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バクダッドより速報 その②   イラクの子どもたちを救う会のブログより

2008年10月27日 23時32分11秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
★「監獄都市バクダッドを行く」に引き続きその②を紹介します。(ネット虫)

   「バグダッドより速報 その2」  西谷文和

                 2008年10月16日 23:17 nishitani

バグダッドのPUK本部で、幹部職員にインタビュー。バグダッドの治安は安定に向かっているものの、まだ外国人にとっては危険な状況。ちなみに、ファルージャやラマーディーには、かなりの注意が必要で、「行かないほうがいい」と忠告を受けたが、イラク南部、すなわちサマワやバスラには訪問可能とのこと。今回は日程が詰まっているので、サマワにはいけないが、次回は行けそうだ。

幹部インタビューを続けていると、ハッサンアボッドがやってきた。ハッサンとは携帯電話で連絡を取り合って、本日バグダッド入りすることを伝えてあった。ハッサンアボッドは、私の通訳であり、友人。大阪に3回招待し、そのうち2回は裁判で法廷に立った。

彼は大阪の「イラク派兵差し止め訴訟」の原告なのだ。ハッサンは私の事務所に寝泊りした経験を持つ。そのハッサンとこうしてバグダッドで再会しているのが不思議だ。
みなさんご存知の通り、この「イラク派兵差し止め訴訟」は全国で行われて、名古屋高裁で「イラク派兵は9条1項違反」という画期的な判決が出た。ハッサンはこの裁判の貢献者である。
「ニシタニさん、良かったね。裁判で勝ったんだね」ハッサンも結果を聞いて喜んでいる。しばらくPUKのメンバーたちに私たちの関係を説明し、ハッサンとはここでお別れ。「ニシタニさん、気をつけて。決して無理してはいけないよ」。ハッサンも私の身の安全を心配してくれる。

PUKバグダッド本部を出て、ラシード通りの下町を行く。ラシード通りも壁で囲まれているが、商店街は普通に営業を続けている。その様子を車内から撮影していると、ピーッと笛が鳴り、警官が駆け寄ってくる。
「今、ビデオ撮影していただろ?」。しまった!見つかってしまった。こんなときは慌ててはいけない。「日本から来ている。『イラクの子どもを救う会』というNGOの者だ。悪気はない。軍や警察を撮影したのではない。ただ商店街の様子を撮っただけだ」。
私の身分証明書を見ながら、警官たちはなにやらアラビア語でしゃべっている。
「ここは撮影禁止だ。次回からは気をつけろ」と、「釈放」してくれた。下手をすればカメラ没収のところだった。危ない、危ない。

バグダッド・クルド人街の下町に、PUKの「母子センター」がある。
「日本人が来る」というので、多くの母子が集まっている。夫を殺された未亡人が多い。私が到着すると、「うちの子どもを見てくれ」「助けてくれ」と、ビデオカメラの前に母親たちが殺到してくる。
頭が膨れ上がった子どもがいる。3歳にして「水頭症」だ。母親は2回妊娠したが、上の子どもは死産だった。そしてこの子は生まれながらの「水頭症」。「劣化ウラン弾によるものとみて間違いないと思う」とは、PUKの女性スタッフ。

「俺の子どもの頭を見てくれ」と2人の兄弟を連れてきた父親。頭蓋骨の一部が削り取られていて、頭皮が露出している。指で触ると、そこは柔らかくて、脳内に指が入っていく感覚。米軍の空爆の破片が、頭蓋骨を削り取っていった。その結果、この男の子は普通に歩けなくなってしまった。歩行神経がやられてしまったのだ。不自由に歩く姿を撮影。本来なら傷ついた頭蓋をセラミックか何かで補強すべきなのだろうが、ここはバグダッドである。そんな手術は期待できない。空爆の際、一番恐ろしいのは、爆弾そのものより、周囲に飛び散る破片だ。目に当たれば失明するし、胸に当たれば死んでしまう。この子の場合は頭蓋をかすったのかもしれないが、若くして障害を抱えてしまった。
米軍がボタン一つで発射するミサイル。撃たれた側は生涯その痛みを引きずっていく。

ファラドーンが「この子どもたちに50ドルずつ援助しよう」と提案。急遽、名簿を作り、一家族ずつ50ドルを配っていく。
母子センターを後に、ホテルへと向かう。チグリス川沿いの「アル・マンスールホテル」。大通りから離れていて、チグリス川岸に建つ5つ星ホテルだ。ホテルに入るまでに入念なボディーチェックと荷物検査。外国人が宿泊するホテルは常に攻撃の対象となる。「日本人か!珍しいね」ホテルの警備員が驚いている。少しでもアラブ人に近づこうと、ひげを生やしていたが、やはり一目で分かるようだ(笑)。とにかく無事ホテルにチェックイン。さて明日はどうなるのだろうか?

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「富が地獄を作っている」   文科系

2008年10月27日 10時48分09秒 | 国際政治・経済・社会問題(国連を含む)
24日に前米連邦準備制度議長・グリーンスパン氏の最近の「反省言辞」を批判する文章を書いたら、Unknown氏と称される方からこんなご批判を頂きました。彼はこういった人物を擁護するのでしょうか。何百何千万人の中低所得者を、やっと手に入れた我が家から借金まみれで追い出して、その後半生をずたずたにしてしまったこういう人物を。
グリーンスパンは「ドブに落ちた犬」なんかではありません。サブプライム融資を規制できる立場にいながらそれをせずに、今問題の大証券会社の擁護に努めてきて今の事態をもたらした、アメリカ大統領に次ぐような世界有数の強大なモンスターです。モンスターは誰かが退治しなければいけないでしょう?
【「それ見た事か」とドブに落ちた犬を棒で突いて虐めるのは楽しかろうが、このノリって、まるで文化大革命みたいだ。‥だから「文科系」なんだろうか? そーいや、文革も最初に槍玉に挙がったのは資本家だった。】

これに対して僕は、コメントでこう答えました。
「ここに昔から語ってきたことであって、今の時流に乗って袋だたきに加わるといったものではない。サブプライムの問題性や、『こんな株価だけの好景気っておかしい。保てるはずがない』と、以前からここに書いてきた。06年11月1日『アメリカで重大事が起こっている』や同12月5日『世界二極分化の帰結。富が地獄を作っている』がそれだ。なお僕は、学生時代からその本も読んだが、毛沢東が大嫌いだった」

こういう論争?から思いついて、06年12月5日にここに載せた投稿を改めて再掲することにしました。全文そのままをコピーして、載せさせていただきます。


【 グローバリズム世界経済の下、「競争社会」「二極分化」「上流・下流」などのイヤな言葉が氾濫している。その程度を見つつ、その問題性を根本の所から見つめてみたい。以下、個人の金融資産の数字は野村総研と総務省とのものである。

日本では最下層三百万円未満の世帯(個人金融資産ゼロ、生活保護世帯なども含む)は十五・四%である。ところが日本より福祉・医療制度が酷いアメリカで、この世帯が五七・九%に跳ね上がる。日本で五七・九%といえば、一千万から一千四百万円までが入り、逆にアメリカでこの金融資産なら八割までが含まれる。他方また、日本で八割と言えば三千万未満までということになる。日本では、ここまでの世帯の平均が千三百万円、総計五一二兆円で、総金融資産の三分の一ほどを占めている。日本という国は、この金額の半分で日本株式市場全てを乗っ取るべく、その五十一%を買い占めることができるというような、大変な庶民金融資産国なのである。ちなみに、日本のこの上の世帯は三千万から三千五百万までで、これが十四・三%、総額二四六兆円となっている。なお、ここまで九二%ほどの世帯で日本金融資産の約半分ほどを持っていることになる。
 さて他方アメリカでは、下層の貧しさに比べて最上層、二・一%の世帯が四七・九%の個人金融資産を持つ。そしてまた、世界一の庶民金融資産国・日本をアメリカのようにしようとする動向がまた進行中だ。「規制緩和」がそれなのだが、その大詰め「郵政民営化」は終始、アメリカの執念のような強い要請に基づく政策課題だった。「死んでいるお金を社会の活性化に活用する」と言えば聞こえは良いが、「ハイリスクハイリターンの時代!もっと投機に」という「政策」が背景にあるのは明らかだろう。こうして、日本にも「退職金を丸々取られた」という世帯が出現している。
 なお、アメリカの金融資産以外を見ておこう。景気を引っ張ってきた住宅バブルが萎み始めた。今までのアメリカは、借金で住宅を買わせ、住宅バブル値上げを見込んでさらに借金を重ねさせ、莫大な累積輸入超過・借金消費生活を謳歌させてきた。そのバブルのランディングが、ハードになるかソフトになるか、これが近年の世界景気の最大課題だと見られてきた。住宅値下がりで、借金だけ残るアメリカの庶民達はこれからどうするのだろう。他人事ながら心配になる。
 アメリカの「需要創出策」・「借金消費景気」はドル本位体制だからできるのであって、他国にとっては「冗談」に過ぎない。双子の赤字でもドルが値下がりしない。家計、国家全て実質禁治産者に成り果てたが、ドルの信用だけで日本や中国から貸し金が入ってくるなんてね?!!

 さて、世界中が、アメリカのように借金ばかりを背負った多くの庶民も含めて「二極分化」になったわけだが、さてこれからどうなる?僕たちは「最大の経済問題」と大昔から言われてきたことを考えざるを得ない。大部分の国々、人々がアメリカ庶民のように貧しくて物を買えなくなったら、極少数の人々の莫大なお金はこれからどうやって「運用する」のか?この大量な資本に相応しい需要がいったいどこに存在するのだ?ところがどっこい、この金は今や、より有利な投資先を求めた末に、こんなふうに使われているのだ。
 石油の先物買いを思い出していただきたい。同じような金融先物買い・デリバティブ残高は〇四年国際決済銀行発表によると二万五千兆円(実際に動いた「保証金」はその数%。それでも一千兆円!)に上っていると言う。世界に冠たる個人金融資産国・日本のその総額が千五百兆円ほどにすぎないことと対比してみてほしい。また日本の国家予算が五十兆とか百兆とか、さらにトヨタが世界一になったところで、「実体経済」はこれに比べれば全く随分、多寡が知れた金額だ。イヤハヤ!!
 さてこんなふうに凄い資金がだぶついていながら、飢餓率三五%(一日のカロリーが千六百以下の人が国にこれだけいるということ)以上の最貧国は二三にまで増えているし、アフリカのエイズは野放し状態、失業者は世界に溢れ、各国の軍事費・兵器輸出合戦は止まらずに、破産国家が続々現れ、大洪水や水も飲めない人々の群れなどと地球環境は悪化を続けている。それでいて、アメリカ・バブルのソフトランディングさえうまくいくならば、世界の景気は有望なのだそうだ。こういう「実態」が「株主資本主義」の帰結なのである。資金を真に渇望する所には洟も引っかけず、それなりに命を削るようなマネーゲームに勝った者だけが生き残っていく社会。しかも、前者がさらに地獄にはまり込み、後者はさらにより少数の下で太っていくだけ。こんな誰も幸せでない「好景気」って一体何なんだろう。この少数がちょっとの先物買いで、いくつかの株ちょっをつり上げておけば、それが好景気?その先物を実際に買う段になったら、ちょっと買いを強めてから売り抜ければよい?もちろんそういうファンドの隙をうかがっている敵対者も存在しようが、まーとにかく金があるものは原則自由自在。まるで公認の、自作自演インサイダー取引じゃないか。それでも好景気?

 さらに加えて、日米を見てもはっきりしていることだが、普通の先進国ではこういう金持ちがマスコミや国家を握る。すると、国、「公共」というものを彼ら流儀の「危機管理」に使うことに腐心する。こういったことすべてをばく進させてきた日本「規制緩和」社会のあとには、「教育基本法」しかり、「自衛隊法」しかり、そして「九条改訂」しかり。

 「富」が、「地獄」を作っているとしか表現する術を知らない。】
コメント (1)
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