1年間に3度も中国を訪問した北朝鮮の金正日さん。
その目的は、行き詰った経済を中国の援助によって乗り越えるとともに
権力世襲について中国側の支持を取り付けることであろう。
しかし、今回の訪中では、中国側の態度に変化が見られる。
経済援助については、中国側は市場経済原理に基づいて
行われるべきだという立場を取り、一方的な支援にはほとんど応じていない。
権力の世襲についても、胡主席は、積極的な支持を与えなかった。
(これなど、金王朝がいまだに、前近代的な中華体制のなかに
自分を置いて、自国の安全保障を求めていることに表れであるが・・・)
小さな変化もある。金正日の行列に対する中国国民がインターネットで
不満を表明しても規制しなかった。
中国は、G2の一角を担うことになり、北朝鮮に対しても
新しいスタンスで接すること決めたようである。
早く独り立ちせよ、という強いメッセージを送ったのであろう。
金正日さんも、今回の訪問で期待した成果をあげられなかったことから
学ぶ力があれば、開放経済への改革を進めることになるであろう。
そして、これが最後のチャンスかもしれない。