てんと虫一兵われの死なざりし 安住 敦
安住も秋元同様、新興俳句運動に参加した人だが、昭和二十年に応召し、敗戦時には対戦車爆撃要員として千葉県上総湊にいた。本土決戦に際しての水際作戦の訓練を受けていた。「一兵われは死なざりし」には安住の万感が込められている。
「所詮、助からないと思っていた命が、これで助かったと思ったとたん涙がふり落ちた。一匹の天道虫がとんできて、私のかかえもった銃身にとまった。」(随筆歳時記)
安住の言葉に、行くたびか死線をかいくぐってきた私としては強い共感を持たずにはいられない。
☆小学館週刊日本の歳時記38号より
☆先回の秋元氏の句が精神的に暗黒から解放された心情だとすれば、安住氏の句は
生への復活といった心情でより原始的な喜びに満ちているような気がします。
その時飛び来ったてんと虫への思いは私には理解できないほど深いものがあるようですね。(まもる)
安住も秋元同様、新興俳句運動に参加した人だが、昭和二十年に応召し、敗戦時には対戦車爆撃要員として千葉県上総湊にいた。本土決戦に際しての水際作戦の訓練を受けていた。「一兵われは死なざりし」には安住の万感が込められている。
「所詮、助からないと思っていた命が、これで助かったと思ったとたん涙がふり落ちた。一匹の天道虫がとんできて、私のかかえもった銃身にとまった。」(随筆歳時記)
安住の言葉に、行くたびか死線をかいくぐってきた私としては強い共感を持たずにはいられない。
☆小学館週刊日本の歳時記38号より
☆先回の秋元氏の句が精神的に暗黒から解放された心情だとすれば、安住氏の句は
生への復活といった心情でより原始的な喜びに満ちているような気がします。
その時飛び来ったてんと虫への思いは私には理解できないほど深いものがあるようですね。(まもる)