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総選挙結果をうけて反貧困ネットワークの声明

2009年09月05日 18時54分34秒 | Weblog
★風の仲間「東本高志@大分より以下のメールをもらいました。紹介します。(ネット虫)
…………………………………
反貧困ネットワーク(代表:宇都宮健児、事務局長:湯浅誠)が総選挙結果をうけて下記のような声明を発表しています。
『声明』を一読して心打たれました。内実のある声明のように思います。
貧困者の心の叫び、その貧困者の心の叫びに即して、貧困の時代に生きざるを得ない《私たち》として、その苦難をともにして生きようという仲間=貧困者への深い連帯の思いが伝わってきます。
反貧困ネットワーク(代表:宇都宮健児、事務局長:湯浅誠)が総選挙結果をうけて下記のような声明を発表しています

<以下、転載・転送歓迎>
………………………………………………………………………………
   声  明
      反貧困ネットワーク(代表:宇都宮健児、事務局長:湯浅誠)

 歴史的選挙と言われた衆議院議員選挙の大勢が決した。
 私たちはまず、政権交代を歓迎する。この間、日本社会の中には貧困が拡大したが、与党・政府
には貧困問題と向き合う十分な意思が欠如していたからである。労働者派遣法に象徴される数々
の規制緩和や、社会保障費2200億円抑制などの「構造改革」が断行され、人々の暮らしは圧迫さ
れ続けたが、その実態は「経済成長さえ果たせば解決する問題」と放置され、さらには「自助努力が
足りないだけ」と自己責任論で抑圧された。少なからぬ人々にとって、この間の状態は端的に「踏ん
だり蹴ったり」であり、痛みだけを一方的に押し付けられた。11年連続3万人超の自殺者、1000万人
を越える年収200万円未満のワーキング・プア、派遣切り被害者、ネットカフェ難民、ホームレス、餓
死者等々は、この間の政治が、人間らしい暮らしを保障するという最も基本的な任務を果たしてこ
れなかったことを告発している。その意味で、今回の選挙結果は、抑圧され続けた人々からの与党
・政府に対する「しっぺ返し」だった。

 当然ながら、次期与党・政府には、こうした生活破壊の流れを転換し、人々の生活を再建し、守る
役割が期待される。またそうでなければ、政権交代の内実はなかったことになり、肩透かしを食らっ
た有権者は次なる審判を下すことになるだろう。

 しかし、その舵取りは容易ではない。失業率は戦後最悪の5.7%、有効求人倍率0.42倍(正社員
0.24倍)という厳しい状況下で、生活の建て直しをいかに目に見える形で行うか、新政権は早々に
その力量を試される。

 与党・政府に最も必要なことは、人々の暮らしの実情から目を離さないことである。民主党は、
2007年参議院選挙で「国民生活第一」を掲げて大勝した。今回の総選挙では、あらゆる党が生活
再建を競い合った。民主党はその中で、人々から生活を預けられたのだ。責任は重い。

 鳩山由紀夫・民主党代表は、今年6月の党首討論で、自殺や生活保護母子加算の問題を取り
上げて、「一人一人が居場所を見つけられる国にしよう」と呼びかけた。一人一人が居場所を見
つけられる国とは、この上なく大切なことであり、そして困難なことである。私たちは、その提言が
いかに現実化していくのかを注視している。

 「郵政選挙」と言われた前回総選挙の際、大勝した自民党は「官から民へ」を掲げていた。今回、
民主党も「官から民へ」を掲げて政権交代を果たした。両者が異なるのは、前者の「民」が製造業
大企業等だったのに対して、後者の「民」が、2007年以降、明確に国民生活を指し示していた点
である。

 「経済成長さえすれば、人々の暮らしは楽になる」――この約束は、90年代からの「雇用なき景
気回復」、低下し続ける労働分配率、高騰し続ける社会保険料等々によって、事実として果たさ
れなかった。もはや、経済成長率と暮らしの安心度数は独立した変数である。もう誰も、経済成
長が十分条件であるかのような幻想には騙されない。

 では、民主党の約束(マニフェスト)はどうか。ただでさえ厳しい世界経済状況の中、いかにして
暮らしの建て直しを果たすのか。私たちは、それをもっとも目に見える形で示せるのが貧困問題
への取組だと考えている。

 OECDは、日本の貧困率を14.9%と発表している。実に7人に1人以上が貧困状態にある。多く
の人々にそこまでの実感がないのは、日本で「貧困」といえば、依然としてアフリカ難民キャンプ
のような飢餓状態が想像されているからだ。そして、それと背中合わせの関係に立っていたのが
「一億総中流」幻想だった。貧困ラインが飢餓状態に固着していたため、そこまでではない自分
は「中流」だと、少なからぬ人々が自らを慰めた。この背景には、敗戦後の焼け野原から復興し、
高度経済成長を遂げた「上昇気流」がある。「いずれよくなる」。現時点では厳しくても、多くの人
たちがそう思えた。

 しかし、時代は変わり、欧米に対して「追いつけ追い越せ」だった日本は、今や新興国に追わ
れる立場にあり、少子高齢化の中、人口減少社会に入った。かつてのような高度経済成長が再
び訪れることはないし、「一億総中流」幻想はすでに過去のものだ。年収300万円未満世帯は、
この10年で370万世帯増加している。低成長時代にも人々の暮らしを確保する、智恵のある政治
が求められている。中間層だけを想定した政策は、もはや機能しない。

 OECDの貧困率は相対的貧困率であり、それは一言でいえば、生活に追いまくられて余裕の
ない状態、社会生活で引け目を感じる状態である(平成20年国民生活基礎調査結果に当ては
めると、平均世帯人数2.7人で年収224万円以下)。日々の食事はなんとかなっていても、修学旅
行に行けない、必要な教材をそろえられない子どもたち、また、職場で仲間として受け入れられ
ず、病気をしても生活のために仕事を休めない労働者たち、地域で不幸があっても香典を包め
ない、子や孫にお年玉をあげられない高齢者たち、気兼ねなく外を出歩けない障害者たちなど、
この社会の中に安心できる「居場所」を見出せない人たちである。

 この人たちが生活に追いまくれられる状況から脱し、「一息つけて未来を描ける」生活状態を
確保すること、学校・職場・社会からの孤立状態を解消すること、賃金や所得保障によって所得
を増やすとともに、再分配や支え合いによって支出を減らすこと、それが鳩山代表の言う「友愛」
社会の実現ということだろう。OECD貧困率の政府としての公認、最低生活基準(憲法25条)に
よる貧困率の測定、それに基づく貧困率削減目標の定立と、教育・住宅・労働・医療・年金・介
護等々にまたがる総合的な対策。それが、厳しい経済情勢の中でも人々の暮らしを支えようと
する政府のあるべき姿勢を示し、自分たちも「すべり台」社会を転落してしまうのではないかとい
う人々の将来不安を取り除く。「国民生活第一」を掲げて政権交代を果たした与党の拠って立つ
基盤は、ここにこそある。貧困問題は、来たる政権の存立根拠と基盤を補強する課題に他なら
ない。

 私たちは、次期政権の動向を注視している。私たちが次期政権の応援団となれるような、批
判勢力とならずにすむような、ビジョンの提出と諸政策の実施を期待する。

                                                     以上
………………………………………………………………………………

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鳩山民主党政権に残された最後の抵抗勢力、それは官僚組織と大手メディアである。  (天木ブログより)

2009年09月05日 18時40分14秒 | Weblog
総選挙から今日までの短い間に我々の目の前で繰り広げられているものは何か。
 それは権力を手放したとたんここまで茫然自失し、無力となった自民党の正体である。
 それと対照的に、どのような状況になろうとも、しぶとく生き残ろうとする官僚組織と大手メディアの厚顔さである。
 自民党のもろさ、はかなさについては書くまでもないだろう。
 選挙の敗北とともに即刻自民党総裁を降りるべきはずの麻生首相が、9月16日予定の首班指名において自民党総裁にとどまる。自民党総裁選挙を一か月近く引き伸ばす。
 この異常さに何もできない自民党議員たち。今の自民党は完全に死んでいる。
 古い政治家を一掃し、若い世代の新たな政党として生まれ変わらない限り、間違いなく自民党は消滅していく。
 その事を見事に教えてくれるのが9月2日の読売新聞の記事だ。
 それは、1992年のイタリアの総選挙と1993年のカナダの総選挙で大敗北を喫した与党が、その後どのような末路をたどったかを振り返った記事だ。
 いずれも吸収合併、分裂、解党、などの形で無残に消滅し、新しい政党が誕生している。
 そうであるならば、鳩山民主党政権の前に立ちふさがるのは、もはや自民党ではない。
 自民党に代わって抵抗勢力になるのが官僚組織と大手メディアである。
 見ているがいい。
 これから鳩山政権誕生のまでの間、予算編成や人事や、さまざまな政策をめぐって、官僚たちの静かな抵抗が繰り返され、その事が連日報道される。
 そしてそのような報道は、決して官僚批判一色の報道にはならない。
 官僚の抵抗に難渋する鳩山民主党政権の脆弱さをも浮き彫りにすることによって、民主党政権もまた自民党政権とかわらない、という失望感を読者に与える大手メディアの巧みな陰謀が読み取れる。
 大手メディアの鳩山民主党への静かな牽制は他にも至るところで見られる。
 たとえば米国紙に掲載された鳩山代表の論文叩きである。それが反米的であるというメッセージがいろいろな形でメディアに取り上げられる。
 閣僚人事や政権発足チームの進め方をめぐって、はやくも小沢支配の影響が民主党の分裂を誘っていると書きたてる(9月2日産経)。
 社民党、国民新党との政策の違いが連立の妨げになっていると書く(9月2日毎日、東京、産経)。
 これらは、いずれも鳩山民主党政権が抱える課題ではあることはその通りだ。
 しかし、だからと言ってそれらをことさらに書きたてる背景には、長年自民党政権と癒着してきた大手メディアが抱く鳩山新政権への不安、警戒があり、その劣勢を跳ね返そうとするメディアの牽制の意図があるのだ。

 鳩山代表に伝えたい。

 もはや自民党は敵ではない。これからの敵は官僚組織であり大手メディアと心得よ。
 そして、国民の声援を頼みとして、これら抵抗勢力と敢然と立ち向かって行け、と。
 国民を裏切らない限り負けるはずはない。勝てないと見てとったら、これら抵抗勢力は手のひらを返したように協力勢力に一変する。
 彼らもまた苦しい状況に追い込まれているのである。
 鳩山民主党の踏ん張りどころである。

★この他に、きょうの「天木直人メールマガジン」では次のテーマで配信しています。
 「米国から鳩山民主党に発せられた二つのメッセージ」
 「社民党と国民新党は勘違いをしてはいけない」

★天木ブログは http://www.amakiblog.com/blog/   
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”日本大好きさん”との旅(1)   文科系

2009年09月05日 00時44分35秒 | 文芸作品
27日にお知らせしたとおり、30~1日と旅に出かけた。その様子のさわりなどを報告してみたい。

30日朝9時、昨夜我が家に泊まった台湾系カナダ人のHさんらと鯖江経由で安宅の関目指して出発する。Hさんの23歳になる娘さん、Kさんと我が連れ合い、4人の旅だ。
Hさんは、2人目の子供であるKさんが8歳になるまで台湾にいて、大変な親日であられた祖父母とご両親に育てられた大の日本好き。今回3回目の訪日は例によって大好きな源義経の史跡巡りの他に、大きな商社を営んでいて98年に亡くなられたお父さんの日本人取引相手、友人との再会が含まれている。この親子、15年ほど前、Hさんの離婚がきっかけでカナダに移住して、僕ら夫婦とのつきあいは4年前に出かけたトロント滞在旅行以降始まったものだ。トロントへ日本語教師をしに行った連れ合いの弟子だった機縁を出発点として、以降メールが続き、2年前に1度単身で訪日・義経史跡巡り案内を行っている。ひよどりごえとか壇ノ浦とかまでを訪問した。全て彼女のたっての希望だが、何にもないところなのに、変な希望だなーと、連れ合いと顔を見合わせ、首をかしげあったものだ。
今回もすでにこれだけのことを済まされていた。義経の最期の地、平泉を訪ね、大宮でお父さんの取引相手・親友のお墓参りを済ませ、そして我が家ということだった。

やがて鯖江というころに、あらかじめアポイントが取ってあった藤田さんという方に電話。大きな眼鏡会社の会長さんらしい。すぐに、インターチェンジで待ち合わせて、日曜日とあって人っ子1人いない大きな会社ビルの応接間に案内される。70歳の藤田さんから、お父さんの思い出が延々と、まるでほとばしり出るように語られる。69歳のお父さんの死に目のその寸前にも立ち会われていて、ガンで弱られていったその様子などもしみじみと述懐されていく。余程お世話になり、お世話をし、あれこれの思い出があり、相互にどれだけ親しみを持たれていたかが感じられて、一つ一つの場面が目に浮かぶようだった。国はもちろん、商売をも越えた人間同士を、僕はあれこれと思い描いていたものである。

さて、驚いたことに藤田さんが、こう言われた。「安宅の関をご案内しましょう」と。5人の旅になった。(続く)
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