人によって違うのでしょうけれども、カフェ難民なるものの実態とはとらえ難いね」、「やっぱり1500円の宿泊費を払えるんだったら、もっと安い泊まり宿がいっぱいあるよ、東京は」等と述べました。

私たちは、生活困窮者の生活相談・支援を行なう団体として、現在、月に約100 件の相談(面談、電話、メールなど)を受けています。私たちのもとには、生活に困窮し、アパートを借りるお金がないため、ネットカフェやドヤ(簡易旅館)、サウナなどを当面の生活の拠点とせざるをえない人たち(ハウジングプア)がたくさん相談に来られます。しかし、今まで私たちは、「200 円、300 円」の宿泊費で泊まっていた、という人に出会ったことがありません。

私たちが相談活動で出会う人々は、わざわざ高いお金を払って、「ファッション」でネットカフェ等に宿泊しているのでしょうか?私たちはそうは考えません。

私たちの認識では、都内では山谷地域でも一泊1000 円以下の簡易旅館は皆無に近く、1500 円以下の宿泊先を見つけるのですら、困難な状況にあります。また、多くの人々が宿泊費の金額だけで判断するのでなく、交通費のことも考慮し、職場に近い地域や求職活動をしやすい地域で寝泊りする場を確保しているという実態も忘れてはなりません

東京都は、今年4 月からいわゆる「ネットカフェ難民」等に対する支援策として、厚生労働省と共に『TOKYOチャレンジネット』事業を開始しました。これは、ネットカフェ等で寝泊りをしている人たちの窮乏状態を踏まえて始められたものだと、私たちは注目していました。

しかし、その対策が事実誤認に基づく認識に支えられていたのだとすれば、対策そのものの有効性が問い直されなければならないと私たちは考えます。

今回の発言は、都庁での定例記者会見における公式な発言であり、しかも事実認識に関わるものであるため、都の政策の根底を揺るがすものである、と私たちは考えます。よって、以下に都知事の発言の真意をうかがいたく、質問をさせていただきます。10 月17 日(金)までに文書、または都庁における記者会見の場でお答えいただくようお願いいたします。

1、東京都内において、実際に「200円、300円で泊まる宿はいっぱいある」ということであれば、そうした宿についての情報提供を具体的にしていただきたい。

2、「200 円、300 円で泊まる宿はいっぱいある」という認識が事実誤認であったならば、記者会見の場で公式に発言を撤回していただきたい。

3、事実誤認をもとに「カフェ難民なるものの実態」を把握されていたのであれば、ネットカフェや路上などで生活せざるをえない人々(ハウジングプア)に対する認識を改め、その新たな認識のもとに総合的・包括的な支援策を打ち出していただきたい。


NPO法人自立生活サポートセンター・もやい
代表理事:稲葉剛

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本サッカー急成長の出来事(その2)  文科系

2008年10月07日 00時26分20秒 | スポーツ
 日本サッカー界に衝撃

 十二月二十二日の、天皇杯サッカー、ホンダFC・鹿島戦を覚えておられるだろうか。物凄いゲーム! 噂に聞いていたこのホンダ、僕には近年ちょっとない衝撃だった。まず、噂の出所を確認する。

 ホンダFCはアマチュアであり、選手全員が毎日、仕事もしている。J2の下のJFLで五位のチームでしかなかった。 僕は失礼ながら、このチームのゲームなど観たこともない。そんなチームがあの天皇杯になって、まず東京ベルディ、次が柏、そして名古屋グランパスと、次々とJプロ・チームを破ってきた。グランパスなどは0対2で負けている。天皇杯とJリーグ、いや日本サッカー界に大きな衝撃が走っていたのだ。

 このゲーム、延長戦に入り、その後半五分ほどに途中出場の鹿島・柳沢がやっと一点を入れた。退場者を出して既に三十分近くを十人で互角に戦っていたホンダを相手に、アップアップの得点だった。観終わって、この衝撃の内容を僕は理解した積もりだ。スポーツの世界でも良くあることだが、「一つのチームが化けた」のであろう。難しく言うと、物凄く巨大な「質的変化」である。この「変化」、これからの日本サッカー界全体を大きく変える予感がした。それぐらいの衝撃だった。一体、何が起こったのか。

 ①とにかくこのチーム、走ること! そして、速い速い。敵味方二人でボールを競り合うときなど、出足も球際でも鹿島の選手がのろく見えるのである。まるで、ダッシュ力のある選手ばかりを集めてきて、全力ダッシュしたその鼻先にしかボールを出さないというポリシーのチームと、そんな感じ。この走力、一人少なくなってから点が入るまでの三十分間も含めて、一人多い鹿島を圧倒していたから、物凄い体力でもある。これは、長期間かけて鍛えないとできないことのはずだ。
 ②次に、その走力が「組織的」に使われている。久しぶりに鹿島をJ1リーグで優勝させた名監督にこんな安堵のため息をつかせたのだから、間違いのないところだ。
「格下とは思っていなかった。相手は組織的だった。柳沢はクレバー。すばらしいプレーをしてくれた」(朝日新聞)
 ③攻撃の組織性はこうだ。ワンタッチ、ツータッチで素早く、簡単に前の味方にボールを預け、高速で攻める。二人、三人が猛然と「良いスペース」に走りこんでいかなければ、不可能なことだ。そして、ジャパンがオシム時代の末期になってやっとできるようになったことまで、「できるだけ多数でゴール前へ詰め、連動する」ことまでをやって見せるのである。
 ④守備の組織性はこうだ。DFの最終ラインを高く押しあげて、相手ボールをすぐに囲い込む。それも、走力を生かした全員守備。味方DF陣の前まで来た敵ボールを、戻った味方FWが奪う場面も度々で、千葉のFW巻のこの長所からFW全員が学んでいるのだろうと、僕は感じたものだ。ゴール前の守備は、スライディングなどが多くて、激しく、強い。誰かが「相手に当たっていく」のである。鹿島FWマルキーニョスや田代が簡単にボールを取られていて、驚いた。

 さて、お分かりの方には先刻ご承知の、これはオシム・サッカーである。「日本人の勤勉に走力を加味して、組織的に連動しあい『人もボールも動くサッカー』」、「それをゴール奪取の方法にもする」と。これにさらに、ダッシュ力が加わり、「ガツンッ」と激しく守るのだから、強いはずである。どういう監督か知らないが、オシムサッカーをよく学び理解して、集めてきたスピード豊かな人材にそれをせっせと写してきたに違いない。それが次第に開花して、グランパス戦辺りから「Jリーグ列強なみのチーム」に大化けした。そんなふうに僕は了解した。

 このチームが日本サッカー界に与えた影響は甚大だと思う。僕が、ベルディやレイソルやグランパスやアントラーズの監督だったら、必ずこう考えたろう。
《決してJリーグ並みの才能はないアマチュア選手たちで、どうして「急に」あんなに強いチームを作れたのか。この分析ができ、その「戦略的長所」でウチを手直しできるならば、ウチももっともっと強くなれる。必要があるなら「あーいう選手」に一部を切り替えることも検討しよう。これは、中長期計画でもやってみる価値がある》 
 どの国でも、衝撃的チームが現れると、その国のサッカーが変わっていく。ポルトガル人の名監督モウリーニョを入れたイングランドのチェルシーが爆発して他の三強を刺激し、クラブサッカーとしてはイングランドがいまや世界最強になったようなものだ。

 こうして、0八年のJリーグに、激変の予感が生じた。オシムサッカーの『日本人との相性』を、ホンダFCの闘いの詳細な分析によって取り入れ直したチームが、遅かれ早かれ急成長するはずだ。レギュラー未満の選手からダッシュ力が持続する選手数人を抜擢し、高速化したチームが現れたらこれに該当する所なのだと、予言しておきたい。浦和、ガンバ、鹿島、川崎、清水、どの列強も、すぐに「古い名前」になりうるだろう。そんな「今」が来たのだと思う。これは、オシムの功績なのだ。

(文章の時制の多少のおかしさは、ご容赦あれ。去年の文章を、再掲、再編成しているわけでして。  文科系)
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする